スタラシドカプセル50
一般名 | シタラビンオクホスファート水和物カプセル |
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YJコード | 4224001M1020 |
剤型・規格 | カプセル剤・50mg1カプセル |
薬価 | 304.70円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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添付文書
効能・効果
1).成人急性非リンパ性白血病(強力な化学療法が対象となる症例にはその療法を優先する)。2).骨髄異形成症候群(MyelodysplasticSyndrome)。
用法・用量
〈成人急性非リンパ性白血病〉シタラビンオクホスファートとして、1日100~300mgを2~3週間連続経口投与し、2~3週間休薬する。これを繰り返す。なお、投与量は疾患、症状等により適宜増減する。本剤の投与時期は食後とし、1日1~3回に分けて服用する。〈骨髄異形成症候群(MyelodysplasticSyndrome)〉シタラビンオクホスファートとして、1日100~200mgを2~3週間連続経口投与し、2~3週間休薬する。これを繰り返す。なお、投与量は疾患、症状等により適宜増減する。本剤の投与時期は食後とし、1日1~3回に分けて服用する。
使用上の注意情報
(禁忌)2.1.本剤に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)8.1.本剤はその薬物動態及び臨床試験の成績から2~3週間連日投与により効果が発現されることから、寛解導入療法などの強力な化学療法が対象となる患者には本剤の投与は避け寛解導入療法を優先的に実施すること〔16.1.1、17.1.1参照〕。8.2.本剤による骨髄抑制に伴う出血症状の発現又は出血症状増悪に十分注意すること〔9.1.1、11.1.1参照〕。8.3.本剤の投与により原疾患による骨髄不全に伴う出血症状増悪が起こることがあるので、出血の有無の確認、血液検査、臨床症状の観察を十分行うこと〔9.1.1、11.1.1参照〕。8.4.骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと〔9.1.1、11.1.1参照〕。8.5.感染症の発現又は感染症増悪に十分注意すること〔9.1.2参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.骨髄抑制のある患者:骨髄抑制を増悪することがある〔8.2-8.4、11.1.1参照〕。9.1.2.感染症を合併している患者:骨髄抑制により、感染症を増悪させることがある〔8.5参照〕。9.1.3.薬物過敏症の既往歴のある患者。(肝機能障害患者)肝機能障害患者:代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれることがある。(生殖能を有する者)生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい(動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性が報告されている)。(授乳婦)授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で母乳中への移行が認められている)。(小児等)やむを得ず投与する場合は観察を十分に行い、慎重に投与すること(小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない)。(高齢者)用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多い)。(相互作用)10.2.併用注意:抗悪性腫瘍剤[骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、併用療法を行う場合は患者の状態を観察しながら、減量するなど用量に注意すること(ともに骨髄抑制作用を有する)]。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(その他の注意)15.2.非臨床試験に基づく情報15.2.1.細菌を用いた復帰変異試験では、突然変異誘発性は陰性であったが、培養ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験及びマウスを用いた小核試験では、染色体異常誘発能を有することが報告されている。(保管上の注意)室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.骨髄抑制(頻度不明):汎血球減少、貧血、血小板減少、白血球減少、顆粒球減少等があらわれることがある〔8.2-8.4、9.1.1参照〕。11.1.2.間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。11.2.その他の副作用1).消化器:(10%以上)悪心・嘔吐、食欲不振(35.0%)、(1~10%未満)下痢、口内炎、(1%未満)下血、黒色便、(頻度不明)腹痛。2).肝臓:(1~10%未満)AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、Al-P上昇、総ビリルビン上昇、(頻度不明)γ-GTP上昇。3).過敏症:(頻度不明)発疹。4).皮膚:(1~10%未満)脱毛。5).泌尿器:(1%未満)血尿、BUN上昇、クレアチニン上昇。6).その他:(10%以上)発熱、倦怠感、(1~10%未満)血清蛋白減少。
薬効薬理、臨床成績
薬効薬理
18.1作用機序本剤は、ara‐Cのプロドラッグであり、体内で活性代謝物のara‐Cに代謝された後、腫瘍細胞内でara‐CTPとなり、DNAポリメラーゼを阻害することにより抗腫瘍作用を示す。18.2抗腫瘍作用本剤は、経口投与で、L1210白血病をはじめとする各種マウス腫瘍に延命効果を示す。この効果は投与スケジュールに依存せず総投与量に依存する。また、マウスP388白血病でアドリアマイシン、ダウノマイシン、マイトマイシンC、シスプラチン又はビンクリスチンとの2剤同時併用で顕著な相乗効果を示した。
臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国内第II相臨床試験造血器腫瘍患者を対象に、本剤1日100mg~300mgを2週間以上連日経口投与した際の有効性および安全性を評価した。急性非リンパ性白血病患者53例における寛解率はCR2例、PR9例で20.8%(11/53例)であった。病型別寛解率は、急性骨髄性白血病(AML)で13.0%(3/23例)、骨髄異形成症候群(MDS)からAMLに移行した症例で29.4%(5/17例)、慢性骨髄性白血病の急性転化症例で22.2%(2/9例)、低形成性白血病で25%(1/4例)であった。MDS患者注)45例における寛解率はCR2例、GR6例、PR5例で28.9%(13/45例)であった。病型別寛解率は、RAEBinTで34.8%(8/23例)、RAEBで22.2%(4/18例)、CMMoLで25%(1/4例)であった。副作用解析対象例163例における主な副作用は、食欲不振35.0%(57/163例)、悪心・嘔吐19.0%(31/163例)、全身倦怠感17.8%(29/163例)であった。主な臨床検査値異常はALT上昇8.7%(14/161例)、AST上昇8.0%(13/162例)、LDH上昇6.3%(10/160例)であった。[8.1参照]注)本剤の承認された1日用量は100mg~200mg(なお、投与量は疾患、症状等により適宜増減する)である。