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一般名 | オザグレルナトリウム20mg1mL注射液 |
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YJコード | 3999411A3079 |
剤型・規格 | 液剤・20mg1mL1管 |
薬価 | 198.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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1).クモ膜下出血術後の脳血管攣縮および脳血管攣縮に伴う脳虚血症状の改善。2).脳血栓症<急性期>に伴う運動障害の改善。
〈クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善〉通常成人に、オザグレルナトリウムとして1日量80mgを適当量の電解質液または糖液で希釈し、24時間かけて静脈内に持続投与する。投与はクモ膜下出血術後早期に開始し、2週間持続投与することが望ましい。なお、年齢、症状により適宜増減する。〈脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善〉通常成人に、オザグレルナトリウムとして1回量80mgを適当量の電解質液または糖液で希釈し、2時間かけて1日朝夕2回の持続静注を約2週間行う。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(禁忌)2.1.出血している患者:出血性脳梗塞、硬膜外出血、脳内出血又は原発性脳室内出血を合併している患者[出血を助長する可能性がある]〔8.重要な基本的注意の項、9.1.2、11.1.1参照〕。2.2.重篤な意識障害を伴う大梗塞の患者、脳塞栓症の患者[出血性脳梗塞が発現しやすい]。2.3.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)本剤の投与により出血性脳梗塞、硬膜外出血、脳内出血を助長する可能性があるので、救急処置のとれる準備を行い投与すること(また、臨床症状及びコンピュータ断層撮影による観察を十分に行い、出血が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと)〔2.1、11.1.1参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.脳塞栓症のおそれのある患者:心房細動、心筋梗塞、心臓弁膜疾患、感染性心内膜炎及び瞬時完成型神経症状を呈する患者:脳塞栓症の患者は出血性脳梗塞が発現しやすいため、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。9.1.2.出血している患者:消化管出血、皮下出血等:出血を助長する可能性がある〔2.1、11.1.1参照〕。9.1.3.出血の可能性のある患者:脳出血の既往歴のある患者、重症高血圧患者、重症糖尿病患者、血小板減少している患者等:出血を助長する可能性がある。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)一般に生理機能が低下している。(相互作用)10.2.併用注意:抗血小板剤(チクロピジン、アスピリン等)、血栓溶解剤(ウロキナーゼ、アルテプラーゼ等)、抗凝血剤(ヘパリン、ワルファリン、アルガトロバン等)[これらの薬剤と併用することにより出血傾向の増強をきたすおそれがあるので、観察を十分に行い、減量するなど用量を調節すること(本剤は血小板凝集能を抑制するため、類似の作用を持つ薬剤を併用することにより作用を増強する可能性がある)]。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意カルシウムを含む輸液で希釈すると白濁することがあるので、カルシウムを含む輸液(リンゲル液等)を希釈に用いるときは、本剤80mgあたり300mL以上の輸液で使用すること。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.出血〈クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善〉出血:出血性脳梗塞・硬膜外血腫・脳内出血(1.9%)、消化管出血(0.8%)、皮下出血(0.8%)、血尿(頻度不明)等があらわれることがある(本剤は血小板凝集能を抑制する)〔2.1、8.重要な基本的注意の項、9.1.2参照〕。〈脳血栓症<急性期>に伴う運動障害の改善〉出血:出血性脳梗塞・硬膜外血腫・脳内出血(0.3%)、消化管出血(頻度不明)、皮下出血(0.3%)、血尿(頻度不明)等があらわれることがある(血小板凝集能を抑制する)〔2.1、8.重要な基本的注意の項、9.1.2参照〕。11.1.2.ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):血圧低下、呼吸困難、喉頭浮腫、冷感等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.1.3.肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):著しいAST上昇・著しいALT上昇等を伴う重症肝機能障害、黄疸があらわれることがある。11.1.4.血小板減少(頻度不明)。11.1.5.白血球減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明):発症時には発熱や悪寒等がみられることが多いので、これらの症状があらわれた時は本症を疑い血液検査を行うこと。11.1.6.腎機能障害(頻度不明):重篤な腎機能障害(急性腎障害等)があらわれることがある。腎機能障害時には血小板減少を伴うことが多い。11.2.その他の副作用1).過敏症:(0.1%~3%未満)発疹、蕁麻疹、紅斑、(頻度不明)喘息<様>発作、そう痒。2).循環器:(0.1%~3%未満)上室性期外収縮、血圧下降。3).血液:(0.1%~3%未満)貧血。4).肝臓:(頻度不明)AST上昇・ALT上昇、LDH上昇、アルカリホスファターゼ上昇、ビリルビン上昇等。5).腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇。6).消化器:(0.1%~3%未満)嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振、膨満感。7).その他:(0.1%~3%未満)発熱、頭痛、注射部の発赤・腫脹・疼痛、(頻度不明)CK上昇、胸内苦悶感、ほてり、悪寒・戦慄、関節炎、CRP上昇。
18.1作用機序オザグレルナトリウムはトロンボキサン合成酵素を選択的に阻害してトロンボキサンA2の産生を抑制し、プロスタサイクリンの産生を促進して、両者のバランス異常を改善するとともに血小板凝集抑制作用を示す。さらに、脳血管攣縮及び脳血流量の低下を抑制し、脳の微小循環障害やエネルギー代謝異常を改善して、クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状を改善すること並びに脳血栓症急性期に伴う運動障害を改善する。18.2トロンボキサンA2(TXA2)、プロスタサイクリン(PGI2)の産生に対する作用健康成人に静脈内持続投与(1μg/kg/分、3時間)すると、TXA2の産生が著明に抑制され、PGI2の産生促進傾向が認められ、脳血栓症患者に静脈内持続投与(80mg、2時間)すると、TXA2の産生が著明に抑制され、PGI2の産生促進が認められる。また、ラット中大脳動脈閉塞・再開通モデルに閉塞後静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、再開通後の血漿中PGI2/TXA2濃度比の低下を改善する。18.3アラキドン酸代謝酵素に対する作用ウサギ及びヒト血小板のTXA2合成酵素に対し強い阻害作用を示す(invitro)。一方、シクロオキシゲナーゼ、PGI2合成酵素、PGE2イソメラーゼ及び12‐リポキシゲナーゼに対しては影響を及ぼさない(invitro)。18.4血小板凝集に対する作用ウサギ多血小板血漿におけるアラキドン酸及びコラーゲンによる凝集を10の-5乗~10の-4乗Mで濃度依存的に抑制し、また、ヒト多血小板血漿におけるアラキドン酸、コラーゲン及びADPによる凝集並びに血小板からのセロトニン遊離を抑制する(invitro)。18.5サイクリックAMP産生に対する作用10の-4乗Mを添加したウサギ多血小板血漿をアラキドン酸で刺激すると、血小板中サイクリックAMPが増加する(invitro)。18.6脳血管攣縮及び脳血流量に対する作用脳血栓症患者に静脈内投与すると、白質脳血流量が増加する。また、自家血を大槽内に注入したイヌのクモ膜下出血モデルに静脈内持続投与又は大槽内に直接注入すると、脳底動脈の攣縮及び脳血流量の低下を著明に抑制し、高血圧自然発症ラットの両側総頸動脈閉塞・再開通モデルに閉塞前より静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、局所脳血流量の低下を抑制する。ネコ脳軟膜血管内皮傷害モデルに静脈内投与(10mg/kg)すると、脳軟膜動脈を拡張する。18.7血栓形成に対する作用ネコ脳軟膜血管内皮傷害モデルに静脈内投与(10mg/kg)すると、血栓形成を抑制する。18.8脳梗塞形成に対する作用アラキドン酸を持続注入したウサギの脳梗塞モデルに静脈内へ前処置(0.3、1mg/kg)すると、脳梗塞巣の形成を著明に抑制する。また、ラット中大脳動脈閉塞・再開通モデルに閉塞後静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、脳梗塞巣の形成を抑制する。18.9脳エネルギー代謝に対する作用高血圧自然発症ラットの両側総頸動脈閉塞・再開通モデルに閉塞前より静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、局所脳ブドウ糖代謝の低下を抑制する。また、閉塞前に静脈内投与(5、30mg/kg)すると、脳内ATPの減少及び乳酸の増加を抑制する。18.10運動機能障害に対する作用ラット中大脳動脈閉塞・再開通モデルに閉塞後静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、運動機能障害を改善する。
17.1有効性及び安全性に関する試験〈クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善〉17.1.1国内第III相試験脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血患者を対象とした二重盲検比較試験において、オザグレルナトリウムを1日量として80mg及び400mgを24時間かけて持続静脈内投与した。投与は、手術後可及的速やかに開始し、投与期間は10日間以上14日間までとした注)。その結果、クモ膜下出血術後の脳血管攣縮の程度がなし~軽度であった割合は、1日80mg群59%及び1日400mg群48%であり、プラセボに比較して1日80mg群で脳血管攣縮の発生が有意に抑制された(p<0.05)。また、運動麻痺レベルの推移及び脳梗塞の出現頻度についてもプラセボ群との間に有意な差が認められ、臨床症状、機能予後及び脳血管撮影初見等より総合的に評価した有効率は、1日80mg群62%及び1日400mg群56%であり、プラセボに比較して1日80mg群で有意差が認められた(p<0.01)。なお、機能予後についてはプラセボ群との有意な差は確認されていない。副作用は、1日80mg群で19%(16/85例)及び1日400mg群で20%(17/87例)に認められ、主な副作用は、肝機能異常(6例及び3例)、硬膜外血腫(1例及び3例)、出血傾向(1例及び3例)、皮下出血(1例及び2例)であった。注)本剤のクモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状に対する承認用量は1日量80mgである。〈脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善〉17.1.2国内第III相試験脳血栓症患者を対象とした二重盲検比較試験において、1日量160mgを1日朝夕2回に2時間かけて持続静注(投与期間:14日間)したときの脳血栓症急性期の運動障害の改善度は、7日後で18.1%、14日後で41.0%、28日後で55.4%であり、プラセボに比較して有意に優れていた。また、神経症候、自覚症状及び日常生活動作の改善度についてプラセボ群との間に有意な差が認められた。副作用は、5.1%(7/138例)に認められ、発現した副作用は、肝機能障害、発疹、LDH上昇、貧血、薬疹、頭痛、頻尿及び口内炎(各1例)であった。