ロイケリン散10%
一般名 | メルカプトプリン水和物散 |
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YJコード | 4221001B1052 |
剤型・規格 | 散剤・10%1g |
薬価 | 93.60円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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添付文書
効能・効果
次記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解:急性白血病、慢性骨髄性白血病。
用法・用量
緩解導入量としては、メルカプトプリン水和物として、通常成人1日2~3mg/kgを単独又は他の抗腫瘍剤と併用して経口投与する。緩解後は緩解導入量を下回る量を単独又は他の抗腫瘍剤と併用して経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意情報
(禁忌)2.1.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。2.2.フェブキソスタット投与中、トピロキソスタット投与中の患者〔10.1参照〕。2.3.生ワクチンを接種しないこと〔10.1参照〕。(重要な基本的注意)8.1.骨髄抑制、肝障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと〔9.1.1、9.1.2、9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1参照〕。8.2.感染症の発現又は感染症増悪・出血傾向の発現又は出血傾向増悪に十分注意すること〔9.1.2参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.骨髄抑制のある患者:骨髄抑制を増悪させるおそれがある〔8.1、11.1.1参照〕。9.1.2.感染症を合併している患者:骨髄抑制により感染を増悪させるおそれがある〔8.1、8.2、11.1.1参照〕。9.1.3.水痘患者:致命的全身障害があらわれることがある。(腎機能障害患者)腎機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある〔8.1参照〕。(肝機能障害患者)肝機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある〔8.1参照〕。(生殖能を有する者)小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(動物実験(ラット、マウス、ウサギ、ニワトリ)で胎仔発育不全、吸収胎仔数増加、奇形等が認められている)。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。(小児等)小児に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること(本剤投与後に低血糖が生じたとの報告がある)。(高齢者)患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(腎機能等生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい)。(相互作用)10.1.併用禁忌:1).生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等)〔2.3参照〕[免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがある(免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性を現す可能性がある)]。2).フェブキソスタット<フェブリク>、トピロキソスタット<トピロリック、ウリアデック>〔2.2参照〕[骨髄抑制等の副作用を増強する可能性がある(本剤の代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼが阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇することがアロプリノールで知られており、これらの薬剤もキサンチンオキシダーゼ阻害作用をもつことから、同様の可能性がある)]。10.2.併用注意:1).アロプリノール[本剤の副作用を増強するので、併用する場合は本剤の用量を通常量の1/3~1/4に減量すること(アロプリノールが本剤の代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼを阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する)]。2).ワルファリンカリウム[抗凝血作用が減弱するとの報告があり、併用する場合には凝固能の変動に十分注意すること(機序は明らかではないが、本剤は肝の薬物代謝酵素を誘導し、ワルファリンカリウムの代謝を促進させると考えられている)]。3).不活化ワクチン(不活化B型肝炎ワクチン、不活化インフルエンザワクチン等)[不活化ワクチンの作用を減弱させるおそれがある(免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られない可能性がある)]。4).アミノサリチル酸誘導体(メサラジン、サラゾスルファピリジン等)[骨髄抑制が起こるおそれがある(アミノサリチル酸誘導体が本剤の代謝酵素であるチオプリンメチルトランスフェラーゼ(TPMT)を阻害するとの報告がある)]。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意本剤の微粉末を吸入しないよう注意すること。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)等の二次発癌が発生したとの報告がある。15.1.2.本剤の代謝に関わる酵素であるNudixhydrolase15(NUDT15)について、遺伝子多型が報告されており、NUDT15Arg139Cys遺伝子多型を有する患者では、本剤投与後に白血球減少等の発現の可能性が高くなるとの報告があり、なお、日本人でNUDT15Arg139Cys遺伝子多型をホモ接合体(Cys/Cys)で有する頻度は1%程度、ヘテロ接合体(Arg/Cys、Cys/His)で有する頻度は20%程度との報告がある。(保管上の注意)室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.骨髄抑制(頻度不明):汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制があらわれることがある〔8.1、9.1.1、9.1.2参照〕。11.2.その他の副作用1).血液:(頻度不明)出血。2).肝臓:(頻度不明)肝障害、黄疸、AST上昇、ALT上昇等肝機能検査値異常。3).腎臓:(頻度不明)血尿、乏尿。4).消化器:(頻度不明)食欲不振、悪心、嘔吐、潰瘍性口内炎、下痢。5).過敏症:(頻度不明)発疹、紅斑。6).その他:(頻度不明)発熱、脱毛、膵炎。
薬効薬理、臨床成績
薬効薬理
18.1作用機序本剤は、細胞増殖に重要な意義をもつ核酸の生合成を阻害する。メルカプトプリンは細胞内でinosinicacidのチオ同族体thioinosinicacid(TIMP)に変換し、このTIMPは主としてinosinicacidからのadenylosuccinicacid及びxanthylicacidへの転換を阻害し、adenine、guanineribonucleotideの生合成を阻害するとされている。
臨床成績
該当データなし