体重に関する“いじめ”はうつ病のリスクファクター 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/10/01 太っている子供はいじめられやすい傾向がある。そして体重に関連するいじめは、うつ病や摂食障害を引き起こすリスクとなる。米国Madowitz氏らは肥満児に対するいじめがうつ病発症のリスク上昇や不健康な体重管理行動と関連するかを検証した。その結果、著者らは「体重に関連するいじめに悩む肥満児は、通常体重の子供と比較しうつ病のレベルが高い」ことを、Pediatr Obes誌オンライン版2012年9月19日号で報告した。 対象は肥満児80名(平均年齢:10.03歳、平均BMI:27.37、白人比率:29.37%、女性比率:58.8%)。肥満児における体重に関するいじめと、うつ病、不健康な体重管理行動(UWCBs)との関係を調査した。自己申告調査により、抑うつ症状、UWCBs、いじめの有無や原因、頻度などを収集した。分析には年齢や性別をコントロールした後、ロジスティック回帰分析、線形回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・他の子供からいじめを受けた肥満児はうつ病のレベルが有意に高く(B=6.1 [SE=2.3])、5回以上のUWCBsを経験していた(OR=5.1 [CI=1.5~17.4])。 ・同級生からいじめを受けた肥満児はうつ病のレベルが有意に高かった(B=2.3 [SE=0.8])。 ・体重に関するいじめの頻度、件数は抑うつ症状と有意に関連していた(それぞれ、B=2.5 [SE=0.8]、B=4.6 [SE=1.5])。 ・家族によるいじめとの有意な相関は認められなかった。 関連医療ニュース ・自殺リスクの危険因子の検証、年齢別のうつ症状との関係は? ・うつ病の予測因子は青年期の「腹痛」? ・太る!境界性人格障害「MetS有病率2倍」 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Madowitz J, et al. Pediatr Obes. 2012 Sep 19. doi: 10.1111/j.2047-6310.2012.00078.x. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 糖尿病前症の生活改善、AI介入が人間に非劣性/JAMA(2025/11/07) 手術低リスク重症大動脈弁狭窄症、TAVR vs.手術の7年追跡結果/NEJM(2025/11/07) ベルイシグアトはHFrEF治療のファンタスティック・フォーに入れるか?―VICTOR試験(解説:原田和昌氏)(2025/11/07) CLL治療のアンメットニーズを埋めるピルトブルチニブ(2025/11/07) 抗うつ薬治療で効果不十分なうつ病患者に対するブレクスピプラゾール補助療法の有用性(2025/11/07) 中年期に食事を抜くと将来フレイルになる可能性/長寿研(2025/11/07) 慢性便秘の改善にキウイが有効(2025/11/07) ホスピスでよく使われる薬は認知症患者の死亡リスクを増加させる(2025/11/07)
Madowitz J, et al. Pediatr Obes. 2012 Sep 19. doi: 10.1111/j.2047-6310.2012.00078.x. [Epub ahead of print]