統合失調症における長期転帰の予測因子は「男性」「顕著な陰性症状」 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/11/15 統合失調症患者の長期転帰を改善することは、重要な課題であり、さまざまな研究が行われている。しかし、過去の統合失調症における経過や転帰を研究した報告を比較するにあたっては、異なる診断システムが用いられていることにより限界があった。Lang FU氏らは、精神病理学的な観点から長期の転帰に焦点を当て、DSM-III、DSM-III-R、DSM-IV、ICD-10を用いたフォローアップ研究のレビューを行った。Acta psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2012年11月9日号の報告。 2011年までに報告された統合失調症における経過や転帰に関する研究を、MEDLINE、コクラン比較試験レジスタ、EMBASE、PsycINFO、PSYNDEXで検索を行った。抽出された研究のうち、最終的には21報の研究が分析に用いられた。 主な結果は以下のとおり。 ・統合失調症の長期転帰は不均一であり、完全寛解ならびに重度の慢性期患者が含まれていた。 ・統合失調症では、統合失調感情障害や情動障害などの他診断群と比較し、非常に不利な結果が示された。 ・精神病理学的症状は比較的安定していた。 ・統合失調症患者における予後不良の予測因子は、男性、顕著な陰性症状であった。 ・統合失調症患者の長期転帰に対する治療介入の影響は依然として不明なままである。 関連医療ニュース ・初回エピソード統合失調症患者、長期予後予測に新基準! ・抗精神病薬の効果をどのタイミングで見極めるべきか? ・「第二世代抗精神病薬」長期投与の課題は… (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Lang FU, et al. Acta Psychiatr Scand. 2012 Nov 9. doi: 10.1111/acps.12030. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20)