初回エピソード統合失調症患者に対する薬物治療効果の予測因子は 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/05/21 抗精神病薬による治療歴のない統合失調症患者において、薬物治療開始後6ヵ月間は臨床反応が一律ではないことが、フランス・INSERM 669(パリ第11大学とパリ第5大学)のC. Nordon氏らにより、明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「初回エピソード患者における治療戦略は、回復の機会を逸することのないよう、症状の重症度と治療早期の臨床反応に注意すべきである」と結論している。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2013年4月18日号の掲載報告。 本検討は、抗精神病薬未投与の統合失調症患者の投与開始6ヵ月間の臨床反応の不均一性を調べること、およびアウトカムの予測因子を評価することを目的とした。フランス国内における467例の被験者を対象とし、6ヵ月間にわたって追跡した。臨床反応の軌跡は、臨床上の医師の印象による重症度(CGI-S)スコアを用いて、ベースライン、1、3、6ヵ月時点で測定し、潜在クラス成長分析(LCGA)を行い検討した。また、回帰モデルを用いて軌道の予測因子を特定した。 主な結果は以下のとおり。 ・被験者467例は、臨床反応によって5群に分類された。内訳は、迅速反応群(45例)、段階的反応群(204例)、症状軽度残存群(133例)、症状重度残存群(23例)、非持続的反応群(62例)であった。 ・6ヵ月間の臨床反応の予測因子は、ベースラインでのCGI-Sスコア(オッズ比[OR]:3.1、95%CI:2.1~4.4)と、陰性症状(同:1.5、1.2~1.9)であった。 ・段階的反応との比較における迅速反応の予測因子は、仕事を持っている(OR:2.5、95%CI:1.2~4.9)のみであった。 関連医療ニュース ・抗精神病薬投与前に予後予測は可能か? ・統合失調症患者の再発を予測することは可能か? ・第一世代 vs 第二世代抗精神病薬、初回エピソード統合失調症患者に対するメタ解析 (ケアネット) 原著論文はこちら Nordon C et al. Acta Psychiatr Scand. 2013 Apr 18. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] アルドステロン産生腺腫に対する超音波内視鏡下経胃高周波アブレーション/Lancet(2025/02/21) 肥満者の鎮静下内視鏡検査、高流量鼻カニューレ酸素投与で低酸素症が減少/BMJ(2025/02/21) 妊娠糖尿病とメトホルミン―「非劣性試験で有意差なし」の解釈は難しい(解説:住谷哲氏)(2025/02/21) 第22回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2025(2025/02/21) 1日1杯の緑茶が花粉症を抑制か~日本人大規模コホート(2025/02/21) 日本における第2世代抗精神病薬誘発性ジストニア〜JADER分析(2025/02/21) 50代の半数がフレイルに相当!早めの対策が重要/ツムラ(2025/02/21) 飲食店メニューのカロリー表示は摂食障害の患者にとって有害(2025/02/21)