1.
進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ
2024/12/20 医療一般
進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ
https://www.carenet.com/news/general/carenet/59853
一般名 | トラスツズマブ(遺伝子組換え)注射用(1) |
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YJコード | 4291442D2030 |
剤型・規格 | 散剤・150mg1瓶 |
薬価 | 12907.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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1.
進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ
2024/12/20 医療一般
進行・再発子宮体がんの新たな治療選択肢/AZ
https://www.carenet.com/news/general/carenet/59853
2.
MSI-H/dMMRの進行大腸がん、ニボルマブ+イピリムマブが有効/NEJM
2024/12/17 ジャーナル四天王
MSI-H/dMMRの進行大腸がん、ニボルマブ+イピリムマブが有効/NEJM
https://www.carenet.com/news/journal/carenet/59832
3.
シスプラチン不耐の頭頸部がん患者に最善の治療選択肢は?
2024/12/17 医療一般
シスプラチン不耐の頭頸部がん患者に最善の治療選択肢は?
https://www.carenet.com/news/general/hdn/59774
4.
切除不能肝細胞がん1次治療としてのニボルマブ+イピリムマブvs.レンバチニブまたはソラフェニブ、アジア人解析結果(CheckMate 9DW)/ESMO Asia2024
2024/12/13 医療一般
切除不能肝細胞がん1次治療としてのニボルマブ+イピリムマブvs.レンバチニブまたはソラフェニブ、アジア人解析結果(CheckMate 9DW)/ESMO Asia2024
https://www.carenet.com/news/general/carenet/59817
5.
ホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳がんに対するSERD+CDK4/6i+PI3Kiによる予後の改善(解説:下村昭彦氏)
2024/12/06 CLEAR!ジャーナル四天王
ホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳がんに対するSERD+CDK4/6i+PI3Kiによる予後の改善(解説:下村昭彦氏)
https://www.carenet.com/news/clear/journal/59757
1).HER2過剰発現が確認された乳癌。2).HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌。3).がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸癌・がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の直腸癌。(効能又は効果に関連する注意)5.1.〈HER2過剰発現が確認された乳癌〉HER2過剰発現の検査は、十分な経験を有する病理医又は検査施設において実施すること。5.2.〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉HER2過剰発現の検査は、十分な経験を有する病理医又は検査施設において実施すること。5.3.〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉本剤による術後補助療法の有効性及び安全性は確立していない。5.4.〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉接合部領域における原発部位、組織型等に関して「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、適応患者の選択を行うこと〔17.1.11参照〕。5.5.〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2陽性が確認された患者に投与すること(検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること)。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である。https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html。5.6.〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉RAS遺伝子変異陽性の患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。5.7.〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤・オキサリプラチン・イリノテカン治療歴なしの患者における本剤の有効性及び安全性は確立していない。5.8.〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉本剤による術後補助療法の有効性及び安全性は確立していない。5.9.〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと〔17.1.12参照〕。
HER2過剰発現が確認された乳癌にはA法又はB法を使用する。HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌には他の抗悪性腫瘍剤との併用でB法を使用する。がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌にはペルツズマブ(遺伝子組換え)との併用でB法を使用する。A法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続1]として初回投与時には4mg/kg(体重)を、2回目以降は2mg/kgを90分以上かけて1週間間隔で点滴静注する。B法:通常、成人に対して1日1回、トラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続1]として初回投与時には8mg/kg(体重)を、2回目以降は6mg/kgを90分以上かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。(用法及び用量に関連する注意)7.1.〈効能共通〉本剤を投与する場合に、何らかの理由により予定された投与が遅れた際には、次のとおり投与することが望ましい。7.1.1.〈効能共通〉投与予定日より1週間以内の遅れで投与する際は、A法では2mg/kgを、B法では6mg/kgを投与する。7.1.2.〈効能共通〉投与予定日より1週間を超えた後に投与する際は、改めて初回投与量(A法では4mg/kg、B法では8mg/kg)で投与を行う(なお、次回以降はA法では2mg/kgを1週間間隔で、B法では6mg/kgを3週間間隔で投与する)。7.2.〈HER2過剰発現が確認された乳癌〉術後薬物療法においては、次の点に注意すること。7.2.1.〈HER2過剰発現が確認された乳癌〉乳癌の術後薬物療法においては、1年を超える投与の有効性及び安全性は確立していない。7.2.2.〈HER2過剰発現が確認された乳癌〉乳癌の術後薬物療法においては、本剤は「17.臨床成績」の項を熟知した上で投与すること〔17.1.10参照〕。7.3.〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉本剤は、他の抗悪性腫瘍剤との併用により開始し、本剤と併用する抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、選択すること〔17.1.11参照〕。
(警告)1.1.本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。1.2.心不全等の重篤な心障害があらわれ、死亡に至った例も報告されているので、必ず本剤投与開始前には、患者の心機能を確認し、また、本剤投与中は適宜心機能検査(心エコー等)を行い患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を十分に観察すること。特に次の患者については、心機能検査(心エコー等)を頻回に行うこと〔8.1、9.1.1-9.1.7、11.1.1参照〕[1)アントラサイクリン系薬剤投与中の患者又はアントラサイクリン系薬剤の前治療歴のある患者、2)胸部へ放射線照射中の患者、3)心不全症状のある患者、4)冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症等)の患者又はその既往歴のある患者、5)高血圧症の患者又はその既往歴のある患者]。1.3.本剤投与中又は本剤投与開始後24時間以内に多くあらわれるInfusionreactionのうち、アナフィラキシー、肺障害等の重篤な副作用(気管支痙攣、重度血圧低下、急性呼吸促迫症候群等)が発現し死亡に至った例が報告されており、これらの副作用は、特に安静時呼吸困難<肺転移・循環器疾患等による>のある患者又はその既往歴のある患者において重篤化しやすいので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること〔9.1.8、11.1.2、11.1.3参照〕。(禁忌)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)8.1.〈効能共通〉心障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前には、必ず患者の心機能を確認し、本剤投与中は心症状の発現状況・重篤度等に応じて適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(左室駆出率(LVEF)の変動を含む)を十分に観察し、休薬、投与再開、あるいは中止を判断すること〔1.2、9.1.1-9.1.7、11.1.1参照〕。8.2.〈効能共通〉Infusionreactionの発現回避等を目的とした前投薬(抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤等)に関する有用性は確認されていない。8.3.〈効能共通〉腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.9参照〕。8.4.〈効能共通〉本剤の使用にあたっては、本剤と一般名が類似しているトラスツズマブエムタンシン及びトラスツズマブデルクステカンとの取り違えに注意すること。8.5.〈HER2過剰発現が確認された乳癌〉術前薬物療法(A法、B法)、術後薬物療法のA法及び転移性乳癌のB法に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議公知申請への該当性に係る報告書」等)を熟読すること。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.重篤な心障害のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと〔1.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.2.アントラサイクリン系薬剤の前治療歴のある患者:心不全等の心障害があらわれやすい〔1.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.3.胸部へ放射線を照射中の患者:胸部への放射線照射との併用時には、放射線の適切な治療計画を設定した上で、心障害の発現に留意すること(心不全等の心障害があらわれやすい)〔1.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.4.心不全症状のある患者又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがある〔1.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.5.左室駆出率<LVEF>が低下している患者、コントロール不能な不整脈のある患者、臨床上重大な心臓弁膜症のある患者:症状が悪化するおそれがある〔1.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.6.冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症等)の患者又はその既往歴のある患者:症状が悪化するおそれがあり、又は心不全等の心障害があらわれやすい〔1.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.7.高血圧症の患者又はその既往歴のある患者:心不全等の心障害があらわれやすい〔1.2、8.1、11.1.1参照〕。9.1.8.安静時呼吸困難<肺転移・循環器疾患等による>のある患者又はその既往歴のある患者:Infusionreactionが重篤化しやすい〔1.3、11.1.2、11.1.3参照〕。(生殖能を有する者)妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後最低7カ月間は、適切な避妊法を用いるよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を投与した妊婦に羊水過少が起きたとの報告があり、また、羊水過少を発現した症例で、胎児腎不全・新生児腎不全、胎児発育遅延、新生児呼吸窮迫症候群、胎児肺形成不全等が認められ死亡に至った例も報告されており、動物実験(サル)において、胎盤通過(1、5、25mg/kg反復投与)が報告されているが、胎仔への影響は報告されていない)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されており、また、動物実験(サル)において、乳汁への移行(25mg/kg反復投与)が報告されている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)特に心機能、肝機能・腎機能検査、血液検査を行うなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(高齢者では生理機能が低下している)。(相互作用)10.2.併用注意:アントラサイクリン系薬剤[心障害の発現頻度が上昇することが報告されているので、特に注意すること(心障害のリスクを増強させるおそれがある)]。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意14.1.1.本剤の調製時には、次記の体重あたりの換算式により、投与に必要な抜き取り量を算出すること。・A法:初回抜き取り量(mL)=体重(kg)×4(mg/kg)÷21(mg/mL)。2回目以降抜き取り量(mL)=体重(kg)×2(mg/kg)÷21(mg/mL)。・B法:初回抜き取り量(mL)=体重(kg)×8(mg/kg)÷21(mg/mL)。2回目以降抜き取り量(mL)=体重(kg)×6(mg/kg)÷21(mg/mL)。14.1.2.調製時には、日局注射用水、日局生理食塩液以外は使用しないこと。14.1.3.ブドウ糖溶液と混合した場合、蛋白凝集が起こるため、日局注射用水(7.2mL)により溶解してトラスツズマブ(遺伝子組換え)[トラスツズマブ後続1]21mg/mLの濃度とした後、必要量を注射筒で抜き取り、直ちに日局生理食塩液250mLに希釈すること。14.1.4.本剤はポリソルベートを含有しており、泡立ちやすいため、溶解時は静かに転倒混和し、ほぼ泡が消えるまで数分間放置する。14.1.5.用時調製し、調製後は速やかに使用し、また、残液は廃棄すること。14.2.薬剤投与時の注意14.2.1.本剤と5%ブドウ糖溶液を混合した場合、蛋白凝集が起こるため、ブドウ糖溶液との混合を避け、本剤とブドウ糖溶液の同じ点滴ラインを用いた同時投与は行わないこと。14.2.2.他剤<日局注射用水・日局生理食塩液以外>との混注をしないこと。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.本剤投与により抗トラスツズマブ抗体が出現したとの報告(921例中1例)があるが、当該症例において副作用は認められなかった。15.1.2.本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。15.1.3.無作為化比較試験にて、他の骨髄抑制を有する抗悪性腫瘍剤に本剤を併用した場合、その抗悪性腫瘍剤単独と比較し発熱性好中球減少の発現率が上昇したとの報告がある。(保管上の注意)2~8℃保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.心障害:心不全(4.5%)(症候:呼吸困難、起座呼吸、咳嗽等、症状・異常:S3ギャロップ、駆出率低下、末梢性浮腫等)、心原性ショック(頻度不明)、肺浮腫(頻度不明)、心嚢液貯留(0.1%)、心筋症(0.4%)、心膜炎(頻度不明)、不整脈(1.4%)、徐脈(0.1%)等が報告されているので、異常が認められた場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与継続を検討し、適切な処置を行うこと(ただし、症状が重篤な場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと)〔1.2、8.1、9.1.1-9.1.7参照〕。11.1.2.Infusionreaction(頻度不明):本剤投与中又は投与開始後24時間以内に多くあらわれるInfusionreaction(症状:発熱、悪寒、悪心、嘔吐、疼痛、頭痛、咳嗽、めまい、発疹、無力症等)が約40%の患者において報告されており(HER2過剰発現が確認された転移性乳癌の承認時)、これらの症状は、通常軽度~中等度で主に本剤の初回投与時にあらわれやすい。また、Infusionreactionのうち、ショック、アナフィラキシー、肺障害等の重篤な副作用(気管支痙攣、重度血圧低下、急性呼吸促迫症候群、頻脈、顔面浮腫、眩暈、耳鳴、呼吸困難、喘息、喘鳴、血管浮腫、咽頭浮腫、呼吸不全、非心原性肺浮腫、胸水、低酸素症等)が発現し死亡に至った例が報告されているので、本剤投与中にこれらの異常が認められた場合には直ちに投与を中止すること(なお、このような症状があらわれた患者において再投与の可否を判断する基準は確立していないので、異常が認められた場合には、適切な処置(酸素吸入、β-アゴニスト・副腎皮質ホルモン剤、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤の投与等)を行うとともに症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること)〔1.3、9.1.8、11.1.3参照〕。11.1.3.間質性肺炎・肺障害:間質性肺炎(0.2%)、肺線維症(頻度不明)、肺炎(アレルギー性肺炎等を含む)(0.3%)、急性呼吸促迫症候群(0.1%未満)等の肺障害があらわれることがある〔1.3、9.1.8、11.1.2参照〕。11.1.4.白血球減少(4.4%)、好中球減少(6.9%)、血小板減少(1.9%)、貧血(3.7%)。11.1.5.肝不全(0.1%未満)、黄疸(0.1%)、肝炎(0.1%)、肝障害(0.5%)。11.1.6.腎障害:腎不全(0.2%)、腎障害(1.0%)があらわれることがある。11.1.7.昏睡(頻度不明)、脳血管障害(0.2%)、脳浮腫(頻度不明)。11.1.8.敗血症(0.2%)。11.1.9.腫瘍崩壊症候群(頻度不明):異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.3参照〕。発現頻度はHER2過剰発現の腫瘍に対する海外臨床試験[H0407g試験、H0452g試験、H0453g試験]、HER2過剰発現の転移性乳癌に対する海外臨床試験[H0551g試験、H0552g試験、H0648g試験、H0649g試験、H0650g試験、H0659g試験、H0693g試験]、HER2過剰発現の進行・再発乳癌に対する国内臨床試験[MKC-454-02試験]、HER2過剰発現の転移性乳癌に対する製造販売後臨床試験、HER2過剰発現の転移性乳癌に対する使用成績調査、HER2過剰発現が確認された乳癌(術後薬物療法)に対する国際共同試験[HERA試験]、HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対する国際共同試験[ToGA試験]、HER2陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌に対する国内臨床試験[HUON-003-01試験]及びがん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する国内臨床試験[TRIUMPH試験]を含む。11.2.その他の副作用11.2.1.HER2過剰発現が確認された転移性乳癌1).〈HER2過剰発現が確認された転移性乳癌〉精神神経系:(2~10%未満)頭痛、めまい、味覚異常、感覚鈍麻、ニューロパチー、(2%未満)錯感覚、不眠症、不安、うつ病、傾眠、筋緊張亢進、(頻度不明)運動失調、不全麻痺、しびれ(しびれ感)、思考異常。2).〈HER2過剰発現が確認された転移性乳癌〉消化器:(10%以上)悪心・嘔吐(16.8%)、(2~10%未満)下痢、食欲不振、口内炎、便秘、腹痛、(2%未満)上腹部痛、消化不良、腸炎。3).〈HER2過剰発現が確認された転移性乳癌〉循環器:(2%未満)低血圧、頻脈、潮紅、高血圧、動悸、熱感、(頻度不明)血管拡張。4).〈HER2過剰発現が確認された転移性乳癌〉呼吸器:(2~10%未満)呼吸困難、咳嗽、鼻出血、(2%未満)胸水、喘息。5).〈HER2過剰発現が確認された転移性乳癌〉血液:(頻度不明)プロトロンビン減少。6).〈HER2過剰発現が確認された転移性乳癌〉皮膚:(2~10%未満)発疹、脱毛症、爪障害、皮膚そう痒症、(2%未満)紅斑、皮膚乾燥、蕁麻疹、皮膚炎、斑状丘疹状皮疹、発汗、ざ瘡。7).〈HER2過剰発現が確認された転移性乳癌〉肝臓:(2%未満)AST増加、ALT増加。8).〈HER2過剰発現が確認された転移性乳癌〉眼:(2%未満)流涙増加、結膜炎、視力障害。9).〈HER2過剰発現が確認された転移性乳癌〉その他:(10%以上)発熱(31.5%)、悪寒(20.0%)、疲労(10.5%)、(2~10%未満)倦怠感、関節痛、疼痛、浮腫、背部痛、無力症、筋肉痛、胸痛、末梢性浮腫、四肢痛、(2%未満)上気道感染(鼻炎、鼻咽頭炎、咽頭炎、副鼻腔炎等)、胸部不快感、骨痛、頚部痛、尿路感染症、難聴、感染症。発現頻度はHER2過剰発現の腫瘍に対する海外臨床試験[H0407g試験、H0452g試験、H0453g試験]、HER2過剰発現の転移性乳癌に対する海外臨床試験[H0551g試験、H0552g試験、H0648g試験、H0649g試験、H0650g試験、H0659g試験、H0693g試験]、HER2過剰発現の進行・再発乳癌に対する国内臨床試験[MKC-454-02試験]、HER2過剰発現の転移性乳癌に対する製造販売後臨床試験及びHER2過剰発現の転移性乳癌に対する使用成績調査を含む。11.2.2.HER2過剰発現が確認された乳癌における術後薬物療法1).〈HER2過剰発現が確認された乳癌における術後薬物療法〉精神神経系:(1%以上)頭痛、(0.2~1%未満)めまい、錯感覚、振戦、嗜眠、不眠症、味覚異常、不安、うつ病、回転性眩暈、(頻度不明)感覚鈍麻、ニューロパチー。2).〈HER2過剰発現が確認された乳癌における術後薬物療法〉消化器:(1%以上)悪心、下痢、嘔吐、(0.2~1%未満)口内炎、腹痛、消化不良、(0.2%未満)上腹部痛、便秘、胃炎、(頻度不明)口内乾燥、口腔内潰瘍形成、鼓腸。3).〈HER2過剰発現が確認された乳癌における術後薬物療法〉循環器:(1%以上)動悸、(0.2~1%未満)高血圧、頻脈、熱感、(0.2%未満)リンパ浮腫、(頻度不明)ほてり、低血圧、潮紅。4).〈HER2過剰発現が確認された乳癌における術後薬物療法〉呼吸器:(1%以上)呼吸困難、(0.2~1%未満)鼻漏、鼻出血、(0.2%未満)咽喉頭疼痛、咳嗽、副鼻腔炎、気管支炎、(頻度不明)鼻乾燥、鼻潰瘍、鼻部不快感。5).〈HER2過剰発現が確認された乳癌における術後薬物療法〉皮膚:(1%以上)爪障害、発疹、皮膚そう痒症、(0.2~1%未満)紅斑、ざ瘡、(頻度不明)爪破損、皮膚乾燥、皮膚亀裂。6).〈HER2過剰発現が確認された乳癌における術後薬物療法〉腎臓:(0.2%未満)排尿困難。7).〈HER2過剰発現が確認された乳癌における術後薬物療法〉その他:(1%以上)無力症、悪寒、発熱、疲労、関節痛、筋肉痛、インフルエンザ様疾患、上気道感染(鼻炎、鼻咽頭炎、咽頭炎等)、(0.2~1%未満)末梢性浮腫、背部痛、筋痙縮、胸部不快感、粘膜炎症、倦怠感、骨痛、胸痛、インフルエンザ、(0.2%未満)浮腫、筋骨格痛、膀胱炎、尿路感染症、丹毒、(頻度不明)帯状疱疹、乳房痛、蜂巣炎、四肢痛、流涙増加、体重増加、冷感、疼痛、粘膜乾燥、霧視、筋骨格硬直。11.2.3.HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌1).〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉精神神経系:(10%以上)ニューロパチー、(2~10%未満)味覚異常、浮動性めまい、不眠症、錯感覚、(2%未満)頭痛、嗜眠。2).〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉消化器:(10%以上)悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、口内炎、便秘、(2~10%未満)腹痛、上腹部痛、(2%未満)消化不良、口内乾燥、嚥下障害。3).〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉循環器:(2~10%未満)高血圧、(2%未満)動悸、潮紅、起立性低血圧。4).〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉呼吸器:(2~10%未満)しゃっくり、鼻出血、(2%未満)咳嗽、呼吸困難。5).〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉血液:(2~10%未満)ヘモグロビン減少。6).〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉皮膚:(10%以上)手掌・足底発赤知覚不全症候群、(2~10%未満)皮膚色素沈着障害、脱毛症、爪障害、発疹、皮膚乾燥、(2%未満)皮膚そう痒症。7).〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉腎臓:(2~10%未満)腎クレアチニン・クリアランス減少、中毒性ネフロパシー。8).〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉その他:(10%以上)疲労、無力症、粘膜炎症、体重減少、(2~10%未満)発熱、悪寒、脱水、低カリウム血症、低ナトリウム血症、上気道感染、難聴、浮腫、末梢性浮腫、高クレアチニン血症、口腔カンジダ症、耳鳴、過敏症、(2%未満)倦怠感、低アルブミン血症、体重増加。11.2.4.がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌1).〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉消化器:(20%以上)下痢(36.7%)、(10~20%未満)口内炎、(10%未満)食欲不振。2).〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉皮膚:(10%未満)発疹。3).〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉その他:(10~20%未満)倦怠感。
18.1作用機序本薬はHER2に特異的に結合した後、NK細胞、単球を作用細胞とした抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)により抗腫瘍効果を発揮する。また、HER2分子数を低下させることにより細胞増殖シグナルが低減し、その結果本薬が直接的に細胞増殖を抑制するとの機序も考えられる。〈本剤〉18.2HER2結合作用組換え型ヒトHER2及びHER2高発現ヒト乳癌細胞株SK‐BR‐3の膜結合型HER2に対して、先行バイオ医薬品注1)と同程度の結合親和性を示した。18.3細胞増殖阻害作用HER2高発現ヒト乳癌細胞株BT‐474に本剤又は先行バイオ医薬品注1)を添加し、5日間培養した後、細胞増殖阻害率を測定した。その結果、先行バイオ医薬品注1)と同程度の細胞増殖阻害活性を示した。18.4抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)18.4.1作用細胞として末梢血単核細胞を、標的細胞としてCalceinAMをあらかじめ取り込ませたSK‐BR‐3を混合した後、本剤又は先行バイオ医薬品注1)を添加し、4時間培養した。カルセインリリースアッセイによりADCC活性を測定した。その結果、先行バイオ医薬品注1)と同程度のADCC活性を示した。18.4.2作用細胞として遺伝子組換えJurkatT細胞と、標的細胞としてHER2高発現ヒト胃癌細胞株NCI‐N87を混合した後、本剤又は先行バイオ医薬品注1)を添加し、ルシフェラーゼレポーターバイオアッセイによりADCC活性を測定した。その結果、先行バイオ医薬品注1)と同程度のADCC活性を示した。注1)Herceptin(米国又はEUにおいて承認されたトラスツズマブ(遺伝子組換え)製剤)〈ハーセプチン注射用60・150〉18.5抗腫瘍効果HER2高発現のヌードマウス可移植性ヒト乳癌(MCF7‐HER2、BT‐474(細胞当たりのHER2レセプター数=1.0×10の6乗))及びヒト胃癌(NCI‐N87)に対し抗腫瘍効果が認められた。また、NCI‐N87において、他の抗悪性腫瘍剤との併用により、抗腫瘍効果の増強が認められた。MCF‐7‐HER2に対しては総投与量3~100mg/kg(3回投与)の範囲で、NCI‐N87に対しては総投与量70~280mg/kg(6回投与)の範囲で用量依存的に増殖抑制効果を示した。一方、BT‐474に対しては、1日投与量0.1~30mg/kg(8~10回投与)の範囲で用量依存的に増殖抑制効果を示し、1mg/kg以上の高用量投与群では腫瘍の完全退縮も観察された。18.6抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)ヒトInterleukin‐2で処理したヒト末梢血単核球を作用細胞として、Na51CrO4で予めラベルした次記の標的細胞を作用細胞:標的細胞=25:1、12.5:1、6.25:1、3.13:1の比率で混合し、0.1μg/mLのトラスツズマブを添加し、4時間培養した(37℃、5%CO2)。chromereleaseassayによりADCC活性を測定した。ヒト乳腺上皮細胞184A1株(HER2発現レベル注2)=0.3)ヒト乳癌細胞MCF7株(HER2発現レベル=1.2)ヒト胃癌細胞MKN7株(HER2発現レベル=16.7)ヒト乳癌細胞SK‐BR‐3株(HER2発現レベル=33.0)注2)ヒト乳腺上皮細胞184株のHER2発現レベルを1.0としたときの相対値その結果、いずれの作用細胞:標的細胞比率においても、細胞傷害活性とHER2発現レベルの間には高い相関が認められ(作用細胞:標的細胞=25:1、12.5:1、6.25:1、3.13:1の時、それぞれR2=0.93、0.92、0.87、0.66)、トラスツズマブはHER2高発現細胞に、より強い細胞傷害活性を発揮することが示された。ただし、HER2低発現の腫瘍株(MCF7)では、invitroの試験において、トラスツズマブ惹起のADCC活性は極めて微弱であり、また、直接的な細胞増殖抑制作用(トラスツズマブのマウス親抗体である4D5を用いて行われた)は認められなかった。18.7HER2分子数の抑制作用ヒト乳癌細胞SK‐BR‐3(HER2高レベル発現株(細胞当たりのHER2レセプター数=9.0×10の5乗))及びMCF7(HER2低レベル発現株(細胞当たりのHER2レセプター数=2.2×10の4乗))を本薬150μg/mLの存在、非存在下で1日あるいは5日間培養した後、細胞のHER2数を求めたところ、いずれの細胞でもHER2のレベルが低下した。
17.1有効性及び安全性に関する試験〈本剤〉17.1.1国際共同第III相臨床試験HER2陽性早期乳癌患者を対象とし、化学療法注1)併用下で、本剤又は先行バイオ医薬品注2)を初回は8mg/kg投与し、2回目以降は6mg/kgを3週毎に投与した。8回の投与終了後、3~6週の間に手術を実施し、病理学的完全奏効(pCR)を評価した。pCRの割合は、本剤及び先行バイオ医薬品注2)群でそれぞれ46.8%(116/248例)及び50.4%(129/256例)であり、群間差の推定値の95%信頼区間は、予め設定した同等性許容域[-15%、15%]の範囲内に含まれ、両剤の有効性における同等性が確認された。本剤又は先行バイオ医薬品注2)群のpCR割合(pCRが認められた例数/例数注3))--------------------------表開始--------------------------本剤先行バイオ医薬品注2)pCR割合46.8%(116/248例)50.4%(129/256例)注2)Herceptin(米国において承認されたトラスツズマブ(遺伝子組換え)製剤)注3)Per‐protocolSet例数--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は本剤群で47.6%(129/271例)、先行バイオ医薬品注2)で52.2%(145/278例)であった。本剤群の主な副作用は、注入に伴う反応8.1%(22/271例)、脱毛症7.7%(21/271例)、駆出率減少7.0%(19/271例)、好中球減少5.9%(16/271例)、悪心5.5%(15/271例)、下痢5.2%(14/271例)であった。注1)本剤又は先行バイオ医薬品の投与にあわせて、ドセタキセル75mg/m2を初回投与から3週毎に4回、以降はFEC(フルオロウラシル500mg/m2+エピルビシン75mg/m2+シクロホスファミド500mg/m2)を3週毎に4回投与した。注2)Herceptin(米国において承認されたトラスツズマブ(遺伝子組換え)製剤)〈ハーセプチン注射用60・150〉〈HER2過剰発現が確認された乳癌〉17.1.2国内第I相臨床試験(MKC‐454‐02試験)HER2過剰発現の転移性乳癌患者を対象に、本剤を投与した(1~8mg/kg)注4)。抗腫瘍効果の成績は次表のとおりであった。副作用は14/18例(77.8%)に発現した。主な副作用は、発熱44.4%、AST増加22.2%、嘔吐16.7%、悪寒16.7%、倦怠感16.7%等であった。HER2過剰発現乳癌患者に対する抗腫瘍効果--------------------------表開始--------------------------投与量CRPRMRNCPDNE計1mg/kg---14162mg/kg--1-2-34mg/kg-1--2-38mg/kg1-21116計2(11.1)329218症例数(%)NE:NotEvaluate--------------------------表終了--------------------------前記18例における本剤の投与期間は1~10週(中央値:10週)であった。また、高齢者(65歳以上)への投与は行われなかった。注4)承認された用法・用量は初回投与時4mg/kg、2回目以降2mg/kgを1週間間隔で投与(A法)及び初回投与時8mg/kg、2回目以降6mg/kgを3週間間隔で投与(B法)である。17.1.3海外第II相臨床試験(H0551g試験)HER2過剰発現の転移性乳癌患者を対象に、本剤を単独投与した(初回250mg、2回目以降は100mgを7日毎に10週間投与)注4)。評価可能例43例のうち奏効例は5例(11.6%)であった。副作用は28/46例(60.9%)に発現した。主な副作用は、さむけ21.7%、発熱17.4%、下痢15.2%等であった。17.1.4海外第II相臨床試験(H0552g試験)HER2過剰発現の転移性乳癌患者を対象に、本剤をシスプラチンと併用で投与した(初回250mg、2回目以降は100mgを7日毎に8週間投与)注4)。評価可能例37例のうち奏効例は9例(24.3%)であった。副作用は22/39例(56.4%)に発現した。主な副作用は、無力症28.2%、発熱18.0%、嘔気18.0%、さむけ15.4%、白血球減少症15.4%等であった。17.1.5海外第III相臨床試験(H0648g試験)HER2過剰発現の転移性乳癌患者を対象に、本剤を他の化学療法と併用で投与した(初回4mg/kg、2回目以降は2mg/kgを1週間間隔で投与)。主要評価項目である病勢進行までの期間の中央値は、アントラサイクリン+シクロホスファミド(AC)併用群が9.08カ月、AC単独群が6.48カ月、パクリタキセル併用群が6.87カ月、パクリタキセル単独群が2.89カ月であった。HER2過剰発現の程度別の病勢進行までの期間の中央値は、AC併用群では3+群が9.05カ月、2+群が9.11カ月、パクリタキセル併用群では3+群が7.14カ月、2+群が5.30カ月であった。奏効例は、AC併用群が80/143例(55.9%)、パクリタキセル併用群が38/92例(41.3%)であった。副作用はAC併用群では122/143例(85.3%)、パクリタキセル併用群では78/91例(85.7%)に発現した。主な副作用はAC併用群では、発熱28.7%、嘔気25.9%、無力症25.2%、さむけ23.8%、嘔吐18.9%、下痢18.2%、疼痛17.5%、呼吸困難16.1%等、パクリタキセル併用群では、さむけ36.3%、無力症35.2%、発熱29.7%、嘔気23.1%、疼痛22.0%、下痢19.8%、発疹17.6%、嘔吐17.6%等であった。17.1.6海外第III相臨床試験(H0649g試験)前化学療法1~2レジメン施行後に再発が認められたHER2過剰発現の転移性乳癌患者を対象に、本剤を投与した(初回4mg/kg、2回目以降は2mg/kgを1週間間隔で投与)。主要評価項目である抗腫瘍効果について、ITT解析対象集団222例のうち奏効例は34例(15.3%)、評価可能例207例のうち奏効例は34例(16.4%)であった。病勢進行までの期間の中央値は3.1カ月であった。HER2過剰発現の程度別の病勢進行までの期間の中央値は、3+群が3.3カ月、2+群が1.9カ月であった。副作用は182/213例(85.4%)に発現した。主な副作用は、発熱36.6%、さむけ35.2%、無力症27.2%、嘔気21.1%、疼痛17.8%、頭痛15.0%等であった。17.1.7海外臨床試験(H0650g試験)化学療法未治療のHER2過剰発現の転移性乳癌患者を対象に、本剤を投与した(初回4mg/kg又は8mg/kg、2回目以降はそれぞれ2mg/kg又は4mg/kgを1週間間隔で投与注4))。主要評価項目である抗腫瘍効果について、評価可能例の奏効例は、4mg/kg→2mg/kg群が7/33例(21.2%)、8mg/kg→4mg/kg群が8/29例(27.6%)であった。副作用は4mg/kg→2mg/kg群では40/59例(67.8%)、8mg/kg→4mg/kg群では47/55例(85.5%)に発現した。主な副作用は4mg/kg→2mg/kg群では、無力症20.3%、疼痛20.3%、さむけ20.3%、発熱18.6%等、8mg/kg→4mg/kg群では、さむけ29.1%、発熱25.5%、無力症25.5%、嘔気18.2%、疼痛16.4%等であった。17.1.8海外臨床試験(H0659g試験)[H0648g試験からの継続試験]海外第III相臨床試験(H0648g試験)に参加し転移性乳癌の進行が確認された患者を対象に本剤を投与した(放射線療法、化学療法、免疫療法及びホルモン療法との併用可能)。評価可能例155例のうち奏効例は22例(14.2%)であった。主な副作用は、無力症18.4%、さむけ18.4%、発熱16.4%、嘔気15.6%等であった。17.1.9海外臨床試験(H0693g試験)化学療法を3レジメン以上施行後に、再発が認められたHER2過剰発現の転移性乳癌患者を対象に、本剤を標準的癌化学療法と併用で投与した(初回4mg/kg、2回目以降は2mg/kgを1週間間隔で投与)。評価可能例の奏効例は5/154例(3.2%)であった。副作用は240/360例(66.7%)に発現した。主な副作用は、発熱26.7%、さむけ25.8%、無力症10.6%、嘔気10.3%等であった。17.1.10国際共同第III相試験(HERA試験)HER2過剰発現の手術可能乳癌患者で、手術、全身的な術前又は術後薬物療法及び放射線療法(適応となる場合)を完了した患者を対象注5)とし、本剤を初回8mg/kg(体重)、2回目以降6mg/kgを3週間間隔で1年間投与した群又は2年間投与した群と、本剤を投与しない対照群とで有効性を比較した。なお、本剤投与群においては、定期的なLVEF評価に基づき、本剤の投与継続あるいは中止が判断された。中間解析結果:観察期間中央値12カ月時点で中間解析が実施され、本剤1年投与群は対照群に比べて、無病生存に関するイベント注6)発現率が有意に改善された。なお、本試験における国内からの登録被験者の同時点の解析におけるイベント発現率は、1年投与群7.3%(3/41)、対照群13.0%(6/46)であった。HERA試験のうち本剤が投与された1,678例において、副作用が600例(35.8%)に認められた。主な副作用は、悪寒75例(4.5%)、頭痛61例(3.6%)、発熱58例(3.5%)、悪心52例(3.1%)、疲労51例(3.0%)、駆出率低下51例(3.0%)等であった。そのうち、本試験に参加した国内症例41例において、副作用が23例(56.1%)に認められ、主な副作用は悪寒6例(14.6%)、発熱5例(12.2%)、疲労5例(12.2%)、頭痛5例(12.2%)、爪の障害5例(12.2%)等であった。最終解析結果:観察期間中央値8年時点で最終解析が実施された。本剤1年投与群は対照群に比べて、無病生存に関するイベント発現率が有意に改善された。本剤2年投与群と1年投与群の比較は、ランダム化の12カ月後に無病かつ生存している被験者に対して実施された。本剤2年投与群の無病生存に関するイベント発現率は23.6%(367/1,553)で、1年投与群(23.6%[367/1,552])に比べて有意な改善は認められなかった(HR:0.99、P=0.86)。また、安全性については、3,355例(1年投与群1,682例、2年投与群1,673例)が解析対象とされ、グレード3又は4の有害事象及び無症候性又は軽度症候性の左室駆出率(LVEF)低下は、1年投与群に比べて2年投与群で発現率が高い傾向が認められた[グレード3又は4の有害事象:1年投与群16.3%(275/1,682例)、2年投与群20.4%(342/1,673例)、無症候性又は軽度症候性の左室駆出率低下:1年投与群4.1%(69/1,682例)、2年投与群7.2%(120/1,673例)]。[7.2.2参照]注5)HERA試験では、非転移性で根治的手術が可能であった原発性乳癌患者を対象とした。なお、腋窩リンパ節転移陰性で腫瘍径1cm以下の患者、化学療法が適応されない患者は対象外であった。注6)乳癌の再発(部位を問わない)、対側乳癌、乳癌以外の二次癌(皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮癌、子宮頸部上皮内癌を除く)の発症、死亡(死因は問わない)1年投与群及び対照群の無病生存に関するイベント発現率の比較--------------------------表開始--------------------------症例数イベント注6)発現例数(発現率)ハザード比P値観察期間中央値12カ月時点対照群1693219(12.9%)0.54<0.00011年投与群1693127(7.5%)観察期間中央値8年時点対照群注7)1697注8)570(33.6%)0.76<0.00011年投与群1702注8)471(27.7%)注6)乳癌の再発(部位を問わない)、対側乳癌、乳癌以外の二次癌(皮膚の基底細胞癌及び扁平上皮癌、子宮頸部上皮内癌を除く)の発症、死亡(死因は問わない)注7)対照群には、中間解析結果発表の後、本剤の投与を開始した症例が52.1%(884/1,697)含まれた。注8)観察期間中央値12カ月時点における解析のためのカットオフ日より後で試験にランダム化された被験者が少数含まれるため、症例数に相違がある。--------------------------表終了--------------------------〈HER2過剰発現が確認された治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉17.1.11国際共同第III相試験(ToGA試験)HER2過剰発現(IHC法3+又はFISH法陽性)の進行・再発の胃又は胃食道接合部腺癌患者(化学療法未治療)584例を対象に、化学療法(カペシタビン+シスプラチン又はフルオロウラシル+シスプラチン)と化学療法+本剤を比較する第III相臨床試験を実施した。本剤は初回8mg/kg(体重)、2回目以降6mg/kgを3週間間隔で、化学療法中止後も病勢進行が認められるまで同一の用法・用量で投与を継続した。化学療法は、カペシタビン1000mg/m2の1日2回14日間経口投与又はフルオロウラシル800mg/m2の5日間持続静脈内投与注9)とシスプラチン80mg/m2の静脈内投与を3週間間隔で行った。目標イベント数の75%時点の中間解析において、化学療法+本剤は化学療法単独に比べて、主要評価項目である全生存期間において有意な延長が認められた。なお、化学療法の内訳は584例中、カペシタビン+シスプラチンが511例、フルオロウラシル+シスプラチンが73例であった。国内では、全例(101例)においてカペシタビン+シスプラチンが使用された。ToGA試験のうち本剤が投与された294例において、副作用が283例(96.3%)に認められた。主な副作用は、悪心186例(63.3%)、好中球減少症157例(53.4%)、嘔吐129例(43.9%)、食欲不振121例(41.2%)、疲労87例(29.6%)、下痢85例(28.9%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群72例(24.5%)、口内炎66例(22.4%)等であった。そのうち、本試験に参加した国内症例51例において、副作用が50例(98.0%)に認められ、主な副作用は食欲不振43例(84.3%)、悪心41例(80.4%)、腎機能障害31例(60.8%)、好中球減少症30例(58.8%)、嘔吐29例(56.9%)、疲労29例(56.9%)、口内炎26例(51.0%)、しゃっくり20例(39.2%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群19例(37.3%)、便秘18例(35.3%)等であった。[5.4、7.3参照]注9)フルオロウラシルの他の抗悪性腫瘍剤との併用における国内承認用法・用量:フルオロウラシルとして、通常成人1日5~10mg/kgを他の抗悪性腫瘍剤と併用し、単独で使用する場合の方法に準じ、又は間歇的に週1~2回用いる。単独で使用する場合:フルオロウラシルとして、通常成人1日5~15mg/kgを最初の5日間連日1日1回静脈内に注射又は点滴静注する。以後5~7.5mg/kgを隔日に1日1回静脈内に注射又は点滴静注する。なお、年齢、症状により適宜増減する。全生存期間のKaplan‐Meier曲線<<図省略>>〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉17.1.12国内第II相試験(TRIUMPH試験)化学療法歴のある注10)HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌患者注11)30例を対象に、本剤をペルツズマブと併用で投与した。本剤は初回8mg/kg(体重)、2回目以降6mg/kg、ペルツズマブは初回840mg、2回目以降420mgを3週間間隔で投与し、疾患進行又は治験中止基準に該当するまで継続した。主要評価項目であるRECISTver.1.1に基づく治験担当医師判定による奏効率[95%信頼区間]は、腫瘍組織を用いた検査でHER2陽性の患者集団では29.6%[13.8、50.2](8/27例)、血液検体を用いた検査でHER2陽性の患者集団では28.0%[12.1、49.4](7/25例)であった。副作用は24/30例(80.0%)に発現した。主な副作用は、注入に伴う反応14例(46.7%)、下痢11例(36.7%)、口内炎4例(13.3%)、倦怠感3例(10.0%)等であった。[5.9参照]注10)フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン、イリノテカン塩酸塩水和物及び抗上皮増殖因子受容体(EGFR)抗体医薬品(セツキシマブ又はパニツムマブ)に不応又は不耐の患者が組み入れられた。注11)腫瘍組織検体においてRAS遺伝子野生型であることが確認されており、かつ腫瘍組織又は血液検体を用いた検査により次のいずれかを満たす患者が対象とされた。なお、腫瘍組織を用いた検査結果に基づき組み入れられた27例全例がFISH法陽性であり、うち、IHC法3+及び2+はそれぞれ23例及び4例であった。腫瘍組織を用いた検査:HER2についてIHC法3+又はFISH法陽性血液検体を用いた検査:次世代シークエンサー法でHER2遺伝子増幅(遺伝子コピー数が2.4以上)かつRAS遺伝子野生型(cell‐freeDNAにおいて、検出された最も頻度の高い遺伝子変異に対するRAS遺伝子変異の割合が30%以下)