フルダラ錠10mg
一般名 | フルダラビンリン酸エステル錠 |
---|---|
YJコード | 4229002F1022 |
剤型・規格 | 錠剤・10mg1錠 |
薬価 | 2555.40円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
|
添付文書
効能・効果
1).再発又は難治性の次記疾患:再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫。2).貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病。(効能又は効果に関連する注意)〈貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病〉本剤の対象は、未治療例は、原疾患の進展に起因する貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病患者(Rai分類でハイリスク群又はBinet分類でB又はC期)で、既治療例は、少なくとも一種類の標準的なアルキル化剤を含む治療に無効又は進行性の慢性リンパ性白血病患者である。
用法・用量
通常、成人にはフルダラビンリン酸エステルとして、40mg/㎡(体表面積)を1日1回5日間連日経口投与し、23日間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、体表面積により、次の投与量を1日用量とする。ただし、患者の状態により適宜減量する。1).体表面積*0.89-1.13㎡:1日用量40mg(1日あたり4錠)。2).体表面積*1.14-1.38㎡:1日用量50mg(1日あたり5錠)。3).体表面積*1.39-1.63㎡:1日用量60mg(1日あたり6錠)。4).体表面積*1.64-1.88㎡:1日用量70mg(1日あたり7錠)。5).体表面積*1.89-2.13㎡:1日用量80mg(1日あたり8錠)。6).体表面積*2.14-2.38㎡:1日用量90mg(1日あたり9錠)。*)小数点以下2桁に四捨五入。(用法及び用量に関連する注意)7.1.腎機能低下している患者(クレアチニンクリアランスが30~70mL/分)では、腎機能の低下に応じて次のような目安により投与量を減量し、安全性を確認しながら慎重に投与すること〔9.2.2、16.6.1参照〕。7.1.1.減量の目安:腎機能低下している患者(クレアチニンクリアランスが30~70mL/分)[1)クレアチニンクリアランス70mL/分で体表面積0.45-0.73㎡:1日用量20mg(1日あたり2錠)、2)クレアチニンクリアランス70mL/分で体表面積0.74-1.01㎡:1日用量30mg(1日あたり3錠)、3)クレアチニンクリアランス70mL/分で体表面積1.02-1.30㎡:1日用量40mg(1日あたり4錠)、4)クレアチニンクリアランス70mL/分で体表面積1.31-1.58㎡:1日用量50mg(1日あたり5錠)、5)クレアチニンクリアランス70mL/分で体表面積1.59-1.87㎡:1日用量60mg(1日あたり6錠)、6)クレアチニンクリアランス70mL/分で体表面積1.88-2.16㎡:1日用量70mg(1日あたり7錠)、7)クレアチニンクリアランス70mL/分で体表面積2.17-2.44㎡:1日用量80mg(1日あたり8錠)、8)クレアチニンクリアランス50mL/分で体表面積0.53-0.86㎡:1日用量20mg(1日あたり2錠)、9)クレアチニンクリアランス50mL/分で体表面積0.87-1.20㎡:1日用量30mg(1日あたり3錠)、10)クレアチニンクリアランス50mL/分で体表面積1.21-1.54㎡:1日用量40mg(1日あたり4錠)、11)クレアチニンクリアランス50mL/分で体表面積1.55-1.88㎡:1日用量50mg(1日あたり5錠)、12)クレアチニンクリアランス50mL/分で体表面積1.89-2.21㎡:1日用量60mg(1日あたり6錠)、13)クレアチニンクリアランス50mL/分で体表面積2.22-2.55㎡:1日用量70mg(1日あたり7錠)、14)クレアチニンクリアランス50mL/分で体表面積2.56-2.89㎡:1日用量80mg(1日あたり8錠)、15)クレアチニンクリアランス30mL/分で体表面積0.65-1.05㎡:1日用量20mg(1日あたり2錠)、16)クレアチニンクリアランス30mL/分で体表面積1.06-1.47㎡:1日用量30mg(1日あたり3錠)、17)クレアチニンクリアランス30mL/分で体表面積1.48-1.88㎡:1日用量40mg(1日あたり4錠)、18)クレアチニンクリアランス30mL/分で体表面積1.89-2.30㎡:1日用量50mg(1日あたり5錠)、19)クレアチニンクリアランス30mL/分で体表面積2.31-2.71㎡:1日用量60mg(1日あたり6錠)、20)クレアチニンクリアランス30mL/分で体表面積2.72-3.13㎡:1日用量70mg(1日あたり7錠)、21)クレアチニンクリアランス30mL/分で体表面積3.14-3.54㎡:1日用量80mg(1日あたり8錠)]。7.2.本剤による治療中に高度の骨髄抑制が認められた場合には、次のような目安により、適切に減量、休薬又は投与中止の判断を行うこと〔11.1.1参照〕。7.2.1.投与量調整の目安1).〈低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫〉①.〈低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫〉骨髄機能の回復の指標:好中球数1200/mm3以上及び血小板数75000/mm3以上。②.〈低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫〉投与量の調節:本剤による治療中に高度骨髄抑制が認められた場合には、次クール開始にあたり、好中球数1200/mm3以上及び血小板数75000/mm3以上に回復するまで休薬する[a.1週後までに好中球数1200/mm3以上及び血小板数75000/mm3以上に回復した場合は40mg/㎡/日で投与を継続する、b.2週後までに好中球数1200/mm3以上及び血小板数75000/mm3以上に回復した場合は30mg/㎡/日に減量する、c.2週後までに好中球数1200/mm3以上及び血小板数75000/mm3以上に回復しなかった場合は投与を中止する]。2).〈貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病〉①.〈貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病〉骨髄機能の回復の指標:好中球数1000/mm3以上及び血小板数100000/mm3以上。②.〈貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病〉投与量の調節:本剤による治療中に高度骨髄抑制が認められた場合には、次クール開始にあたり、好中球数1000/mm3以上及び血小板数100000/mm3以上に回復するまで休薬する[a.2週後までに好中球数1000/mm3以上及び血小板数100000/mm3以上に回復した場合は40mg/㎡/日で投与を継続する、b.2週後までに好中球数1000/mm3以上及び血小板数100000/mm3以上に回復しなかった場合、好中球数500/mm3以上、及び血小板数50000/mm3以上であれば30mg/㎡/日に減量し、2週後までに好中球数500/mm3未満、又は血小板数50000/mm3未満であれば20mg/㎡/日に減量する]。7.3.国内臨床試験において、本剤の6クールを超える投与での低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫に対する有効性及び安全性は確認されていないので、6クールを超えて投与を行う場合には、投与継続について慎重に判断すること〔17.1.1参照〕。
使用上の注意情報
(警告)1.1.本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。1.2.骨髄抑制により感染症増悪・感染症が発現又は出血傾向増悪・出血傾向が発現等の重篤な副作用が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔8.1、9.1.1、11.1.1、11.1.5参照〕。1.3.遷延性のリンパ球減少により、重症免疫不全増悪又は重症免疫不全が発現する可能性があるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の徴候について綿密な検査を行うこと〔8.2参照〕。1.4.致命的自己免疫性溶血性貧血が報告されているので、自己免疫性溶血性貧血の既往歴の有無、クームス試験の結果に拘わらず、溶血性貧血の徴候について綿密な検査を行うこと〔11.1.6参照〕。1.5.放射線非照射血の輸血により移植片対宿主病(GVHD:graftversushostdisease)があらわれることがあるので、本剤による治療中又は治療後の患者で輸血を必要とする場合は、照射処理された血液を輸血すること〔11.1.6参照〕。1.6.ペントスタチンとの併用により致命的な肺毒性が報告されているので併用しないこと〔2.3、10.1参照〕。(禁忌)2.1.重篤な腎障害のある患者(クレアチニンクリアランス<24時間蓄尿により測定>が30mL/分未満の患者)〔9.2.1参照〕。2.2.妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。2.3.ペントスタチン投与中の患者〔1.6、10.1参照〕。2.4.フルダラビンリン酸エステルにより溶血性貧血を起こしたことのある患者[重篤な溶血性貧血を起こすおそれがある]〔11.1.6参照〕。2.5.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)8.1.骨髄抑制により感染症増悪・感染症が発現又は出血傾向増悪・出血傾向が発現等の重篤な副作用が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと〔1.2、9.1.1、11.1.1、11.1.5、15.1.3参照〕。8.2.遷延性のリンパ球減少(特にCD4陽性リンパ球の減少)により、重症免疫不全増悪又は重症免疫不全が発現する可能性があるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の徴候について綿密な検査を行うこと(カンジダ等の真菌、サイトメガロウイルス等のウイルス、ニューモシスチス・カリニ等による重症日和見感染に注意すること)。また、日和見感染の発現を抑制するため、あらかじめ適切な措置を講ずること〔1.3、11.1.5参照〕。8.3.本剤の投与により、B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎又はB型肝炎ウイルス再活性化による劇症肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと〔9.1.2、11.1.5参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.感染症を合併している患者:骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある〔1.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.2.B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎又はB型肝炎ウイルス再活性化による劇症肝炎があらわれることがあるので、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること(本剤の治療期間中及び治療終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うこと)〔8.3、11.1.5参照〕。(腎機能障害患者)9.2.1.重篤な腎障害のある患者(クレアチニンクリアランス<24時間蓄尿により測定>が30mL/分未満の患者):投与しないこと(本剤は腎から排泄されるので、排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある)〔2.1参照〕。9.2.2.腎機能低下している患者(クレアチニンクリアランスが30~70mL/分の患者):副作用が強くあらわれるおそれがある〔7.1、16.6.1参照〕。(肝機能障害患者)肝機能障害患者:症状を悪化させるおそれがある。(生殖能を有する者)9.4.1.生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること〔15.1.4、15.2.1参照〕。9.4.2.妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項、15.2.2参照〕。9.4.3.男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後95日間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔15.1.4、15.2.2参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(胎児毒性及び催奇形性が報告されている。また、妊娠中に注射剤の投与を受けた患者で奇形を有する児を出産したとの報告がある)〔2.2、9.4.2参照〕。(授乳婦)授乳を避けさせること(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)本剤投与前に患者の状態及び臓器機能を十分に検討し確認し、投与開始後は、患者の状態を慎重に観察すること(一般に生理機能が低下している)。(相互作用)10.1.併用禁忌:ペントスタチン<コホリン>〔1.6、2.3参照〕[致命的な肺毒性が発現することがある(機序は不明)]。10.2.併用注意:1).シタラビン[骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある(invivo試験及びinvitro試験において、シタラビンの活性代謝物であるara-CTPの細胞内濃度の上昇が認められている)]。2).他の抗悪性腫瘍剤[骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある(ともに骨髄抑制作用を有する)]。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意14.1.1.PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。14.1.2.小児の手のとどかない所に保管するよう指導すること。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.フルダラビンリン酸エステルと他の抗悪性腫瘍剤で治療された患者に、骨髄異形成症候群、急性白血病、エプスタイン・バーウイルス関連リンパ増殖性疾患が発生したとの報告がある。15.1.2.注射剤による治療中又は治療後に、皮膚癌の発生、皮膚癌悪化又は皮膚癌再燃が報告されている。15.1.3.低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者を対象に本剤を用いて実施した第2相臨床試験において、白血球数が最低値に至るまでの期間(クールごとの中央値)は8~14日、好中球数は15~21日、リンパ球数は7日、ヘモグロビンは14~21日、血小板数は14~15日であり、回復までの期間(最低値から、各クール投与開始前のグレードへ改善するまでの期間、クールごとの中央値)は、白血球数:8~14日、好中球数:7~8日、リンパ球数:7~15日、ヘモグロビン:6.5~8日、血小板数:7~11日であった。また、全クールを通じての最低値はそれぞれ、49.5日、61.5日、68.5日、72.0日及び89.5日と、投与2~3クール目にみられた〔8.1参照〕。15.1.4.男性において、本剤による治療中、精子DNA損傷が認められたという報告がある〔9.4.1、9.4.3参照〕。15.2.非臨床試験に基づく情報15.2.1.動物実験(ラット、イヌ)において精巣毒性が認められ、4週間の休薬期間では回復性が確認されていない〔9.4.1参照〕。15.2.2.チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を用いた染色体異常試験陽性及び姉妹染色分体交換試験陽性、マウスを用いた小核試験陽性の結果が報告されている〔9.4.2、9.4.3参照〕。(保管上の注意)室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.骨髄抑制(頻度不明):汎血球減少、好中球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少等があらわれる又は汎血球減少増悪、好中球減少増悪、血小板減少増悪、ヘモグロビン減少増悪、赤血球減少増悪等することがある〔1.2、7.2、8.1、9.1.1参照〕。11.1.2.間質性肺炎(頻度不明):呼吸困難、咳、発熱等の症状が認められた場合には速やかにX線検査を行い、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。11.1.3.精神神経障害(頻度不明):錯乱、昏睡、興奮、けいれん発作、失明、末梢神経障害等の精神神経障害があらわれることがある。11.1.4.腫瘍崩壊症候群(頻度不明):初期症状として、側腹部痛、血尿があらわれることがある(この合併症は高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、代謝性アシドーシス、高カリウム血症、血尿及び腎不全を伴うことがある)。本剤の治療効果が投与開始後1週間であらわれることがあるので、腫瘍崩壊症候群の危険性のある患者では予防措置を講じること。11.1.5.重症日和見感染(頻度不明):敗血症、肺炎等の重症日和見感染があらわれることがあり、また、B型肝炎ウイルスによる肝炎増悪又はB型肝炎ウイルスによる劇症肝炎を認めることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤の投与等適切な処置を行うこと〔1.2、8.1-8.3、9.1.2参照〕。11.1.6.自己免疫性溶血性貧血(頻度不明):致命的自己免疫性溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、輸血(放射線照射血)、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと〔1.4、1.5、2.4参照〕。11.1.7.自己免疫性血小板減少症(頻度不明)。11.1.8.赤芽球癆(頻度不明)。11.1.9.脳出血、肺出血、消化管出血(いずれも頻度不明)。11.1.10.出血性膀胱炎(頻度不明):血尿が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。11.1.11.重篤な皮膚障害(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(ToxicEpidermalNecrolysis:TEN)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、口腔粘膜発疹、口内炎等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.1.12.心不全(頻度不明)。11.1.13.進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.2.その他の副作用1).呼吸器:(5%以上)上気道炎、鼻咽頭炎、咽頭炎、咳、(5%未満)アレルギー性鼻炎、喘鳴、呼吸困難[低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国内臨床試験における頻度]、(頻度不明)呼吸障害、低酸素(低酸素症)。2).消化器:(5%以上)悪心、食欲不振、下痢、便秘、胃部不快感、口内炎、(5%未満)腹痛、消化不良、嘔吐[低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国内臨床試験における頻度]、(頻度不明)口唇疱疹。3).精神神経系:(5%以上)頭痛、不眠、めまい、感覚減退(しびれ)[低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国内臨床試験における頻度]、(頻度不明)脱力感、下肢知覚異常、手指感覚異常、視力障害、視神経炎、視神経障害、下垂手、錯感覚。4).循環器:(5%以上)不整脈、動悸、(5%未満)浮腫[低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国内臨床試験における頻度]、(頻度不明)脈拍数増加。5).代謝異常:(頻度不明)代謝性アシドーシス、膵酵素変化。6).肝臓:(5%以上)ALT上昇、AST上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、血清アルブミン低下、血清総蛋白減少、ウロビリン尿[低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国内臨床試験における頻度]、(頻度不明)黄疸。7).皮膚:(5%以上)発疹、表皮剥離、(5%未満)皮膚そう痒症[低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国内臨床試験における頻度]。8).腎臓:(5%以上)高尿酸血症、蛋白尿、高カリウム血症、低ナトリウム血症、クレアチニン上昇、(5%未満)BUN上昇、低カルシウム血症[低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国内臨床試験における頻度]、(頻度不明)高リン酸血症。9).泌尿器:(頻度不明)尿中結晶。10).その他:(5%以上)CRP上昇、疲労、発熱、体重減少、(5%未満)腰痛、筋肉痛、神経痛、味覚異常、倦怠感、多汗、潮紅[低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫を対象とした国内臨床試験における頻度]、(頻度不明)疼痛、水痘、悪寒、無力症、インフルエンザ様症状、末梢性浮腫、四肢痛、粘膜障害。
薬効薬理、臨床成績
薬効薬理
18.1作用機序DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼなどを阻害し、DNA及びRNA合成並びにDNA修復を阻害することにより増殖細胞及び静止細胞のいずれにも抗腫瘍効果を発揮する。18.2抗腫瘍効果種々の培養ヒト白血病細胞株を用いた腫瘍選択性試験において、骨髄性白血病細胞に比べ慢性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病及び成人T細胞白血病・リンパ腫細胞で強い増殖阻害作用を示した。非ホジキンリンパ腫については、患者由来細胞及び株化細胞に対して増殖抑制作用を示し、マントル細胞リンパ腫患者から採取した細胞においてアポトーシス増強作用を示した(invitro)。マウスL1210白血病細胞又はヒトJOK‐1白血病細胞を腹腔内移植したマウスにおいて、静脈内投与(L1210、JOK‐1)、経口投与(JOK‐1)ともに延命効果を示した(invivo)。
臨床成績
17.1有効性及び安全性に関する試験〈低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫〉17.1.1国内第II相試験治療歴を有する低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者において、総症例52例を対象に、本剤40mg/m2/日を5日間連日単独経口投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとして最大6クール実施した国内第II相臨床試験での有効性は次のとおりであった。平均投与クールは4.7クールであった。--------------------------表開始--------------------------評価症例完全寛解部分寛解奏効率(95%信頼区間)TTFの中央値(95%信頼区間)Lg‐NHL46例14例16例65%(50-79%)8.6ヵ月(6.6-12.0ヵ月)MCL6例0例1例17%(0-64%)6.1ヵ月(4.6-8.7ヵ月)Lg‐NHL:低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫MCL:マントル細胞リンパ腫完全寛解:不確定完全寛解を含む、奏効率:部分寛解以上、TTF:治療成功期間--------------------------表終了--------------------------副作用は52例全例にみられ、主な副作用はリンパ球数減少52例(100.0%)、好中球数減少51例(98.1%)、白血球数減少50例(96.2%)、ヘモグロビン減少37例(71.2%)、その他の血液/骨髄毒性37例(71.2%、赤血球輸血1例を含む)、血小板数減少31例(59.6%)、その他の感染28例(53.8%)等であった。[7.3参照]〈貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病〉17.1.2海外第II相試験(1)治療歴を有するB細胞性慢性リンパ性白血病(B‐CLL)患者治療歴を有するB‐CLL患者78例を対象とした海外第II相臨床試験での有効性は次のとおりであった。なお、本剤40mg/m2/日を5日間連日経口投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとして最大8クール実施した。--------------------------表開始--------------------------評価症例完全寛解部分寛解奏効率(95%信頼区間)投与クール最大(平均)既治療例78例14例26例51%(40-63%)8クール(5クール)奏効率:部分寛解以上[米国国立がん研究所(NationalCancerInstitute:NCI)規準による全有効性評価対象例での解析]--------------------------表終了--------------------------主なグレード3以上の有害事象の発現率は、顆粒球数減少53.8%(42/78例)、白血球数減少28.2%(22/78例)、血小板数減少25.6%(20/78例)及びヘモグロビン減少24.4%(19/78例)であった。(2)未治療のB‐CLL患者未治療のB‐CLL患者81例を対象とした海外第II相臨床試験での有効性は次のとおりであった。なお、本剤40mg/m2/日を5日間連日経口投与及び休薬23日間(計28日間)を1クールとして最大8クール実施した。--------------------------表開始--------------------------評価症例完全寛解部分寛解奏効率(95%信頼区間)投与クール最大(平均)未治療例81例10例55例80.2%(70-88%)8クール(5.9クール)奏効率:部分寛解以上[米国国立がん研究所(NationalCancerInstitute:NCI)規準による全有効性評価対象例での解析]--------------------------表終了--------------------------主なグレード3以上の有害事象の発現率は、顆粒球数減少32.1%(26/81例)、白血球数減少18.5%(15/81例)であった。