双極性障害の再発予防に対し、認知療法は有効か? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/12/20 双極性障害患者は薬物療法を継続してもなお、再発するケースが少なくない。再発抑制を目指し、近年注目されているのがマインドフルネス認知療法(MBCT)である。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のT Perich氏らは、12ヵ月間のフォローアップを行ったランダム化比較試験により、双極性障害患者の治療におけるMBCTの有用性を検証した。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2012年12月9日号の報告。 対象はDSM-IVで双極性障害と診断された患者95例。通常療法+MBCT実施群48例と通常療法単独群47例に無作為に割り付けた。主要評価項目は、DSM-IVの大うつ病、軽躁、軽躁エピソードの再発までの期間、モントゴメリー/アスベルグうつ病評価尺度(MADRS)、ヤング躁病評価尺度(YMRS)とした。副次的評価項目は再発回数、うつ病・不安ストレススケール(DASS)、特性不安尺度(STAI)とした。 主な結果は以下のとおり。 ・気分エピソードの最初の再発までの期間、12ヵ月間の再発合計回数は両群間で有意な差が認められなかった(ITT解析)。 ・MADRS、YMRSのスコアも両群間で有意な差は認められなかった。 ・STAIの不安状態スコアにおいては、両群間に有意な差が認められた。 ・DASSのアチーブメントサブスケールの治療反応時間に有意な差が認められた。 ・今回の試験では、MBCTは主要評価項目に対する有用性は認められなかったものの、双極性障害に併存する不安症状の軽減に対し有効である可能性が示唆された。 関連医療ニュース ・アリピプラゾールが有用な双極性障害の患者像とは? ・うつ病の5人に1人が双極性障害、躁症状どう見つける? ・双極性I型障害におけるアリピプラゾールの有効性-AMAZE試験より- (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Perich T, et al. Acta Psychiatr Scand. 2012 Dec 9. doi: 10.1111/acps.12033. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21)