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2024/10/29 バイオの火曜日
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https://www.carenet.com/hihyotue/238.html
一般名 | アバカビル硫酸塩錠 |
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YJコード | 6250014F1036 |
剤型・規格 | 錠剤・300mg1錠 |
薬価 | 638.70円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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2024/10/25 CLEAR!ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/pharmacist/di/cg004391_023.html
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https://www.carenet.com/hihyotue/232.html
HIV感染症。(効能又は効果に関連する注意)5.1.無症候性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIVRNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIVRNA量を確認するとともに、最新のガイドラインを確認すること。5.2.本剤のHIV-2感染症患者に対する有効性・安全性は確認されていない。
通常、成人には他の抗HIV薬と併用して、アバカビルとして1日量600mgを1日1回又は2回に分けて経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜減量する。(用法及び用量に関連する注意)7.1.HIVは感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用すること〔18.3参照〕。7.2.本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。
(警告)1.1.過敏症1.1.1.海外の臨床試験において、本剤投与患者の約5%に過敏症の発現を認めており、まれに致死的となることが示されているので、本剤による過敏症は、通常、本剤による治療開始6週以内(中央値11日)に発現するが、その後も継続して観察を十分に行うこと〔1.1.2-1.1.5、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照〕。1.1.2.本剤による過敏症では皮疹、発熱、胃腸症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛等)、疲労感、倦怠感、呼吸器症状(呼吸困難、咽頭痛、咳等)等の症状が多臓器及び全身に発現するので、このような症状が発現した場合は、直ちに担当医に報告させ、本剤による過敏症が疑われたときは本剤の投与を直ちに中止すること〔1.1.1、1.1.3-1.1.5、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照〕。1.1.3.過敏症が発現した場合には、決してアバカビル含有製剤を再投与しないこと(本製剤の過敏症発現後の再投与により数時間以内にさらに重篤な症状が発現し、重篤な血圧低下が発現する可能性及び死に至る可能性がある)〔1.1.1、1.1.2、1.1.4、1.1.5、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照〕。1.1.4.呼吸器疾患(肺炎、気管支炎、咽頭炎)、インフルエンザ様症候群、胃腸炎、又は併用薬による副作用と考えられる症状が発現した場合あるいは胸部X線像異常(主に浸潤影を呈し、限局する場合もある)が認められた場合でも、本剤による過敏症の可能性を考慮し、過敏症が否定できない場合は本剤の投与を直ちに中止し、決して再投与しないこと〔1.1.1-1.1.3、1.1.5、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照〕。1.1.5.患者に過敏症について必ず説明し、過敏症を注意するカードを常に携帯するよう指示すること。また、過敏症を発現した患者には、アバカビル含有製剤を二度と服用しないよう十分指導すること〔1.1.1-1.1.4、2.1、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照〕。(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者〔1.1.1-1.1.5、8.2、8.5、11.1.1、15.1.1参照〕。2.2.重度肝障害患者〔9.3.1、16.6.2参照〕。(重要な基本的注意)8.1.本剤はHIV感染症治療の経験を有する医師が投与を行うこと。8.2.本剤の再投与を考慮する際は、次のことに注意すること〔1.1.1-1.1.5、2.1、8.5、11.1.1、15.1.1参照〕。・アバカビルによる過敏症に関連する症状は、過敏症後の再投与により初回より重篤な再発が認められ、重篤な血圧低下をきたし死に至る可能性があるので、本剤による過敏症が疑われた患者には、決して再投与しないこと。・アバカビル含有製剤を中止した理由を再度検討し、アバカビルと過敏症との関連性が否定できない場合は再投与しないこと。・投与中止前に過敏症の主な症状(皮疹、発熱、胃腸症状等)の1つのみが発現していた患者には、本剤の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、必要に応じて入院のもとで投与を行うこと。・過敏症の症状又は徴候が認められていなかった患者に対しても、直ちに医療施設に連絡できることを確認した上で投与を行うこと。8.3.膵炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。8.4.本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。8.5.本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。・本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。・本剤の投与後過敏症が発現し、まれに致死的となることが報告されているので、過敏症を注意するカードに記載されている徴候又は症状である発熱、皮疹、疲労感、倦怠感、胃腸症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛等)及び呼吸器症状(呼吸困難、咽頭痛、咳等)等が発現した場合は、直ちに担当医に報告し、本剤の服用を中止すべきか否か指示を受けること。また、過敏症を注意するカードは常に携帯すること〔1.1.1-1.1.5、2.1、8.2、11.1.1、15.1.1参照〕。・アバカビルの再投与により重症又は致死的な過敏症が数時間以内に発現する可能性があり、したがって、本剤の服用を中断した後に再びアバカビル含有製剤を服用する際には、必ず担当医に相談する(担当医又は医療施設を変わる場合には本剤の服用歴がある旨を新しい担当医に伝える)〔1.1.1-1.1.5、2.1、8.2、11.1.1、15.1.1参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(肝機能障害患者)9.3.1.重度肝障害患者:投与しないこと(血中濃度が上昇することにより、副作用が発現するおそれがある)〔2.2、16.6.2参照〕。9.3.2.中等度肝障害患者:投与しないことが望ましいが、特に必要とする場合には慎重に投与すること(薬物動態は検討されていない)〔16.6.2参照〕。9.3.3.軽度肝障害患者:薬物動態試験の結果、薬物動態に影響がみられたが、これら患者における推奨投与量は明らかとなっていない〔16.6.2参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物において、本剤又はその代謝物は胎盤を通過することが示されており、動物(ラットのみ)において、本剤の500mg/kg/日又はそれ以上の投与量(ヒト全身曝露量(AUC)の32~35倍)で、胚に対する毒性又は胎仔に対する毒性(胎仔浮腫、胎仔変異及び胎仔奇形、吸収胚、胎仔体重減少、胎仔死産増加)が認められたとの報告がある)。ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性血清乳酸値上昇が報告されており、また、非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。(授乳婦)授乳を避けさせること(一般に、HIVの乳児への移行を避けるため、あらゆる状況下においてHIVに感染した女性は授乳すべきでない)、アバカビルの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.9であることが報告されている(外国人データ)。(小児等)生後3ヵ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。なお、小児等に対し本剤を投与した場合、本剤1日1回投与では、1日2回投与と比較して、曝露量が大きくなる可能性がある〔16.6.3参照〕。(高齢者)患者の肝、腎及び心機能の低下、合併症、併用薬等を十分考慮し慎重に投与すること。(相互作用)10.2.併用注意:1).アルコール(飲酒)〔16.4、16.7.1、16.7.2参照〕[本剤の代謝はエタノールによる影響を受ける;本剤のAUCが約41%増加したが、エタノールの代謝は影響を受けなかったとの報告がある(アルコールデヒドロゲナーゼの代謝基質として競合すると考えられている)]。2).メサドン塩酸塩[メサドンのクリアランスが22%増加したことから、併用する際にはメサドン塩酸塩の増量が必要となる場合があると考えられ、なお、アバカビルの血中動態は臨床的意義のある影響を受けなかった(Cmaxが35%減少しtmaxが1時間延長したが、AUCは変化しなかった)(機序不明)]。3).リオシグアト〔16.7.2参照〕[本剤とリオシグアトの併用により、リオシグアトのAUCが増加するおそれがあるので、本剤との併用が必要な場合は、患者の状態に注意し、必要に応じてリオシグアトの減量を考慮すること(本剤のCYP1A1阻害作用によりリオシグアトの代謝が阻害される)]。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.海外で実施されたプロスペクティブ試験(1956例)において、アバカビルの投与開始前にHLA-B*5701のスクリーニングを実施しない群と、スクリーニングを実施しHLA-B*5701保有者を除外した群における臨床症状から疑われる過敏症の発現頻度が、それぞれ7.8%(66/847)、3.4%(27/803)、皮膚パッチテストにより確認された過敏症の発現頻度が、それぞれ2.7%(23/842)、0.0%(0/802)であり、HLA-B*5701のスクリーニングの実施により過敏症の発現頻度が統計学的に有意に低下する(p<0.0001)ことが示された。また、本試験結果ではHLA-B*5701をスクリーニングしない群において臨床症状から過敏症が疑われた66例中30例、皮膚パッチテストにて確認された過敏症症例23例全例がHLA-B*5701を保有していた。日本人における過敏症とHLA-B*5701保有の関連性については不明であり、HLA-B*5701の保有率は白人では5~8%、日本人では0.1%との報告がある〔1.1.1-1.1.5、2.1、8.2、8.5、11.1.1参照〕。15.1.2.抗HIV薬の多剤併用療法を受けている患者を対象に心筋梗塞の発現頻度を調査したプロスペクティブ観察疫学研究において、アバカビルの使用開始から6ヵ月以内の患者で心筋梗塞のリスクが増加するとの報告があるが、臨床試験の統合解析を実施した結果、対照群と比較してアバカビル投与群の過度な心筋梗塞のリスクは認められなかった。アバカビルと心筋梗塞の関連については、現在のところ結論は出ていない。予防措置として、アバカビルを含む抗HIV療法を開始する場合には、冠動脈性心疾患の潜在的リスクを考慮し、高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙等の改善可能なすべてのリスク因子を最小化させるための措置をとること。15.2.非臨床試験に基づく情報15.2.1.細菌を用いた試験では変異原性を認めなかったが、ヒトリンパ球を用いたinvitro染色体異常試験陽性、マウスリンフォーマ試験陽性及びinvivo小核試験陽性を認めた。これらの結果は、invivo及びinvitroにおいて、本剤の高濃度を用いた場合に弱い染色体異常誘発効果を有することを示している。15.2.2.マウス及びラットにおける長期がん原性試験において、包皮腺悪性腫瘍、陰核腺悪性腫瘍、肝臓悪性腫瘍、膀胱悪性腫瘍、リンパ節悪性腫瘍、皮下組織悪性腫瘍等の悪性腫瘍がみられたとの報告がある(ヒト全身曝露量(AUC)の24~32倍。ただし包皮腺(ヒトにおいて該当する器官は存在しない)の腫瘍については6倍)ので、ヒトに対する潜在的危険性と治療上の有益性を十分に検討すること。15.2.3.アバカビルを2年間投与したマウス及びラットにおいて、軽度心筋変性が認められた(ヒト全身曝露量(AUC)の7~24倍の用量)。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.過敏症(頻度不明):アバカビルの投与により発熱又は皮疹を伴う多臓器過敏症及び全身性過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、次に示すような徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔1.1.1-1.1.5、2.1、8.2、8.5、15.1.1参照〕[1)皮膚:*皮疹(通常、*斑状丘疹性皮疹又は*じん麻疹)、多形紅斑、2)消化器:*嘔気、*嘔吐、*下痢、*腹痛、口腔潰瘍、3)呼吸器:*呼吸困難、*咳、咽頭痛、急性呼吸促迫症候群、呼吸不全、4)精神神経系:*頭痛、感覚異常、5)血液:リンパ球減少、6)肝臓:*肝機能検査値異常(*AST上昇、*ALT上昇等)、肝不全、7)筋骨格:*筋痛、筋変性(横紋筋融解、筋萎縮等)、関節痛、CK上昇、8)泌尿器:クレアチニン上昇、腎不全、9)眼:結膜炎、10)その他:*発熱、*嗜眠、*倦怠感、*疲労感、浮腫、リンパ節腫脹、血圧低下、粘膜障害、アナフィラキシー]。*)過敏症発現患者のうち10%以上にみられた症状。11.1.2.膵炎(1.09%)。11.1.3.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(ToxicEpidermalNecrolysis:TEN)(いずれも頻度不明)。11.1.4.乳酸アシドーシス(0.16%)、脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)(0.16%):乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や肝毒性が疑われる検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること(特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること)。本剤を含むNRTIの単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)及び肝毒性(脂肪沈着による重度肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されている。11.2.その他の副作用1).皮膚:(5%~10%未満)発疹。2).消化器:(5%~10%未満)悪心、(5%未満)嘔吐、下痢、食欲不振。3).精神神経系:(5%未満)頭痛。4).その他:(10%以上)体脂肪再分布/体脂肪蓄積(胸部脂肪増加、体幹部脂肪増加、末梢部脂肪減少、顔面脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)、(5%未満)疲労感、嗜眠、発熱、高乳酸塩血症。発現頻度には使用成績調査の結果を含む。
18.1作用機序アバカビルは細胞内で活性化型のカルボビル三リン酸に変換される。カルボビル三リン酸は天然基質デオキシグアノシン三リン酸に代わってウイルスDNA鎖に取り込まれ、DNA鎖の伸長を停止させることによりHIVの複製を阻害する。また、カルボビル三リン酸はHIV逆転写酵素を競合的に阻害する。18.2抗ウイルス作用アバカビルのHIV‐1に対するIC50値はHIV‐1IIIB株に対して3.7~5.8μM、臨床分離株に対して0.26±0.18μM(n=8)、HIV‐1BaL株に対して0.07~1.0μMであった。また、HIV‐2に対するIC50値はHIV‐2(Zy)株に対して4.1μM、HIV‐2LAV‐2株に対して7.5μMであった。InvitroでNRTIのジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、サニルブジン、テノホビル、ザルシタビン及びジドブジン、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)のネビラピン、及びプロテアーゼ阻害剤のアンプレナビルとの相加又は相乗作用が認められた。また、ヒト末梢血単核球から活性化リンパ球を除いた場合に、より強い抗HIV作用を示したことから、アバカビルは静止細胞でより強く抗ウイルス作用を示すものと考えられる。18.3薬剤耐性アバカビルに対して低感受性のHIV‐1分離株がinvitro及びアバカビル投与患者から分離されており、いずれも逆転写酵素にM184V、K65R、L74V及びY115Fの変異が確認された。これらの変異を2種以上含むことにより、アバカビル感受性は1/10に低下した。臨床分離株ではM184V及びL74Vの変異が頻回に観察された。[7.1参照]18.4交差耐性2種以上のアバカビル関連耐性変異を獲得したHIV‐1株のうち数種は、invitroでラミブジン、ジダノシン及びザルシタビンに対して交差耐性を示し、一方、ジドブジン及びサニルブジンには感受性を示した。アバカビルとHIVプロテアーゼ阻害剤とは標的酵素が異なることから、両者間で交差耐性を示す可能性は低く、NNRTIも逆転写酵素の結合部位が異なることから、交差耐性を示す可能性は低いものと考えられる。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1海外第III相試験(CNAAB3003)(成人)CD4リンパ球数が100/mm3以上で抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者173例を対象とした二重盲検比較試験において、本剤(300mg1日2回)+ラミブジン(150mg1日2回)+ジドブジン(300mg1日2回)を併用投与した群(本剤併用群)あるいはプラセボ+ラミブジン(150mg1日2回)+ジドブジン(300mg1日2回)を併用投与した群(プラセボ併用群)に、それぞれ87例と86例の患者が無作為に割り付けられた。48週間の治療期間中に、血漿中HIV‐1RNA量が検出限界(400copies/mL)以下であった患者の比率は治療開始8週後より両群間で差がみられ、48週後ではそれぞれ61%と6%となり、プラセボ併用群に比べて本剤併用群の方が高い抗HIV効果を示した。図‐1血漿中HIV‐1RNA量が400copies/mL以下の患者の比率<<図省略>>また、48週後のCD4リンパ球数の増加量(中央値)は、本剤併用群とプラセボ併用群でそれぞれ150/mm3、164/mm3であった。本剤併用群の副作用発現頻度は65%(54/83例)であった。主な副作用は、悪心47%(39/83例)、倦怠感/疲労25%(21/83例)及び頭痛24%(20/83例)であった。17.1.2海外第III相試験(CNAA3006)(小児)抗HIV薬による治療経験のある生後3ヵ月~12歳の小児HIV感染症患者205例を対象とした二重盲検比較試験において、アバカビル(8mg/kg1日2回)+ラミブジン(4mg/kg1日2回)+ジドブジン(180mg/m21日2回)を併用投与した群(アバカビル併用群)あるいはプラセボ+ラミブジン(4mg/kg1日2回)+ジドブジン(180mg/m21日2回)を併用投与した群(プラセボ併用群)に、それぞれ102例と103例の患者が無作為に割り付けられた。その結果、48週間の治療期間中に、血漿中HIV‐1RNA量が10000copies/mL以下又は検出限界(400copies/mL)以下であった患者の比率は、治療開始2週後より両群間で差がみられ、48週後ではそれぞれ10000copies/mL以下が36%、26%、検出限界以下が10%、<1%であり、プラセボ併用群に比べてアバカビル併用群の方が高い抗HIV効果を示した(他剤への変更例を無効とした解析)。図‐2血漿中HIV‐1RNA量が10000copies/mL以下の患者の比率A<<図省略>>図‐2血漿中HIV‐1RNA量が400copies/mL以下の患者の比率B<<図省略>>また、48週後のCD4リンパ球数の増加量(中央値)は、プラセボ併用群が-14/mm3と減少したのに対しアバカビル併用群は99/mm3と増加した。なお、48週間を通じてCD4リンパ球数の増加量(中央値)は、アバカビル併用群がプラセボ併用群に比し高値であったが有意差はみられなかった。アバカビル併用群の副作用発現頻度は38%(39/102例)であった。主な副作用は、悪心/嘔吐20%(20/102例)、頭痛6%(6/102例)及び栄養摂取の問題5%(5/102例)であった。17.1.3海外第III相試験(CNA30021)(成人)治療経験がない成人のHIV感染者770例を対象として投与回数を比較する二重盲検比較試験(ラミブジン300mg1日1回とエファビレンツ600mg1日1回の併用による、アバカビル600mg1日1回投与群384例又はアバカビル300mg1日2回投与群386例)を実施した。投与48週後にHIV‐1RNA量が400copies/mL未満であった患者の比率は、アバカビル600mg1日1回投与群、300mg1日2回投与群ともに72%であった。さらに、投与48週後にHIV‐1RNA量が50copies/mL未満であった患者の比率は、アバカビル600mg1日1回投与群が66%、アバカビル300mg1日2回投与群が68%であった(添付文書の図‐3)。また、投与48週後のCD4リンパ球数の増加量(中央値)は、それぞれ188/mm3、200/mm3であった。図‐3血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL未満の患者の比率注1)RocheAMPLICORHIV‐1MONITOR注2)治療が中止されることなく血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL未満を達成しかつ維持された患者の比率<<図省略>>なお、本試験における試験成績の要約を表‐1に示した。表‐1試験成績の要約--------------------------表開始--------------------------結果アバカビル600mg1日1回+ラミブジン+エファビレンツ(n=384)アバカビル300mg1日2回+ラミブジン+エファビレンツ(n=386)レスポンダー注1)66%(72%)68%(72%)ウイルス学的な治療失敗注2)10%(4%)8%(4%)有害事象による中止13%11%その他の理由による中止注3)11%13%(n=Intent‐to‐treatanalysis)注1)血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL未満(400copies/mL未満)となり投与48週後まで維持された患者の比率注2)血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL未満(400copies/mL未満)となったが投与48週後までにリバウンドを起こした患者、ウイルス学的に治療が失敗した患者、ウイルス学的な効果が不十分と判断された患者注3)同意の撤回、試験途中でフォローアップ不可、プロトコール違反、症状の進行等--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、アバカビル600mg1日1回投与群で74%(283/384例)及びアバカビル300mg1日2回投与群で72%(276/386例)であった。主な副作用は、浮動性めまい[それぞれ19%(73/384例)、17%(64/386例)]、悪心[それぞれ14%(53/384例)、17%(66/386例)]、異常な夢[それぞれ16%(62/384例)、15%(56/386例)]及び不眠症[それぞれ14%(54/384例)、16%(61/386例)]であった。17.2製造販売後調査等17.2.1国内製造販売後臨床試験CD4リンパ球数が500/mm3以下のHIV感染症患者16例を対象とした多施設共同オープン試験において、試験開始時のHIVRNA量の平均値は3.41log10copies/mLであったが、2週後:1.87log10copies/mL、4週後:1.69log10copies/mL、8週後:1.38log10copies/mL、12週後:1.34log10copies/mL、16週後:1.34log10copies/mLと、試験開始時から経時的に減少していることが観察され、試験開始時と最終観察時との差は有意であった(p=0.0010Wilcoxon一標本検定)。図‐4血清中HIVRNA量の推移(中央値)<<図省略>>また、CD4数の推移をみると、試験開始時の平均値は243.4/mm3、中央値は223.5/mm3であったが、最終観察時(投与後16週)にはCD4数は平均値320.8/mm3、中央値365/mm3に増加した。図‐5CD4数の試験開始時からの変化量(中央値)<<図省略>>副作用発現率は87.5%(14/16例)であった。主な副作用は倦怠感、嘔気、疲労及び食欲不振であった。