とくにうつ病患者は要注意?慢性疼痛時のオピオイド使用 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/09/24 オピオイド製剤はがん性疼痛だけでなく慢性疼痛に対しても有用であると報告されている。しかし、患者の自己判断による治療中止率は高く、オピオイド治療を継続させるためにはオピオイドの有用性の認知について対策が重要である。米国Howe氏らは有効なオピオイドによる治療を受けている患者において、オピオイド治療の中止あるいは減量を望む予測因子を検討するため、オピオイド使用に関する両価性とうつ病について調査した。Clin J Pain誌2012年9月号の報告。 オピオイド療法により疼痛管理可能であった非がん性疼痛患者1,737例における横断調査を実施した。オピオイド使用に関する両価性は患者からオピオイド使用の中止や減量に関する訴えにより評価した。うつ病は8項目の患者健康調査票を用い評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・オピオイドが有効だとわかっていても、43.3%の患者はオピオイドの中止または減量を望んでいた。 ・オピオイドの中止または減量を望む患者の半数は、望まなかった患者の3分の1 と比較し有意に臨床的な抑うつ状態であった(p<0.0001、共分散分析)。 ・オピオイドの中止または減量を望む患者は、オピオイドに関する心理社会的問題やオピオイドのコントロールに懸念を抱く割合が有意に高かった。 オピオイドによる治療が奏効している患者においても、オピオイド使用に抱く両価性は高い。加えて、うつ病患者ではオピオイド使用を疑問視する可能性が高いと考えられる。Howe氏らは「まずは、長期的オピオイド使用で効果不十分な患者に対しては、オピオイドの減量または中止を考慮する必要がある」と結論づけた。 関連医療ニュース ・検証!日本人統合失調症患者の脂質プロファイル ・検証!「痛み」と「うつ」関係は? ・せん妄を有する高齢入院患者の死亡リスクは高い! (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Howe CQ, et al. Clin J Pain. 2012 Sep; 28(7): 561-566. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 複雑CAD併存の重症AS、FFRガイド下PCI+TAVI vs.SAVR+CABG/Lancet(2024/12/20) 慢性心血管系薬のアドヒアランス不良、リマインドメッセージでは改善せず/JAMA(2024/12/20) “Real-world”での高齢者に対するRSVワクチンの効果(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)(2024/12/20) 切除不能肝細胞がん、アテゾ+ベバがTACEの代替となる可能性/ESMO Asia2024(2024/12/20) EGFR陽性NSCLCの1次治療、オシメルチニブ+化学療法のアジア人データ(FLAURA2)/ESMO Asia2024(2024/12/20) 進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ(2024/12/20) 導入療法後に病勢進行のないHR+/HER2+転移乳がん1次治療、パルボシクリブ追加でPFS改善(PATINA)/SABCS2024(2024/12/20) 統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化(2024/12/20) SGLT2阻害薬はがん発症を減らすか~日本の大規模疫学データ(2024/12/20)