1.
最新 神経眼科エッセンスマスター-診察の基本と疾患別の診療の実際
2024/11/19 医学のしおり
最新 神経眼科エッセンスマスター-診察の基本と疾患別の診療の実際
https://www.carenet.com/store/book/cg004988_index.html
一般名 | エダラボン注射液 |
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YJコード | 1190401A1023 |
剤型・規格 | 液剤・30mg20mL1管 |
薬価 | 2019.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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1.
最新 神経眼科エッセンスマスター-診察の基本と疾患別の診療の実際
2024/11/19 医学のしおり
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2.
帯状疱疹後神経痛、crisugabalinが有効
2024/10/30 医療一般
帯状疱疹後神経痛、crisugabalinが有効
https://www.carenet.com/news/general/carenet/59525
3.
第235回 第III相試験の壁高し~スタチンの多発性硬化症治療効果示せず
2024/10/08 バイオの火曜日
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https://www.carenet.com/hihyotue/235.html
4.
令和の熱血指導【Dr. 中島の 新・徒然草】(547)
2024/09/19 Dr.中島の新・徒然草
令和の熱血指導【Dr. 中島の 新・徒然草】(547)
https://www.carenet.com/report/nakajima/cg004410_547.html
5.
わが国初のダニ媒介性脳炎予防ワクチン「タイコバック水性懸濁筋注」【最新!DI情報】第23回
2024/09/17 最新!DI情報
わが国初のダニ媒介性脳炎予防ワクチン「タイコバック水性懸濁筋注」【最新!DI情報】第23回
https://www.carenet.com/pharmacist/di/cg004391_023.html
1).脳梗塞急性期に伴う神経症候、日常生活動作障害、機能障害の改善。2).筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制。(効能又は効果に関連する注意)5.1.〈筋萎縮性側索硬化症(ALS)〉臨床試験に組み入れられた患者のALS重症度分類、呼吸機能等の背景及び試験ごとの結果を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.3-17.1.5参照〕。5.2.〈筋萎縮性側索硬化症(ALS)〉ALS重症度分類4度以上の患者及び筋萎縮性側索硬化症<ALS>で努力性肺活量が理論正常値の70%未満に低下している患者における本剤の投与経験は少なく、有効性及び安全性は確立していない(これらの患者に本剤を投与することについては、リスクとベネフィットを考慮して慎重に判断すること)。
〈脳梗塞急性期に伴う神経症候、日常生活動作障害、機能障害の改善〉通常、成人に1回1管(エダラボンとして30mg)を適当量の生理食塩液等で用時希釈し、30分かけて1日朝夕2回の点滴静注を行う。脳梗塞急性期の場合、発症後24時間以内に投与を開始し、投与期間は14日以内とする。〈筋萎縮性側索硬化症(ALS)における機能障害の進行抑制〉通常、成人に1回2管(エダラボンとして60mg)を適当量の生理食塩液等で用時希釈し、60分かけて1日1回点滴静注を行う。通常、本剤投与期と休薬期を組み合わせた28日間を1クールとし、これを繰り返す。第1クールは14日間連日投与する投与期の後14日間休薬し、第2クール以降は14日間のうち10日間投与する投与期の後14日間休薬する。
(禁忌)2.1.重篤な腎機能障害のある患者(〔9.2.1参照〕、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者に使用する場合〔8.3.2、8.3.3参照〕)。2.2.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)8.1.〈効能共通〉本剤の投与は、本剤に関する十分な知識及び適応疾患の治療経験を持つ医師との連携のもとで行うこと。8.2.〈効能共通〉投与に際しては、患者又はそれに代わり得る適切な者に対して、本剤の副作用等について十分な説明を行うこと。8.3.〈効能共通〉急性腎障害増悪又は腎機能障害増悪、重篤な肝障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれ、致命的経過をたどることがある(これらの症例では、腎機能障害、肝機能障害、血液障害等を同時に発現する重篤な症例が報告されている)。8.3.1.〈効能共通〉検査値の急激な悪化は、投与開始初期に発現することが多いので、投与前又は投与開始後速やかにBUN、クレアチニン、AST、ALT、LDH、CK、赤血球、血小板等の腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を実施すること(本剤投与中も、腎機能検査、肝機能検査及び血液検査を頻回に実施し、投与後も継続して十分な観察を行うこと)〔9.1.1-9.1.3、9.2.1、9.2.2、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1-11.1.4、11.1.6、16.6.2、16.6.3参照〕。8.3.2.〈効能共通〉筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者では、病勢進展に伴う筋萎縮により血清クレアチニン値の低下を認める可能性があるため、一時点の血清クレアチニン値を基準値と比較するのではなく、血清クレアチニン値の推移を確認し、悪化傾向の有無を確認すること(また、BUN値は体内水分量等により変動するため、一時点のBUN値を基準値と比較するのではなく、BUN値の推移を確認し、悪化傾向の有無を確認すること)〔2.1参照〕。8.3.3.〈効能共通〉筋萎縮のある患者では、投与開始前及び投与中定期的に、血清クレアチニン値・BUN値の測定に加えて血清シスタチンCによる推定糸球体ろ過量の算出や、蓄尿によるクレアチニンクリアランスの算出等筋肉量による影響を受けにくい腎機能評価を実施すること〔2.1参照〕。8.3.4.〈効能共通〉投与中に感染症等の合併症を発症し、抗生物質を併用した場合には、投与継続の可否を慎重に検討し、投与を継続する場合は特に頻回に検査を実施すること(また、投与終了後も頻回の検査を実施して観察を十分に行うこと)〔9.1.2、10.2参照〕。8.4.〈脳梗塞急性期に伴う神経症候、日常生活動作障害、機能障害の改善〉症状に応じてより短期間で投与を終了することも考慮すること。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.〈効能共通〉脱水のある患者:投与に際し全身管理を徹底すること(急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。BUN/クレアチニン比が高いなど脱水状態が認められた患者では致命的経過をたどる例が多く報告されている)〔8.3.1、11.1.1参照〕。9.1.2.〈効能共通〉感染症のある患者:投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること(致命的経過をたどる例が多く報告されており、全身状態の悪化により急性腎障害や腎機能障害悪化を来すことがある)〔8.3.1、8.3.4、11.1.1参照〕。9.1.3.〈効能共通〉心疾患のある患者:心疾患が悪化するおそれがある(また、腎機能障害があらわれるおそれがある)〔8.3.1、11.1.1参照〕。9.1.4.〈脳梗塞急性期に伴う神経症候、日常生活動作障害、機能障害の改善〉高度意識障害(JapanComaScale100以上:刺激しても覚醒しない)のある患者:投与に際してはリスクとベネフィットを十分考慮すること(致命的経過をたどる例が多く報告されている)〔11.1.1参照〕。(腎機能障害患者)9.2.1.重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(腎機能障害が悪化するおそれがある)〔2.1、8.3.1参照〕。9.2.2.腎機能障害<重篤な腎機能障害を除く>のある患者:投与に際し全身管理を徹底すること(急性腎障害や腎機能障害の悪化を来すことがある。特に投与前のBUN/クレアチニン比が高い患者では致命的経過をたどる例が多く報告されている)〔8.3.1、11.1.1、16.6.2参照〕。(肝機能障害患者)肝機能障害患者:肝機能障害が悪化するおそれがある〔8.3.1、16.6.3参照〕。(妊婦)投与しないことが望ましい。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)において本剤の乳汁移行が認められている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)副作用があらわれた場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと(一般に高齢者では生理機能が低下しており、致命的経過をたどる例が多く報告されている)。(相互作用)10.2.併用注意:抗生物質(セファゾリンナトリウム、セフォチアム塩酸塩、ピペラシリンナトリウム等)〔8.3.4参照〕[腎機能障害が増悪するおそれがあるので、併用する場合には頻回に腎機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと(機序は不明であるが、本剤は主として腎臓から排泄されるため、腎排泄型の抗生物質との併用により、腎臓への負担が増強する可能性が考えられる)]。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意14.1.1.本剤は原則として生理食塩液で希釈すること。各種糖を含む輸液と混合すると、その後エダラボンの濃度低下を来すことがある。14.1.2.抗痙攣薬の注射液(ジアゼパム注射液、フェニトインナトリウム注射液等)と混合しないこと(白濁することがある)。14.1.3.カンレノ酸カリウムと混合しないこと(白濁することがある)。14.2.薬剤投与時の注意14.2.1.高カロリー輸液、アミノ酸製剤との混合又は同一経路からの点滴はしないこと(混合すると、その後エダラボンの濃度低下を来すことがある)。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報本剤投与中あるいは投与後に、脳塞栓再発又は脳内出血が認められたとの報告がある。15.2.非臨床試験に基づく情報24時間持続静注によるイヌ28日間投与毒性試験において、60mg/kg/日以上の用量で、イヌ39週間反復経口投与毒性試験において、100mg/kg/日以上の用量で、四肢動作の限定、歩行異常等の症状及び病理組織検査における末梢神経線維変性及び脊髄神経線維変性(背索神経線維変性)が観察されたとの報告がある。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.急性腎障害(0.26%)、ネフローゼ症候群(0.02%):腎機能低下所見や乏尿等の症状が認められた場合には、直ちに投与を中止し、腎機能不全の治療に十分な知識と経験を有する医師との連携のもとで適切な処置を行うこと〔8.3.1、9.1.1-9.1.4、9.2.2参照〕。11.1.2.劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.24%)、黄疸(頻度不明):劇症肝炎等の重篤な肝炎、著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいALP上昇、著しいγ-GTP上昇、著しいLDH上昇、著しいビリルビン上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔8.3.1参照〕。11.1.3.血小板減少(0.08%)、顆粒球減少(頻度不明)〔8.3.1参照〕。11.1.4.播種性血管内凝固症候群(DIC)(0.08%):播種性血管内凝固症候群を疑う血液所見や症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3.1参照〕。11.1.5.急性肺障害(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常を伴う急性肺障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。11.1.6.横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.3.1参照〕。11.1.7.ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがある。11.2.その他の副作用1).過敏症:(0.1~5%未満)発疹、腫脹、紅斑(多形滲出性紅斑等)、(頻度不明)発赤、膨疹、そう痒感。2).血液:(0.1~5%未満)赤血球減少、白血球増多、白血球減少、ヘマトクリット値減少、ヘモグロビン減少、血小板増加、血小板減少。3).注射部位:(0.1~5%未満)注射部発疹、注射部発赤腫脹。4).肝臓:(5%以上)ALT上昇、(0.1~5%未満)総ビリルビン値上昇、AST上昇、LDH上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン尿、(頻度不明)ウロビリノーゲン陽性。5).腎臓:(0.1~5%未満)BUN上昇、血清尿酸上昇、血清尿酸低下、蛋白尿、血尿、(頻度不明)多尿、クレアチニン上昇。6).消化器:(0.1~5%未満)嘔気、(頻度不明)嘔吐。7).その他:(0.1~5%未満)発熱、血清コレステロール上昇、血清コレステロール低下、トリグリセライド上昇、血清総蛋白減少、CK上昇、CK低下、血清カリウム低下、尿中ブドウ糖陽性、熱感、血圧上昇、血清カルシウム低下、(頻度不明)血清カリウム上昇、頭痛。発現頻度は、製造販売後調査の結果を含む。
18.1作用機序ヒドロキシルラジカル(・OH)等のフリーラジカルが虚血に伴う脳血管障害の主要な1因子であることは数多く報告されており、虚血ないし虚血-再開通時にはアラキドン酸代謝系の異常亢進等によりフリーラジカルの産生が増加する。このフリーラジカルは細胞膜脂質の不飽和脂肪酸を過酸化することにより細胞膜傷害ひいては脳機能障害を引き起こす。また、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症並びに病勢進展は原因不明であるが、フリーラジカルによる酸化ストレスが関与している可能性が示唆されている。本剤は、フリーラジカルを消去し脂質過酸化を抑制する作用により、脳細胞(血管内皮細胞・神経細胞)の酸化的傷害を抑制する。すなわち、脳梗塞急性期に対しては、脳浮腫、脳梗塞、神経症候、遅発性神経細胞死などの虚血性脳血管障害の発現及び進展(増悪)を抑制することにより脳保護作用を示す。筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対しても、神経細胞の酸化的傷害を抑制することで病勢進展の抑制を示す。18.2脳梗塞急性期に対する作用18.2.1脳神経保護作用NAA(N‐acetylaspartate)は特異的生存神経細胞マーカーであり、脳梗塞発症直後より減少し24時間以降傷害組織ではほとんど観察されなくなるとされる。脳梗塞急性期患者に本剤を投与し、1H‐MRS(magneticresonancespectroscopy)により測定したところ、梗塞巣中心部のNAAは、第28病日においてコントロール群に比し有意に保持されていた。18.2.2梗塞周辺領域血流量低下に対する抑制作用脳梗塞急性期患者8例に本剤を投与し、133Xe‐SPECT(シングルフォトン断層法)により局所脳血流量を測定したところ、機能予後(modifiedRankinScale)の良好例5例では、梗塞周辺領域の局所脳血流量低下に対して抑制作用が認められた。18.3脳虚血モデルに対する脳保護作用18.3.1脳浮腫及び脳梗塞抑制作用、神経症候軽減作用虚血性脳血管障害モデル(ラット)において、虚血後若しくは虚血再開通後の静脈内投与(3mg/kg)は、脳浮腫及び脳梗塞の進展を抑制し、随伴する神経症候を軽減した。18.3.2遅発性神経細胞死抑制作用前脳虚血再開通モデル(ラット)において、再開通直後の静脈内投与(3mg/kg)は、遅発性神経細胞死を抑制した。18.4フリーラジカル消去作用18.4.1フリーラジカル消去作用及び脂質過酸化抑制作用エダラボンは、ヒドロキシルラジカル消去作用を示した。また、ヒドロキシルラジカルによるリノール酸の過酸化及び脳ホモジネートの脂質過酸化を濃度依存的に抑制した。更に、水溶性及び脂溶性ペルオキシルラジカルによる人工リン脂質膜リポソームの脂質過酸化を抑制した(invitro)。18.4.2脳虚血モデルに対するフリーラジカル消去作用ラット脳虚血モデルに対し脳保護作用を示した用量(3mg/kg)の静脈内投与は、虚血周辺部位及び虚血再開通部位におけるヒドロキシルラジカルの増加を抑制した。18.4.3フリーラジカルによる血管内皮細胞傷害に対する抑制作用1μMから15‐HPETE(hydroperoxyeicosatetraenoicacid)による培養血管内皮細胞傷害を抑制した(invitro)。18.5筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病態に関連した試験家族性ALSの原因遺伝子とされる変異型スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を導入したトランスジェニックラットに対し、エダラボン3mg/kg/hを1時間かけて静脈内投与(2日間投与し2日間休薬を繰り返す用法)し、ラットの正向反射消失時まで投与したとき、四肢の運動機能を総合的に評価する傾斜板の角度について、雌で有意な低下抑制作用が認められた。
17.1有効性及び安全性に関する試験〈脳梗塞急性期〉17.1.1国内第III相試験発症後72時間以内の脳梗塞急性期患者※1を対象に本剤30mg又はプラセボを1日2回14日間投与した、プラセボ対照の二重盲検群間比較試験において、本剤群は神経症候、日常生活動作障害の改善を示した。最終全般改善度における改善率の差は32.8%(95%信頼区間:20.3~45.3%)であり、順位和検定で本剤群とプラセボ群の間に有意な差が認められた。この内、発症後24時間以内に投与を開始した患者においては、最終全般改善度における改善率の差は48.2%(95%信頼区間:26.6~69.7%)であった。全症例及び発症後24時間で層別した最終全般改善度(改善以上)は表1のとおりである。表1最終全般改善度で改善以上であった患者の割合--------------------------表開始--------------------------本剤群プラセボ群全症例発症後72時間以内に投与を開始64.8%(81例/125例)32.0%(40例/125例)発症後24時間以内に投与を開始73.8%(31例/42例)25.6%(10例/39例)--------------------------表終了--------------------------また、全症例における3ヵ月以内の退院日(入院中の場合は3ヵ月後)に評価した機能予後(modifiedRankinScale)に関し、本剤群とプラセボ群の間に順位和検定で有意な差が認められ、「全く症状なし」の率において本剤群がプラセボ群を上回った(本剤群:22.3%(27例/121例)、プラセボ群:10.0%(12例/120例))。この内、発症後24時間以内に投与を開始した患者において、「全く症状なし」の率は本剤群:34.1%(14例/41例)、プラセボ群:2.9%(1例/35例)であった。副作用発現頻度は本剤群で7.2%(9/125例)及びプラセボ群で11.2%(14/125例)であった。本剤群の主な副作用は、発疹1.6%(2/125例)、肝機能障害3.2%(4/125例)であった。なお、両群とも基礎治療として濃グリセリン・果糖を原則併用している。17.1.2国内臨床試験承認時までの全臨床試験における1回30mg投与症例の全般改善度の改善率(改善以上)は、発症後72時間以内の患者※1においては65.9%(178例/270例)であったが、発症後24時間以内の患者においては70.3%(71例/101例)と効果はより顕著であった。※1開発時の臨床試験は主として発症後72時間以内の脳梗塞急性期患者を対象に実施された。この全症例を対象にした解析において有効性が認められたが、層別解析の結果、発症後24時間以内に投与を開始した症例において効果がより顕著であったため、承認された用法及び用量においては「発症後24時間以内に投与を開始」と設定された。注)本剤の承認された用法及び用量の抜粋:発症後24時間以内に投与を開始し、投与期間は14日以内とする。〈筋萎縮性側索硬化症(ALS)〉本剤投与による生存期間への影響を確認する試験は実施されていない。17.1.3国内第III相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験:検証的試験2回目)ALS患者(ElEscorial改訂AirlieHouse診断基準の「Definite」又は「Probable」に該当し、ALS重症度分類1度又は2度、努力性肺活量(%FVC)が80%以上及び罹病期間が2年以内)を対象に、本剤60mg又はプラセボを6クール※2点滴静注した結果、主要評価項目である改訂ALS機能評価尺度(ALSFRS‐R)の変化量は表2のとおりであり、投与群間で統計学的に有意な差が認められた。副作用発現頻度は本剤群で2.9%(2/69例)及びプラセボ群で7.4%(5/68例)であった。本剤群の副作用の内訳は、腹部不快感、湿疹及び肝機能検査異常いずれも1.4%(1/69例)であった。[5.1参照]表2ALSFRS‐Rスコア変化量--------------------------表開始--------------------------投与群評価例数a)ALSFRS‐Rスコアb)変化量d)e)プラセボ群との比較e)第1クール投与開始前最終評価時c)群間差[95%信頼区間]p値プラセボ群6641.9±2.235.0±5.6-7.50±0.662.49[0.99、3.98]0.0013本剤群6841.9±2.537.5±5.3-5.01±0.64a)第3クール完了例(投与開始81日後到達症例)が評価対象b)平均値±標準偏差c)第6クール投与終了2週後又は中止時(LOCF)d)調整済平均値±標準誤差e)投与群、前観察期ALSFRS‐Rスコア変化量、ElEscorial改訂AirlieHouse診断基準及び年齢を因子とした分散分析モデルに基づく--------------------------表終了--------------------------17.1.4国内第III相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験:検証的試験1回目)ALS患者(ElEscorial改訂AirlieHouse診断基準の「Definite」、「Probable」又は「Probable‐laboratory‐supported」に該当し、ALS重症度分類1度又は2度、%FVCが70%以上及び罹病期間が3年以内)を対象に、本剤60mg又はプラセボを6クール※2点滴静注した結果、主要評価項目であるALSFRS‐Rの変化量は表3のとおりであり、投与群間で統計学的に有意な差は認められなかった。副作用発現頻度は本剤群で13.7%(14/102例)及びプラセボ群で19.2%(20/104例)であった。本剤群の主な副作用は尿中ブドウ糖陽性2.0%(2/102例)であった。[5.1参照]表3ALSFRS‐Rスコア変化量--------------------------表開始--------------------------投与群評価例数a)ALSFRS‐Rスコアb)変化量d)e)プラセボ群との比較e)第1クール投与開始前最終評価時c)群間差[95%信頼区間]p値プラセボ群9941.1±2.935.1±7.4-6.35±0.840.65[-0.90、2.19]0.4108本剤群10040.5±3.535.3±7.1-5.70±0.85a)第3クール完了例(投与開始81日後到達症例)が評価対象b)平均値±標準偏差c)第6クール投与終了2週後又は中止時(LOCF)d)調整済平均値±標準誤差e)投与群、前観察期ALSFRS‐Rスコア変化量、初発症状(球症状/四肢症状)及びリルゾール併用有無を因子とした分散分析モデルに基づく--------------------------表終了--------------------------17.1.5国内第III相試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)ALS重症度分類3度のALS患者を対象に、本剤60mg又はプラセボを6クール※2点滴静注した結果、主要評価項目であるALSFRS‐Rの変化量は表4のとおりであり、投与群間で統計学的に有意な差は認められなかった。副作用発現頻度は本剤群で23.1%(3/13例)及びプラセボ群で8.3%(1/12例)であった。本剤群の副作用の内訳は、筋力低下、冷感及び発疹いずれも7.7%(1/13例)であった。[5.1参照]表4ALSFRS‐Rスコア変化量--------------------------表開始--------------------------投与群評価例数a)ALSFRS‐Rスコアb)変化量d)e)プラセボ群との比較e)第1クール投与開始前最終評価時c)群間差[95%信頼区間]p値プラセボ群1234.6±3.329.2±4.9-6.00±1.83-0.52[-5.62、4.58]0.8347本剤群1332.5±5.526.6±9.9-6.52±1.78a)第3クール完了例(投与開始81日後到達症例)が評価対象b)平均値±標準偏差c)第6クール投与終了2週後又は中止時(LOCF)d)調整済平均値±標準誤差e)投与群及び前観察期ALSFRS‐Rスコア変化量を因子とした分散分析モデルに基づく--------------------------表終了--------------------------※21日1回14日間の連日投与とそれに続く14日間の休薬期間を第1クールとし、第1クール終了後に、14日間のうち1日1回計10日間の投与とそれに続く14日間の休薬期間から成るクールを5回繰り返した(第2~6クール)。