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一般名 | エナロデュスタット錠 |
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YJコード | 3999052F2025 |
剤型・規格 | 錠剤・4mg1錠 |
薬価 | 461.70円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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腎性貧血。(効能又は効果に関連する注意)赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合の本剤投与開始の目安は、保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL未満とする。
〈保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者〉通常、成人には、エナロデュスタットとして1回2mgを開始用量とし、1日1回食前又は就寝前に経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回8mgとする。〈血液透析患者〉通常、成人には、エナロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回食前又は就寝前に経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回8mgとする。(用法及び用量に関連する注意)7.1.用量調節が必要な場合には、次を参考に1段階ずつ投与量を増減すること。1).段階1:本剤投与量1mg。2).段階2:本剤投与量2mg。3).段階3:本剤投与量4mg。4).段階4:本剤投与量6mg。5).段階5:本剤投与量8mg。7.2.増量する場合の間隔は4週間以上とすること。7.3.休薬した場合には、休薬前より少なくとも1段階低い用量で投与を再開すること。
(警告)本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。血栓塞栓症が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること〔11.1.1参照〕。(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。(重要な基本的注意)8.1.本剤投与開始後、ヘモグロビン濃度が目標範囲で安定するまでは、2週に1回程度ヘモグロビン濃度を確認すること。8.2.本剤投与中はヘモグロビン濃度等を4週に1回程度確認し、必要以上の造血作用があらわれないように十分注意すること(赤血球造血刺激因子製剤の臨床試験において、ヘモグロビン濃度の目標値を高く設定した場合に、死亡、心血管系障害及び脳卒中の発現頻度が高くなったとの報告がある)。8.3.4週以内にヘモグロビン濃度が2.0g/dLを超える急激な上昇等した場合は速やかに減量又は休薬する等、適切な処置を行うこと。8.4.保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者において、赤血球造血刺激因子製剤から本剤への切替え後にヘモグロビン濃度が低下する傾向が認められていることから、切替え後のヘモグロビン濃度の低下に注意すること。8.5.本剤投与により血圧上昇するおそれがあるので、血圧の推移に十分注意しながら投与すること。8.6.造血には鉄が必要であることから、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の患者、又はそれらの既往歴を有する患者:本剤投与により血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。9.1.2.高血圧症を合併する患者:血圧上昇があらわれるおそれがある。9.1.3.悪性腫瘍を合併する患者:本剤投与により血管新生が亢進する可能性があることから、悪性腫瘍が増悪するおそれがある。9.1.4.増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等を合併する患者:本剤投与により血管新生が亢進する可能性があることから、網膜出血があらわれるおそれがある。(生殖能を有する者)妊娠可能な女性:妊娠可能な女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること(ラットにおいて、本剤の最大臨床用量における推定曝露量の4.6倍で胚死亡増加、13.9倍で着床数減少及び着床率減少が認められている)〔9.5妊婦の項参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと(ラットでは本剤の最大臨床用量における推定曝露量の4.6倍で胚死亡増加・胎仔死亡増加、出生仔発育遅延、ウサギでは3.8倍で流産、11.6倍で胚・胎仔死亡の増加が認められている)〔2.2、9.4生殖能を有する者の項参照〕。(授乳婦)本剤投与中及び本剤投与終了後4日間は授乳を避けさせること(母動物(ラット)への投与で、乳汁中への移行が認められており、また、ラットの母動物において本剤の最大臨床用量における推定曝露量の4.6倍の曝露量で投与したとき、出生仔眼瞼開裂時期遅延が認められている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(相互作用)10.2.併用注意:1).リン吸着薬(セベラマー塩酸塩)〔16.7.1参照〕[本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、投与後3時間又は投与前1時間以上間隔をあけて本剤を投与すること(本剤をセベラマー炭酸塩と同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した;本剤とこれらの薬剤がイオン結合し、本剤の吸収を抑制すると考えられている)]。2).リン吸着薬(ビキサロマー、炭酸ランタン)、多価陽イオンを含有する経口製剤(カルシウムを含有する経口製剤、鉄を含有する経口製剤、マグネシウムを含有する経口製剤、アルミニウムを含有する経口製剤等)〔16.7.1参照〕[本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、投与後3時間又は投与前1時間以上間隔をあけて本剤を投与すること(本剤とこれらの薬剤がイオン結合し、本剤の吸収を抑制すると考えられている)]。(過量投与)13.1.症状本剤の過量投与により、ヘモグロビン濃度が必要以上に上昇するおそれがある。13.2.処置過量投与時には、本剤の減量・休薬等の適切な処置を行うこと(本剤は透析で除去されない)。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.血栓塞栓症(0.7%):深部静脈血栓症(0.2%)、肺塞栓症(0.1%)、脳幹梗塞(0.1%)等の血栓塞栓症があらわれることがある〔1.警告の項参照〕。11.2.その他の副作用1).眼障害:(1%未満)網膜出血。2).血管障害:(1%以上)高血圧。3).胃腸障害:(頻度不明)悪心。4).皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)湿疹。5).臨床検査:(1%未満)血圧上昇、フィブリンDダイマー増加。
18.1作用機序エナロデュスタットは、低酸素誘導因子(HypoxiaInducibleFactor、HIF)のプロリン水酸化酵素の阻害によりHIFを安定化させることで、内因的なエリスロポエチン産生を増加させ、鉄利用能の亢進と併せて赤血球造血を促す。18.2腎性貧血モデルに対する作用エナロデュスタットは、ラット腎性貧血モデルにおいて、1日1回の反復経口投与により、投与用量に応じてヘモグロビン濃度を上昇させた。
17.1有効性及び安全性に関する試験〈保存期慢性腎臓病患者〉17.1.1国内第III相試験(MBA4‐4試験)腎性貧血を伴う保存期慢性腎臓病患者216例(本剤107例、ダルベポエチンアルファ109例)を対象に、本剤又はダルベポエチンアルファを24週間投与した。本剤は1日1回2mgから投与開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL以下)に維持されるように、1~8mgの用量範囲で適宜増減した。その結果、評価期間(投与20~24週後)のヘモグロビン濃度の本剤群とダルベポエチンアルファ群の差は表1のとおりであり、本剤のダルベポエチンアルファに対する非劣性が示された。表1保存期慢性腎臓病患者における評価期間のヘモグロビン濃度の群間差--------------------------表開始--------------------------投与群評価例数評価期間のヘモグロビン濃度(g/dL)a)[95%信頼区間]群間差[95%信頼区間]本剤群9610.96[10.84、11.07]0.09[-0.07、0.26]ダルベポエチンアルファ群9610.87[10.75、10.99]a)投与20、22及び24週後(又は投与24週後に相当する中止時観察日)のヘモグロビン濃度の平均値--------------------------表終了--------------------------本剤群の副作用発現頻度は10.3%であり、主な副作用は、高カリウム血症1.9%(2/107例)であった。17.1.2国内第III相試験(MBA4‐1試験)腎性貧血を伴う保存期慢性腎臓病患者132例を対象に、本剤を1日1回2mgから投与開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL以下)に維持されるように、1~8mgの用量範囲で適宜増減して52週間投与した。その結果、ベースラインのヘモグロビン濃度は10.56±1.04g/dL(平均値±標準偏差)、投与終了時期のヘモグロビン濃度は10.74±0.95g/dLであり、ヘモグロビン濃度は目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL以下)に維持された。副作用発現頻度は13.6%であり、主な副作用は、高血圧3.0%(4/132例)、血圧上昇及びフィブリンDダイマー増加がそれぞれ1.5%(2/132例)であった。〈腹膜透析患者〉17.1.3国内第III相試験(MBA4‐3試験)腎性貧血を伴う腹膜透析患者42例を対象に、本剤を1日1回2mgから投与開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL以下)に維持されるように、1~8mgの用量範囲で適宜増減して52週間投与した。その結果、ベースラインのヘモグロビン濃度は11.01±0.81g/dL(平均値±標準偏差)、投与終了時期のヘモグロビン濃度は10.78±0.69g/dLであり、ヘモグロビン濃度は目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL以下)に維持された。副作用発現頻度は16.7%であり、2例以上に発現した副作用はなかった。〈血液透析患者〉17.1.4国内第III相試験(MBA4‐5試験)赤血球造血刺激因子製剤使用中の腎性貧血を伴う血液透析患者173例(本剤87例、ダルベポエチンアルファ86例)を対象に、本剤又はダルベポエチンアルファを24週間投与した。本剤は1日1回4mgから投与開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL未満)に維持されるように、1~8mgの用量範囲で適宜増減した。その結果、評価期間(投与20~24週後)のヘモグロビン濃度の本剤群とダルベポエチンアルファ群の差は表2のとおりであり、本剤のダルベポエチンアルファに対する非劣性が示された。表2血液透析患者における評価期間のヘモグロビン濃度の群間差--------------------------表開始--------------------------投与群評価例数評価期間のヘモグロビン濃度(g/dL)a)[95%信頼区間]群間差[95%信頼区間]本剤群7810.73[10.56、10.91]-0.12[-0.33、0.10]ダルベポエチンアルファ群8010.85[10.72、10.98]a)投与20、22及び24週後(又は投与24週後に相当する中止時観察日)のヘモグロビン濃度の平均値--------------------------表終了--------------------------本剤群の副作用発現頻度は4.6%であり、主な副作用は、フィブリンDダイマー増加2.3%(2/87例)であった。17.1.5国内第III相試験(MBA4‐6試験)赤血球造血刺激因子製剤を使用していない腎性貧血を伴う血液透析患者34例を対象に、本剤を1日1回4mgから投与開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL未満)に維持されるように、1~8mgの用量範囲で適宜増減して24週間投与した。その結果、投与開始時から投与4週後までのヘモグロビン濃度上昇速度の推定値[95%信頼区間]は0.302[0.239、0.365]g/dL/週であり、投与8週後以降ヘモグロビン濃度は目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL未満)に維持された。副作用発現頻度は5.9%であり、2例以上に発現した副作用はなかった。17.1.6国内第III相試験(MBA4‐2試験)赤血球造血刺激因子製剤使用中の腎性貧血を伴う血液透析患者136例を対象に、本剤を1日1回4mgから投与開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL未満)に維持されるように、1~8mgの用量範囲で適宜増減して52週間投与した。その結果、ベースラインのヘモグロビン濃度は10.61±0.80g/dL(平均値±標準偏差)、投与終了時期のヘモグロビン濃度は10.72±0.96g/dLであり、ヘモグロビン濃度は目標範囲(10.0g/dL以上12.0g/dL未満)に維持された。副作用発現頻度は8.8%であり、主な副作用は、高血圧2.9%(4/136例)、湿疹1.5%(2/136例)であった。