心臓デバイス感染性心内膜炎、早期デバイス摘出で死亡率は半減

提供元:ケアネット

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公開日:2012/05/15

 



心臓デバイス感染性心内膜炎(cardiac device infective endocarditis:CDIE)の患者では、弁病変を併発している割合が高く1年死亡率が約15%と高いこと、一方で早期にデバイス摘出を行うことで、同死亡リスクは半分以下に減少することが報告された。オーストラリア・Barwon HealthのEugene Athan氏らが、28ヵ国の医療機関を通じて行った前向きコホート試験の結果、明らかにしたもので、JAMA誌2012年4月25日号で発表した。

CDIEの医療ケア関連の感染は45.8%




研究グループは2000年6月~2006年8月にかけて、28ヵ国、61ヵ所の医療施設を通じて、2,760人の感染性心内膜炎の患者について前向きコホート試験を行った。被験者のうち、CDIEとの診断を受けた177人(6.4%)について追跡した。

CDIEの人は、より高齢(年齢中央値:71.2歳)で、ブドウ球菌による感染が多く(黄色ブドウ球菌:62人、35.0%、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌:56人、31.6%)、医療ケア関連の感染が81人(45.8%)と高率だった。
初回入院時のデバイス摘出で、1年死亡リスクは0.42倍に




また、弁病変の合併症が認められたのは66人(37.3%)で、そのうち43人(CDIEの24.3%)が三尖弁感染症だった。

弁病変の合併症のある人は、そうでない人に比べ、1年死亡率は有意に高率だった。入院死亡率は14.7%(26人)で、1年死亡率は23.2%(41人)だった。

1年死亡率は、初回入院時にデバイス摘出を行った群では141人中28人(19.9%)と、同摘出を行わなかった群の34人中13人(38.2%)に比べ、リスクが半分以下(ハザード比:0.42、95%信頼区間:0.22~0.82)に減少した。

(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)