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エンシトレルビルとモルヌピラビル、妊婦禁忌の注意を強化/PMDA
2024/12/19 医療一般
エンシトレルビルとモルヌピラビル、妊婦禁忌の注意を強化/PMDA
https://www.carenet.com/news/general/carenet/59847
一般名 | エムトリシタビン・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩(2)錠 |
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YJコード | 6250111F2029 |
剤型・規格 | 錠剤・1錠 |
薬価 | 3991.50円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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2.
第238回 妊娠はウイルス様配列を目覚めさせて胎児発育に必要な造血を促す
2024/10/29 バイオの火曜日
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https://www.carenet.com/hihyotue/238.html
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インフルエンザウイルス曝露後抗ウイルス薬の有効性(解説:寺田教彦氏)
2024/10/25 CLEAR!ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/news/clear/journal/59492
4.
重症インフルエンザに対する抗ウイルス薬の有効性(解説:小金丸博氏)
2024/09/27 CLEAR!ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/news/clear/journal/59335
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わが国初のダニ媒介性脳炎予防ワクチン「タイコバック水性懸濁筋注」【最新!DI情報】第23回
2024/09/17 最新!DI情報
わが国初のダニ媒介性脳炎予防ワクチン「タイコバック水性懸濁筋注」【最新!DI情報】第23回
https://www.carenet.com/pharmacist/di/cg004391_023.html
HIV-1感染症。(効能又は効果に関連する注意)本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
通常、成人及び12歳以上かつ体重35kg以上の小児には、次の用法・用量で経口投与する。投与に際しては、必ず他の抗HIV薬と併用すること。〈リトナビル又はコビシスタットと併用する場合〉デシコビ配合錠LT(エムトリシタビンとして200mg及びテノホビルアラフェナミドとして10mgを含有)を1日1回1錠経口投与する。〈リトナビル又はコビシスタットと併用しない場合〉デシコビ配合錠HT(エムトリシタビンとして200mg及びテノホビルアラフェナミドとして25mgを含有)を1日1回1錠経口投与する。(用法及び用量に関連する注意)7.1.本剤はエムトリシタビン及びテノホビルアラフェナミドフマル酸塩の2成分を含有した配合錠であるので、エムトリシタビンを含む製剤及びテノホビルアラフェナミドフマル酸塩を含む製剤と併用しないこと(また、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと)。7.2.エムトリシタビンと類似の薬剤耐性、ウイルス学的特性を有しているラミブジンを含む製剤と併用しないこと。また、ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られないで、HIV-1逆転写酵素遺伝子M184V/I変異が認められた場合、ラミブジン及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩を本剤に変更することのみで効果の改善は期待できない。7.3.本剤投与後、クレアチニンクリアランスが30mL/min未満に低下した場合は、投与の中止を考慮すること〔8.4、9.1.2、9.2.1、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。
(警告)B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがあるので注意すること〔9.1.1参照〕。(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.テラプレビル投与中の患者〔10.1参照〕。(重要な基本的注意)8.1.本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。8.2.本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。8.2.1.本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。8.2.2.本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。8.2.3.担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。8.2.4.本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。8.3.抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている(投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染に対する炎症反応(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等が発現することがあり、また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること)。8.4.本剤投与前にクレアチニンクリアランス、尿糖及び尿蛋白の検査を実施し、クレアチニンクリアランスが30mL/min以上であることを確認すること。また、本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察すること〔7.3、9.1.2、9.2.1、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。8.5.アジア系人種におけるエムトリシタビンの薬物動態は十分に検討されていないが、少数例の健康成人及びB型慢性肝炎のアジア系人種において、Cmax上昇を示唆する成績が得られているので、HBV感染症合併患者を含め、副作用の発現に注意すること。8.6.エムトリシタビン製剤の臨床試験において皮膚変色が発現し、その発現頻度は有色人種で高いことが示唆されている。その原因は現在のところ不明である。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.B型肝炎ウイルス感染を合併している患者:本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性B型慢性肝炎の場合、本剤の投与中止により、重症化するおそれがある〔1.警告の項参照〕。9.1.2.腎機能障害のリスクを有する患者:血清リンの検査を実施すること〔7.3、8.4、9.2.1、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。9.1.3.病的骨折の既往のある患者又はその他の慢性骨疾患を有する患者:十分な観察を行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと(非臨床試験及び臨床試験において、骨密度低下と骨代謝生化学マーカー上昇が認められ、骨代謝亢進が示唆された。また、抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染症患者に対し、テノホビルアラフェナミドフマル酸塩を含有する製剤が投与された臨床試験において、骨密度が低下した症例が認められた)。(腎機能障害患者)9.2.1.重度腎機能障害のある患者:エムトリシタビンの血中濃度が上昇する〔7.3、8.4、9.1.2、10.2、11.1.1、16.6.1参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物試験(サル)においてテノホビルの胎仔への移行が報告されている)。(授乳婦)授乳を避けさせること(テノホビル及びエムトリシタビンのヒト乳汁への移行が報告されており、なお、テノホビルアラフェナミドのヒト乳汁への移行は不明であり、また、女性のHIV感染症患者は、乳児のHIV感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望ましい)。(小児等)低出生体重児、新生児、乳児、幼児、12歳未満の小児又は体重35kg未満の小児を対象とした臨床試験は実施していない〔16.1.6参照〕。(高齢者)患者の肝、腎及び心機能の低下、合併症、併用薬等を十分に考慮すること。(相互作用)テノホビル及びエムトリシタビン:糸球体ろ過と能動的な尿細管分泌により腎排泄される。テノホビルアラフェナミド:カテプシンA及びP-gpの基質である〔16.7.1参照〕。10.1.併用禁忌:テラプレビル<テラビック>〔2.2参照〕[テノホビルアラフェナミドの抗HIV-1活性が低下するため、本剤の効果が減弱する可能性がある(テラプレビルのカテプシンA活性阻害作用によるため)]。10.2.併用注意:1).カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトイン、リファブチン、リファンピシン、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’sWort)〔16.7.2参照〕[これらの薬剤と併用することにより、テノホビルアラフェナミドの血中濃度が低下する可能性がある(これら薬剤のP-gp誘導作用によるため)]。2).アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩、ガンシクロビル、バルガンシクロビル塩酸塩[これら薬剤・テノホビル又はエムトリシタビンの血中濃度が上昇し、これら薬剤又は本剤による有害事象を増強する可能性がある(尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合、排泄経路の競合により排泄が遅延するため)]。3).腎毒性を有する薬剤〔7.3、8.4、9.1.2、9.2.1、11.1.1、16.6.1参照〕[併用は避けることが望ましい(腎毒性を有する薬剤は腎機能障害の危険因子となる)]。(過量投与)13.1.処置過量投与時、エムトリシタビン及びテノホビルは血液透析により一部除去される。(取扱い上の注意)開栓後は、湿気を避けて保存すること。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.腎不全又は重度の腎機能障害(1%未満):腎機能不全、腎不全、急性腎障害、近位腎尿細管機能障害、ファンコニー症候群、急性腎尿細管壊死、腎性尿崩症又は腎炎等の重度腎機能障害が現れることがあるので、臨床検査値に異常が認められた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと(特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤投与中の患者では注意すること)〔7.3、8.4、9.1.2、9.2.1、10.2、16.6.1参照〕。11.1.2.乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)(頻度不明):乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は肝細胞毒性が疑われる検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること(特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること)。エムトリシタビン又はテノホビルを含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度肝腫大(脂肪肝)が、女性に多く報告されている。11.2.その他の副作用1).代謝及び栄養障害:(2%未満)食欲減退、高コレステロール血症、(頻度不明)体脂肪再分布/体脂肪蓄積。2).精神障害:(2%未満)異常な夢、不眠症。3).神経系障害:(2%以上)頭痛、(2%未満)浮動性めまい、傾眠。4).胃腸障害:(2%以上)悪心、下痢、放屁、(2%未満)嘔吐、腹部膨満、腹痛、上腹部痛、便秘、消化不良。5).皮膚及び皮下組織障害:(2%未満)発疹、(頻度不明)血管性浮腫、蕁麻疹。6).筋骨格系及び結合組織障害:(2%未満)骨減少症、骨粗鬆症。7).腎及び尿路障害:(2%未満)蛋白尿。8).一般・全身障害及び投与部位の状態:(2%以上)疲労。
18.1作用機序エムトリシタビン:エムトリシタビンは、シチジンの合成ヌクレオシド誘導体であり、細胞内酵素によりリン酸化されエムトリシタビン5’‐三リン酸となる。エムトリシタビン5’‐三リン酸はHIV‐1逆転写酵素の基質であるデオキシシチジン5’‐三リン酸と競合すること及び新生ウイルスDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより、HIV‐1逆転写酵素の活性を阻害する。エムトリシタビン5’‐三リン酸のHIV‐1逆転写酵素に対する阻害定数(Ki値)は0.17μMであるのに対し、ヒトのDNAポリメラーゼα、β、ε及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するKi値は、それぞれ6.0μM、17.0μM、150μM及び6.0μMとなり、これらに対するエムトリシタビン5’‐三リン酸の阻害作用は弱い。テノホビルアラフェナミド:テノホビルアラフェナミドは、テノホビルのホスホンアミド酸プロドラッグ(2’‐デオキシアデノシン一リン酸誘導体)である。テノホビルアラフェナミドは、血漿中の安定性が高く、細胞内透過性を有し、末梢血単核球及びマクロファージ中のカテプシンAにより加水分解を受けて細胞内にテノホビルを送達する。その後、細胞内酵素によりリン酸化を受け、テノホビル二リン酸となる。テノホビル二リン酸は、HIV‐1逆転写酵素の基質であるデオキシアデノシン5’‐三リン酸と競合すること及びDNAに取り込まれた後にDNA鎖伸長を停止させることにより、HIV‐1逆転写酵素の活性を阻害する。テノホビル二リン酸のHIV‐1逆転写酵素に対するKi値は0.21μMであるのに対し、ヒトのDNAポリメラーゼα、β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγに対するKi値は、それぞれ5.2μM、81.7μM及び59.5μMとなり、これらに対するテノホビル二リン酸の阻害作用は弱い。18.2抗ウイルス作用(invitro)エムトリシタビン及びテノホビルアラフェナミドを細胞培養系で評価した結果、相乗的な抗ウイルス活性が認められた。エムトリシタビン:ヒトTリンパ芽球様細胞株、MAGI‐CCR5細胞株及び末梢血単核球初代培養細胞を用いて、HIV‐1の実験室株及び臨床分離株に対するエムトリシタビンの抗ウイルス活性を評価した。エムトリシタビンのEC50値は、0.0013~0.64μMの範囲であった。テノホビルアラフェナミド:ヒトTリンパ芽球様細胞株、単球/マクロファージ及び末梢血リンパ球初代培養細胞を用いて、HIV‐1の実験室株及び臨床分離株に対するテノホビルアラフェナミドの抗ウイルス活性を評価した。テノホビルアラフェナミドのEC50値は、0.1~15.7nMの範囲であった。18.3薬剤耐性18.3.1invitro試験エムトリシタビン:エムトリシタビンに対する感受性低下は、HIV‐1逆転写酵素のM184V/I変異と関連が認められた。テノホビルアラフェナミド:テノホビルアラフェナミドに対する感受性が低下したHIV‐1分離株では、K65R変異が発現しており、K70E変異も一過性に認められた。18.3.2臨床試験抗HIV薬による治療経験がないHIV‐1感染症患者:ゲンボイヤ配合錠の臨床試験(292‐0104試験及び292‐0111試験)において、ウイルス学的失敗と判定された被験者のうち、投与後96週時又は早期に試験中止となった時点の血漿中HIV‐1RNA量が400copies/mLを超えた被験者から分離したHIV‐1を解析し、19例(2.2%、19/866例)の遺伝子型及び表現型解析結果が得られた。遺伝子型解析結果から、エムトリシタビン又はテノホビルの主要耐性関連変異が1つ以上認められたのは、10例(1.2%、10/866例)であった。認められた変異は、逆転写酵素領域のM184V/I(9例)、K65R/N(2例)及びK70R(1例)、インテグラーゼ領域のT66A/I/V(2例)、E92Q(4例)、Q148R(1例)及びN155H/S(2例)であった。また、表現型解析結果から、エムトリシタビンに対する感受性が野生株に対して28倍から117倍超低下したHIV‐1分離株が8例(0.9%、8/866例)に、テノホビルに対する感受性が野生株に対して3倍低下したHIV‐1分離株が1例(0.1%、1/866例)に認められた。ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩配合錠の臨床試験(299‐0102試験)において、ウイルス学的失敗と判定された被験者のうち、投与後48週時又は早期に試験中止となった時点の血漿中HIV‐1RNA量が400copies/mLを超えた被験者から分離したHIV‐1株を解析し、6例(5.8%、6/103例)の遺伝子型及び表現型解析結果が得られた。遺伝子型解析結果から、エムトリシタビン又はテノホビルの主要耐性関連変異が1つ以上認められたのは、1例(1.0%、1/103例)であった。認められた変異は、逆転写酵素領域のK65K/R及びM184M/Iであった。また、表現型解析結果から、エムトリシタビン及びテノホビルに対する感受性に大きな変化はなく、エムトリシタビンに対する感受性の低下は野生株に対し2.5倍、テノホビルに対する感受性の低下は野生株に対し0.73倍であった。抗HIV薬による治療経験があり、ウイルス学的に抑制されているHIV‐1感染症患者:ゲンボイヤ配合錠の臨床試験(292‐0109試験)において、投与後96週時で遺伝子型及び表現型解析の対象となった被験者のうち、3例(0.3%、3/959例)にエムトリシタビン又はエルビテグラビルの耐性変異が認められた。遺伝子型解析結果で認められた変異は、逆転写酵素領域のM184V/I(3例)及びインテグラーゼ領域のE92Q/G(2例)であった。また、表現型解析結果から、エムトリシタビンに対する感受性が野生株に対して3.8倍から117倍超低下したHIV‐1分離株が3例(0.3%、3/959例)に、エルビテグラビルに対する感受性が野生株に対して10倍低下したHIV‐1分離株が1例(0.1%、1/959例)に認められた。なお、テノホビルに対する感受性の低下は認められなかった。18.4交差耐性エムトリシタビン:核酸系逆転写酵素阻害薬の間で交差耐性が認められた。エムトリシタビン耐性のM184V/I変異を有するHIV‐1株は、ラミブジンに対して交差耐性を示した。また、アバカビル、ジダノシン及びテノホビルの投与によりinvivoで出現したK65R変異を有するHIV‐1株では、エムトリシタビンに対する感受性の低下が確認された。テノホビルアラフェナミド:K65R及びK70E変異を持つHIV‐1株は、アバカビル、ジダノシン、ラミブジン、エムトリシタビン及びテノホビルに対する感受性の低下を示すが、ジドブジンに対する感受性を維持する。T69S二重挿入変異又はK65Rを含むQ151M複合変異を持ち、核酸系逆転写酵素阻害薬に多剤耐性を示すHIV‐1は、テノホビルに対する感受性の低下を示した。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1海外第III相試験(292‐0104試験)抗HIV薬による治療経験がないHIV‐1感染症患者を対象とし、スタリビルド配合錠(エルビテグラビルとして150mg、コビシスタットとして150mg、エムトリシタビンとして200mg及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩として300mgを含有する抗HIV薬)を対照とした無作為化二重盲検並行比較試験の結果を表1に示す(投与後48週時及び96週時)。なお、国内において組み入れられた被験者10例(ゲンボイヤ配合錠投与群4例、スタリビルド配合錠投与群6例)における投与後48週時のHIV‐1RNA量が50copies/mL未満の被験者の割合は、ゲンボイヤ配合錠投与群及びスタリビルド配合錠投与群ともに100%であった。表1292‐0104試験の結果(投与後48週時及び96週時)--------------------------表開始--------------------------ゲンボイヤ配合錠投与群(435例)スタリビルド配合錠投与群(432例)48週時ウイルス学的効果HIV‐1RNA量50copies/mL未満405(93.1%)401(92.8%)群間差(95.002%信頼区間)0.5%(-3.0%、4.0%)ウイルス学的失敗例注1)13(3.0%)11(2.5%)96週時ウイルス学的効果HIV‐1RNA量50copies/mL未満388(89.2%)381(88.2%)群間差(95%信頼区間)1.3%(-2.9%、5.5%)ウイルス学的失敗例注1)16(3.7%)11(2.5%)例数(%)注1)投与後48週又は96週時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上の症例、治療効果の欠如及び減弱により早期に中止した症例、有害事象、死亡、治療効果の欠如又は減弱以外の理由で中止した症例のうち、中止時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上であった症例--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、本剤投与群で44.8%(195/435例)であった。主な副作用は、悪心11.0%(48/435例)、下痢8.7%(38/435例)、頭痛6.4%(28/435例)であった。17.1.2海外第III相試験(292‐0111試験)抗HIV薬による治療経験がないHIV‐1感染症患者を対象とし、スタリビルド配合錠を対照とした無作為化二重盲検並行比較試験の結果を表2に示す(投与後48週時及び96週時)。表2292‐0111試験の結果(投与後48週時及び96週時)--------------------------表開始--------------------------ゲンボイヤ配合錠投与群(431例)スタリビルド配合錠投与群(435例)48週時ウイルス学的効果HIV‐1RNA量50copies/mL未満396(91.9%)386(88.7%)群間差(95.002%信頼区間)3.1%(-0.9%、7.1%)ウイルス学的失敗例注2)18(4.2%)23(5.3%)96週時ウイルス学的効果HIV‐1RNA量50copies/mL未満362(84.0%)358(82.3%)群間差(95%信頼区間)1.7%(-3.3%、6.8%)ウイルス学的失敗例注2)23(5.3%)24(5.5%)例数(%)注2)投与後48週又は96週時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上の症例、治療効果の欠如及び減弱により早期に中止した症例、有害事象、死亡、治療効果の欠如又は減弱以外の理由で中止した症例のうち、中止時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上であった症例--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、本剤投与群で39.9%(172/431例)であった。主な副作用は、悪心9.7%(42/431例)、下痢5.8%(25/431例)、頭痛5.8%(25/431例)、疲労4.4%(19/431例)であった。17.1.3海外第II相試験(299‐0102試験)抗HIV薬による治療経験がないHIV‐1感染症患者を対象とし、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩配合錠(ダルナビルとして800mg、コビシスタットとして150mg、エムトリシタビンとして200mg及びテノホビルアラフェナミドとして10mgを含有する抗HIV薬)を対照とした無作為化二重盲検並行比較試験の結果を表3に示す(投与後48週時)。表3299‐0102試験の結果(投与後48週時)--------------------------表開始--------------------------ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビルアラフェナミドフマル酸塩配合錠投与群(103例)ダルナビル、コビシスタット及びエムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩投与群(50例)ウイルス学的効果HIV‐1RNA量50copies/mL未満79(76.7%)42(84.0%)群間差(95%信頼区間)-6.2%(-19.9%、7.4%)ウイルス学的失敗例注3)16(15.5%)6(12.0%)例数(%)注3)投与後48週時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上の症例、治療効果の欠如及び減弱により早期に中止した症例、有害事象、死亡、治療効果の欠如又は減弱以外の理由で中止した症例のうち、中止時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上であった症例--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、本剤投与群で41.7%(43/103例)であった。主な副作用は、下痢13.6%(14/103例)、悪心9.7%(10/103例)、疲労8.7%(9/103例)であった。17.1.4海外第III相試験(311‐1089試験)抗HIV薬による治療経験があり、ウイルス学的に抑制されているHIV‐1感染症患者を対象とし、エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含むレジメンから本剤を含むレジメンに切り替えた際の、本剤の有効性及び安全性を検討するために実施した、エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含むレジメン継続投与を対照とした無作為化非盲検並行比較試験の結果を表4に示す(投与後48週時)。表4311‐1089試験の結果(投与後48週時)--------------------------表開始--------------------------本剤を含むレジメンの投与群(333例)エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含むレジメンの継続投与群(330例)ウイルス学的効果HIV‐1RNA量50copies/mL未満314(94.3%)307(93.0%)群間差(95%信頼区間)1.3%(-2.5%、5.1%)ウイルス学的失敗例注4)1(0.3%)5(1.5%)例数(%)注4)投与後48週時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上の症例、治療効果の欠如及び減弱により早期に中止した症例、有害事象、死亡、治療効果の欠如又は減弱以外の理由で中止した症例のうち、中止時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上であった症例--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、本剤投与群で9.3%(31/333例)であった。主な副作用は、悪心1.2%(4/333例)、下痢1.2%(4/333例)であった。17.1.5海外第III相試験(292‐0109試験)抗HIV薬による治療経験があり、ウイルス学的に抑制されているHIV‐1感染症患者を対象とし、エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含むレジメンからゲンボイヤ配合錠に切り替えた際の、ゲンボイヤ配合錠の有効性及び安全性を検討するために実施した、エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含むレジメン継続投与を対照とした無作為化非盲検並行比較試験の結果を表5に示す(投与後48週時及び96週時)。表5292‐0109試験の結果(投与後48週時及び96週時)--------------------------表開始--------------------------ゲンボイヤ配合錠投与群(959例)エムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩を含むレジメンの継続投与群(477例)48週時ウイルス学的効果HIV‐1RNA量50copies/mL未満932(97.2%)444(93.1%)群間差(95%信頼区間)4.1%(1.6%、6.7%)ウイルス学的失敗例注5)10(1.0%)6(1.3%)96週時ウイルス学的効果HIV‐1RNA量50copies/mL未満890(92.8%)425(89.1%)群間差(95%信頼区間)3.7%(0.4%、7.0%)ウイルス学的失敗例注5)23(2.4%)8(1.7%)例数(%)注5)投与後48週又は96週時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上の症例、治療効果の欠如及び減弱により早期に中止した症例、有害事象、死亡、治療効果の欠如又は減弱以外の理由で中止した症例のうち、中止時の血漿中HIV‐1RNA量が50copies/mL以上であった症例--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、本剤投与群で22.7%(218/959例)であった。主な副作用は、下痢2.6%(25/959例)、悪心2.3%(22/959例)であった。