統合失調症“再発”の危険因子は?

提供元:ケアネット

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公開日:2013/04/17

 

 統合失調症治療において再発を抑制することはきわめて重要な課題である。フィンランド・ヘルシンキ大学のTiina Talaslahti氏らは、高齢の統合失調症外来患者に対する第一世代抗精神病薬および第二世代抗精神病薬の使用状況を明らかにし、再発との関連を検討した。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2013年4月5日号の報告。

 フィンランドのレジスタより、統合失調症または統合失調感情障害を有する64歳以上の患者サンプル8,792例を抽出した。第一世代抗精神病薬(FGA)と第二世代抗精神病薬(SGA)の使用データは、1998年から2003年の期間で追跡調査した。精神科入院に関する因子は、1999年の再発データよりロジスティック回帰分析を用い検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・SGAの使用率は2.8%から12.4%に増加し、FGAの使用は57.5%から39.4%に減少した。
・SGAとFGAの併用率は4.0%から8.5%に増加した。
・抗精神病薬の投与を行っていない患者の割合は35.8%から39.7%の間で変化した。
・1年以内に精神科病棟に入院した患者は8.8%であった。
・再発に関する独立した危険因子は、FGAとSGAの併用(OR:1.70、p=0.001)、抗うつ薬の使用(OR:1.27、p=0.019)であった。
・心血管疾患の診断は、統合失調症の再発リスクと負の相関を認めた(OR:0.84、p=0.040)。

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(ケアネット 鷹野 敦夫)