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エンシトレルビルとモルヌピラビル、妊婦禁忌の注意を強化/PMDA
2024/12/19 医療一般
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https://www.carenet.com/news/general/carenet/59847
一般名 | エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩錠 |
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YJコード | 6250103F1036 |
剤型・規格 | 錠剤・1錠 |
薬価 | 2442.40円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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第238回 妊娠はウイルス様配列を目覚めさせて胎児発育に必要な造血を促す
2024/10/29 バイオの火曜日
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インフルエンザウイルス曝露後抗ウイルス薬の有効性(解説:寺田教彦氏)
2024/10/25 CLEAR!ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/news/clear/journal/59492
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重症インフルエンザに対する抗ウイルス薬の有効性(解説:小金丸博氏)
2024/09/27 CLEAR!ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/news/clear/journal/59335
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わが国初のダニ媒介性脳炎予防ワクチン「タイコバック水性懸濁筋注」【最新!DI情報】第23回
2024/09/17 最新!DI情報
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https://www.carenet.com/pharmacist/di/cg004391_023.html
HIV-1感染症。
通常、成人には1回1錠(エムトリシタビンとして200mg及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩として300mgを含有)を1日1回経口投与する。なお、投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。(用法及び用量に関連する注意)7.1.本剤はエムトリシタビン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩の固定用量を含有する配合剤であるので、エムトリシタビン又はテノホビルジソプロキシルフマル酸塩の個別の用法・用量の調節が必要な患者には、個別のエムトリシタビン製剤(エムトリバカプセル200mg)又はテノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤(ビリアード錠300mg)を用いること。7.2.エムトリシタビンを含む製剤及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤と併用しないこと。また、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。7.3.本剤の有効成分であるエムトリシタビンの薬剤耐性を含むウイルス学的特性はラミブジンと類似しているので、本剤とラミブジンを含む製剤を併用しないこと。また、ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られないで、HIV-1逆転写酵素遺伝子M184V/I変異が認められた場合、ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩を本剤に変更することのみで効果の改善は期待できない。7.4.腎機能障害のある患者では、エムトリシタビン製剤及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤の薬物動態試験においてエムトリシタビンとテノホビルの血中濃度が上昇したとの報告があるので、腎機能の低下に応じて、次の投与方法を目安とする(外国人における薬物動態試験成績による)〔8.3、9.2.1、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕[1)クレアチニンクリアランス(CLcr)50mL/min以上:本剤1錠を1日1回投与、2)クレアチニンクリアランス(CLcr)30~49mL/min:本剤1錠を2日間に1回投与、3)クレアチニンクリアランス(CLcr)30mL/min未満又は血液透析患者:本剤は投与せず、エムトリシタビン製剤及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤により、個別に用法・用量の調節を行う]。7.5.核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3成分のみを用いる一部の治療は、NRTI2成分に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV-1プロテアーゼ阻害薬を併用する併用療法と比べて、概して効果が低いことが報告されているので、本剤と他のNRTI1成分のみによる治療で効果が認められない場合には他の組み合わせを考慮すること。
(警告)B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがあるので注意すること〔9.1.1参照〕。(禁忌)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)8.1.本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。8.1.1.本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。8.1.2.本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。8.2.本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。8.3.本剤投与前にクレアチニンクリアランス、尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。また、本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察すること〔7.4、9.2.1、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。8.4.テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含む多剤併用療法を長期間行った患者において、骨粗鬆症が現れ、大腿骨頚部骨折等の骨折を起こした症例が報告されている。長期投与時には定期的に骨密度検査を行う等骨密度減少に注意し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩の試験において、144週間の投与により腰椎骨密度減少と大腿骨頚部骨密度減少が見られている。骨密度減少した患者の大部分は、投与開始後24~48週目にかけて発現し、以降は144週目まで持続していた。8.5.本剤の有効成分であるエムトリシタビンの薬剤耐性を含むウイルス学的特性はラミブジンと類似しているので、本剤とラミブジンを含む製剤を併用しないこと。また、ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られないで、HIV-1逆転写酵素遺伝子M184V/I変異が認められた場合、ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩を本剤に変更することのみで効果の改善は期待できない。8.6.アジア系人種におけるエムトリシタビン製剤の薬物動態は十分検討されていないが、少数例の健康成人及びB型慢性肝炎のアジア系人種において、Cmax上昇を示唆する成績が得られているので、HBV感染症合併患者を含め、副作用の発現に注意すること。8.7.エムトリシタビン製剤の臨床試験において皮膚変色が発現し、その発現頻度は有色人種で高いことが示唆されている。その原因は現在のところ不明である。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.B型肝炎ウイルス感染を合併している患者:本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがある〔1.警告の項参照〕。9.1.2.腎機能障害のリスクを有する患者:血清リンの検査を実施すること。(腎機能障害患者)9.2.1.中等度腎機能障害及び重度腎機能障害のある患者:エムトリシタビン及びテノホビルの血中濃度が上昇する〔7.4、8.3、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(サル)においてテノホビルの胎仔への移行が報告されている)。(授乳婦)授乳を避けさせること(エムトリシタビン及びテノホビルのヒト乳汁への移行が報告されており、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を用いた動物実験(ラット)において、テノホビルの乳汁中への移行が報告されており、また、女性のHIV感染症患者は、乳児のHIV感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望ましい)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)患者の肝、腎及び心機能の低下、合併症、併用薬等を十分に考慮すること。(相互作用)10.2.併用注意:1).ジダノシン〔16.7.2参照〕[ジダノシンによる有害事象を増強するおそれがあるので、ジダノシンの減量を考慮すること(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤とジダノシン製剤の併用により、ジダノシンのAUC及びCmaxが上昇する)]。2).アタザナビル硫酸塩〔16.7.2参照〕[アタザナビルの治療効果が減弱するおそれがあるので、本剤とアタザナビル硫酸塩を併用する場合には、本剤とアタザナビル300mgをリトナビル100mgとともに投与することが望ましく、また、本剤による有害事象を増強するおそれがある(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤とアタザナビル硫酸塩製剤の併用により、アタザナビルのAUCが25%、Cmaxが21%、Cminが40%低下し、テノホビルのAUCが24%、Cmaxが14%、Cminが22%上昇する)]。3).ロピナビル・リトナビル〔16.7.2参照〕[本剤による有害事象を増強するおそれがある(テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤とロピナビル・リトナビル製剤の併用により、テノホビルのAUCが32%、Cminが51%上昇する)]。4).アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、バルガンシクロビル等[これらの薬剤又は本剤による有害事象を増強するおそれがある(尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合、排泄経路の競合により排泄が遅延し、これらの薬剤、エムトリシタビン又はテノホビルの血中濃度が上昇するおそれがある)]。5).ダルナビル+リトナビル〔16.7.2参照〕、レジパスビル・ソホスブビル〔16.7.2参照〕[本剤による有害事象を増強するおそれがある(テノホビルのAUC、Cmax及びCminが上昇する)]。6).腎毒性を有する薬剤〔7.4、8.3、9.2.1、11.1.1、16.6.1参照〕[併用は避けることが望ましい(腎毒性を有する薬剤は腎機能障害の危険因子となる)]。(過量投与)13.1.処置過量投与時、エムトリシタビン及びテノホビルは血液透析により一部除去される〔16.6.1参照〕。(その他の注意)15.2.非臨床試験に基づく情報15.2.1.テノホビルジソプロキシルフマル酸塩のマウスを用いたがん原性試験(2年間)において、臨床用量におけるヒトの全身曝露量の16倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に発現したとの報告がある。(取扱い上の注意)開栓後は、湿気を避けて保存すること。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.腎不全又は重度の腎機能障害(0.3%):腎機能不全、腎不全、急性腎障害、近位腎尿細管機能障害、ファンコニー症候群、急性腎尿細管壊死、腎性尿崩症又は腎炎等の重度腎機能障害が現れることがあるので、臨床検査値に異常が認められた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと(特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤投与中の患者では注意すること)〔7.4、8.3、9.2.1、10.2、16.6.1参照〕。11.1.2.膵炎(0.1%):血中アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇、血中トリグリセリド上昇等の検査値の上昇がみられた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと。11.1.3.乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)(頻度不明):乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は肝細胞毒性が疑われる検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること(特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること)。本剤を含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)が、女性に多く報告されている。11.2.その他の副作用1).代謝及び栄養障害:(2%未満)食欲不振、食欲亢進、食欲減退、(頻度不明*)高脂血症、体脂肪再分布/体脂肪蓄積、体重減少、高コレステロール血症、高血糖、低リン酸血症、低カリウム血症、高尿酸血症、糖尿病。2).精神障害:(頻度不明*)うつ病、神経過敏、不安、リビドー減退、睡眠障害、感情不安定。3).神経系障害:(2%以上)頭痛(2.7%)、(2%未満)浮動性めまい、不眠症、傾眠、(頻度不明*)錯感覚、異常な夢、ニューロパチー、末梢性ニューロパチー、前庭障害、思考異常、味覚異常、振戦。4).呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(頻度不明*)気管支炎、鼻炎、呼吸困難、咽頭炎。5).胃腸障害:(2%以上)悪心(10.9%)、下痢(7.0%)、(2%未満)嘔吐、鼓腸、腹部膨満、口内乾燥、腹痛、上腹部痛、(頻度不明*)消化不良、便秘、胃炎、胃腸障害、口臭、アフタ性潰瘍、おくび。6).肝胆道系障害:(頻度不明*)脂肪肝、肝炎、肝機能異常。7).皮膚及び皮下組織障害:(2%以上)皮膚色素過剰(2.3%)、(2%未満)発疹、(頻度不明*)皮膚そう痒症、皮膚変色、多汗症、皮膚乾燥、脱毛症、湿疹、ざ瘡、脂漏、帯状疱疹、単純ヘルペス、皮膚良性新生物。8).筋骨格系及び結合組織障害:(頻度不明*)筋肉痛、関節痛、骨障害、背部痛、側腹部痛、筋痙攣、骨軟化症、ミオパチー、骨粗鬆症。9).一般・全身障害及び投与部位の状態:(2%以上)疲労(3.1%)、(2%未満)発熱、ほてり、(頻度不明*)無力症、疼痛、倦怠感、悪寒、胸痛、末梢性浮腫。10).※臨床検査:(2%以上)血中アミラーゼ増加(7.5%)、CK増加(7.1%)、血中トリグリセリド増加(4.3%)、AST増加(2.8%)、好中球数減少(2.8%)、ALT増加(2.0%)、血尿(2.0%)、(2%未満)Al-P増加、血中ブドウ糖増加、尿糖、(頻度不明*)リパーゼ増加、血中ビリルビン増加、血中リン減少、血小板数減少、蛋白尿、血中クレアチニン増加、γ-GTP増加。11).その他:(頻度不明*)白血球減少症、血管拡張、感染、頻尿、インフルエンザ症候群、視覚異常、多尿、アレルギー反応、高血圧。*)エムトリシタビン製剤又はテノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤の臨床試験、市販後の調査及び自発報告等で報告された副作用を示した。※)エムトリシタビン製剤とテノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤の併用による比較試験で発現したグレード3及び4(NIAID分類)の臨床検査値異常を示した。
18.1作用機序エムトリシタビン:エムトリシタビンは、シチジンの合成ヌクレオシド誘導体であり、細胞内酵素によりリン酸化されエムトリシタビン5’‐三リン酸となる。エムトリシタビン5’‐三リン酸はHIV‐1逆転写酵素の基質であるデオキシシチジン5’‐三リン酸と競合すること、及び新生ウイルスDNAに取り込まれた後に、DNA鎖伸長を停止させることにより、HIV‐1逆転写酵素の活性を阻害する。哺乳類のDNAポリメラーゼα、β、ε及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するエムトリシタビン5’‐三リン酸の阻害作用は弱い。テノホビルジソプロキシルフマル酸塩:テノホビルジソプロキシルフマル酸塩は、アデノシン一リン酸の非環状ヌクレオシド・ホスホン酸ジエステル誘導体である。テノホビルジソプロキシルフマル酸塩からテノホビルへの変換には、ジエステルの加水分解が必要であり、その後細胞内酵素によりリン酸化を受け、テノホビル二リン酸となる。テノホビル二リン酸は、HIV‐1逆転写酵素の基質であるデオキシアデノシン5’‐三リン酸と競合すること及びDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより、HIV‐1逆転写酵素の活性を阻害する。哺乳類のDNAポリメラーゼα、β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するテノホビル二リン酸の阻害作用は弱い。18.2抗ウイルス作用(invitro)エムトリシタビン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩:エムトリシタビンとテノホビルの併用により抗ウイルス活性を評価した試験では、相乗的な抗ウイルス作用が認められた。エムトリシタビン:ヒトリンパ芽球様細胞株、MAGI‐CCR5細胞株及び末梢血単核細胞を用いて、HIV‐1の実験室株及び臨床分離株に対するエムトリシタビンの抗ウイルス活性を評価した。エムトリシタビンのEC50値は、0.0013~0.64μMの範囲であった。テノホビルジソプロキシルフマル酸塩:HIV‐1の実験室株及び臨床分離株に対するテノホビルの抗ウイルス活性を、ヒトリンパ芽球様細胞株、単球/マクロファージ初代培養細胞及び末梢血リンパ球において評価した。テノホビルのEC50値は、0.04~8.5μMの範囲であった。18.3薬剤耐性エムトリシタビン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩:エムトリシタビンとテノホビルのinvitroでの併用により、両剤に対する感受性が低下したHIV‐1株を選択した。これらの分離株での遺伝子型解析の結果、ウイルス逆転写酵素遺伝子にM184V/I及び(あるいは)K65R変異が認められた。934試験において、試験開始後144週までに血漿中HIV‐1RNA量が>400copies/mLとなりウイルス学的失敗となった症例又は試験中止となった症例から分離したHIV‐1株の遺伝子型解析を行った。その結果、エファビレンツ関連変異が最も高頻度に認められたが、エムトリシタビン製剤+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤投与群とジドブジン・ラミブジン配合剤投与群との間に差は認められなかった。エムトリシタビン及びラミブジンに関連した変異であるM184Vが、エムトリシタビン製剤+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤投与群では19例中2例(11%)に、ジドブジン・ラミブジン配合剤投与群では29例中10例(34%)に認められた。K65R変異は試験開始後144週まで通常の遺伝子型解析で認められなかったが、さらに投与期間を延長した場合については不明である。エムトリシタビン:Invitro及びinvivoにおいてエムトリシタビン耐性HIV‐1株を得た。これらの分離株の遺伝子型解析により、エムトリシタビンに対する感受性の低下と、HIV‐1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異との間に関連性が認められた。テノホビルジソプロキシルフマル酸塩:テノホビルに対する感受性が低下したHIV‐1分離株をinvitro試験により選択した結果、これらのウイルスは逆転写酵素遺伝子にK65R変異が発現しており、テノホビルに対する感受性が3~4倍低下していた。抗レトロウイルス薬による治療を未経験の患者では、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤による144週までの治療でK65R変異を持つHIV‐1株が8例に認められたが、そのうち7例は48週までに、1例は96週までに検出された。また、治療を経験した患者では、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤の治療によるウイルス学的失敗例304例のうち14例からテノホビル耐性株が認められた。分離された耐性株を遺伝子型解析したところ、HIV‐1逆転写酵素遺伝子にK65R変異が発現していた。18.4交差耐性エムトリシタビン+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩:これまでに一部の核酸系逆転写酵素阻害薬の間には交差耐性が認められている。エムトリシタビンとテノホビルの併用でinvitroにおいて選択されたM184V/I及び(あるいは)K65R変異は、テノホビルとラミブジンあるいはエムトリシタビンの併用による治療、アバカビルによる治療、あるいはジダノシンによる治療に失敗した患者由来のHIV‐1分離株からも認められている。したがって、これらの変異の両方あるいは一方を持つウイルスを有する患者では、これらの薬剤間で交差耐性を起こす可能性がある。エムトリシタビン:エムトリシタビン耐性株(M184V/I)はラミブジン及びザルシタビンに対して交差耐性を示したが、ジダノシン、サニルブジン、テノホビル、ジドブジン及び非核酸系逆転写酵素阻害薬(デラビルジン、エファビレンツ及びネビラピン)に対してはinvitroで感受性を維持した。アバカビル、ジダノシン、テノホビル及びザルシタビンによりinvivoで選択されるK65R変異を有するHIV‐1分離株では、エムトリシタビンに対する感受性の低下が確認された。ジドブジン関連変異(M41L、D67N、K70R、L210W、T215Y/F、K219Q/E)又はジダノシン関連変異(L74V)を有するウイルスは、エムトリシタビンに対する感受性を維持した。非核酸系逆転写酵素阻害薬耐性と関連づけられるK103N変異を有するHIV‐1は、エムトリシタビンに対して感受性を示した。テノホビルジソプロキシルフマル酸塩:テノホビルで選択されるK65R変異は、アバカビル、ジダノシン及びザルシタビンにより治療された症例から分離したHIV‐1株でも認められている。この変異株はエムトリシタビンやラミブジンに対する感受性も低下していたことから、K65R変異を持つウイルスを有する患者では、これらの薬剤間で交差耐性を起こす可能性がある。また、平均3ヵ所のジドブジン関連変異(M41L、D67N、K70R、L210W、T215Y/F又はK219Q/E/N)を有するHIV‐1臨床分離株(20例)では、テノホビルに対する感受性が3.1倍低下していた。さらに、T69S変異の後に二アミノ酸が挿入される変異を持つ多剤耐性株においても、テノホビルに対する感受性は低下していた。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1海外第III相試験(934試験)抗レトロウイルス薬による治療を未経験者の患者511例を対象とし、エファビレンツにエムトリシタビン製剤+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤又はジドブジン・ラミブジン配合剤を併用した多施設非盲検試験を実施した。患者の平均年齢は38歳、86%が男性であり、59%が白人、23%が黒人であった。試験開始時の平均CD4リンパ球数は、245cells/mm3、血漿中HIV‐1RNA量の中央値は5.01log10copies/mLであった。試験開始時のCD4リンパ球数が<200cells/mm3の患者は41%、血漿中HIV‐1RNA量が>100,000copies/mLの患者は51%であった。試験開始時にエファビレンツ抵抗性を有していなかった患者の試験開始後48週の結果を表1に示す。表1934試験臨床試験結果(48週評価)--------------------------表開始--------------------------結果エムトリシタビン製剤+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤投与群(244例)ジドブジン・ラミブジン配合剤投与群(243例)有効例注1)84%73%無効例注2)2%4%再上昇例1%3%無反応例0%0%他剤変更例1%1%死亡例<1%1%有害事象による中止例4%9%その他の理由による中止例注3)10%14%注1)血漿中HIV‐1RNA量が<400copies/mLに至り試験開始後48週まで維持していた症例注2)血漿中HIV‐1RNA量が<400copies/mLに至らなかった症例及び至った後に再上昇した症例注3)患者追跡不能例、患者申出による脱落例、服薬不良例、プロトコール不遵守例等--------------------------表終了--------------------------また、試験開始後48週の血漿中HIV‐1RNA量が<50copies/mLであった患者の比率は、エムトリシタビン製剤+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤投与群で80%、ジドブジン・ラミブジン配合剤投与群で70%であった。さらに、試験開始後48週のCD4リンパ球数の平均増加量は、エムトリシタビン製剤+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤投与群で190cells/mm3、ジドブジン・ラミブジン配合剤投与群で158cells/mm3であった。試験開始後48週でCDC分類のカテゴリーCの事象を発現した症例は、エムトリシタビン製剤+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤投与群で7例、ジドブジン・ラミブジン配合剤投与群で5例であった。副作用発現頻度は、エムトリシタビン製剤+テノホビルジソプロキシルフマル酸塩製剤投与群で32.7%(84/257例)であった。主な副作用は、悪心10.9%(28/257例)、下痢7.0%(18/257例)及び疲労3.1%(8/257例)であった。