血液透析患者は「肉・魚・野菜」のバランスが大事~国内コホート研究より

提供元:ケアネット

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公開日:2015/02/10

 

 血液透析患者の実際の食事パターンと臨床転帰との関連性については、ほとんど知られていない。九州大学の鶴屋 和彦氏らは、わが国の血液透析患者における食事パターンを特定し、臨床転帰との関連を調べた。その結果、肉・魚・野菜のバランスが悪い食事(肉・魚に比べて野菜の摂取量がかなり多い)は重大な臨床転帰と関連していた。この結果から著者らは「血液透析患者は食物摂取の制限だけではなく、この3群についてバランスのよい食事をするように努力すべきであることを示している」と指摘した。PLoS One誌2015年1月21日号に掲載。

 著者らは、久山町研究(2007年)における一般集団の参加者3,080人のデータ、およびJapan Dialysis Outcomes and Practice Patterns Study(JDOPPS、2005~2007年)における血液透析患者1,355人のデータを使用し検討した。食物摂取量は、簡易式自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いて測定した。食事パターンと有害な臨床転帰(心血管疾患による入院または全死亡)の関連性について、Cox回帰を用いて検討した。

 主な結果は以下のとおり。

・肉、魚、野菜の3つの食品群を同定し、これらを基に「バランスのよい食事」「バランスの悪い食事」「その他」の3つの食事パターンに分類した。

・潜在的交絡因子の調整後、「バランスの悪い食事」と重大な臨床イベントとの間に関連性が認められた(ハザード比1.90、95%CI:1.19~3.04)。

(ケアネット 金沢 浩子)