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一般名 | イダルシズマブ(遺伝子組換え)注射液 |
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YJコード | 3399412A1027 |
剤型・規格 | 液剤・2.5g50mL1瓶 |
薬価 | 203626.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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https://www.carenet.com/series/beforeafter/cg003455_118.html
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次の状況におけるダビガトランの抗凝固作用の中和:1)生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時、2)重大な出血が予想される緊急を要する手術又は重大な出血が予想される緊急を要する処置の施行時。(効能又は効果に関連する注意)5.1.本剤は、ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩の最終投与からの経過時間、患者背景(ダビガトランの薬物動態に影響する可能性がある腎機能及びP-糖蛋白阻害剤の併用等)等から、ダビガトランによる抗凝固作用が発現している期間であることが推定される患者にのみ使用すること。5.2.手術又は処置に対して本剤を使用する場合、ダビガトランによる抗凝固作用の消失を待たずに緊急で行う必要があり、かつ、手技に伴う出血のリスクが高く、止血困難な場合に致死的あるいは重篤な経過になるおそれがある手術又は処置に対してのみ使用すること。5.3.本剤はダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩以外の抗凝固剤による抗凝固作用の中和には使用しないこと。
通常、成人にはイダルシズマブ(遺伝子組換え)として1回5g(1バイアル2.5g/50mLを2バイアル)を点滴静注又は急速静注する。ただし、点滴静注の場合は1バイアルにつき5~10分かけて投与すること。
(禁忌)本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。(重要な基本的注意)8.1.本剤は、医学的に適切と判断される標準的対症療法の実施とともに使用すること。8.2.ダビガトランの抗凝固作用を中和することにより血栓症のリスクが増加するため、止血後は速やかに適切な抗凝固療法の再開を考慮する(なおダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩の投与は本剤の投与から24時間後に再開可能であり他の抗凝固剤の投与は本剤投与後いつでも再開可能である)。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.遺伝性フルクトース不耐症の患者:本剤投与による治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与すること(本剤は添加物としてソルビトールを含有する)〔15.1.2参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(適用上の注意)14.1.薬剤投与前の注意14.1.1.目視による確認を行い、注射液に微粒子又は変色が認められる場合には使用しないこと。14.1.2.本剤は防腐剤を含有していないため、バイアルは1回限りの使用とし、開封後は速やかに使用すること。14.2.薬剤投与時の注意14.2.1.本剤を他の薬剤と混合しないこと。14.2.2.本剤投与時に既存の静脈ラインを使用する場合は、他の薬剤との混合を避けるため、本剤の注入前後にラインを日局生理食塩液でフラッシュすること。14.2.3.同じ点滴ルートを介して、同時に他の薬剤の投与を行わないこと。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.第1相試験でイダルシズマブが投与された被験者の8.5%(224例中19例)で、抗イダルシズマブ抗体反応が認められた。国際共同第3相試験でイダルシズマブが投与された患者の5.6%(501例中28例)で、抗イダルシズマブ抗体反応が認められた。15.1.2.遺伝性フルクトース不耐症の患者に対する本剤の投与経験はないが、当該患者へのソルビトール非経口投与に関連して、低血糖、低リン酸血症、代謝性アシドーシス、尿酸増加、排泄能低下及び合成能低下に伴う急性肝不全及び死亡が報告されている〔9.1.1参照〕。(取扱い上の注意)外箱開封後は遮光して保存すること。(保管上の注意)凍結を避けて2~8℃で保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.ショック、アナフィラキシー(0.2%):ショック、アナフィラキシーを含む過敏症状があらわれることがある。11.2.その他の副作用1).血液及びリンパ系障害:(1%未満)血小板減少症。2).神経系障害:(1%未満)脳血管発作、頭痛。3).心臓障害:(1%未満)心停止、心房血栓症、徐脈、上室性頻脈。4).血管障害:(1%未満)深部静脈血栓症、低血圧。5).呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1%未満)肺塞栓症。6).胃腸障害:(1%未満)下痢、びらん性胃炎。7).皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)発疹。8).筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)四肢痛。9).一般・全身障害及び投与部位の状態:(1%未満)溢出、注入部位疼痛。
18.1作用機序イダルシズマブは、ダビガトラン及びそのグルクロン酸抱合代謝物と高い親和性で特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体フラグメント(Fab)であり、ダビガトラン及びそのグルクロン酸抱合代謝物の抗凝固作用を中和する。Invitro試験により、イダルシズマブとダビガトランが複合体を形成する際の会合速度は速く、解離速度は遅いため、複合体は安定であることが示されている。18.2イダルシズマブによるダビガトランの中和効果18.2.1ヒトの治療域を超える血漿中濃度を達成するようダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩(経口)及びダビガトラン(静脈内)を投与したブタに鈍的肝外傷を誘起し、外傷性出血に及ぼすダビガトランの抗凝固作用に対するイダルシズマブの中和効果について検討したところ、イダルシズマブ注射後5分以内にdTT、ECT及びaPTT(活性化部分トロンボプラスチン時間)はベースライン値に戻り、15分以内に止血が誘起された。18.2.2ダビガトランの定常状態にある(ダビガトランエテキシラートとして220mgを1日2回投与)日本人健康成人男性9例に本剤5gを15分間隔で2回に分けて5分間静脈内投与したときの血漿中非結合型総ダビガトラン濃度時間推移及び血液凝固マーカー(dTT、ECT及びaPTT)の平均作用-時間推移を次に示す(各推移の0時間時点はイダルシズマブ又はプラセボの1回目の投与終了に該当)。なお、日本人を対象とした第I相試験のベースライン値から算出した「平均値+2×SD」を血液凝固マーカーの基準値上限とした。非結合型総ダビガトランの血漿中濃度時間推移(算術平均+SD、総ダビガトランはダビガトランとそのグルクロン酸抱合体の総和を表す)<<図省略>>dTTの平均作用-時間推移(算術平均+SD)<<図省略>>ECTの平均作用-時間推移(算術平均+SD)<<図省略>>aPTTの平均作用-時間推移(算術平均+SD)<<図省略>>
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国際共同第III相試験ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩による治療中の患者で生命を脅かす又は止血困難な出血を発現した患者(グループA)若しくは緊急手術又は処置を要する患者(グループB)を対象として、本剤1バイアルを15分以内の間隔で2回計5gを静脈内投与し、ダビガトランの抗凝固作用に対する本剤の中和効果及び安全性の検討を目的とした日本人を含む国際共同第III相試験では患者503例(うち、日本人12例)を対象とした。主要評価項目として、本剤投与完了後4時間以内のダビガトランの抗凝固作用に対する本剤の最大の中和効果を、中央検査機関で測定したdTT(希釈トロンビン時間)及びECT(エカリン凝固時間)の値を用い、それぞれの110%基準値上限(ULN)に基づいて評価した。その結果、次の成績が得られた。中央検査機関で測定したdTT及びECTを用いて評価した中和効果の要約--------------------------表開始--------------------------グループAグループB合計dTT評価対象となった患者数212119331本剤投与完了後4時間以内の最大の中和効果の中央値(95%信頼区間)100(100、100)100(100、100)100(100、100)最大の中和効果が100%であった患者の割合[N(%)]209(98.6)117(98.3)326(98.5)ECT評価対象となった患者数269176445本剤投与完了後4時間以内の最大の中和効果の中央値(95%信頼区間)100(100、100)100(100、100)100(100、100)最大の中和効果が100%であった患者の割合[N(%)]257(95.5)165(93.8)422(94.8)中和効果の評価は、イダルシズマブ投与後に1回以上血液凝固検査値が得られ、かつ、投与前の値が110%ULNを超える患者を対象とした。中和効果は次記の式により算出した。算出した値が100%以上の場合、100%と示した。中和効果の計算式:{(投与前の血液凝固検査値-投与後の血液凝固検査値)/(投与前の血液凝固検査値-110%ULN)}×100%--------------------------表終了--------------------------日本人患者(12例)のうち、dTT(8例)及びECT(10例)それぞれで評価可能であったすべての患者で最大の中和効果は100%であった。本試験では、ほとんどの患者では、血漿中ダビガトランは本剤投与終了後から持続的に中和されたが、一部の患者では主に本剤投与12時間以上経過後に末梢からのダビガトランの再分布によると考えられる、非結合型総ダビガトラン濃度、血液凝固マーカー値の上昇が認められた。本剤が投与された503例中、副作用が報告された症例は31例(6.2%)であり、2例以上認められた副作用は、低血圧が4例(0.8%)、頭痛、徐脈が各2例(0.4%)であった。