統合失調症に対し抗精神病薬を中止することは可能か 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/08/13 統合失調症治療では、急性期に使用した薬剤をそのまま維持期でも使用することが少なくない。そのため、抗精神病薬誘発性の副作用などにより、維持期統合失調症患者の社会的機能低下が問題となる。ノッティンガム大学のStephanie Sampson氏らは、維持期における間欠的な抗精神病薬治療が有用かを検討した。Schizophrenia bulletin誌オンライン版2013年7月16日号の報告。 著者らは、コクラン統合失調症グループの試験登録(2012年4月)を検索し、関連する研究の著者に連絡を取ったり、参考文献リストの作成を行うなどしてこれを補足した。 主な結果は以下のとおり。 ・関連するランダム化試験(RCTs)が17試験抽出された。 ・再発例は、長期にわたり抗精神病薬の間欠的投与を受けた群で有意に高かった(436例、RCTs:7試験、RR:2.46、95%CI:1.70~3.54)。 ・間欠的投与はプラセボより有効であったが、間欠的に抗精神病薬を服用している患者では中期までに再発する例は有意に少なかった(290例、RCTs:2試験、RR:0.37、95%CI:0.24~0.58)。 ・間欠的な抗精神病薬治療は、統合失調症患者の再発を防ぐために連続的治療ほどの効果はないものの、無治療よりは有意に優れることが示された。 関連医療ニュース 維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か 新規抗精神病薬は患者にどう評価されているか? 青年期統合失調症の早期寛解にアリピプラゾールは有用か? (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Sampson S, et al. Schizophr Bull. 2013 Jul 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 英国の過去20年の新薬導入、公衆衛生への影響を評価/Lancet(2024/12/31) 中等症~重症の潰瘍性大腸炎、グセルクマブは有効かつ安全/Lancet(2024/12/31) おそらく後進国(資源の限られた国)における血友病治療の光となる新たな遺伝子治療(解説:長尾梓氏)(2024/12/31) 糖尿病性腎症、コーヒーによるリスク減は摂取時間が重要(2024/12/31) アルツハイマー病治療の新時代、新規治療薬の承認でどう変わるか(2024/12/31) 高齢者への2価RSVワクチン、入院/救急外来受診リスクを低減(2024/12/31) ARBは脳卒中後のてんかん予防に効果的(2024/12/31) 糖尿病予備群が大動脈弁狭窄症を引き起こす(2024/12/31) スポーツの「観戦」にも有意な健康効果―日本人対象の縦断的研究(2024/12/31)