薬物依存合併の初発統合失調症患者、精神症状の程度に違いがあるか? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/04/26 ドイツ・ゲオルク・アウグスト大学のT. Wobrock氏らは、初発統合失調症患者において、薬物使用障害(薬物乱用または依存:SUD)合併の有無による精神病理および神経認知機能に及ぼす影響を検討した。その結果、統合失調症患者のSUD合併例と非合併例の、精神薬理および神経精神機能は同様であることを報告した。先行研究およびメタ解析では、コントラバーシャルな結果が示されており、大半の研究は母集団が小さく、かつ初発統合失調症患者のみに焦点をあてたものではなかった。Schizophrenia Research誌オンライン版2013年3月25日号の掲載報告。 研究グループは、European First Episode Schizophrenia Trial(EUFEST)の事後解析を行い、SUD合併患者(初発統合失調症-SUDあり119例:内訳はベースライン時にSUDあり88例、SUDの既往31例)と、SUD非合併患者(初発統合失調症-SUDなし204例)のベースラインおよび観察期間6ヵ月における精神薬理と認知行動を比較検討した。神経認知機能は、Rey Auditory Verbal Learning Test(RAVLT)、Trail Making Tests A and B (TMT)、Purdue Pegboard and Digit-Symbol Codingにより評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・患者の31.1%がSUDを合併しており、22.2%が大麻を使用していた。 ・SUD合併患者と非合併患者の間で、PANSSスコア、錐体外路症状、神経認知機能において有意な差は認められなかった。ただし、観察期間6ヵ月時、SUD合併患者では精神運動速度に関してより良好な状況がみられた(TMT-A、p=0.033、Cohen's d=0.26)。 ・興味深いことに、観察時点で薬物使用中のSUD患者は、使用を控えている患者と比べて、陽性症状の増加がみられた(PANSS陽性スコア、p=0.008、Cohen's d=0.84)。 ・16歳以前にSUDを発症した患者では、ベースラインのPANSSスコアが高かった。 ・さらに、大麻を高頻度に使用している患者において、症状改善の減少および錐体外路症状との関連だけでなく、大麻の使用期間が長いほど認知機能が高いという関連が示された。 関連医療ニュース ・統合失調症患者とタバコ、どのような影響を及ぼすのか? ・薬剤誘発性高プロラクチン血症への対処は? ・統合失調症の陰性症状有病率、脳波や睡眠状態が関連か (ケアネット) 原著論文はこちら Wobrock T et al. Schizophr Res. 2013 Mar 25. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1受容体作動薬、物質使用障害の予防や治療に有効か/BMJ(2026/03/13) 最新の人工股関節、30年後も92%が再置換術不要/Lancet(2026/03/13) nalbuphine:IPFに伴う慢性咳嗽に対する新しいアプローチ(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)(2026/03/13) 末梢動脈疾患(PAD)の症状改善にメトホルミンは無効(解説:小川大輔氏)(2026/03/13) PHSは過去のもの?それとも現役?/医師1,000人アンケート(2026/03/13) 胃がん術後の早期経口摂取、ガイドライン記載も実施は2割/日本胃癌学会(2026/03/13) 日本における妊娠および授乳中のブレクスピプラゾール投与、その安全性を評価(2026/03/13) 脳外傷後の迅速な神経リハがアルツハイマー病のリスクを抑制する(2026/03/13) エクソーム解析で家族性高コレステロール血症の遺伝子変異保有者を特定可能(2026/03/13) 身体活動習慣を維持することが中年期の累積ストレスの少なさと関連(2026/03/13)