1.
症候性心房細動への肺静脈隔離術vs.シャム/JAMA
2024/10/04 ジャーナル四天王
症候性心房細動への肺静脈隔離術vs.シャム/JAMA
https://www.carenet.com/news/journal/carenet/59402
一般名 | ランジオロール塩酸塩注射用(1) |
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YJコード | 2123404D1041 |
剤型・規格 | 散剤・50mg1瓶 |
薬価 | 1930.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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症候性心房細動への肺静脈隔離術vs.シャム/JAMA
2024/10/04 ジャーナル四天王
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2.
肺静脈隔離術+左心耳結紮術、心房細動の予後を改善するか/JAMA
2024/04/16 ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/news/journal/carenet/58429
3.
医師が過小評価した心房細動、予後にどう影響?/慶應義塾大学
2024/03/07 医療一般 日本発エビデンス
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https://www.carenet.com/news/general/carenet/58154
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心房細動患者のうつ・不安の改善、アブレーションvs.薬物療法/JAMA
2023/09/25 ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/news/journal/carenet/57221
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発作性AFのアブレーション、パルスフィールドvs.クライオ/高周波バルーン/NEJM
2023/09/15 ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/news/journal/carenet/57164
1).手術時の次記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:心房細動、心房粗動、洞性頻脈。2).手術後の循環動態監視下における次記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:心房細動、心房粗動、洞性頻脈。3).心機能低下例における次記の頻脈性不整脈:心房細動、心房粗動。(効能又は効果に関連する注意)5.1.〈効能共通〉本剤は、予防的には使用しないこと。5.2.〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉手術時・手術後の洞性頻脈においては、その原因検索及びその除去が重要であることに十分留意するとともに、本剤の効果が心拍数の減少作用であることを踏まえて、本剤は緊急処置として必要に応じて使用すること〔8.7参照〕。5.3.〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉ICU、CCU及びそれに準じた全身管理が可能な施設において、循環動態の評価、不整脈診断及び呼吸・循環等の全身管理の十分な経験を持つ医師のもとで行い、心電図モニターを用い、心拍数の監視、血圧測定を原則として5分間隔で、必要ならば頻回に行うこと〔8.1、8.6参照〕。5.4.〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉ICU、CCU及びそれに準じた全身管理が可能な施設において、心不全又は生命に危険のある不整脈に対する治療の経験が十分にある医師のもとで行い、心電図モニターを用い、心拍数の監視、血圧測定を行うこと(また、本剤の投与により、心不全悪化するおそれがあるため、経皮的酸素飽和度をモニターする等、心不全の増悪に留意し、心不全が悪化した際には、本剤の投与を直ちに中止するとともに、ホスホジエステラーゼ阻害薬の投与や大動脈バルーンパンピング、経皮的心肺補助装置を施行する等、適切な処置を行うこと)〔8.1、8.2、8.12参照〕。
〈手術時の次記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:心房細動、心房粗動、洞性頻脈〉ランジオロール塩酸塩として、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。〈手術後の循環動態監視下における次記の頻脈性不整脈に対する緊急処置:心房細動、心房粗動、洞性頻脈〉ランジオロール塩酸塩として、1分間0.06mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.02mg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。5~10分を目安に目標とする徐拍作用が得られない場合は、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。〈心機能低下例における次記の頻脈性不整脈:心房細動、心房粗動〉ランジオロール塩酸塩として、1μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し1~10μg/kg/minの用量で適宜調節する。(用法及び用量に関連する注意)7.1.〈効能共通〉目標とする心拍数に調節した後は、循環動態、特に血圧低下に注意し、本剤を心拍数の維持に必要な最低の速度で持続投与すること。7.2.〈効能共通〉褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤を投与した後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること〔2.5、9.1.7参照〕。7.3.〈効能共通〉手術時、手術後、心機能低下例に伴う頻脈性不整脈の用法及び用量がそれぞれ異なることに留意すること。7.4.〈効能共通〉本剤投与に際しては、次記の体重別静脈内持続投与速度を参考にすること。精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)を使用する場合:単位は投与速度を表示。7.4.1.手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置(1).[本剤50mgを5mLに溶解した場合]投与量:投与開始から1分間0.125mg/kg/min、投与開始1分後以降0.04mg/kg/min、適宜調整0.01~0.04mg/kg/min。1).体重30kg:投与開始から1分間22.5mL/時、投与開始1分後以降7.2mL/時、適宜調整1.8~7.2mL/時。2).体重40kg:投与開始から1分間30.0mL/時、投与開始1分後以降9.6mL/時、適宜調整2.4~9.6mL/時。3).体重50kg:投与開始から1分間37.5mL/時、投与開始1分後以降12.0mL/時、適宜調整3.0~12.0mL/時。4).体重60kg:投与開始から1分間45.0mL/時、投与開始1分後以降14.4mL/時、適宜調整3.6~14.4mL/時。5).体重70kg:投与開始から1分間52.5mL/時、投与開始1分後以降16.8mL/時、適宜調整4.2~16.8mL/時。(2).[本剤50mgを20mLに溶解した場合]投与量:投与開始から1分間0.125mg/kg/min、投与開始1分後以降0.04mg/kg/min、適宜調整0.01~0.04mg/kg/min。1).体重30kg:投与開始から1分間90.0mL/時、投与開始1分後以降28.8mL/時、適宜調整7.2~28.8mL/時。2).体重40kg:投与開始から1分間120.0mL/時、投与開始1分後以降38.4mL/時、適宜調整9.6~38.4mL/時。3).体重50kg:投与開始から1分間150.0mL/時、投与開始1分後以降48.0mL/時、適宜調整12.0~48.0mL/時。4).体重60kg:投与開始から1分間180.0mL/時、投与開始1分後以降57.6mL/時、適宜調整14.4~57.6mL/時。5).体重70kg:投与開始から1分間210.0mL/時、投与開始1分後以降67.2mL/時、適宜調整16.8~67.2mL/時。7.4.2.手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置(1).[本剤50mgを5mLに溶解した場合]投与量:(開始用量)投与開始から1分間0.06mg/kg/min、投与開始1分後以降0.02mg/kg/min、(最大用量)投与開始から1分間0.125mg/kg/min、投与開始1分後以降0.04mg/kg/min。1).体重30kg:(開始用量)投与開始から1分間10.8mL/時、投与開始1分後以降3.6mL/時、(最大用量)投与開始から1分間22.5mL/時、投与開始1分後以降7.2mL/時。2).体重40kg:(開始用量)投与開始から1分間14.4mL/時、投与開始1分後以降4.8mL/時、(最大用量)投与開始から1分間30.0mL/時、投与開始1分後以降9.6mL/時。3).体重50kg:(開始用量)投与開始から1分間18.0mL/時、投与開始1分後以降6.0mL/時、(最大用量)投与開始から1分間37.5mL/時、投与開始1分後以降12.0mL/時。4).体重60kg:(開始用量)投与開始から1分間21.6mL/時、投与開始1分後以降7.2mL/時、(最大用量)投与開始から1分間45.0mL/時、投与開始1分後以降14.4mL/時。5).体重70kg:(開始用量)投与開始から1分間25.2mL/時、投与開始1分後以降8.4mL/時、(最大用量)投与開始から1分間52.5mL/時、投与開始1分後以降16.8mL/時。(2).[本剤50mgを20mLに溶解した場合]投与量:(開始用量)投与開始から1分間0.06mg/kg/min、投与開始1分後以降0.02mg/kg/min、(最大用量)投与開始から1分間0.125mg/kg/min、投与開始1分後以降0.04mg/kg/min。1).体重30kg:(開始用量)投与開始から1分間43.2mL/時、投与開始1分後以降14.4mL/時、(最大用量)投与開始から1分間90.0mL/時、投与開始1分後以降28.8mL/時。2).体重40kg:(開始用量)投与開始から1分間57.6mL/時、投与開始1分後以降19.2mL/時、(最大用量)投与開始から1分間120.0mL/時、投与開始1分後以降38.4mL/時。3).体重50kg:(開始用量)投与開始から1分間72.0mL/時、投与開始1分後以降24.0mL/時、(最大用量)投与開始から1分間150.0mL/時、投与開始1分後以降48.0mL/時。4).体重60kg:(開始用量)投与開始から1分間86.4mL/時、投与開始1分後以降28.8mL/時、(最大用量)投与開始から1分間180.0mL/時、投与開始1分後以降57.6mL/時。5).体重70kg:(開始用量)投与開始から1分間100.8mL/時、投与開始1分後以降33.6mL/時、(最大用量)投与開始から1分間210.0mL/時、投与開始1分後以降67.2mL/時。7.4.3.成人の心機能低下例における頻脈性不整脈[本剤50mgを50mLに溶解した場合]投与量:投与開始時1μg/kg/min、適宜調整1~10μg/kg/min。1).体重30kg:投与開始時1.8mL/時、適宜調整1.8~18.0mL/時。2).体重40kg:投与開始時2.4mL/時、適宜調整2.4~24.0mL/時。3).体重50kg:投与開始時3.0mL/時、適宜調整3.0~30.0mL/時。4).体重60kg:投与開始時3.6mL/時、適宜調整3.6~36.0mL/時。5).体重70kg:投与開始時4.2mL/時、適宜調整4.2~42.0mL/時。7.5.〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置、心機能低下例における頻脈性不整脈〉本剤投与により血圧低下(収縮期血圧90mmHgを目安とする)あるいは過度の心拍数減少(心拍数60回/分を目安とする)が生じた場合は、減量するか投与を中止すること。7.6.〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉本剤を再投与する際の投与間隔は5~15分間を目安とすること(なお、再投与は用法及び用量に従って実施すること)〔16.1.1-16.1.3、17.1.2参照〕。7.7.〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉心拍数及び血圧等に十分に注意し、慎重に、狭い用量幅で用量を調節すること〔17.1.5参照〕。
(禁忌)2.1.〈効能共通〉心原性ショックの患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある]。2.2.〈効能共通〉糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある]。2.3.〈効能共通〉房室ブロック<2度以上>、洞不全症候群など徐脈性不整脈患者[刺激伝導系に対し抑制的に作用し、悪化させるおそれがある]。2.4.〈効能共通〉肺高血圧症による右心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある]。2.5.〈効能共通〉未治療の褐色細胞腫又は未治療のパラガングリオーマの患者〔7.2、9.1.7参照〕。2.6.〈効能共通〉本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.7.〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉うっ血性心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある]。(重要な基本的注意)8.1.〈効能共通〉心電図による監視、血圧の測定等、心機能をモニターしながら投与し、血圧低下又は徐脈を認めた場合等は減量あるいは投与を中止し、必要に応じて適切な処置を行うこと。また、PQ時間が過度に延長した場合、投与を中止すること〔5.3、5.4、13.1参照〕。8.2.〈効能共通〉心筋虚血のリスクのある患者では、心拍数減少の有益性が血圧低下の危険性を上回ると判断された場合にのみ適用を考慮すること〔5.4参照〕。8.3.〈効能共通〉狭心症の患者で類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)の投与を急に中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されている(本剤の投与を中止する場合においても観察を十分に行うこと)。8.4.〈効能共通〉心房細動及び心房粗動に対する使用に際しては、本剤の効果が心拍数の減少であることに留意し、頻脈性(型)であることを確認すること〔17.1.4参照〕。8.5.〈効能共通〉本剤の心拍数の減少効果は、投与終了後、速やかに減弱するものの、この効果の消失には投与終了後30~60分を要することに留意すること〔17.1.1参照〕。8.6.〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉大侵襲手術後等の心拍出量低下している患者に本剤を投与する場合、本剤投与開始前の心機能を慎重に観察するとともに、心電図による監視、血圧の測定に加え、心拍出量及び血液ガス等の心機能をモニターし、患者の全身状態を十分管理しながら投与すること〔5.3参照〕。8.7.〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉手術時・手術後の洞性頻脈に対して本剤を投与する場合は、心筋虚血や心不全等の発生及びその悪化のおそれのある患者における頻脈処置の必要性を十分考慮し、患者の基礎疾患、合併症の内容、手術前の状態及び手術内容等の事前の患者情報を精査した上で、頻脈の治療が必要とされる場合にのみ適用を考慮すること〔5.2参照〕。8.8.〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉心不全の徴候又は症状が見られた場合は本剤を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。また、手術時・手術後の頻脈性不整脈の場合、本剤投与前に適切な緊急措置が可能となるように準備しておく(必要に応じてアトロピン、β1刺激剤、輸液や昇圧剤等を準備しておくことが望ましい)〔11.1.3参照〕。8.9.〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉手術時・手術後の頻脈性不整脈の場合、本剤は緊急治療を要する場合に短期間のみ適応し、患者の状態を十分観察し、緊急治療の必要が無くなった場合は、漫然と継続投与しないこと。8.10.〈手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉本剤投与5~10分を目安として、目標とする心拍数の低下が得られない場合は、本剤投与を中止し、適切な処置を行うこと。8.11.〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉本剤投与5~10分を目安として、目標とする心拍数の低下が得られない場合は、最大用量に増量するか、本剤投与を中止し、適切な処置を行うこと。8.12.〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉本剤の投与により心不全悪化するおそれがあり、重篤な状態に陥るおそれがあるため、心不全の悪化に常に注意すること〔5.4、9.1.8、11.1.3参照〕。8.13.〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉心機能低下例における頻脈性不整脈の場合、患者の状態を十分観察し、治療の必要が無くなった場合は、漫然と継続投与しないこと。また、心機能低下例における頻脈性不整脈の場合、本剤を10μg/kg/minの速度まで増量しても目標とする心拍数の低下が得られない場合は、本剤投与を中止し、適切な処置を行うこと。8.14.〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉本剤の減量・中止時に、患者の状態に応じて経口β遮断剤への切り替えを考慮すること。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.〈効能共通〉気管支痙攣性疾患の患者:気管支筋収縮作用により、痙攣症状の誘発、悪化を起こすおそれがある(本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有する)〔18.2.1参照〕。9.1.2.〈効能共通〉コントロール不十分な糖尿病患者:低血糖症状としての頻脈等の交感神経系反応をマスクするおそれがある。9.1.3.〈効能共通〉低血圧症の患者:心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。9.1.4.〈効能共通〉重篤な血液障害のある患者:薬剤の代謝、排泄が影響を受けるおそれがある〔16.4参照〕。9.1.5.〈効能共通〉末梢循環障害のある患者(壊疽、レイノー症候群、間歇性跛行等):末梢血管の拡張を抑制し、症状が悪化するおそれがある(本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有する)〔18.2.1参照〕。9.1.6.〈効能共通〉大量出血や脱水症状等により循環血液量減少している患者:本剤投与により血圧低下をきたしやすい。9.1.7.〈効能共通〉褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:本剤投与により急激に血圧が上昇するおそれがある〔2.5、7.2参照〕。9.1.8.〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉左室収縮機能障害のある患者:心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある〔8.12参照〕。9.1.9.〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉非代償性心不全の患者:代償性心不全の患者よりも、心不全が増悪するおそれがあり、重篤な状態に陥るおそれがさらにある〔11.1.3参照〕。(腎機能障害患者)9.2.1.重篤な腎機能障害患者:薬剤の排泄が影響を受けるおそれがある〔16.5参照〕。(肝機能障害患者)9.3.1.重篤な肝機能障害患者:薬剤の代謝、排泄が影響を受けるおそれがある〔16.4、16.6.1参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)十分に患者の状態を観察しながら投与すること。生理機能が低下していることが多く、本剤の作用が強く発現するおそれがある。(相互作用)10.2.併用注意:1).交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[交感神経系の過剰の抑制をきたすおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること(レセルピン等のカテコールアミン枯渇剤が投与されている時にβ遮断剤のカテコールアミン遮断作用が加わると交感神経活性が過度に低下するおそれがある)]。2).血糖降下剤(インスリン等)[低血糖症状<頻脈等>をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること(血糖値が低下するとカテコールアミンが副腎から分泌され、心拍数を増加させるが、心臓のβ1受容体が遮断されていると、心拍数の増加が起きず、頻脈のような低血糖症状がマスクされるおそれがある)]。3).カルシウム拮抗剤(ベラパミル、ジルチアゼム等)〔18.2.6参照〕[相互に作用が増強されるおそれがあり、うっ血性心不全のおそれ・洞房ブロック・房室ブロックのある患者で重度低血圧、うっ血性心不全のおそれ・洞房ブロック・房室ブロックのある患者で徐脈、うっ血性心不全のおそれ・洞房ブロック・房室ブロックのある患者で心不全が発現するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること(カルシウム拮抗剤とβ遮断剤は共に心収縮力や刺激伝導系の抑制作用、血圧低下作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある)]。4).ジギタリス製剤〔18.2.6参照〕[房室伝導時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること(ジギタリス製剤とβ遮断剤は共に房室伝導時間の延長作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある)]。5).クラス1抗不整脈剤(ジソピラミド、プロカインアミド等)、クラス3抗不整脈剤(アミオダロン、ニフェカラント等)〔18.2.6参照〕[過度の心機能抑制があらわれるおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること(クラス1抗不整脈剤及びクラス3抗不整脈剤は刺激伝導系に対する抑制作用を有するので、これらの薬剤との併用で過度の心機能抑制作用が起こるおそれがある)]。6).クロニジン[クロニジン投与中止後のリバウンド現象<血圧上昇>を増強する可能性があるので、手術前数日以内にクロニジンを投与中止した場合には、本剤の投与を慎重に行うこと(クロニジンを投与されている患者でクロニジンを中止すると、血中カテコールアミンが上昇し、血圧上昇をきたすが、β遮断剤を投与すると、カテコールアミンによるα刺激作用が優位になり、血管収縮がさらに増強されるおそれがある)]。7).交感神経刺激剤(アドレナリン等)〔13.2参照〕[血管収縮により血圧上昇をきたすことがあるので注意すること(α、β刺激作用を有する薬剤の場合には、本剤により交感神経刺激剤のβ刺激作用が抑制され、α刺激作用が優位となり、血管収縮が起こるおそれがある)]。8).コリンエステラーゼ阻害剤(ネオスチグミン、ジスチグミン臭化物、エドロホニウム塩化物等)[本剤の代謝を阻害し作用が増強及び作用時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること(本剤はエステラーゼで代謝されるため、これらの薬剤との併用により本剤の作用が増強及び作用時間が延長するおそれがある)]。9).フェンタニルクエン酸塩、プロポフォール〔18.2.6参照〕[徐拍作用を増強するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること(フェンタニルクエン酸塩及びプロポフォールは徐拍作用を持つ麻酔薬であり、これら薬剤との併用により、徐拍作用が増強するおそれがある)]。10).プロカイン、スキサメトニウム[本剤及び他剤の作用時間が延長することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(同一の酵素によって代謝されるため、拮抗的な阻害を受けるものと推測され、ヒト血漿を用いたinvitro試験結果から、スキサメトニウムとの併用で本剤の血中濃度が最大20%程度上昇する可能性がある)]。(過量投与)13.1.症状過量投与時、過度の血圧低下又は過度の徐脈をきたす〔8.1参照〕。13.2.処置過量投与時には、直ちに本剤の投与を中止すること。更に、必要に応じて次記等の適切な処置を行うこと〔10.2参照〕。過量投与時の血圧低下:輸液の投与や吸入麻酔剤の濃度を下げる等の処置を行い、更に、必要に応じて、昇圧剤を投与するが、交感神経刺激剤を用いる場合はα刺激作用が優位に発現することによる過度の昇圧に注意して投与すること。過量投与時の徐脈:アトロピンを投与し、更に必要に応じてβ1刺激薬(ドブタミン等)や輸液等を投与する。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意本剤は、ランジオロール塩酸塩50mgを5mL以上の生理食塩液等で溶解する。10mg/mLを超える濃度で点滴すると、局所反応や皮膚壊死が発現するおそれがあるので、十分に注意すること。精密持続点滴装置使用に際しては、バッグあるいはシリンジ内に気泡が混入しないように注意すること。14.2.薬剤投与時の注意14.2.1.本剤は輸液以外の薬剤とは別経路で投与すること(患者の心拍数・血圧の変化に応じて本剤の投与速度を適宜調節する必要がある)。14.2.2.精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)の誤操作により、過量投与の可能性があるので、投与前に精密持続点滴装置の操作を十分習得し、流量の設定には十分注意すること。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報β遮断剤(プロプラノロール塩酸塩、アテノロール等)服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗するとの報告、並びにグルカゴン静注が有効であったとの報告がある。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.ショック(0.1%):過度の血圧低下があらわれることがある。11.1.2.心停止(0.2%)、完全房室ブロック(頻度不明)、洞停止(頻度不明)、高度徐脈(頻度不明)。11.1.3.心不全(0.1%):心不全の急激な増悪があらわれるおそれがある〔8.8、8.12、9.1.9参照〕。11.2.その他の副作用1).循環器:(10%以上)血圧低下、(1%未満)徐脈、ST低下、肺動脈圧上昇。2).呼吸器:(1%未満)喘息、低酸素血症。3).肝臓:(1~10%未満)AST上昇、ALT上昇、総ビリルビン上昇、(1%未満)γ-GTP上昇。4).その他:(1%未満)白血球増多、血小板減少、Al-P上昇、LDH上昇、BUN上昇、クレアチニン上昇、尿酸上昇。
18.1作用機序主に心臓に存在するβ1受容体に作用し、交感神経終末及び副腎髄質より遊離されるノルアドレナリン及びアドレナリンによる心拍数増加作用に拮抗することで抗不整脈作用を発現する。18.2薬理作用18.2.1β1受容体選択性[9.1.1、9.1.5参照](1)ランジオロール塩酸塩のβ1及びβ2受容体に対するKi値は、それぞれ62.1及び1,890nMである(invitro)。(2)ランジオロール塩酸塩のβ1(摘出心房筋)遮断作用及びβ2(気管平滑筋)遮断作用のpA2値は、それぞれ6.31及び3.91である(invitro)。(3)ランジオロール塩酸塩のα1及びα2受容体に対するKi値は、それぞれ81.5及び180.1μMであり、α受容体にはほとんど作用しない(invitro)。18.2.2β遮断作用の持続性イソプロテレノール投与による心拍数増加に対して、ランジオロール塩酸塩は用量に応じた心拍数増加抑制作用を示し、抑制作用の消失半減期は11分から18分である(イヌ)。一方、同モデルにおいてプロプラノロール塩酸塩の抑制作用の消失半減期は60分以上である。18.2.3不整脈に対する作用交感神経電気刺激誘発頻脈及びイソプロテレノール誘発頻脈、ハロセン・アドレナリン誘発の不整脈あるいはアコニチン誘発不整脈に対して、ランジオロール塩酸塩は用量に応じて抑制作用を示す(イヌ)。18.2.4頻脈時の心拍出量減少に対する作用アドレナリン投与による頻脈と低心拍出量に対して、ランジオロール塩酸塩は心拍数を減少させることにより、心拍出量の減少を改善する。この作用は、拍動時間が長くなることで一回拍出量が増加するためであると考えられるが、過量投与した場合には逆に心拍出量を減少させる可能性がある(イヌ)。18.2.5その他の作用(1)膜安定化作用(MSA:membranestabilizingactivity)及び内因性交感神経刺激作用(ISA:intrinsicsympathomimeticactivity)は認められない(invitro)。(2)イソプロテレノール処置によるレニン分泌及び糖代謝の亢進に対して有意な変化を及ぼさない。一方、プロプラノロール塩酸塩はイソプロテレノール処置によるレニン分泌及び糖代謝の亢進を有意に抑制する(イヌ)。18.2.6薬力学的薬物相互作用ジギタリス製剤、クラスI抗不整脈剤、クラスIII抗不整脈剤、カルシウム拮抗剤及び麻酔剤との併用によって、ランジオロール塩酸塩の心拍数減少、PR間隔延長、平均血圧低下のいずれかが相乗的に増強される(イヌ)。[10.2参照]
17.1有効性及び安全性に関する試験〈手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉17.1.1国内第III相試験プラセボを対照とした二重盲検比較試験において、麻酔中に緊急治療を要する高血圧症、虚血性心疾患、心電図上の虚血性変化等を有する患者における上室性頻脈性不整脈に対する短期心拍数調節薬としての有用性が確認された。なお、心拍数の減少効果はランジオロール投与2~3分後からプラセボに比べ有意となり、この効果はランジオロール投与中持続し、投与終了後30~60分で消失した。[8.5参照]17.1.2国内第III相試験ランジオロールを複数回投与した10例において、再投与までの投与間隔は平均67.2分(最短25分、最長215分)であり、初回投与時と再投与時でランジオロールの有効性及び安全性に差異は認められていない。主な副作用は、低血圧であった。[7.6参照]〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉17.1.3国内第III相試験プラセボを対照とした二重盲検比較試験において、手術後に緊急治療を要する高血圧症、虚血性心疾患、心電図上の虚血性変化等を有する心筋虚血の高リスク患者、又は心臓血管手術、開胸術、上腹部手術及び食道癌手術等の大侵襲手術後の上室性頻脈性不整脈に対する心拍数調節薬としての有用性が確認された。安全性評価対象98例中、主な副作用は、低血圧11例(11.2%)であった。17.1.4国内臨床試験二重盲検比較試験を含む臨床試験において、ランジオロール投与前に比べ心拍数が20%以上減少かつ心拍数が100回/分未満に達した症例は、200例中99例(49.5%)であり、不整脈の種類別では心房細動・心房粗動75例中38例(50.7%)、洞性頻脈125例中61例(48.8%)、であった。なお、後期第II相試験及び第III相二重盲検比較試験は手術後7日以内で実施されている。[8.4参照]〈心機能低下例における頻脈性不整脈〉17.1.5国内後期第II相/第III相試験20歳以上の非周術期の心機能低下例における頻脈性不整脈(心房細動・粗動)を対象に、ジゴキシンを対照とした単盲検比較試験を実施した。治療薬投与前のNYHA心機能分類がIII度又はIV度、かつ左心室駆出率が25~50%の患者が対象とされた。主要評価項目である治験薬投与開始2時間後における治験薬投与直前の心拍数に対する20%以上の徐拍化かつ心拍数110回/分未満を認めた被験者の割合(目標達成被験者の割合)において、ランジオロール群は目標達成率を増加させた。また、安全性評価対象93例中8例(8.6%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、血圧低下・収縮期血圧低下・低血圧4例(4.3%)であった。なお、ランジオロールは1μg/kg/minにて静脈内持続投与を開始し、原則1μg/kg/minの増減幅で適宜調節し、最大投与量として10μg/kg/minを超えないこととした。--------------------------表開始--------------------------投与群目標達成被験者の割合調整解析a)目標達成被験者の割合ランジオロール群48.8%(40/82例)48.0%*ジゴキシン群13.3%(13/98例)13.9%a)治験薬投与直前の心拍数及び治験薬投与前の左室駆出率を共変量とした線形確率モデルを用いて算出した。*:p<0.0001(ジゴキシン群との比較)--------------------------表終了--------------------------前記試験において、副次評価項目である各時点の心拍数において、ランジオロール群は投与後速やかな心拍数低下作用を示した。[7.7参照]--------------------------表開始--------------------------投与群心拍数(回/分)投与直前30分後1時間後2時間後ランジオロール群138.1±15.7126.3±20.6117.3±22.3*110.2±19.2**ジゴキシン群138.0±15.0128.3±19.3125.4±20.4122.3±20.5平均値±標準偏差*:p=0.0003、**:p<0.0001(治験薬投与直前の心拍数及び治験薬投与前の左室駆出率を共変量とした共分散分析によるジゴキシン群との比較)--------------------------表終了--------------------------