フルツロンカプセル200
一般名 | ドキシフルリジンカプセル |
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YJコード | 4223004M2023 |
剤型・規格 | カプセル剤・200mg1カプセル |
薬価 | 172.20円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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添付文書
効能・効果
胃癌、結腸癌・直腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌。
用法・用量
通常、1日量としてドキシフルリジン800~1200mgを3~4回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意情報
(警告)テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害等の副作用が発現するおそれがあるので、併用を行わないこと〔2.2、10.1参照〕。(禁忌)2.1.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。2.2.テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中の患者及びテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中止後7日以内の患者〔1.警告の項、10.1参照〕。(重要な基本的注意)8.1.骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、定期的(特に投与初期は頻回)に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔9.1.1、9.1.2、11.1.3参照〕。8.2.感染症の発現又は感染症悪化・出血傾向の発現又は出血傾向悪化に十分注意すること。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.骨髄機能抑制のある患者:骨髄機能抑制が増強するおそれがある〔8.1、11.1.3参照〕。9.1.2.感染症を合併している患者:骨髄機能抑制により、感染症が悪化するおそれがある〔8.1、11.1.3参照〕。9.1.3.心疾患又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある。9.1.4.消化管潰瘍又は消化管出血のある患者:症状が悪化するおそれがある。9.1.5.水痘患者:致命的全身障害があらわれるおそれがある。(腎機能障害患者)腎機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。(肝機能障害患者)肝機能障害患者:副作用が強くあらわれるおそれがある。(生殖能を有する者)小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(ラットで、胎仔骨格変異、胎仔化骨遅延等(50mg/kg/日以上)が報告されている)。(授乳婦)授乳を避けさせること(ラットで乳汁中への移行が報告されている)。(小児等)副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること(小児等を対象とした臨床試験は実施していない)。(高齢者)慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。(相互作用)10.1.併用禁忌:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤<ティーエスワン>〔1.警告の項、2.2参照〕[早期に重篤な血液障害や下痢・口内炎等の消化管障害等が発現するおそれがあるので、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤投与中及び投与中止後少なくとも7日以内は本剤を投与しないこと(ギメラシルがフルオロウラシルの異化代謝を阻害し、血中フルオロウラシル濃度が著しく上昇する)]。10.2.併用注意:1).他の抗悪性腫瘍剤[血液障害・消化管障害等の副作用が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと(副作用が相互に増強される)]。2).フェニトイン[めまい・眼振・運動失調等のフェニトイン中毒があらわれることがある(機序は不明であるが、フェニトインの血中濃度が上昇する)]。3).ワルファリンカリウム[ワルファリンカリウムの作用を増強し出血傾向があらわれることがあるので、凝固能の変動に注意すること(機序は不明である)]。4).トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤[副作用が増強するおそれがある(フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤の代謝に影響を及ぼす可能性がある)]。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意14.1.1.PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.フルオロウラシル系薬剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。15.1.2.フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ欠損(DPD欠損)等の患者がごくまれに存在し、このような患者にフルオロウラシル系薬剤を投与した場合、投与初期に重篤な副作用(口内炎、下痢、血液障害、神経障害等)が発現するとの報告がある。15.2.非臨床試験に基づく情報15.2.1.ドキシフルリジンをイヌに経口投与(10mg/kg以上)した場合、脳実質内に多孔性変化、脳に小出血巣・脊髄に小出血巣が認められたとの報告がある。(保管上の注意)室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.脱水症状(頻度不明):激しい下痢(初期症状:腹痛、頻回の軟便等)があらわれ、脱水症状まで至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、補液等の適切な処置を行うこと。11.1.2.急性腎不全(頻度不明):激しい下痢、脱水等が原因の循環不全により、虚血性急性腎不全を起こすことがあるので、激しい下痢、脱水等があらわれた時は投与を中止し、輸液投与等適切な処置をすること。11.1.3.骨髄機能抑制、溶血性貧血(いずれも頻度不明):汎血球減少、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄機能抑制、溶血性貧血があらわれることがある〔8.1、9.1.1、9.1.2参照〕。11.1.4.重篤な腸炎(頻度不明):出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等(初期症状:腹痛、頻回の軟便、下痢等)があらわれることがあるので、激しい腹痛・激しい下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.1.5.重篤な精神神経障害(白質脳症等):健忘、歩行障害、知覚障害、錐体外路症状、口のもつれ、舌のもつれ、意識障害、麻痺、尿失禁(いずれも頻度不明)が、指南力低下、構音障害(いずれも0.1%未満)等があらわれることがある。また、前記の症状が白質脳症の初期症状としてあらわれることがある。11.1.6.間質性肺炎(頻度不明):間質性肺炎(初期症状:咳嗽、息切れ、呼吸困難、発熱等)があらわれることがある。11.1.7.心不全(頻度不明)。11.1.8.肝障害、黄疸(いずれも頻度不明):劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸があらわれることがある。11.1.9.急性膵炎(頻度不明):血清アミラーゼ上昇、腹痛等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.10.嗅覚脱失(頻度不明):嗅覚障害があらわれ、嗅覚脱失まで至ることがある。11.1.11.中毒性表皮壊死融解症(ToxicEpidermalNecrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)。11.1.12.肝硬変(長期投与時)(頻度不明)。11.1.13.安静狭心症、心筋梗塞、不整脈(心室性頻拍等を含む)(いずれも頻度不明)。11.1.14.ネフローゼ症候群(頻度不明)。11.1.15.ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。11.2.その他の副作用1).肝臓:(1~5%未満)ビリルビン上昇、(1%未満)AST上昇、ALT上昇、ALP上昇。2).腎臓:(1%未満)BUN上昇、血尿、蛋白尿、(頻度不明)頻尿。3).消化器:(5%以上)下痢(25.3%)、食欲不振(11.4%)、悪心・嘔吐(12.6%)、(1~5%未満)腹痛、(1%未満)麻痺性イレウス、口内炎、腹部膨満感、心窩部痛、口渇、口唇炎、便秘、(頻度不明)消化管出血、舌炎、口角炎、胃潰瘍、胸やけ。4).精神神経系:(1%未満)倦怠感、ふらつき、(頻度不明)眠気、頭痛、味覚異常、舌しびれ、耳鳴。5).皮膚:(1~5%未満)皮膚色素沈着、(1%未満)皮膚掻痒感、脱毛、(頻度不明)皮膚炎、光線過敏症、紅斑、爪異常。6).過敏症:(1%未満)発疹、(頻度不明)湿疹、蕁麻疹。7).循環器:(1%未満)胸部圧迫感、(頻度不明)心悸亢進、不整脈、心電図異常(ST上昇、QT延長、T波逆転)。8).その他:(1%未満)発熱、咽頭異和感、眼精疲労、(頻度不明)女性化乳房、浮腫。
薬効薬理、臨床成績
薬効薬理
18.1作用機序本薬は腫瘍組織で高い活性を有する酵素、ピリミジンヌクレオシドホスホリラーゼ(PyNPase)により5‐FUに変換され、抗腫瘍効果を発揮する。5‐FUはFdUMPに代謝され、ウラシル由来のdUMPと拮抗し、チミジル酸合成酵素によるDNA合成経路を阻害する。また、5‐FUはFUTPに変換され、ウラシルと同じくRNAにも取り込まれてF‐RNAを生成し、RNAの機能を障害すると考えられている。18.2抗腫瘍効果マウス可移植性腫瘍(Sarcoma180、Ehrlich癌、Lewis肺癌、結腸癌26等)、及びヌードマウス移植ヒト腫瘍(胃癌、結腸・直腸癌、乳癌、子宮頸癌、膀胱癌)に対し抗腫瘍効果が認められた。18.3免疫機能に及ぼす影響体液性免疫能、細胞性免疫能、及び骨髄機能に対する影響を検討したところ、本薬は他のフッ化ピリミジン誘導体よりも、免疫抑制作用は少ないと考えられた。
臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験国内で実施された多施設共同研究において、固形がん化学療法直接効果判定基準による奏効率は、胃癌14.3%(20/140例)、結腸・直腸癌9.2%(7/76例)、乳癌35.9%(37/103例)であった。子宮頸癌については国内26施設において共同研究が行われ、婦人科がん化学慮法の直接効果判定基準により、子宮頸癌20.6%(7/34例)の奏効率であった。膀胱癌については2報の試験が行われ、それぞれ、31.7%(13/41例)、23.1%(3/13例)の奏効率であった。