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カルシニューリン阻害で免疫を抑制するループス腎炎治療薬「ルプキネス」【最新!DI情報】第27回
2024/11/19 最新!DI情報
カルシニューリン阻害で免疫を抑制するループス腎炎治療薬「ルプキネス」【最新!DI情報】第27回
https://www.carenet.com/pharmacist/di/cg004391_027.html
一般名 | フィルゴチニブマレイン酸塩錠 |
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YJコード | 3999053F2020 |
剤型・規格 | 錠剤・200mg1錠 |
薬価 | 4159.60円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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次世代のCAR-T細胞療法―治療効果を上げるための新たなアプローチ/日本血液学会
2024/11/08 医療一般
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ベンゾジアゼピン中止戦略、マスクした漸減+行動介入の効果
2024/11/07 医療一般
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https://www.carenet.com/series/upgrade/cg004493_016.html
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子供の睡眠時間の目安は?
2024/10/28 患者説明用スライド
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1).既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)。2).中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)。(効能又は効果に関連する注意)5.1.〈関節リウマチ〉過去の治療において、メトトレキサートをはじめとする少なくとも1剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること。5.2.〈潰瘍性大腸炎〉過去の治療において、少なくとも1剤の既存治療薬(ステロイド、免疫抑制剤等)による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。5.3.〈潰瘍性大腸炎〉本剤は生物製剤で効果不十分な潰瘍性大腸炎又は生物製剤で不耐容な潰瘍性大腸炎患者を対象とした寛解導入試験において、主要評価項目である投与10週時に寛解を達成した被験者の割合で、プラセボ群との有意差が認められていないことから、「17.臨床成績」の項の内容を十分理解した上で、適応患者を選択すること〔17.1.4参照〕。
〈関節リウマチ〉通常、成人にはフィルゴチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。〈潰瘍性大腸炎〉通常、成人にはフィルゴチニブとして200mgを1日1回経口投与する。なお、維持療法では、患者の状態に応じて100mgを1日1回投与できる。(用法及び用量に関連する注意)7.1.〈効能共通〉中等度又は重度の腎機能障害のある患者には、100mgを1日1回経口投与する〔2.4、9.2.1-9.2.3、16.6.1参照〕。1).〈効能共通〉正常又は軽度腎機能障害(eGFR≧60mL/min/1.73㎡):200mgを1日1回(患者の状態に応じて100mgを1日1回)。2).〈効能共通〉中等度腎機能障害(30mL/min/1.73㎡≦eGFR<60mL/min/1.73㎡):100mgを1日1回。3).〈効能共通〉重度腎機能障害(15mL/min/1.73㎡≦eGFR<30mL/min/1.73㎡):100mgを1日1回(投与の適否を慎重に判断すること)。4).〈効能共通〉末期腎不全(eGFR<15mL/min/1.73㎡):投与しないこと。eGFR:推算糸球体ろ過量。7.2.〈関節リウマチ〉免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤と抗リウマチ生物製剤や他のヤヌスキナーゼ<JAK>阻害剤<局所製剤以外>、タクロリムス<局所製剤以外>、シクロスポリン<局所製剤以外>、アザチオプリン<局所製剤以外>、ミゾリビン<局所製剤以外>等の免疫抑制剤<局所製剤以外><感染症のリスクが増加>との併用はしないこと(本剤とこれらの薬剤との併用経験はない)〔8.1参照〕。7.3.〈潰瘍性大腸炎〉本剤の投与開始後10週を目安として効果の有無を判断し、臨床症状や内視鏡所見等による治療反応が得られない場合は、他の治療法への切り替えを考慮すること。7.4.〈潰瘍性大腸炎〉免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNFα阻害剤、インテグリン阻害剤、インターロイキン阻害剤等の生物製剤<感染症のリスクが増加>や他のJAK阻害剤<局所製剤以外>、タクロリムス<局所製剤以外>、シクロスポリン<局所製剤以外>等の免疫抑制剤<局所製剤以外><感染症のリスクが増加>との併用はしないこと(本剤とこれらの薬剤との併用経験はない)〔8.1参照〕。
(警告)1.1.〈効能共通〉本剤投与により、結核、肺炎、敗血症、ウイルス感染等による重篤な感染症の新たな発現もしくは重篤な感染症悪化等が報告されており、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されている。本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、重篤な感染症の新たな発現もしくは悪化等が報告され、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現も報告されていることを患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与により重篤な副作用が発現し、致死的な経過をたどった症例が報告されているので、緊急時の対応が十分可能な医療施設及び医師が使用すること。また、本剤投与後に有害事象が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること〔1.2.1、1.2.2、2.2、2.3、8.1、8.2、8.7、9.1.1-9.1.3、11.1.1、15.1.1、15.1.2、15.1.4-15.1.6参照〕。1.2.〈効能共通〉感染症1.2.1.〈効能共通〉重篤な感染症:肺炎、敗血症、日和見感染症等の致命的感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発現に注意すること〔1.1、2.2、8.1、9.1.1、9.1.3、11.1.1、15.1.1、15.1.5参照〕。1.2.2.〈効能共通〉結核:肺外結核(結核性髄膜炎)を含む結核が報告されている。結核の既感染者では症状の顕在化及び悪化のおそれがあるため、本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。結核の既往歴を有する患者及び結核の感染が疑われる患者には、結核等の感染症について診療経験を有する医師と連携の下、原則として本剤投与前に適切な抗結核薬を投与すること。ツベルクリン反応検査等の検査が陰性の患者において、投与後活動性結核が認められた例も報告されている〔1.1、2.3、8.2、9.1.2、11.1.1参照〕。1.3.〈関節リウマチ〉本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること(また、本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使用すること)。1.4.〈潰瘍性大腸炎〉本剤の治療を行う前に、少なくとも1剤の既存治療薬(ステロイド、免疫抑制剤等)の使用を十分勘案すること(また、本剤についての十分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験をもつ医師が使用すること)。(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.重篤な感染症(敗血症等)の患者[症状が悪化するおそれがある]〔1.1、1.2.1、8.1、9.1.1、9.1.3、11.1.1、15.1.1、15.1.5参照〕。2.3.活動性結核の患者[症状が悪化するおそれがある]〔1.1、1.2.2、8.2、9.1.2、11.1.1参照〕。2.4.末期腎不全患者〔7.1、9.2.1、16.6.1参照〕。2.5.重度肝機能障害を有する患者〔9.3.1、11.1.4、16.6.2参照〕。2.6.好中球数が1000/mm3未満の患者〔8.6、9.1.9、11.1.3参照〕。2.7.リンパ球数が500/mm3未満の患者〔8.6、9.1.10、11.1.3参照〕。2.8.ヘモグロビン値が8g/dL未満の患者〔8.6、9.1.11、11.1.3参照〕。2.9.妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。(重要な基本的注意)8.1.本剤は、免疫反応に関与するJAKファミリーを阻害するので、感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼす可能性があり、本剤の投与に際しては十分な観察を行い、感染症の発現や感染症増悪に注意すること。また、患者に対し、発熱、倦怠感等があらわれた場合には、速やかに主治医に相談するよう指導すること〔1.1、1.2.1、2.2、7.2、7.4、9.1.1、9.1.3、11.1.1参照〕。8.2.本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。本剤投与中は胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核の発現には十分に注意すること。患者に対し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱等)には速やかに主治医に連絡するよう説明すること〔1.1、1.2.2、2.3、9.1.2、11.1.1参照〕。8.3.本剤によるB型肝炎ウイルス再活性化が報告されているので、投与に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認すること〔9.1.4参照〕。8.4.播種性帯状疱疹を含む帯状疱疹が報告されているので、ヘルペスウイルス再活性化等の徴候や症状の発現に注意すること(ヘルペスウイルス等の再活性化の徴候や症状の発現が認められた場合には、患者に受診するよう説明し、本剤の投与を中断し、速やかに適切な処置を行うこと)。また、ヘルペスウイルス以外のウイルス再活性化にも注意すること〔11.1.1参照〕。8.5.感染症発現のリスクを否定できないので、本剤開始直前及び投与中の生ワクチン接種は行わないこと。8.6.好中球減少、リンパ球減少及びヘモグロビン減少があらわれることがあるので、投与前の検査値を測定するとともに本剤投与開始後は定期的に好中球数、リンパ球数及びヘモグロビン値を確認すること〔2.6-2.8、9.1.9-9.1.11、11.1.3参照〕。8.7.本剤との因果関係は確認されていないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。悪性リンパ腫、固形癌等の悪性腫瘍の発現が報告されている〔1.1、15.1.2、15.1.4、15.1.6参照〕。8.8.総コレステロール上昇、LDLコレステロール上昇、HDLコレステロール上昇及びトリグリセリド上昇等の脂質検査値異常があらわれることがあるので、本剤投与開始後は定期的に脂質検査値を確認すること(臨床上必要と認められた場合には、脂質異常症治療薬の投与等の適切な処置を考慮すること)。8.9.トランスアミナーゼ値上昇があらわれることがあるので、トランスアミナーゼ値のベースラインを測定するとともに、本剤投与中は観察を十分に行うこと〔11.1.4参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者〔1.1、1.2.1、2.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.2.結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者)又は結核感染が疑われる患者。(1).結核の既感染者では、結核を活動化させるおそれがある〔1.1、1.2.2、2.3、8.2、11.1.1参照〕。(2).結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として本剤投与前に適切な抗結核薬を投与すること〔1.1、1.2.2、2.3、8.2、11.1.1参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。9.1.3.易感染性の状態にある患者:感染症を発現するリスクが増加する〔1.1、1.2.1、2.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.4.B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):肝機能検査値やHBVDNAモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。なお、活動性B型肝炎の患者は臨床試験では除外されている〔8.3参照〕。9.1.5.C型肝炎患者:活動性C型肝炎の患者は臨床試験では除外されている。9.1.6.腸管憩室のある患者:消化管穿孔があらわれるおそれがある〔11.1.2参照〕。9.1.7.静脈血栓塞栓症のリスクを有する患者〔11.1.6参照〕。9.1.8.間質性肺炎の既往歴のある患者:定期的に問診を行うなど、注意すること(間質性肺炎があらわれるおそれがある)〔11.1.5参照〕。9.1.9.好中球減少<好中球数1000/mm3未満を除く>のある患者:好中球減少が更に悪化するおそれがある〔2.6、8.6、11.1.3参照〕。9.1.10.リンパ球減少<リンパ球数500/mm3未満を除く>のある患者:リンパ球減少が更に悪化するおそれがある〔2.7、8.6、11.1.3参照〕。9.1.11.ヘモグロビン値減少<ヘモグロビン値8g/dL未満を除く>のある患者:ヘモグロビン減少が更に悪化するおそれがある〔2.8、8.6、11.1.3参照〕。(腎機能障害患者)9.2.1.末期腎不全患者(eGFR<15mL/min/1.73㎡):投与しないこと(末期腎不全患者は臨床試験で除外されている;腎機能が正常な患者に比べ、フィルゴチニブの主要代謝物であるGS-829845の曝露量が増加するため、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔2.4、7.1、16.6.1参照〕。9.2.2.重度腎機能障害患者(15≦eGFR<30mL/min/1.73㎡):本剤投与の適否を慎重に検討した上で、100mgを1日1回投与すること;また、本剤投与中は患者の状態を十分観察し、副作用の発現に注意すること(腎機能が正常な患者に比べ、フィルゴチニブの主要代謝物であるGS-829845の曝露量が有意に増加するため、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔7.1、16.6.1参照〕。9.2.3.中等度腎機能障害患者(30≦eGFR<60mL/min/1.73㎡):100mgを1日1回投与すること(腎機能が正常な患者に比べ、フィルゴチニブの主要代謝物であるGS-829845の曝露量が有意に増加する)〔7.1、16.6.1参照〕。(肝機能障害患者)9.3.1.重度の肝機能障害患者:投与しないこと(重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者は臨床試験で除外されている;肝機能が正常な患者に比べ、本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔2.5、11.1.4、16.6.2参照〕。(生殖能を有する者)9.4.1.妊娠可能な女性:妊娠可能な女性には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。9.4.2.生殖可能な男性:生殖可能な男性には、本剤投与による精子形成障害に伴う妊孕性低下の可能性について説明した上で、投与を開始すること(動物試験において、ラットではヒトにフィルゴチニブ200mgを1日1回投与したときの約7.3倍の曝露量(AUC)で精子形成障害及び受胎能低下が認められ、イヌではヒトにフィルゴチニブ200mgを1日1回投与したときの約5.1倍の曝露量(AUC)で精子形成障害が認められている)。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラット及びウサギにおいて、ヒトにフィルゴチニブ200mgを1日1回投与したときと同程度の曝露量で胚致死作用及び催奇形性(内臓奇形及び骨格奇形)が認められている)〔2.9、9.4.1参照〕。(授乳婦)本剤投与中は授乳しないことが望ましい(動物実験では授乳中の仔ラットの血漿中に、乳汁由来と考えられるフィルゴチニブが検出されたが、ヒト母乳中への移行は不明である)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)患者の状態を観察しながら、用量に留意して慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)〔15.1.2参照〕。(相互作用)フィルゴチニブは主にカルボキシルエステラーゼ(CES)2及びCES1により代謝される〔16.4参照〕。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.〈関節リウマチ〉関節リウマチ患者を対象とした二重盲検第2相試験2試験、二重盲検第3相試験3試験及び長期継続試験2試験の併合解析において、重篤な感染症の100人・年あたりの発現率(95%信頼区間)は、本剤200mg投与群で1.7(1.3、2.1)、本剤100mg投与群で2.5(1.9、3.3)であった〔1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照〕。15.1.2.〈関節リウマチ〉関節リウマチ患者を対象とした二重盲検第2相試験2試験、二重盲検第3相試験3試験及び長期継続試験2試験の併合解析において、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の100人・年あたりの発現率(95%信頼区間)は、本剤200mg投与群で0.5(0.3、0.8)、本剤100mg投与群で0.5(0.3、1.0)であった。また投与期間別の100人・年あたりの発現率は次のとおりであった〔1.1、8.7参照〕。[非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の投与期間別の発現率]1).〈関節リウマチ〉投与期間全期間(例数3691/曝露期間6168.9人・年)(本剤200mgQD投与群及び100mgQD投与群):0.9%(例数33);発現率0.5/100人・年(95%信頼区間:0.4,0.8)。2).〈関節リウマチ〉投与期間0~6ヵ月(例数3691/曝露期間1756.3人・年)(本剤200mgQD投与群及び100mgQD投与群):<0.1%(例数3);発現率0.2/100人・年(95%信頼区間:0.0,0.5)。3).〈関節リウマチ〉投与期間7~12ヵ月(例数3326/曝露期間1476.2人・年)(本剤200mgQD投与群及び100mgQD投与群):0.4%(例数13);発現率0.9/100人・年(95%信頼区間:0.5,1.5)。4).〈関節リウマチ〉投与期間13~18ヵ月(例数2768/曝露期間1213.2人・年)(本剤200mgQD投与群及び100mgQD投与群):0.2%(例数6);発現率0.5/100人・年(95%信頼区間:0.2,1.1)。5).〈関節リウマチ〉投与期間19ヵ月以上(例数2131/曝露期間1723.2人・年)(本剤200mgQD投与群及び100mgQD投与群):0.5%(例数11);発現率0.6/100人・年(95%信頼区間:0.3,1.1)。QD:1日1回投与。〈関節リウマチ〉前記の長期継続試験2試験の追加データを用いた併合解析において、長期投与された65歳以上の患者集団における非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の100人・年あたりの発現率(95%信頼区間)は、本剤200mg投与群で2.0(1.3、3.0)、本剤100mg投与群で1.0(0.5、2.0)であった〔1.1、8.7、9.8高齢者の項参照〕。15.1.3.〈関節リウマチ〉関節リウマチ患者を対象とした二重盲検第2相試験2試験、二重盲検第3相試験3試験及び長期継続試験2試験の併合解析において、血清リン濃度が2.0mg/dL未満(CTCAEによる定義で血清リン濃度がGrade3以上)に低下した患者の割合は、本剤200mg投与群で2.2%、本剤100mg投与群で1.6%、プラセボ/MTX投与群で0.5%であった。15.1.4.〈関節リウマチ〉心血管系事象のリスク因子を有する関節リウマチ患者を対象としたJAK阻害剤トファシチニブクエン酸塩の海外臨床試験の結果、主要評価項目である主要な心血管系事象(MajorAdverseCardiovascularEvents:MACE)及び悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>の発現率について、TNF阻害剤群に対するハザード比(95%信頼区間)はそれぞれ1.33(0.91、1.94)及び1.48(1.04、2.09)であり、95%信頼区間上限は予め設定していた非劣性マージン1.8を超え、TNF阻害剤群に対する非劣性が検証されなかったことが報告されている。また、本剤でも、国内市販後の自発報告において、心血管系事象の発現が認められている〔1.1、8.7参照〕。15.1.5.〈潰瘍性大腸炎〉潰瘍性大腸炎患者を対象とした国際共同二重盲検第2b/3相寛解導入試験において、重篤な感染症の100人・年あたりの発現率(95%信頼区間)は本剤200mg投与群で2.8(0.6、8.1)、本剤100mg投与群で5.0(1.8、10.9)、プラセボ投与群で5.1(1.0、14.9)であった。また同寛解維持試験では本剤200mg投与群で1.3(0.2、4.7)、本剤200mgからプラセボへの切替え投与群で0.0(0.0、6.7)、本剤100mg投与群で2.5(0.5、7.3)、本剤100mgからプラセボへの切替え投与群で3.8(0.5、13.9)であった〔1.1、1.2.1、2.2、11.1.1参照〕。15.1.6.〈潰瘍性大腸炎〉潰瘍性大腸炎患者を対象とした国際共同二重盲検第2b/3相寛解導入試験において、非黒色腫皮膚癌を除く悪性腫瘍の100人・年あたりの発現率(95%信頼区間)は、本剤200mg投与群で0.9(0.0、5.1)、本剤100mg投与群で0.8(0.0、4.6)、プラセボ投与群で0.0(0.0、6.2)であった。また、同寛解維持試験では、本剤200mg投与群で0.6(0.0、3.6)、本剤200mgからプラセボへの切替え投与群で0.0(0.0、6.7)、本剤100mg投与群で0.8(0.0、4.6)、本剤100mgからプラセボへの切替え投与群で0.0(0.0、7.1)であった〔1.1、8.7参照〕。15.1.7.〈潰瘍性大腸炎〉潰瘍性大腸炎患者を対象とした国際共同二重盲検第2b/3相寛解導入試験において、血清リン濃度が2.0mg/dL未満(CTCAEによる定義で血清リン濃度がGrade3以上)に低下した患者の割合は、本剤200mg投与群で3.6%、本剤100mg投与群で3.4%、プラセボ投与群で2.2%であった。また、同寛解維持試験では、本剤200mg投与群で2.5%、本剤200mgからプラセボへの切替え投与群で3.1%、本剤100mg投与群で3.4%、本剤100mgからプラセボへの切替え投与群で3.4%であった。15.2.非臨床試験に基づく情報15.2.1.がん原性:ラットを用いた2年間がん原性試験において、ヒトにフィルゴチニブ200mgを1日1回投与したときの約4.2倍の曝露量(AUC)で良性ライディッヒ細胞腫瘍の発生率の増加及び良性ライディッヒ細胞腫瘍の発生時期早期化が認められた。rasH2トランスジェニックマウスを用いた6カ月間がん原性試験では、ヒトにフィルゴチニブ200mgを1日1回投与したときの約12倍の曝露量(AUC)までがん原性は認められなかった。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.感染症:帯状疱疹(0.2%)及び肺炎(0.3%)等の感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがある。本剤投与中に重篤な感染症を発現した場合には、感染症がコントロールできるようになるまでは投与を中止すること〔1.1、1.2.1、1.2.2、2.2、2.3、8.1、8.2、8.4、9.1.1-9.1.3、15.1.1、15.1.5参照〕。11.1.2.消化管穿孔(頻度不明):異常が認められた場合には投与を中止するとともに、腹部X線、CT等の検査を実施するなど十分に観察し、適切な処置を行うこと〔9.1.6参照〕。11.1.3.好中球減少(0.1%未満)、リンパ球減少(0.1%未満)、ヘモグロビン減少(0.1%未満)。好中球数:本剤投与開始後、好中球数が1000/mm3未満になった場合には、1000/mm3以上となるまでは本剤の投与を中断すること〔2.6、8.6、9.1.9参照〕。リンパ球数:本剤投与開始後、リンパ球数が500/mm3未満になった場合には、500/mm3以上となるまで本剤の投与を中断すること〔2.7、8.6、9.1.10参照〕。ヘモグロビン値:本剤投与開始後、ヘモグロビン値が8g/dL未満になった場合には、8g/dL以上となるまで本剤の投与を中断すること〔2.8、8.6、9.1.11参照〕。11.1.4.肝機能障害:ALT上昇(0.6%)、AST上昇(0.5%)等の肝機能障害があらわれるおそれがある〔2.5、8.9、9.3.1参照〕。11.1.5.間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線検査、速やかに胸部CT検査及び速やかに血液ガス検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと〔9.1.8参照〕。11.1.6.静脈血栓塞栓症(0.1%未満):肺塞栓症及び深部静脈血栓症があらわれることがある〔9.1.7参照〕。11.2.その他の副作用1).感染症及び寄生虫症:(1%以上10%未満)尿路感染、上気道感染。2).血液およびリンパ系障害:(0.1%以上1%未満)好中球減少症。3).神経系障害:(1%以上10%未満)浮動性めまい。4).胃腸障害:(1%以上10%未満)悪心。5).臨床検査:(0.1%以上1%未満)血中クレアチンホスホキナーゼ増加。
18.1作用機序フィルゴチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)に対する選択的かつ可逆的なアデノシン三リン酸(ATP)競合的阻害剤である。JAKは、サイトカイン又は成長因子-受容体相互作用から生じるシグナルを細胞膜に伝達し、造血、サイトカインシグナル伝達、及び免疫細胞機能の細胞プロセスに影響を及ぼす細胞内酵素である。シグナル伝達経路内で、JAKは遺伝子発現を含む細胞内活性を調節するシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)をリン酸化し、活性化する。フィルゴチニブはSTATのリン酸化と活性化を阻害することによってシグナル伝達経路を調節する。18.2JAK阻害活性生化学アッセイにおいて、フィルゴチニブはJAK1、JAK2、JAK3及びTYK2を阻害し、IC50はそれぞれ10~53nmol/L、28~70nmol/L、311~810nmol/L及び116~177nmol/Lであった。細胞アッセイにおいて、フィルゴチニブはJAK1を介した種々のSTATのリン酸化を阻害し、IC50は179~3364nmol/Lであった。サイトカイン及び成長因子刺激全血アッセイにおいて、フィルゴチニブは、JAK1依存性のSTAT1のリン酸化及びJAK2依存性のSTAT3又はSTAT5のリン酸化を阻害し、IC50はそれぞれ506~1180nmol/L及び7118~17453nmol/Lであった。フィルゴチニブの主要代謝物であるGS‐829845の活性は、invitroでフィルゴチニブの約1/10であったが、同様のJAK選択性を示した。18.3コラーゲン誘発関節炎モデルに対する抑制作用フィルゴチニブはラットのコラーゲン誘発関節炎モデルにおいて、炎症スコア、足蹠浮腫、Larsenスコア及び踵骨浸食を用量依存的に抑制した。18.4腸管炎症モデルに対する抑制作用フィルゴチニブはマウスのデキストラン硫酸ナトリウム誘発性腸管炎症モデル及びT細胞養子移入モデルにおいて、体重、便の硬さ、腸出血及び結腸炎症の病理組織学的炎症像を改善し、腸管炎症を抑制した。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国際共同第III相試験(GS‐US‐417‐0301、FINCH1試験)メトトレキサート(MTX)で効果不十分な中等度から重度の活動性関節リウマチ患者(日本人147例を含む成人1755例)を対象として無作為化二重盲検プラセボ及び実薬対照比較試験を実施した。被験者には、MTX併用下、本剤200mg1日1回、本剤100mg1日1回、アダリムマブ2週間に1回、又はプラセボの投与を行った。主要評価項目は、投与12週時のACR20改善率及び投与24週時の手、手首及び足のX線スコア(vanderHeijdeModifiedTotalSharpScore;mTSS)のベースラインからの変化量であった。本剤200mg群及び100mg群の投与12週時のACR20改善率は、プラセボ群と比較して高く、統計学的有意差が認められた。投与12週時の改善率(FAS)--------------------------表開始--------------------------投与群本剤200mg+MTX群本剤100mg+MTX群アダリムマブ+MTX群プラセボ+MTX群ACR20a)76.6(364/475)69.8(335/480)70.5(229/325)49.9(237/475)プラセボ+MTX群との差(95%信頼区間)b)P値c)26.7(20.6、32.8)<0.00119.9(13.6、26.2)<0.001--ACR50a)47.2(224/475)36.5(175/480)35.1(114/325)19.8(94/475)ACR70a)26.1(124/475)18.5(89/480)14.2(46/325)6.7(32/475)データは評価項目を達成した被験者の割合(被験者数)を示す。a)ノンレスポンダー補完法b)正規近似(連続性補正)に基づく95%信頼区間c)投与群、地域、bDMARD前治療歴、RF又は抗CCP抗体の有無を共変量としたロジスティック回帰モデル--------------------------表終了--------------------------本剤200mg群及び100mg群の投与24週時の全体集団におけるmTSSのベースラインからの変化量は、プラセボ群と比較して小さく、構造的損傷の進展防止に統計学的有意差が認められた。投与24週時のmTSSのベースラインからの変化量(FAS)--------------------------表開始--------------------------投与群本剤200mg+MTX群本剤100mg+MTX群アダリムマブ+MTX群プラセボ+MTX群ベースラインからの変化量a)0.13±0.94(405)0.17±0.91(404)0.16±0.95(271)0.37±1.42(351)プラセボ+MTX群との差(95%信頼区間)b、c)P値b)-0.27(-0.43、-0.12)<0.001-0.25(-0.40、-0.10)0.001--a)平均値±標準偏差(ベースライン及び投与24週時の両方でデータがあった例数)b)投与、来院(カテゴリカルとして)、来院別投与、地域、bDMARD前治療歴、RF又は抗CCP抗体の有無及びベースライン値を固定効果、被験者を変量効果とした反復測定混合効果モデル(MMRM)c)MMRMモデルでの最小二乗平均及び95%信頼区間--------------------------表終了--------------------------各投与群の治験薬に対する平均(標準偏差)曝露期間は、本剤200mg群で47.3(12.41)週、本剤100mg群で47.1(12.39)週、アダリムマブ群で46.6(13.20)週、プラセボ群で21.8(5.37)週であり、投与24週時にプラセボから本剤200mgに再無作為化された群で27.0(4.59)週、プラセボから本剤100mgに再無作為化された群で27.4(2.97)週であった。各投与群の有害事象は本剤200mg群で352例(74.1%)、本剤100mg群で350例(72.9%)、アダリムマブ群で239例(73.5%)、プラセボ群で254例(53.5%)、プラセボから本剤200mgに投与24週時に再無作為化された群で92例(48.4%)、プラセボから本剤100mgに再無作為化された群では97例(50.8%)であった。主な副作用(発現割合が2%以上)は、本剤200mg群で、悪心(12例、2.5%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加及び白血球減少症(各11例、2.3%)、上気道感染及び気管支炎(各10例、2.1%)、本剤100mg群で、上気道感染及び上咽頭炎(各15例、3.1%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加(12例、2.5%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(11例、2.3%)、尿路感染(10例、2.1%)であった。17.1.2国際共同第III相試験(GS‐US‐417‐0302、FINCH2試験)1剤以上の生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬で効果不十分又は不耐容な中等度から重度の活動性関節リウマチ患者(日本人40例を含む成人448例)を対象として無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を実施した。従来型疾患修飾性抗リウマチ薬(csDMARD)併用下、本剤200mg1日1回投与、本剤100mg1日1回投与、又はプラセボの投与を行った。主要評価項目は、投与12週時のACR20改善率であった。本剤200mg群及び100mg群の投与12週時のACR20改善率は、プラセボ群と比較して高く、統計学的有意差が認められた。投与12週時の改善率(FAS)--------------------------表開始--------------------------投与群本剤200mg+csDMARD群本剤100mg+csDMARD群プラセボ+csDMARD群ACR20a)66.0(97/147)57.5(88/153)31.1(46/148)プラセボ+csDMARD群との差(95%信頼区間)b)P値c)34.9(23.5、46.3)<0.00126.4(15.0、37.9)<0.001-ACR50a)42.9(63/147)32.0(49/153)14.9(22/148)ACR70a)21.8(32/147)14.4(22/153)6.8(10/148)データは評価項目を達成した患者の割合(被験者数)を示す。a)ノンレスポンダー補完法b)正規近似(連続性補正)に基づく95%信頼区間c)投与群、地域、bDMARD前治療数、RF又は抗CCP抗体の有無を共変量としたロジスティック回帰モデル--------------------------表終了--------------------------各投与群の治験薬に対する平均(標準偏差)曝露期間は、本剤200mg群で22.8(3.92)週、本剤100mg群で21.5(5.43)週、プラセボ群で19.8(6.60)週であった。有害事象を発現した患者の割合は各投与群で類似しており、本剤200mg群で102例(69.4%)、本剤100mg群で97例(63.4%)、プラセボ群で100例(67.6%)であった。主な副作用(発現割合が2%以上)は、本剤200mg群で、上咽頭炎(6例、4.1%)、悪心(5例、3.4%)、リンパ球減少症及び頭痛(各4例、2.7%)、便秘(3例、2.0%)、本剤100mg群で、咽頭炎(3例、2.0%)であった。17.1.3国際共同第III相試験(GS‐US‐417‐0303、FINCH3試験)MTXによる治療経験のない中等度から重度の活動性関節リウマチ患者(日本人71例を含む成人1249例)を対象として無作為化二重盲検プラセボ及び実薬対照比較試験を実施した。被験者には、本剤200mg1日1回とMTXの併用投与、本剤100mg1日1回とMTXの併用投与、本剤200mg1日1回単独投与、又はMTX単独投与を行った。主要評価項目は、投与24週時のACR20改善率及び投与24週時のmTSSのベースラインからの変化量であった。本剤200mgとMTXの併用群及び本剤100mgとMTXの併用群の投与24週時のACR20改善率は、MTX単独群と比較して高く、統計学的有意差が認められた。投与24週時の改善率(FAS)--------------------------表開始--------------------------投与群本剤200mg+MTX群本剤100mg+MTX群本剤200mg群MTX群ACR20a)81.0(337/416)80.2(166/207)78.1(164/210)71.4(297/416)MTX群との差(95%信頼区間)b)P値c)9.6(3.6、15.6)<0.0018.8(1.5、16.1)0.0176.7(-0.7、14.1)--ACR50a)61.5(256/416)57.0(118/207)58.1(122/210)45.7(190/416)ACR70a)43.8(182/416)40.1(83/207)40.0(84/210)26.0(108/416)データは評価項目を達成した患者の割合(被験者数)を示す。a)ノンレスポンダー補完法b)正規近似(連続性補正)に基づく95%信頼区間c)地域、RF又は抗CCP抗体の有無を共変量としたロジスティック回帰モデル--------------------------表終了--------------------------本剤200mgとMTXの併用群及び本剤100mgとMTXの併用群の投与24週時におけるmTSSのベースラインからの変化量は、MTX単独群と比較して統計学的有意差は認められなかった。投与24週時のmTSSのベースラインからの変化量(FAS)--------------------------表開始--------------------------投与群本剤200mg+MTX群本剤100mg+MTX群本剤200mg群MTX群ベースラインからの変化量a)0.21±1.68(355)0.22±1.53(184)-0.04±1.71(173)0.51±2.89(356)MTX群との差(95%信頼区間)b、c)P値b)-0.29(-0.61、0.02)0.068-0.29(-0.67、0.10)--0.55(-0.94、-0.16)--a)平均値±標準偏差(ベースライン及び投与24週時の両方でデータがあった例数)b)投与、来院(カテゴリカルとして)、来院別投与、地域、bDMARD前治療歴、RF又は抗CCP抗体の有無及びベースライン値を固定効果、被験者を変量効果とした反復測定混合効果モデル(MMRM)c)MMRMモデルでの最小二乗平均及び95%信頼区間--------------------------表終了--------------------------各投与群の治験薬に対する平均(標準偏差)曝露期間は、本剤200mgとMTXの併用群で46.4(13.29)週、本剤100mgとMTXの併用群で47.4(12.14)週、本剤200mg単独群で46.3(13.92)週、MTX単独群で44.7(14.42)週であった。各投与群の有害事象は本剤200mgとMTXの併用群で318例(76.4%)、本剤100mgとMTXの併用群で164例(79.2%)、本剤200mg単独群で143例(68.1%)、MTX単独群で305例(73.3%)であった。主な副作用(発現割合が2%以上)は、本剤200mgとMTXの併用群で、悪心(34例、8.2%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加(19例、4.6%)、上気道感染及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加(各14例、3.4%)、脱毛症(13例、3.1%)、白血球減少症(12例、2.9%)、上腹部痛(9例、2.2%)、本剤100mgとMTXの併用群で、悪心(26例、12.6%)、脱毛症(14例、6.8%)、上咽頭炎、下痢及び頭痛(各6例、2.9%)、尿路感染及びアフタ性潰瘍(各5例、2.4%)、本剤200mg単独群で、悪心(10例、4.8%)、上咽頭炎(6例、2.9%)、上腹部痛(5例、2.4%)であった。17.1.4国際共同第IIb/III相試験(GS‐US‐418‐3898、SELECTION試験)(1)生物製剤による治療経験のない潰瘍性大腸炎患者を対象とした寛解導入試験生物製剤による治療経験のない中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者(日本人37例を含む成人659例)を対象として無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を実施した。被験者には、本剤200mg1日1回投与、本剤100mg1日1回投与、又はプラセボ投与を行った。主要評価項目である投与10週時に内視鏡所見/直腸出血/排便回数(EBS)寛解(Mayoスコアの内視鏡サブスコアが0又は1、直腸出血サブスコアが0、及び排便回数サブスコアがベースラインから1ポイント以上減少して0又は1である場合と定義した)を達成した被験者の割合は、本剤200mg群がプラセボ群と比較して高く、統計学的有意差が認められた。投与10週時の寛解率(ノンレスポンダー補完法、FAS)--------------------------表開始--------------------------本剤200mg群プラセボ群プラセボ群との差(95%信頼区間)a)P値b、c)26.1(64/245)15.3(21/137)10.8(2.1、19.5)0.0157データは評価項目を達成した患者の割合(被験者数)を示す。a)正規近似(連続性補正)に基づく95%信頼区間b)初回投与時の経口全身性副腎皮質ステロイド又は免疫調節剤の併用有無により層別化されたコクラン・マンテル・ヘンツェル検定c)仮説検定は、多重性を調整し、有意水準(両側)0.02499にて実施した。--------------------------表終了--------------------------各投与群の治験薬に対する平均(標準偏差)曝露期間は、本剤200mg群で11.0(1.05)週、プラセボ群で10.8(1.56)週であった。各投与群の有害事象は、本剤200mg群で103例(42.0%)、プラセボ群で57例(41.6%)であった。主な副作用(発現例数が2例以上)は、本剤200mg群で、貧血、好中球減少症、白血球減少症、潰瘍性大腸炎、悪心及び頭痛(各2例、0.8%)であった。(2)生物製剤で効果不十分又は不耐容な潰瘍性大腸炎患者を対象とした寛解導入試験生物製剤で効果不十分又は不耐容な中等症から重症の活動性潰瘍性大腸炎患者(日本人72例を含む成人689例)を対象として無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を実施した。被験者には、本剤200mg1日1回投与、本剤100mg1日1回投与、又はプラセボ投与を行った。主要評価項目である投与10週時にEBS寛解を達成した被験者の割合は、本剤200mg群とプラセボ群との間に統計学的有意差は認められなかった。投与10週時の寛解率(ノンレスポンダー補完法、FAS)--------------------------表開始--------------------------本剤200mg群プラセボ群a)プラセボ群との差(95%信頼区間)b)P値c、d)11.5(30/262)4.7(6/128)6.8(0.9、12.7)0.0261データは評価項目を達成した患者の割合(被験者数)を示す。a)前治療としての2種類以上の生物製剤(TNFα阻害剤及びベドリズマブ)で治療不成功と判断されなかった米国及び韓国で組み入れられた男性被験者は、本剤100mg群又はプラセボ群に割り付けされたため、本剤200mg群とプラセボ群との比較はプラセボ群からこれらの被験者を除外して行った。b)正規近似(連続性補正)に基づく95%信頼区間c)初回投与時の経口全身性副腎皮質ステロイド又は免疫調節剤の併用有無、及び前治療の生物製剤の数(1剤以下又は2剤以上)により層別化されたコクラン・マンテル・ヘンツェル検定d)仮説検定は、多重性を調整し、有意水準(両側)0.02499にて実施した。--------------------------表終了--------------------------各投与群の治験薬に対する平均(標準偏差)曝露期間は、本剤200mg群で10.6(1.93)週、プラセボ群で10.5(2.22)週であった。各投与群の有害事象は、本剤200mg群で169例(64.5%)、プラセボ群で100例(70.4%)であった。主な副作用(発現割合が2%以上)は、本剤200mg群で、頭痛(7例、2.7%)及び潰瘍性大腸炎(6例、2.3%)であった。(3)潰瘍性大腸炎患者を対象とした寛解維持試験寛解導入試験において投与10週時にEBS寛解又はMayoスコア改善(ベースラインからのMayoスコアの3ポイント以上かつ30%以上の減少、うち直腸出血サブスコアについては1ポイント以上の減少もしくはそのサブスコアが0又は1である場合と定義した)のいずれかを達成した潰瘍性大腸炎患者(日本人54例を含む成人664例)を対象として、無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を実施した。寛解導入試験で本剤200mg群、本剤100mg群及びプラセボ群であった被験者には、それぞれ本剤200mg1日1回投与又はプラセボ投与、本剤100mg1日1回投与又はプラセボ投与、及びプラセボ投与を行った。主要評価項目である投与58週時にEBS寛解を達成した被験者の割合は、本剤200mg群及び本剤100mg群が、それぞれのプラセボへの切替え群(寛解導入試験での本剤200mg投与又は本剤100mg投与から寛解維持試験開始時にプラセボ投与へ切替えられた被験者)と比較して高く、統計学的有意差が認められた。投与58週時の寛解率(ノンレスポンダー補完法、FAS)--------------------------表開始--------------------------寛解維持試験投与群(投与11~58週)本剤200mg群プラセボへの切替え群プラセボへの切替え群との差(95%信頼区間)a)P値b)生物製剤未治療及び既治療c)37.2(74/199)11.2(11/98)26.0(16.0、35.9)<0.0001生物製剤未治療48.6(52/107)16.7(9/54)-生物製剤既治療c)23.9(22/92)4.5(2/44)-寛解維持試験投与群(投与11~58週)本剤100mg群プラセボへの切替え群プラセボへの切替え群との差(95%信頼区間)a)P値b)生物製剤未治療及び既治療c)23.8(41/172)13.5(12/89)10.4(-0.0、20.7)0.0420生物製剤未治療26.7(28/105)16.7(9/54)-生物製剤既治療c)19.4(13/67)8.6(3/35)-データは評価項目を達成した患者の割合(被験者数)を示す。a)正規近似(連続性補正)に基づく95%信頼区間b)寛解維持試験ベースライン時の経口全身性副腎皮質ステロイド又は免疫調節剤の併用有無、及び寛解導入試験における参加コホートにより層別化されたコクラン・マンテル・ヘンツェル検定c)生物製剤で効果不十分又は不耐容な中等症又は重症の活動性潰瘍性大腸炎患者--------------------------表終了--------------------------各投与群の治験薬に対する平均(標準偏差)曝露期間は、本剤200mg群で39.4(14.33)週、本剤200mgからプラセボへの切替え群で28.8(17.68)週、本剤100mg群で34.5(16.84)週、本剤100mgからプラセボへの切替え群で29.2(18.57)週であった。各投与群の有害事象は、本剤200mg群で135例(66.8%)、本剤200mgからプラセボへの切替え群で59例(59.6%)、本剤100mg群で108例(60.3%)、本剤100mgからプラセボへの切替え群で60例(65.9%)であった。主な副作用(発現割合が2%以上)は、本剤200mg群で、潰瘍性大腸炎及び好中球減少症(各4例、2.0%)本剤100mg群で潰瘍性大腸炎(4例、2.2%)であった。17.3その他17.3.1心電図への影響外国人健康被験者を対象としたQT/QTc評価試験において、フィルゴチニブ及びGS‐829845は、臨床曝露量を超える曝露量(関節リウマチ患者にフィルゴチニブ200mgを投与したときの定常状態におけるCmaxのそれぞれ約4.4倍及び2.1倍)でQT/QTc間隔に影響を及ぼさなかった。