アテゾリズマブ併用療法、進行肺がん1次治療でPD-L1発現、遺伝子ステータスに関わらずPFSの改善示す(IMpower-150)/AACR2018 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2018/04/24 米国がん研究会議年次集会(AACR2018)で、アテゾリズマブの第III相臨床試験IMpower-150の主要なサブグループの解析結果が発表され、非扁平上皮非小細胞肺がん(NCSLC)の1次治療において、アテゾリズマブの化学療法への追加によって、PD-L1発現、EGFR、ALKステータスに関わらないPFSの改善が示された。 IMpower-150試験はオープンラベル無作為化多施設共同試験 ・対象:転移を有する非扁平上皮NSCLC 1次治療患者(EGFR変異・ALK再構成陽性=EGFR+/ALK+含む) ・試験群 A群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(Atezo+CP)→アテゾリズマブ B群:アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(Atezo+CP+Bev)→アテゾリズマブ+ベバシズマブ ・C群(コントロール):カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ(CP+Bev)→ベバシズマブ ・評価項目:複合主要評価項目は治験担当医によるPFSおよびOS(ともにEGFR/ALK野生型のITT解析対象患者)、副次評価項目は治験担当医評価によるPFS(全ITT解析対象患者)、独立評価機関(IRF)評価によるPFS、その他ORR、DOR、安全性であった。 ESMO Immuno Oncology 2017おいて、EGFR/ALK野生型のITT解析対象(692例)でのPFSデータが報告され、Atezo+CP+Bev群の8.3ヵ月に対しCP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.62、p<0.0001)という結果であった。今回はAtezo+CP+Bev群対CP+Bev群における、PD-L1発現、エフェクターT細胞の関連遺伝子(Teff)発現、EGFR変異・ALK再構成、肝転移の有無といった主要なサブ解析の結果が発表された。 主な結果は以下のとおり。 ・PD-L1高発現患者(TC3またはIC3)のPFSは、Atezo+CP+Bev群12.6ヵ月、CP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.39)、低発現患者(TC1/2またはIC1/2)のPFSは、それぞれ8.3ヵ月と6.6ヵ月(HR:0.56)、発現なしのPFSは、それぞれ7.1ヵ月と6.9ヵ月(HR:0.77)であった ・Teff高発現患者のPFSは、Atezo+CP+Bev群11.3ヵ月、CP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.51)、低発現患者のPFSは、それぞれ7.3ヵ月と7.0ヵ月(HR:0.76)であった ・EGFR+/ALK+患者を含むITT解析対象全体(800例)のPFSは、Atezo+CP+Bev群8.3ヵ月、CP+Bev群6.8ヵ月(HR:0.61)であった ・EGFR+/ALK+患者のみ(108例)のPFSは、Atezo+CP+Bev群9.7ヵ月、CP+Bev群6.1ヵ月(HR:0.59)であった ・肝転移陽性(110例)のPFSは、Atezo+CP+Bev群8.2ヵ月、CP+Bev群5.4ヵ月(HR:0.40)であった。肝転移陰性(690例)のPFSは、それぞれ、8.3ヵ月と7.0ヵ月(HR:0.64)であった 一方、本年(2018年)3月にEGFR/ALK野生型におけるOSの改善が公表されたが、今回の会議では、具体的な数値は明らかにされなかった。 ■参考 IMpower150試験(Clinical Trials.gov) ■関連記事 atezolizumab併用療法、進行肺がん1次治療の第III相試験でPFSに有意差(IMpower150)/ESMO Immuno Oncology 2017 (ケアネット 細田 雅之) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20) [ あわせて読みたい ] 民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.3(2018/04/07) 志水太郎の診断戦略エッセンス (2018/03/07) 私が出合ったマジヤバイ胸部画像読本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第2回(2018/02/13) Dr.林の笑劇的救急問答13<下巻>(2018/02/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)(2018/02/07) Dr.林の笑劇的救急問答13<上巻>(2017/10/07) 国立国際医療研究センター総合診療科presents 内科インテンシブレビュー2017 (2枚組)(2017/09/07) Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)(2017/09/07)