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カルシニューリン阻害で免疫を抑制するループス腎炎治療薬「ルプキネス」【最新!DI情報】第27回
2024/11/19 最新!DI情報
カルシニューリン阻害で免疫を抑制するループス腎炎治療薬「ルプキネス」【最新!DI情報】第27回
https://www.carenet.com/pharmacist/di/cg004391_027.html
一般名 | フェニル酪酸ナトリウム顆粒 |
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YJコード | 3999032D1020 |
剤型・規格 | 散剤・94%1g |
薬価 | 871.30円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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尿素サイクル異常症。(効能又は効果に関連する注意)5.1.本剤は新生児期に発症する尿素サイクル異常症患者(出生後28日以内に発症する完全な尿素サイクル酵素欠損症患者)及び高アンモニア血症の既往を有する遅発型尿素サイクル異常症の患者に適用される。5.2.本剤の適用患者には食事制限(食品蛋白の摂取制限)及び必須アミノ酸補給等の十分な栄養管理の下に本剤を投与する必要があるので、食事指導を行うこと。
通常、次のとおり投与する。1).体重20kg未満の小児等:1日投与量(フェニル酪酸ナトリウムとして)450~600mg/kgを3回~6回に分割し、食事又は栄養補給とともに若しくは食直後に経口投与する。2).成人及び体重20kg以上の小児等:1日投与量(フェニル酪酸ナトリウムとして)9.9~13.0g/㎡(体表面積)を3回~6回に分割し、食事又は栄養補給とともに若しくは食直後に経口投与する。投与は少量より開始し、患者の状態、血中アンモニア濃度、血漿中アミノ酸濃度等を参考に適宜増減する。また、食事制限及び必須アミノ酸補給等の十分な栄養管理の下に投与する。(用法及び用量に関連する注意)7.1.1日あたり20g以上の投与に関する安全性及び臨床効果は確認されていない。7.2.風邪、過激な運動、食事及び便秘等により高アンモニア血症が悪化した場合は適宜増量する。また、高アンモニア血症の急性増悪が認められた場合には他の治療法を検討すること。
(禁忌)本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)8.1.本剤はナトリウム含量が高いため、うっ血性心不全、腎不全、浮腫を伴うナトリウム貯留が認められる患者に投与する場合は注意すること(顆粒剤1gあたり116mgのナトリウムを含有する)〔9.1.1、9.2.1参照〕。8.2.主代謝物であるフェニルアセチルグルタミンの腎排泄はカリウム尿中消失を誘発するおそれがあるため、本剤投与中は血清中カリウム濃度をモニタリングすること〔9.2.2参照〕。8.3.血中アンモニア濃度、血漿中グルタミン濃度等を測定し、治療効果を確認すること。8.4.本剤投与及び栄養管理により血漿中アミノ酸濃度が低下する可能性があるため、アルギニン濃度、分岐鎖アミノ酸濃度及び血清中蛋白濃度を基準範囲内に維持すること。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.うっ血性心不全、浮腫を伴うナトリウム貯留が認められる患者:疾患を増悪させるおそれがある〔8.1参照〕。9.1.2.先天性β酸化異常を有する患者:代謝遅延により、血漿中のフェニル酪酸濃度が上昇するおそれがある。(腎機能障害患者)9.2.1.腎不全患者:疾患を増悪させるおそれがある〔8.1参照〕。9.2.2.腎機能障害を有する患者:主代謝物であるフェニルアセチルグルタミンは主に腎臓から排泄されるため、蓄積するおそれがある〔8.2参照〕。(肝機能障害患者)9.3.1.肝機能障害を有する患者〔16.6.1参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。(過量投与)13.1.症状5ヶ月齢の男児に偶発的に10g(1370mg/kg)を単回投与、下痢、神経過敏症、代謝性アシドーシスを呈し、対症療法を施した後48時間以内に回復した。13.2.処置過量投与時、薬の投与を中止する(血液透析あるいは腹膜透析が有用であると考えられる)。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意14.1.1.グラシン紙等水分透過性の高い包材に分包して投薬する場合には、気密性の高い容器に入れるなどして湿気を避けて保存すること〔20.取扱い上の注意の項参照〕。14.1.3.顆粒剤を液体と混合すると、フェニル酪酸ナトリウムのみが溶け(水10mLに5g)、添加剤は溶けない。14.2.薬剤交付時の注意14.2.1.顆粒剤服用時は、食物(固形、液状どちらでも良い)と混合して投与するのが望ましい。(その他の注意)15.2.非臨床試験に基づく情報妊娠ラットにフェニル酪酸の活性代謝物であるフェニル酢酸の胎仔及び新生仔への影響を検討した結果、フェニル酢酸非抱合体(フェニル酢酸及びフェニルアセチルCoA)の血漿中濃度が0.5μmol/mLを上回った群では、妊娠9~20日の12日間持続皮下投与したとき、自然流産及び新生仔早期死亡がみられ、血漿中濃度を0.25~0.45μmol/mLに維持した群では、ほぼ全ての新生仔が生存したが、体重及び大脳半球重量は通常より有意に低く(いずれもp<0.001)、全ての同腹仔に学習障害がみられた。一方、2日齢のラットにフェニル酢酸を20日間投与した後では、17%の体重減少が認められ、成長遅延がみられた。(取扱い上の注意)無包装開放状態で吸湿することが認められているため、開栓後は防湿に留意すること〔14.1.1参照〕。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.2.その他の副作用1).内分泌系:(10%以上)高アンモニア血症、(1~10%未満)アミノ酸濃度減少、体重増加、(1%未満)肥満、(頻度不明)食欲増進。2).精神神経系:(1~10%未満)人格変化、運動失調、頭痛、(頻度不明)灼熱感、協調運動異常、構語障害、脳症、嗜眠、末梢性ニューロパチー、食欲減退、めまい、悪寒。3).消化器系:(1~10%未満)腹部不快感、悪心、流涎過多、肝機能障害、嘔吐、(1%未満)膵炎、腹痛、(頻度不明)下痢、嚥下障害、胃炎、食道痛、口腔内不快感、逆流性食道炎。4).皮膚:(10%以上)脱毛症、(1~10%未満)発疹、(1%未満)毛髪障害、(頻度不明)紅斑、末梢性浮腫。5).感覚器:(1~10%未満)味覚倒錯、(1%未満)脊椎固定、腱障害、背部痛。6).血液:(1%未満)斑状出血、(頻度不明)汎血球減少症、アシドーシス、低カリウム血症。7).呼吸器:(1~10%未満)肺炎、(1%未満)鼻炎。8).泌尿・生殖器:(1~10%未満)月経障害、無月経、(1%未満)失禁、(頻度不明)急性腎障害。9).その他:(1~10%未満)体臭、(1%未満)感染、薬物相互作用、(頻度不明)紅痛症、脱水。
18.1作用機序尿素サイクル異常症患者では残余窒素の尿素としての排泄が不十分となることにより高アンモニア血症を呈する。フェニル酪酸ナトリウムは、ヒト生体内でβ酸化により速やかにフェニル酢酸に代謝されてグルタミンと結合し、フェニルアセチルグルタミンとして尿中に排泄される。αケトグルタル酸からグルタミン酸を経てグルタミンが生合成される過程で、アンモニア2分子が取り込まれるため、フェニル酪酸ナトリウム1分子により残余窒素2原子が排泄される。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国内第I/II相試験日本人尿素サイクル異常症患者13例(オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症11例、アルギニノコハク酸合成酵素欠損症1例、及びカルバミルリン酸合成酵素欠損症1例)を対象として食事又は栄養補給とともに、若しくは食直後に1日3~6回に分割して経口投与した。平均投与量は、1.59~13.86g/日注)であった。高アンモニア血症(血中アンモニア濃度≧150μg/dL)は治験開始後に13例中10例で合計51回発現した。このうち、血中アンモニア濃度が200μg/dLを超えたのは8例で30回、300μg/dLを超えたのは5例で13回であった。13例中3例では、治験薬投与開始後に高アンモニア血症の発現は認められなかった。これらの高アンモニア血症はいずれも回復した。副作用の発現割合は61.5%(8/13例)であった。発現した副作用は、高アンモニア血症4例(30.8%)、脱毛症3例(23.1%)、頭痛2例(15.4%)、膿痂疹、尿路感染、皮膚乳頭腫、人格変化、運動失調、片頭痛、上気道の炎症、腹部不快感、胃潰瘍、胃腸出血、悪心、急性膵炎、流涎過多、嘔吐、肝障害、発疹、排尿困難、月経障害、嚢胞、尿中ブドウ糖陽性、アミノ酸濃度減少各1例(7.7%)であった(本試験の延長試験として実施された製造販売後臨床試験の結果を含む)。17.1.2海外第III相試験海外の尿素サイクル異常症患者183例(オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症122例、アルギニノコハク酸合成酵素欠損症39例及びカルバミルリン酸合成酵素欠損症22例)を対象に、新生児、幼児及び体重20kg未満の小児ではフェニル酪酸ナトリウムとして450~600mg/kg/日、体重20kg以上の小児、10代の患者及び成人患者ではフェニル酪酸ナトリウムとして9.9~13.0g/m2/日を経口投与(必須アミノ酸や蛋白質の摂取量維持のための食事療法も併用)した。有効性評価対象183例のうち139例が生存し、全体の生存率は約76%であった。高アンモニア血症は評価可能症例173例のうち29%の被験者で発症しなかった。血漿中のアンモニア濃度は85例で測定され、281回の測定値のうち61.2%は検査施設の基準範囲内であった。また、85例中17例(6%)は基準範囲値上限の2倍以上高かった。安全性の評価が可能であった183例中、副作用は34例(18.6%)に54件報告された。全体で2例以上の副作用は、月経障害10例(5.5%)、体臭7例(3.8%)、無月経5例(2.7%)、体重増加4例(2.2%)、嘔吐3例(1.6%)、味覚倒錯、肺炎各2例(1.1%)であった。17.3その他17.3.1国内臨床研究日本人尿素サイクル異常症患者であるオルニチントランスカルバミラーゼ欠損症6例(新生児発症型1例、遅発型5例)を対象に本剤(錠剤1例、顆粒剤5例)を450~600mg/kg/日(体重20kg未満)又は9.9~13.0g/m2/日(体重20kg以上)を1日3回食後(患者の食事摂取量に合わせ適宜増減。アルギニンとシトルリンの併用は可)12ヶ月投与した結果、服薬コンプライアンスを保つことが困難な1例を除き、血中アンモニアのコントロールに有用で、ほとんどの症例で摂取蛋白量の増加が示された。副作用は、6例中4例に分岐鎖アミノ酸の低下が認められた。注)本剤の承認された用法・用量は、成人及び体重20kg以上の小児にはフェニル酪酸ナトリウムとして1日9.9~13.0g/m2(体表面積)、体重20kg未満の新生児、乳幼児及び小児にはフェニル酪酸ナトリウムとして1日450~600mg/kgを3~6回に分割して経口投与することとされている。