早漏治療にはSSRI、トラマドールが有効?! 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/09/26 早漏の原因として、ノルアドレナリンやセロトニンなどの自律神経のバランス異常があると考えられている。これらノルアドレナリンやセロトニンの調整にはSSRIやSNRIなどの抗うつ薬が有する薬理作用が有効であるとも考えられる。中国のTao Wu氏らは、ノルアドレナリンやセロトニンの再取り込み阻害作用を有するがん疼痛治療剤トラマドールの早漏治療に対する有効性および安全性に関してメタアナリシスを行い検討した。Urology誌2012年9月号(オンライン版2012年7月26日号)の報告 Cochrane Library、MEDLINE、EMBASE、Science Citation Index Expandedを用いメタアナリシス、ランダム化および非ランダム化前向き試験を含む文献の検索を行った。エンドポイントは膣内射精潜時(分単位)、有害事象、患者報告によるアウトカム評価。膣内射精までの平均延長時間の差(mean difference)と有害事象を測定するためのオッズ比を算出した。オッズ比はランダム効果モデルまたは固定効果モデルを用いてプールし、異質性に関しても検証した。分析にはコクランのReview Manager (RevMan) 5.1ソフトを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・適格基準を満たす報告は7報あった。 ・抽出データのメタアナリシスでは、トラマドールはプラセボと比較し膣内射精潜時を3分延長したが(mean difference:2.77分、95%CI:1.12~4.47、p=0.001)、有害事象発現率は有意に多かった(オッズ比:2.89、95%CI:1.88~4.43、p<0.0001)。 ・トラマドールとSSRIであるパロキセチンとの間に膣内射精潜時の差は認められなかった(mean difference:-0.44、95%CI:-5.07 ~ 4.18、p=0.85)。 ・トラマドール使用により、患者報告によるアウトカム評価において有意な改善が認められた。 関連医療ニュース ・特にうつ病患者は要注意?慢性疼痛時のオピオイド使用 ・検証!「痛み」と「うつ」関係は? ・自殺予防に期待!知っておきたいメンタルヘルスプログラム (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Wu T, et al. Urology. 2012 Sep; 80(3): 618-624. Epub 2012 Jul 26. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22)