抗てんかん薬の長期服用者、80%が骨ミネラル障害 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/03/25 難治性てんかんで抗てんかん薬を長期服用する患者における、骨粗鬆症など骨ミネラル障害の有病率が報告された。オランダ・マーストリヒト大学医療センターのK. Beerhorst氏らが同患者を対象に行った断面調査の結果、80%が低骨塩量(BMD)症状を有していたという。またそのうち半数超が50歳未満であった。著者は「本研究は、慢性てんかん患者における骨ミネラル障害の問題が大きいことを実証している」と結論している。Acta Neurologica Scandinavica誌オンライン版2013年3月6日号の掲載報告。 抗てんかん薬の長期服用と、低BMD、骨折、骨代謝異常との関連は知られているが、研究グループは、同薬を服用する難治性てんかん患者における骨ミネラル障害の有病率を明らかにすることを目的に断面調査を行った。被験者は、重度てんかん医療センターの1病棟から集めた成人患者205例であった。骨ミネラル障害は、脊椎と大腿骨部の二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)スキャンによるスクリーニング(骨塩量と脊椎骨折の評価など)とラボ検査により解析した。被験者の人口統計学的情報やてんかん症状および医療情報などを記録し、DXA-Tスコアに基づき、骨ミネラル障害(骨減少症、骨粗鬆症)の割合を算出した。DXA-Tスコアと、てんかん尺度との相関性についても調べた。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者205例のうち10例が途中脱落し、195例について解析した。 ・被験者のうち80%(156/195例)に低BMDが認められた。骨減少症を有していたのは48.2%、骨粗鬆症は31.8%に認められた。 ・低BMD患者のうち、51.9%(81/195例)は18~50歳であった。 ・大腿骨頚部のTスコアは、てんかん発作の総期間、薬物負荷の累積、骨折の病歴と有意な関連性がみられた。 ・線形回帰分析の結果、薬物負荷の累積だけが大腿骨頸部Tスコアの低値を有意に予測した(p=0.001)。 関連医療ニュース ・てんかん患者の50%以上が不眠症を合併! ・統合失調症患者は“骨折”しやすいって本当? ・「頻発する腰痛」と「頭痛」の関係 (ケアネット) 原著論文はこちら Beerhorst K et al. Acta Neurol Scand. 2013 Mar 6. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 骨髄線維症、移植後30日目の変異消失が予後に関連/NEJM(2025/01/30) 小児の急性単純性虫垂炎、抗菌薬は切除に非劣性示せず/Lancet(2025/01/30) 日本人の認知症予防に有効な緑茶やコーヒーの摂取量は(2025/01/30) 65歳以上の全女性に骨粗鬆症スクリーニングを推奨――USPSTF(2025/01/30) 見直されるガバペンチンの転倒リスク、安全性に新知見(2025/01/30) 肥満症治療薬、減量効果が特に高いのはどれ?(2025/01/30) 鳥インフルエンザによる死亡例、米国で初めて確認(2025/01/30)