難治性双極性障害患者への併用療法は? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/01/29 双極性障害に適応を有する薬剤はいくつか承認されているが、薬物治療に奏功しないケースも少なくない。A González Isasi氏らは、難治性双極性障害患者に対し、標準的薬物治療に心理療法や認知行動療法を併用することの有用性に関して、5年間の追跡調査を行い評価した。European psychiatry : the journal of the Association of European Psychiatrists誌オンライン版2012年12月28日号の報告。 対象は薬物治療を実施している双極性障害患者40例。対象患者を心理教育や認知行動療法を併用した併用群と薬物療法のみの対照群のいずれかに無作為に割り付けた。評価は、複数の時点で行った。分析には分散分析(ANOVA)を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・治療後、すべての評価時点で両群間に有意な差が認められた。 ・12ヵ月後の評価時点において、併用群は対照群よりも入院イベントが少なかった(p=0.015)。 ・6ヵ月後、12ヵ月後、5年後の評価時点において、併用群は対照群よりも抑うつ症状、不安が少なかった〔各々、6ヵ月(p=0.006、p=0.019)、12ヵ月後(p=0.001、p<0.001)、5年後(p<0.001、p<0.001)〕。 ・躁症状や適応不良は治療後すぐに有意な差がみられ(p=0.009、p<0.001)、その後も持続した〔各々、6ヵ月(p=0.006、p<0.001)、12ヵ月後(p<0.001、p<0.001)、5年後(p=0.004、p<0.001)〕。 ・5年間の追跡調査において、対照群の88.9%、併用群の20%で持続的な情動症状や社会・就業機能困難(両方またはどちらか)がみられた。 ・難治性双極性障害患者に対する、薬物療法と心理教育や認知行動療法の併用は長期的な効果が期待できる。 関連医療ニュース ・難治性の強迫性障害治療「アリピプラゾール併用療法」 ・双極性障害の再発予防に対し、認知療法は有効か? ・双極性障害患者の長期健康状態の独立予測因子は○○ (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら González Isasi A, et al. Eur Psychiatry. 2012 Dec 28. pii: S0924-9338(12)00138-1. doi: 10.1016/ j.eurpsy.2012.11.002. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21)
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