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一般名 | ビルダグリプチン・メトホルミン塩酸塩配合剤(1)錠 |
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YJコード | 3969104F1029 |
剤型・規格 | 錠剤・1錠 |
薬価 | 51.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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2024/11/22 こんなときどうする?高齢者診療
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2型糖尿病(ただし、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の併用による治療が適切と判断される場合に限る)。(効能又は効果に関連する注意)5.1.本剤を2型糖尿病治療の第一選択薬として用いないこと。5.2.本剤LD(ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩として50mg/250mg)については、原則として、既にビルダグリプチン50mg1日2回及びメトホルミン塩酸塩250mg1日2回を併用し状態が安定している場合、あるいはビルダグリプチン50mg1日2回又はメトホルミン塩酸塩250mg1日2回の単剤の治療により効果不十分な場合に、使用を検討すること。5.4.本剤投与中において、本剤の投与がビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の各単剤の併用よりも適切であるか慎重に判断すること。5.5.中等度腎機能障害のある患者(eGFR30mL/min/1.73㎡以上60mL/min/1.73㎡未満)では、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩を腎機能に応じて減量するなど慎重な投与が必要であるため、本剤を使用せず、各単剤の併用を検討すること〔8.2.1、9.2.2、11.1.1参照〕。5.6.本剤の適用においては、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行うこと。
通常、成人には1回1錠(ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩として50mg/250mg)を1日2回朝、夕に経口投与する。(用法及び用量に関連する注意)7.1.ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の各単剤の用法・用量を考慮して、患者ごとに本剤の用量を決めること。7.2.ビルダグリプチン50mg1日2回の単剤の治療により効果不十分な場合は、本剤LDから投与を開始すること。
(警告)1.1.重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあり、死亡に至った例も報告されているので、乳酸アシドーシスを起こしやすい患者には投与しないこと〔2.2、2.4、2.5、8.2、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1参照〕。1.2.腎機能障害又は肝機能障害のある患者、高齢者に投与する場合には、定期的に腎機能や肝機能を確認するなど慎重に投与すること。特に75歳以上の高齢者では、本剤投与の適否を慎重に判断すること〔8.2、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。(禁忌)2.1.本剤の成分又はビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.次に示す患者[乳酸アシドーシスを起こしやすい]〔1.1、8.2.1-8.2.3、11.1.1参照〕。・乳酸アシドーシスの既往のある患者[乳酸アシドーシスを起こしやすい]。・重度腎機能障害(eGFR30mL/min/1.73㎡未満)のある患者又は透析患者(腹膜透析を含む)[乳酸アシドーシスを起こしやすい]〔9.2.1参照〕。・心血管系に高度障害、肺機能に高度障害(ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓等)のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態にある患者[乳酸アシドーシスを起こしやすい;嫌気的解糖の亢進により乳酸産生が増加する]。・脱水症の患者又は脱水状態が懸念される患者(下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者、経口摂取が困難な患者等)[乳酸アシドーシスを起こしやすい]。・過度のアルコール摂取者[乳酸アシドーシスを起こしやすい;肝臓における乳酸の代謝能が低下し、また、脱水状態を来すことがある]〔10.1参照〕。2.3.糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須である]。2.4.重度肝機能障害のある患者[肝臓における乳酸の代謝能が低下し、乳酸アシドーシスを起こしやすい、また、肝機能障害が悪化するおそれがある]〔1.1、8.2.1、9.3.1参照〕。2.5.重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない、また、乳酸アシドーシスを起こしやすい]〔1.1、8.2、11.1.1参照〕。2.6.栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者[低血糖を起こすおそれがある]。2.7.妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。(重要な基本的注意)8.1.本剤の使用にあたっては、患者及び家族に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること〔9.1.1、11.1.4参照〕。8.2.本剤の有効成分であるメトホルミンによりまれに重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがある(リスク因子としては、腎機能障害、肝機能障害、低酸素血症を伴いやすい状態、脱水(利尿作用を有する薬剤の併用を含む)、過度のアルコール摂取、感染症、高齢者等が知られている)。特に、脱水、過度のアルコール摂取等により患者の状態が急変することもあるので、次の点に注意すること〔1.1、1.2、2.5、9.1.3、11.1.1参照〕。8.2.1.本剤の投与開始前及びその後も投与中は定期的に、腎機能(eGFR等)及び肝機能を確認するとともに、患者の状態に十分注意して投与の適否及び投与量の調節を検討すること。なお、高齢者等、特に慎重な経過観察が必要な場合には、より頻回に確認すること〔2.2、2.4、5.5、9.2.3、9.3.2、9.8高齢者の項参照〕。8.2.2.脱水症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤等)との併用時には、特に脱水に注意すること〔2.2、10.2参照〕。8.2.3.本剤の投与開始時及びその後も投与中は適切に、次の内容を患者及びその家族に十分指導すること。・過度のアルコール摂取を避けること〔2.2、10.1参照〕。・発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良等の体調不良(シックデイ)の時は、脱水状態が懸念されるため、いったん服用を中止し、医師に相談すること〔2.2、9.1.3参照〕。・乳酸アシドーシスの症状(胃腸障害、けん怠感、筋肉痛、過呼吸等)があらわれた場合には、直ちに受診すること〔11.1.1参照〕。8.2.4.ヨード造影剤を用いて検査を行う患者においては、本剤の有効成分であるメトホルミンの併用により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、検査前は本剤の投与を一時的に中止すること(ただし、緊急に検査を行う必要がある場合を除く)、ヨード造影剤投与後48時間は本剤の投与を再開しないこと(なお、投与再開時には、患者の状態に注意すること)〔10.2参照〕。8.3.肝機能障害(肝炎を含む)があらわれることがあるので、本剤投与開始前、投与開始後1年間は少なくとも3ヵ月毎に、その後も定期的に肝機能検査を行うこと〔11.1.2参照〕。8.4.本剤の有効成分であるビルダグリプチンにより急性膵炎があらわれることがあるので、持続的な激しい腹痛、嘔吐等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること〔11.1.6参照〕。8.5.本剤投与中は、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、本剤を3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には他の治療法への変更を考慮すること。8.6.低血糖及び低血糖症状を起こすおそれがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること〔11.1.4参照〕。8.7.本剤と他の糖尿病用薬の併用における安全性は検討されていない。8.8.本剤の有効成分であるビルダグリプチンとGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有しており、ビルダグリプチンとGLP-1受容体作動薬を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。8.9.本剤の有効成分であるメトホルミンとイメグリミンは作用機序の一部が共通している可能性があること、また、イメグリミンの国内臨床試験において、ビグアナイド系薬剤とイメグリミンを併用した場合、他の糖尿病用薬との併用療法と比較して消化器症状が多く認められたとの報告があることから、併用薬剤の選択の際には留意すること〔10.2参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.低血糖をおこすおそれのある次の患者又は状態。・不規則な食事摂取、食事摂取量不足。・激しい筋肉運動。〔8.1、11.1.4参照〕。9.1.2.腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者:腸閉塞を起こすおそれがある〔11.1.7参照〕。9.1.3.感染症の患者:乳酸アシドーシスを起こすおそれがある〔8.2、8.2.3、11.1.1参照〕。(腎機能障害患者)腎機能障害患者:腎臓における排泄が減少しメトホルミンの血中濃度が上昇するため、乳酸アシドーシス等の発現リスクが高くなる可能性があり、また、ビルダグリプチンの血中濃度が上昇する〔1.1、1.2、9.8高齢者の項、11.1.1、16.6.1参照〕。9.2.1.重度腎機能障害のある患者(eGFR30mL/min/1.73㎡未満)又は透析患者(腹膜透析を含む):投与しないこと〔2.2参照〕。9.2.2.中等度腎機能障害のある患者(eGFR30mL/min/1.73㎡以上60mL/min/1.73㎡未満):本剤を使用せず、各単剤の併用を検討すること〔5.5参照〕。9.2.3.軽度腎機能障害のある患者〔8.2.1参照〕。(肝機能障害患者)肝機能障害患者:肝臓における乳酸の代謝能が低下し、乳酸アシドーシスの発現リスクが高くなる可能性がある〔1.1、1.2、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。9.3.1.重度肝機能障害のある患者:投与しないこと〔2.4参照〕。9.3.2.軽度~中等度肝機能障害のある患者〔8.2.1参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット、ウサギ)でビルダグリプチン及びメトホルミンの胎仔への移行が認められており、また、動物実験(ラット)でメトホルミンの催奇形作用が報告されており、また、妊婦は乳酸アシドーシスを起こしやすい)〔2.7、11.1.1参照〕。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で、ビルダグリプチン及びメトホルミンが乳汁中へ移行することが報告されている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)乳酸アシドーシスを起こしやすいので、次の点に注意すること(高齢者では、腎機能、肝機能等が低下していることが多く、また脱水症状を起こしやすい)〔1.2、8.2.1、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1参照〕。・高齢者:本剤の投与開始前、投与中は定期的に、特に慎重な経過観察が必要な場合にはより頻回に腎機能や肝機能を確認するなど十分に観察しながら慎重に投与すること(メトホルミンはほとんど代謝されず、未変化体のまま尿中に排泄され、また、肝機能の低下により乳酸の代謝能が低下する)。・高齢者:腎機能や脱水症状等患者の状態に十分注意して投与の中止や減量を検討すること。特に75歳以上の高齢者では、乳酸アシドーシスが多く報告されており、予後も不良であることが多いため、本剤投与の適否をより慎重に判断すること。・高齢者:血清クレアチニン値が正常範囲内であっても、年齢によっては実際の腎機能が低下していることがあるので、eGFR等も考慮して、慎重に患者の状態を観察すること。(相互作用)ビルダグリプチンは主に代謝により消失し、未変化体の尿中排泄率は23%であった。また、メトホルミンはほとんど代謝されず、未変化体のまま尿中に排泄される〔16.5.1、16.5.2参照〕。10.1.併用禁忌:アルコール<過度の摂取>〔2.2、8.2.3、11.1.1参照〕[乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、本剤投与中は過度のアルコール摂取(飲酒)を避けること(肝臓における乳酸の代謝能が低下し、また、脱水状態を来すことがある)]。10.2.併用注意:1).ヨード造影剤〔8.2.4、11.1.1参照〕[併用により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、ヨード造影剤を用いて検査を行う場合には、本剤の投与を一時的に中止すること(腎機能が低下し、メトホルミンの排泄が低下することが考えられている)]。2).腎毒性の強い抗生物質(ゲンタマイシン等)〔11.1.1参照〕[併用により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、併用する場合は本剤の投与を一時的に減量・中止するなど適切な処置を行うこと(腎機能が低下し、メトホルミンの排泄が低下することが考えられている)]。3).利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤等)〔8.2.2、11.1.1参照〕[脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、脱水症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(利尿作用を有する薬剤により、体液量が減少し脱水状態になることがある)]。4).血糖降下作用を増強する薬剤(糖尿病用剤(スルホニルアミド系薬剤及びスルホニルウレア系薬剤、ビグアナイド系薬剤、インスリン製剤、チアゾリジン系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、SGLT2阻害剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬、イメグリミン等)、β-遮断剤、サリチル酸剤、MAO阻害剤、フィブラート系薬剤等)〔11.1.4参照〕[低血糖症状が起こるおそれがあるので、血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること(血糖降下作用の増強による)。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するため、これらの薬剤の減量を検討すること(血糖降下作用の増強による)]。5).たん白同化ホルモン剤[低血糖症状が起こるおそれがあるので、血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること(機序は不明である)]。6).イメグリミン〔8.9参照〕[消化器症状の発現に注意すること(特に併用初期に多く発現する傾向が認められている)]。7).血糖降下作用を減弱する薬剤(アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン、卵胞ホルモン、利尿剤、ニコチン酸、フェノチアジン系薬剤等)[血糖値が上昇してコントロール不良になるおそれがあるので、血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること(血糖降下作用の減弱による)]。8).ピラジナミド[血糖値が上昇してコントロール不良になるおそれがあるので、血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること(機序は不明である)]。9).イソニアジド[血糖値が上昇してコントロール不良になるおそれがあるので、血糖値、その他患者の状態を十分に観察しながら投与すること(イソニアジドによる炭水化物代謝阻害が考えられている)]。10).シメチジン、ドルテグラビル、ビクテグラビル、バンデタニブ[メトホルミンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて本剤を減量するなど慎重に投与すること(これらの薬剤の腎臓での有機カチオン輸送系阻害作用により、メトホルミンの排泄が阻害されると考えられている)]。11).アンジオテンシン変換酵素阻害剤〔11.1.3参照〕[ビルダグリプチンとアンジオテンシン変換酵素阻害剤を併用している患者では、併用していない患者に比べて血管浮腫の発現頻度が高かったとの報告がある(機序は不明である)]。(過量投与)13.1.症状過量投与時、乳酸アシドーシスが起こることがある〔11.1.1参照〕。13.2.処置過量投与時、乳酸アシドーシスが認められた場合は、アシドーシスの補正(炭酸水素ナトリウム静注等)、輸液(強制利尿)、血液透析等の適切な処置を行う(なお、ビルダグリプチンは血液透析により除去されない)。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。15.2.非臨床試験に基づく情報15.2.1.マウスを用いたビルダグリプチンの104週間反復経口投与がん原性試験において、1000mg/kg/日(50mg1日2回用量でのヒト曝露量(AUC)の199倍)群の雌で乳腺腺癌の発生例数が増加し、ビルダグリプチン1000mg/kg/日群の雌及び250mg/kg/日以上群の雄で血管肉腫の発生例数が増加した。15.2.2.カニクイザルを用いたビルダグリプチンの13週間経口投与毒性試験において、50mg1日2回用量でのヒト曝露量(AUC)に相当する5mg/kg/日以上の用量で、四肢皮膚病変、耳皮膚病変及び尾部皮膚病変等の皮膚病変(5mg/kg/日で投与期間中に消失した一過性皮膚水疱、20mg/kg/日以上で落屑、痂皮等、80mg/kg/日以上で皮膚壊死等)が報告されている。また、カニクイザルを用いたビルダグリプチンの他の経口投与毒性試験において、20mg/kg/日以上の用量で、個体により初回投与後に急性毒性徴候として、骨格筋壊死、血液生化学的パラメータの上昇(LDH上昇、CK上昇、ALT上昇及びAST上昇)、体温低下、血圧低下又は頻脈を伴う体の先端部分の浮腫が報告されており、40mg/kg/日以上の用量で、一部の個体で瀕死もしくは死亡が認められた一方で、生存例では症状は一過性で投与期間中に回復した。なお、同様の毒性所見は他の動物種(マウス、ラット、イヌ及びウサギ)及びヒトでは報告されていない。(取扱い上の注意)使用期限内であっても、湿気を避けるため開封後はなるべく速やかに使用すること。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.乳酸アシドーシス(頻度不明):乳酸アシドーシス(血中乳酸値上昇、乳酸/ピルビン酸比上昇、血液pH低下等を示す)は予後不良のことが多く、一般的に発現する臨床症状は様々であるが、胃腸症状、けん怠感、筋肉痛、過呼吸等の症状がみられることが多く、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、必要な検査を行うこと。なお、乳酸アシドーシスの疑いが大きい場合には、乳酸の測定結果等を待つことなく適切な処置を行うこと〔1.1、1.2、2.2、2.5、5.5、8.2、8.2.3、9.1.3、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者、9.5妊婦、9.8高齢者の項、10.1、10.2、13.1参照〕。11.1.2.肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):ALT上昇又はAST上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切な処置を行うこと(黄疸や肝機能障害を示唆するその他の症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止すること。ビルダグリプチンにおいて、投与中止後に肝酵素の上昇が回復したものの、再投与により再発した症例が報告されていることから、黄疸や肝機能障害を示唆するその他の症状が回復した場合でも本剤を含むビルダグリプチンを含有する製剤を再投与しないこと)〔8.3参照〕。11.1.3.血管浮腫(頻度不明):ビルダグリプチンとアンジオテンシン変換酵素阻害剤を併用している患者では、併用していない患者に比べて血管浮腫の発現頻度が高かったとの報告がある〔10.2参照〕。11.1.4.低血糖(頻度不明):低血糖があらわれることがある。スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状があらわれ、意識消失を来す例も報告されている。低血糖症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること〔8.1、8.6、9.1.1、10.2参照〕。11.1.5.横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。11.1.6.急性膵炎(頻度不明):持続的な激しい腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.4参照〕。11.1.7.腸閉塞(頻度不明):高度便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.1.2参照〕。11.1.8.間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施すること(間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)。11.1.9.類天疱瘡(頻度不明):水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.2.その他の副作用1).血液及びリンパ系障害:(1%未満)白血球数増加、貧血、(頻度不明)白血球数減少、血小板数減少、好酸球数増加。2).神経系障害:(1~5%未満)めまい・ふらつき、(1%未満)振戦、(頻度不明)味覚異常、頭重、頭痛、眠気。3).心臓障害:(頻度不明)動悸。4).血管障害:(1%未満)高血圧。5).胃腸障害:(1~5%未満)便秘、アミラーゼ増加、下痢、悪心、(1%未満)胃炎、腹部不快感、腹部膨満、鼓腸、放屁増加、胃食道逆流性疾患、リパーゼ増加、(頻度不明)腹痛、食欲減退、消化不良、嘔吐、胃腸障害[乳酸アシドーシスの初期症状であることもあるので注意すること]。6).肝胆道系障害:(1%未満)ALT増加、AST増加、ALP増加、(頻度不明)γ-GTP増加。7).腎及び尿路障害:(頻度不明)クレアチニン増加、BUN増加。8).代謝及び栄養障害:(1%未満)乳酸増加、尿酸増加、(頻度不明)ケトーシス、カリウム増加、*ビタミンB12減少[*:長期使用によりビタミンB12の吸収不良があらわれることがある]。9).筋骨格系障害:(1%未満)関節痛、(頻度不明)※筋肉痛[※:乳酸アシドーシスの初期症状であることもあるので注意すること]。10).皮膚障害:(1%未満)多汗症、(頻度不明)湿疹、発疹、皮膚そう痒症、蕁麻疹、皮膚剥脱、皮膚水疱、皮膚血管炎。11).その他:(1~5%未満)空腹、(1%未満)無力症、CRP増加、CK-MB増加、CK増加、体重増加、悪寒、(頻度不明)※けん怠感[※:乳酸アシドーシスの初期症状であることもあるので注意すること]、浮腫。
18.1作用機序本剤は、ビルダグリプチン及びメトホルミン塩酸塩の配合剤である。〈ビルダグリプチン〉DPP‐4を選択的かつ可逆的に阻害し、内因性GLP‐1の濃度を高めることで、血糖依存性にインスリン分泌を促進させるとともにグルカゴン分泌を抑制し、血糖降下作用を発揮する。〈メトホルミン塩酸塩〉主として肝臓における糖新生を抑制し、膵β細胞のインスリン分泌を介することなく血糖降下作用を発揮する。また、末梢での糖取り込み促進、腸管からの糖吸収抑制等の作用も知られている。18.2DPP‐4阻害作用ビルダグリプチンはヒト血漿DPP‐4を濃度依存的に阻害し、IC50値は2.7nMであった。また、ビルダグリプチンは、ヒトDPP‐4(組換え体)に対して高い親和性を示し、Ki値は2~3nMであった。18.3血漿GLP‐1に対する作用2型糖尿病患者にビルダグリプチン50mgを1日2回7日間反復経口投与すると、血漿GLP‐1濃度が上昇した。18.4インスリン抵抗性に対する作用2型糖尿病患者にビルダグリプチン50mgを1日2回41日間反復経口投与し、インスリンクランプ試験を実施したところ、インスリン抵抗性を表す指標が改善した(外国人のデータ)。18.5血糖降下作用及び耐糖能改善作用18.5.1前糖尿病期及び2型糖尿病のカニクイザルにビルダグリプチンを1日1回10週間反復経口投与すると、HbA1cが、投与前値に比較してそれぞれ0.6%及び1.2%低下した。18.5.22型糖尿病患者にビルダグリプチン50mgを1日2回7日間反復経口投与すると、食後血糖及び空腹時血糖が低下した。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国内第III相臨床試験(メトホルミン塩酸塩で効果不十分な2型糖尿病患者)食事療法、運動療法に加えメトホルミン塩酸塩(250mg1日2回又は500mg1日2回)の単独投与で血糖コントロールが十分に得られていない2型糖尿病患者(139例)を対象に、ビルダグリプチン50mg又はプラセボを1日2回12週間併用投与し、主要評価項目をHbA1c値の投与前からの変化量として多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験を実施した。結果は次表のとおりであった。メトホルミン塩酸塩で効果不十分な2型糖尿病患者対象試験の結果--------------------------表開始--------------------------投与群nHbA1c(NGSP、%)空腹時血糖(mg/dL)投与前からの変化量※群間差※投与前からの変化量※群間差※M70-0.09(0.06)-0.98(0.09)#-2.17(2.84)-28.42(4.05)#V+M68-1.07(0.06)-30.59(2.88)V+M25034-1.06(0.09)#--31.88(2.95)#-V+M50034-1.06(0.09)#--26.82(2.95)#-M:メトホルミン塩酸塩250mg又は500mg単剤V+M:V+M250とV+M500の併合V+M250:ビルダグリプチン50mgとメトホルミン塩酸塩250mg併用V+M500:ビルダグリプチン50mgとメトホルミン塩酸塩500mg併用※:共分散分析に基づく調整済み平均(標準誤差)、#:p<0.001--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度はビルダグリプチンとメトホルミン塩酸塩併用で16.2%(11/68例)であった。ビルダグリプチンとメトホルミン塩酸塩併用における主な副作用はアミラーゼ増加4.4%(3/68例)であった。17.1.2国内第III相臨床試験(ビルダグリプチンで効果不十分な2型糖尿病患者)食事療法、運動療法に加えビルダグリプチンの単独投与で血糖コントロールが十分に得られていない2型糖尿病患者(171例)を対象に、ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩50mg/250mg配合錠、50mg/500mg配合錠、又はプラセボ(ビルダグリプチン50mg)を1日2回14週間経口投与し、主要評価項目をHbA1c値の投与前からの変化量として多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験を実施した。結果は次表のとおりであった。ビルダグリプチンで効果不十分な2型糖尿病患者対象試験の結果--------------------------表開始--------------------------投与群nHbA1c(NGSP、%)空腹時血糖(mg/dL)投与前からの変化量※群間差※投与前からの変化量※群間差※V560.14(0.08)-0.98(0.10)#16.54(4.06)-29.57(4.95)#V/M115-0.83(0.06)-13.02(2.83)V/M25056-0.61(0.06)#--8.24(3.59)-V/M50059-1.04(0.06)#--17.40(3.49)-V:ビルダグリプチン50mg単剤、V/M:V/M250とV/M500の併合V/M250:ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩50mg/250mg配合錠V/M500:ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩50mg/500mg配合錠※:共分散分析に基づく調整済み平均(標準誤差)、#:p<0.001--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度はビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩配合錠で17.4%(20/115例)であった。ビルダグリプチン/メトホルミン塩酸塩配合錠における主な副作用は、便秘、下痢、悪心各2.6%(3/115例)、及び血中乳酸増加1.7%(2/115例)であった。17.1.3国内第III相臨床試験(長期投与試験)食事療法、運動療法に加えメトホルミン塩酸塩、チアゾリジン剤、α‐グルコシダーゼ阻害剤又は速効型インスリン分泌促進剤(グリニド)単独で血糖コントロールが十分に得られていない2型糖尿病患者(メトホルミン塩酸塩との併用:58例)を対象に、各薬剤に加えビルダグリプチン50mg1日2回を52週間経口投与し、多施設共同、非盲検、長期投与試験を実施した。主要評価項目は長期併用投与時の安全性を確認することとした。メトホルミン塩酸塩との併用では忍容性は良好であった。また、最終評価時のHbA1c(JDS)値の変化量は-0.75%であった。副作用発現頻度はメトホルミン塩酸塩との併用で29.3%(17/58例)であった。メトホルミン塩酸塩との併用における主な副作用は、便秘、血中アミラーゼ増加各5.2%(3/58例)であった。低血糖症状はメトホルミン塩酸塩との併用で1.7%(1/58例)であった。