認知機能トレーニング/リハビリテーションはどの程度有効なのか?

提供元:ケアネット

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公開日:2013/06/14

 

 認知機能障害、とくに記憶障害は、アルツハイマー病(AD)および脳血管性認知症の早期ステージを規定する特徴であり、認知機能トレーニングおよび認知機能リハビリテーションは、それらの障害に特異的な介入アプローチである。オーストラリア国立大学のAlex Bahar-Fuchs氏らは、その有効性や介入がもたらす影響についてアップデートレビューを行った。Cochrane database of systematic reviewsオンライン版2013年6月5日掲載の報告。

 今回の最新レビューの目的は、軽度のADあるいは脳血管性認知症を有する人への認知機能トレーニングおよび認知機能リハビリテーションの有効性とインパクトを評価することであった。評価は、重大な認知および非認知アウトカムとの関連で行い、認知症患者と主要介護者それぞれに、短・中・長期的に行った。文献は、2012年11月2日時点での最新のものを複数の文献データベースを基に検索・収集した。試験適格基準は、英語で発表された無作為化試験(RCT)、ならびに認知機能リハビリテーションまたは認知機能トレーニングの介入を対照介入と比較しているもので、認知症者本人や家族介護者(またはその両方)の評価に適切なアウトカムを報告していることとした。

 主な結果は以下のとおり。

・レビューには、認知機能トレーニング介入について報告していた11試験、認知機能リハビリテーション介入について報告していた1試験が組み込まれた。後者は効果サイズを調べることは可能であったが、メタ解析は行えなかった。
・解析の結果、認知機能トレーニングは、報告された全アウトカムに関してプラスまたはマイナスいずれの効果とも関連がみられなかった。
・全体的に試験の質は、低~中等度であった。
・唯一であったリハビリ介入試験は、多数の患者・介護者のアウトカムに関して有望な結果が認められた。また概して質も高かった。
・著者は、「認知機能トレーニングのエビデンスはなお限られており、エビデンスの質を改善する必要がある。認知機能トレーニングから得られる有意な利点はいまだ示されていない」と結論。また、介入によって生じるいくつかの増大効果を十分に捉えることができる標準的転帰尺度が獲得できていないことに言及した。
・認知機能リハビリテーションに関する1試験については、「有望ではあるが予備的報告にとどまるもの」と述べている。
・以上を踏まえて、よりよいデザインの試験によるさらなる検討を行い、明確なエビデンスを求めていくことが必要であること、研究者は、有用な用語を用いて適正に、介入について描出・分類しなければならないと指摘した。

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(ケアネット)