てんかんを持つ人のうつ病発症を理解することが急務

提供元:ケアネット

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公開日:2012/11/12

 

 てんかんを持つ人は、生涯にわたってうつ病や不安症に罹患する可能性が高いが、その最大リスクは明らかとなっていない。そうした中で、潜在的に重大なリスク因子として心理社会的要因が示唆されている。オーストラリア・シドニー大学のGandy氏らは、システマティックレビューを行い、心理社会的要因が予測因子となうるのか、エビデンスを精緻に評価した。J Affect Disord誌2012年11月号の報告。

 MEDLINE、PsycINFO、Web of Scienceの電子データベースを検索し、実証されている質問票を用いてうつ病および不安症の症状を評価し、潜在的に重要なてんかん因子の仕組みについて対照評価している試験を解析に組み込んだ。Quality Index Scale(QIS)を評価基準として用いた11試験が同定された。

 主な結果は以下のとおり。

・11試験中10試験で、1つ以上の有意なうつ病予測因子がみつかった。
・不安症を評価していた全6試験でも、1つ以上の有意な予測因子がみつかった。
・一方で本研究は、全体のQISスコアが15点中7.5点にとどまり、解析に含んだ多くの試験のデザインに限界があった。心理社会的要因の尺度について、試験間でのばらつきも大きかった。
・結論として本研究では、てんかん患者のうつ病発症について、帰属的理論とスティグマの重要性は裏付けられなかった。
・疾患表出の仕組みに関する裏付けは首尾一貫していなかった。しかし、ストレスと自己効力感の役割については支持できる可能性があった。
・対処戦略と認知された社会的サポートの役割については、確固たる裏付けが認められた。
・心理社会的因子は潜在的に修正可能であることから、てんかんを持つ人のうつ病発症の仕組みをより理解することは、効果的な治療を導くために急を要することである。

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(ケアネット)