統合失調症患者の「自傷行為」に関連する予測因子 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/10/26 精神疾患患者の自殺予防は、日本のみならず世界各国で重要な課題となっている。英国 シェフィールド大学Pluck氏らは、統合失調症患者の自傷行為における臨床的および神経心理学的側面を人口統計学的に調査し、臨床的介入に最も関連する独立した予測因子の検証を行った。Eur Psychiatry誌オンライン版2012年10月9日号の報告。 対象は、統合失調症患者87例。対象患者に対し薬物乱用、うつ症状、自暴自棄、陽性/陰性症状、病識に関する項目を調査した。神経心理学的評価は、病前のIQ、継続的なパフォーマンステスト、認知機能、衝動性にて評価した。3ヵ月間前向きに医療記録の調査を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・過去に自殺未遂を含む自傷行為を認めた患者は59例(68%)。 ・自傷行為の経験を有する患者は、経験のない患者と比較し、うつ症状、自暴自棄、衝動性、自傷行為の家族歴をもつ割合が有意に高かった。 ・3ヵ月の前向き調査期間中に自傷行為がみられた患者5例は、過去に自傷行為を経験しており、初期から抑うつ傾向が認められることが多かった。 ・ロジスティック回帰によると、統合失調症患者における自傷行為の独立した危険因子は発症前の高いIQと多剤乱用であった。 ・うつ症状は、過去およびフォローアップ期間中の自傷行為の独立した予測因子であった。 関連医療ニュース ・100年前と比べ統合失調症患者の死亡は4倍増、最大の死因は自殺 ・自殺リスクの危険因子の検証、年齢別のうつ症状との関係は? ・双極性障害患者の自殺企図、テストステロンレベルと相関 (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Pluck G, et al. Eur Psychiatry. 2012 Oct 9. pii: S0924-9338(12)00099-5. doi: 10.1016/ j.eurpsy. 2012.08.003. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 冠動脈疾患へのPCI、FFRガイド下vs.IVUSガイド下/Lancet(2025/04/18) 症候性発作性AFのアブレーション、パルスフィールドvs.クライオバルーン/NEJM(2025/04/18) iPS細胞移植、パーキンソン病患者の脳内でドパミン産生を確認/京大(2025/04/18) カピバセルチブ使用時の高血糖・糖尿病ケトアシドーシス発現についての注意喚起/日本糖尿病学会(2025/04/18) 非専門医による診療機会を考慮、成人先天性心疾患診療ガイドライン改訂/日本循環器学会(2025/04/18) 通院費増で遺伝子変異に関連した治験への参加率が低下、制度拡充が必要/国立がん研究センター(2025/04/18) 双極症における片頭痛と関連する臨床的特徴(2025/04/18) 臓器の生物学的老化の加速は疾患リスクに影響する(2025/04/18)
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