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一般名 | ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)キット |
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YJコード | 3399410G1020 |
剤型・規格 | キット類・3.6mg0.36mL1筒 |
薬価 | 82672.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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1).がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制。2).造血幹細胞の末梢血中への動員。(効能又は効果に関連する注意)5.1.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉臨床試験に組み入れられた患者における発熱性好中球減少症発現のリスク等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1、17.1.2参照〕。5.2.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉本剤を使用する際には、国内外の最新のガイドライン等を参考にすること。5.3.〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の顆粒球コロニー形成刺激因子製剤の使用についても慎重に検討すること〔1.警告の項、17.1.3、17.1.4参照〕。
〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉通常、成人にはがん化学療法剤投与終了後の翌日以降、ペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)として、3.6mgを化学療法1サイクルあたり1回皮下投与する。〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉通常、成人にはペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)として、7.2mgを1回皮下投与する。(用法及び用量に関連する注意)7.1.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉がん化学療法剤の投与開始10日前から投与終了後24時間以内に本剤を投与した場合の安全性は確立していない。7.2.〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉本剤投与日を1日目として、末梢血幹細胞採取は4~6日目を目安に施行する。7.3.〈自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉がん化学療法終了後の造血回復期における造血幹細胞の動員を目的に、本剤を投与した場合の有効性及び安全性は確立していない。
(警告)〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び造血幹細胞移植に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者又は末梢血幹細胞移植提供ドナー(ドナー)についてのみ投与すること。また、本剤の投与に先立ち、患者又はドナー及びその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること〔5.3、8.12参照〕。(禁忌)2.1.〈効能共通〉本剤の成分又は他の顆粒球コロニー形成刺激因子製剤に過敏症の患者。2.2.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉骨髄中の芽球が十分減少していない骨髄性白血病の患者及び末梢血液中に骨髄芽球の認められる骨髄性白血病の患者〔8.4、11.1.4参照〕。(重要な基本的注意)8.1.〈効能共通〉過敏症等の反応を予測するために、使用に際してはアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと〔9.1.1、9.1.2、11.1.1参照〕。8.2.〈効能共通〉本剤投与により骨痛、背部痛等が発現することがあるので、このような場合には非麻薬性鎮痛剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。8.3.〈効能共通〉本剤投与により脾腫、脾破裂が発現することがあるので、血液学的検査値の推移に留意するとともに、腹部超音波検査等により観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。8.4.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉急性骨髄性白血病患者では本剤投与により芽球増加を促進させることがあるので、定期的に血液検査及び骨髄検査を行うこと〔2.2、11.1.4参照〕。8.5.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉海外観察研究において、がん化学療法(単独又は放射線療法との併用)とともにペグフィルグラスチム(遺伝子組換え)又はフィルグラスチム(遺伝子組換え)が使用された乳癌又は肺癌患者では骨髄異形成症候群又は急性骨髄性白血病のリスクが増加したとの報告がある。本剤と骨髄異形成症候群又は急性骨髄性白血病の因果関係は明らかではないが、本剤の投与後は患者の状態を十分に観察すること。8.6.〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉造血幹細胞の動員及び末梢血幹細胞採取に際しては関連するガイドライン等を参考に適切に行うこと。8.7.〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉本剤の投与は患者又はドナーの全身状態を考慮し、観察を十分に行い、慎重に投与するとともに、本剤投与終了後においても安全性の確認を十分に行うこと。8.8.〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉末梢血幹細胞採取に伴い、心停止等の重篤な事象や、全身倦怠感、四肢のしびれ、血管迷走神経反応等が認められることがあるので、血圧等の全身状態の変化に注意し、異常が認められた場合は直ちに適切な処置を行うこと。8.9.〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉末梢血幹細胞採取に伴う一過性血小板減少等が現れることがあるのでアスピリン等の血小板凝集抑制作用を有する薬剤の使用には十分に注意すること。8.10.〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉本剤投与後及び末梢血幹細胞採取終了後に血小板減少が現れることがあるので、定期的に血液検査を行い、患者又はドナーの状態に十分注意し、また、高度血小板減少が認められた際には、末梢血幹細胞採取時に得られる自己血による血小板輸血等の適切な処置を行うこと。8.11.〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉末梢血幹細胞採取終了後に白血球減少(好中球減少)が現れることがあるので、定期的に血液検査を行い、患者又はドナーの状態に十分注意すること。8.12.〈造血幹細胞の末梢血中への動員〉本剤投与による長期の安全性は確立していない〔1.警告の項参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.薬物過敏症の既往歴のある患者〔8.1、11.1.1参照〕。9.1.2.アレルギー素因のある患者〔8.1、11.1.1参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。(小児等)小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。(高齢者)患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能(造血機能、肝機能、腎機能等)が低下している)。(適用上の注意)14.1.薬剤投与時の注意プランジャーロッドの無理な操作はしないこと。またバックストップは、投与終了後まで外さないこと。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.本剤の国内臨床試験において、悪性リンパ腫患者での骨髄異形成症候群発現が報告されている(0.3%、2/632例)。15.1.2.国内の医療情報データベースを用いた疫学調査において、本剤の投与後に血小板減少<5.0×10の4乗/μL未満>のリスクが増加したとの報告がある。15.1.3.本剤の国内臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。15.1.4.顆粒球コロニー形成刺激因子製剤を投与したドナーにおいて、骨髄増殖性疾患及び急性骨髄性白血病が発症したとの報告がある。15.1.5.顆粒球コロニー形成刺激因子製剤を投与したドナーにおいて、因果関係は明確ではないものの、脳血管障害、心筋梗塞、急性虹彩炎、痛風性関節炎等がみられたとの報告がある。また、ドナーにおいて、末梢血幹細胞採取時に一時的心停止が報告されている。15.2.非臨床試験に基づく情報顆粒球コロニー形成刺激因子が、invitroあるいはinvivoで数種のヒト膀胱癌細胞株に対し増殖促進傾向及び骨肉腫細胞株に対し増殖促進傾向を示したとの報告がある。(取扱い上の注意)20.1.できるだけ使用直前までピロー包装からシリンジを取り出さないこと。外箱開封後は遮光して保存すること。20.2.シリンジ先端部のフィルム・チップキャップが外れている、又はシリンジの破損等の異常が認められるときは使用しないこと。(保管上の注意)2~8℃に保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.ショック(いずれも頻度不明)、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)〔8.1、9.1.1、9.1.2参照〕。11.1.2.間質性肺疾患(0.5%、2.4%):肺臓炎、肺障害等の間質性肺疾患が発現又は間質性肺疾患増悪することがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。11.1.3.急性呼吸窮迫症候群(いずれも頻度不明):急速に進行する呼吸困難、低酸素血症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には、呼吸管理等の実施を考慮し、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。11.1.4.芽球の増加(いずれも頻度不明):急性骨髄性白血病において、芽球増加を促進させることがある〔2.2、8.4参照〕。11.1.5.脾腫(0.3%、頻度不明)・脾破裂(いずれも頻度不明):脾臓の急激な腫大が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。11.1.6.毛細血管漏出症候群(いずれも頻度不明):低血圧、低アルブミン血症、浮腫、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。11.1.7.Sweet症候群(いずれも頻度不明)。11.1.8.皮膚血管炎(いずれも頻度不明)。11.1.9.大型血管炎(大動脈炎症、総頸動脈炎症、鎖骨下動脈炎症等の炎症)(いずれも頻度不明):発熱、CRP上昇、大動脈壁肥厚等が認められた場合には、本剤の投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員の臨床試験では、前記の重大な副作用は報告されていない。発現頻度は、がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制の臨床試験成績、自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員の臨床試験成績の順に記載した。11.2.その他の副作用1).〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉①.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉皮膚:(5%以上)発疹、(1~5%未満)じん麻疹、紅斑、皮膚そう痒症、(1%未満)多形紅斑、皮膚剥脱。②.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉筋・骨格:(5%以上)背部痛、関節痛、筋肉痛、(1~5%未満)骨痛、四肢痛、(1%未満)筋骨格痛。③.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉消化器:(1~5%未満)下痢、便秘、腹痛、腹部不快感、悪心、嘔吐、口内炎。④.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉肝臓:(5%以上)ALT上昇、AST上昇、(1~5%未満)肝機能異常、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加。⑤.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉血液:(5%以上)白血球増加、好中球増加、リンパ球減少、(1~5%未満)貧血、血小板減少、白血球減少、(1%未満)単球増加。⑥.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉代謝及び栄養:(1~5%未満)電解質異常(カリウム異常、カルシウム異常、リン異常、クロール異常、ナトリウム異常)、高血糖、食欲減退。⑦.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉精神神経系:(5%以上)頭痛、(1~5%未満)味覚異常、めまい、異常感覚、(1%未満)感覚鈍麻、不眠症。⑧.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉呼吸器:(1%未満)口腔咽頭痛、咳嗽、呼吸困難。⑨.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉腎臓:(頻度不明)糸球体腎炎。⑩.〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉その他:(5%以上)LDH上昇、発熱、倦怠感、Al-P上昇、(1~5%未満)潮紅、浮腫、CRP上昇、疼痛、胸痛、(1%未満)血中アルブミン減少、尿酸増加、注射部位反応(注射部位疼痛を含む)。2).〈同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉①.〈同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉筋・骨格:(50~80%未満)背部痛、(10~50%未満)関節痛、(頻度不明)骨痛。②.〈同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉消化器:(10~50%未満)悪心。③.〈同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉肝臓:(50~80%未満)AST上昇、ALT上昇。④.〈同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉血液:(50~80%未満)血小板減少。⑤.〈同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉精神神経系:(50~80%未満)頭痛。⑥.〈同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉その他:(80%以上)Al-P上昇(100%)、LDH上昇(100%)、(50~80%未満)尿酸増加、(頻度不明)発熱、倦怠感、CRP上昇、胸痛。3).〈自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉①.〈自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉筋・骨格:(20%以上)背部痛、(10~20%未満)骨痛。②.〈自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉精神神経系:(10~20%未満)頭痛。③.〈自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉その他:(10~20%未満)Al-P上昇、LDH上昇、尿酸増加、発熱、(10%未満)疼痛。
18.1作用機序本剤は骨髄中の好中球前駆細胞に存在する顆粒球コロニー形成刺激因子受容体に結合し、好中球前駆細胞から好中球への分化を促し、末梢血中の好中球数を増加させると推察される。18.2薬理作用18.2.1好中球前駆細胞の分化促進作用invitroコロニー形成試験において、ヒト由来のCD34陽性細胞及びマウス由来の骨髄細胞を本剤存在下で培養することにより、好中球前駆細胞の分化が促進された。18.2.2好中球減少に対する作用シクロホスファミド投与により末梢血の好中球減少が誘導されたマウスに本剤を投与することにより、好中球減少が抑制された。
17.1有効性及び安全性に関する試験〈がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制〉17.1.1国内第III相試験(悪性リンパ腫)悪性リンパ腫患者注1)109例を対象にフィルグラスチムを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。その結果、化学療法注2)1サイクルあたり本剤3.6mgの1回皮下投与はフィルグラスチム50μg/m2連日皮下投与の好中球数減少抑制効果に劣らず、好中球数500/mm3未満の日数(平均値±標準偏差)は本剤投与群4.5±1.2日、フィルグラスチム群4.7±1.3日であった。副作用発現頻度は63.0%(34/54例)であった。主な副作用は、背部痛20.4%(11/54例)、血中乳酸脱水素酵素増加14.8%(8/54例)、発熱及び血中ビリルビン増加各5.6%(3/54例)、血小板数減少、血中Al‐P増加、ALT増加、肝機能検査異常、関節痛、筋骨格痛及び紅斑各3.7%(2/54例)であった。[5.1参照]注1)化学療法開始前2週間以内の検査で、次の基準を満たす造血能及び肝・腎機能を有する患者・好中球数が1,000/μL以上・血小板数が7.5×10の4乗/μL以上・総ビリルビンが施設基準値上限の1.5倍以下・クレアチニンが1.5mg/dL以下注2)エトポシド100mg/m2をDay1から3に、デキサメタゾン40mgをDay1から3に、シクロホスファミド水和物1,200mg/m2をDay1に、シタラビン2,000mg/m2をDay2から3にそれぞれ静脈内投与し、リツキシマブ(遺伝子組換え)(投与時期、用法及び用量は規定せず)を併用可能とされた。17.1.2国内第III相試験(乳癌)乳癌患者注1)346例を対象にプラセボを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。その結果、化学療法注2)1サイクルあたり本剤3.6mgの1回皮下投与はプラセボと比較して有意に発熱性好中球減少症の発症を抑制し(p値<0.001、χ2検定)、発熱性好中球減少症の発症割合は本剤投与群1.2%(2/173例)、プラセボ群68.8%(119/173例)であった。副作用発現頻度は82.1%(142/173例)であった。主な副作用は、血中乳酸脱水素酵素増加30.1%(52/173例)、関節痛27.7%(48/173例)、発熱22.0%(38/173例)、筋肉痛18.5%(32/173例)、倦怠感及び背部痛各17.3%(30/173例)であった。[5.1参照]注1)化学療法開始前2週間以内の検査で、次の基準を満たす造血能及び肝・腎機能を有する患者・好中球数が1,500/μL以上・ヘモグロビン濃度が10g/dL以上・血小板数が1.0×10の5乗/μL以上・AST及びALTが施設基準値上限の3倍以下・総ビリルビンが施設基準値上限の1.5倍以下・HBs抗原及びHBc抗体が陰性(化学療法第1サイクル施行前3ヵ月以内の検査でも可)・クレアチニンが1.5mg/dL以下注2)21日を1サイクルとして、ドセタキセル水和物75mg/m2、シクロホスファミド水和物600mg/m2をDay1にそれぞれ静脈内投与することとされた。〈同種末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉17.1.3国内第II相試験(健康成人)健康成人35例を対象とした単施設非対照非盲検試験を実施した。本治験のEvaluationフェーズでは23例に本剤7.2mgを単回皮下投与した。その結果、本剤投与日を1日目としたとき、7日目までに末梢血中のCD34陽性細胞数が20/μLを超えた被験者数及び被験者割合(95%信頼区間)は、23例中23例及び100%(85.2、100.0%)であった。副作用の発現は、本剤7.2mgが単回皮下投与された29例注1)全例に認められた。主な副作用は、血中Al‐P増加及び血中乳酸脱水素酵素増加各100%(29/29例)、背部痛79.3%(23/29例)、血小板数減少、頭痛及び血中尿酸増加各72.4%(21/29例)、AST増加62.1%(18/29例)、ALT増加55.2%(16/29例)であった[5.3参照]。注1)Pilotフェーズで本剤7.2mgが単回皮下投与された6例を含む。〈自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員〉17.1.4国内第II相試験(多発性骨髄腫及び悪性リンパ腫)自家末梢血幹細胞移植が予定された多発性骨髄腫(MM)患者60例を対象にフィルグラスチムを対照薬としたMMコホート(多施設実薬対照非盲検デザイン)、悪性リンパ腫(ML)患者12例を対象としたMLコホート(多施設非対照非盲検デザイン)からなる試験を実施した。用法及び用量は、MMコホートの本剤群及びMLコホートでは、本剤7.2mgを第1日目に単回皮下投与することとされ、MMコホートのフィルグラスチム群では、フィルグラスチム400μg/m2を第1日目から末梢血幹細胞採取終了日まで1日1回連日皮下投与することとされた。本試験では第1、4及び5日目に末梢血中のCD34陽性細胞数を測定し、第5日目に末梢血幹細胞採取を実施することとされた。第5日目に採取された末梢血幹細胞数が規定に達しなかった場合注1)には、第6日目以降も末梢血中のCD34陽性細胞数を測定し、第6及び7日目にも末梢血幹細胞採取を実施することとされた。さらに、第4~6日目に末梢血中への幹細胞動員が不十分と判断された場合注2)には、末梢血幹細胞採取実施9~12時間前にプレリキサホル0.24mg/kgを単回皮下投与することが可能とされた注3)。その結果、全末梢血幹細胞採取期間に採取されたCD34陽性細胞数が2×10の6乗/kg以上であった被験者数及び被験者割合(95%信頼区間)は、MMコホートでは本剤群29例注4)中29例及び100%(88.1、100.0%)、フィルグラスチム群30例中29例及び96.7%(82.8、99.9%)、フィルグラスチム群と本剤群の差(80%信頼区間)は3.3(-0.9、7.5)であった。また、MLコホートでは12例中12例及び100%(73.5、100.0%)であった。副作用の発現は、本剤7.2mgが単回皮下投与された42例注5)中30例に認められた。主な副作用は、背部痛26.2%(11/42例)、血中Al‐P増加及び血中乳酸脱水素酵素増加各19.0%(8/42例)、骨痛、発熱、高尿酸血症及び頭痛各11.9%(5/42例)、疼痛7.1%(3/42例)、嘔吐、血小板数減少、低カリウム血症及び食欲減退各4.8%(2/42例)であった[5.3参照]。注1)次のいずれかに該当した場合・第5日目の末梢血幹細胞採取により採取されたCD34陽性細胞数が2×10の6乗/kg未満の場合・第5日目の末梢血幹細胞採取が実施されなかった場合・治験責任医師等が必要と判断した場合注2)次のいずれかに該当した場合に、プレリキサホルを投与することが可能とされた。・第4日目の末梢血中のCD34陽性細胞数が20/μL以下の場合・第5及び6日目に実施された末梢血幹細胞採取で採取されたCD34陽性細胞数が2×10の6乗/kg未満の場合。ただし、CD34陽性細胞数が2×10の6乗/kg以上の場合でも治験責任医師等の判断によりプレリキサホルの投与は可能とされた。注3)MMコホートの本剤群で15/29例、フィルグラスチム群で19/30例、MLコホートで11/12例にプレリキサホルが投与された。プレリキサホルの投与回数はMMコホートのフィルグラスチム群及びMLコホートの各1例(いずれも2回投与)を除き、1回投与であった。注4)原疾患の悪化により、治験責任医師の判断で末梢血幹細胞採取前に治験が中止された1例を除く。注5)MM患者30例及びML患者12例を含む。