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便通異常症 慢性下痢(6)イオン交換樹脂製剤と下痢【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q117
https://www.carenet.com/series/beforeafter/cg003455_117.html
一般名 | イバブラジン塩酸塩錠 |
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YJコード | 2190039F3022 |
剤型・規格 | 錠剤・7.5mg1錠 |
薬価 | 201.90円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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洞調律かつ投与開始時の安静時心拍数が75回/分以上の慢性心不全(ただし、β遮断薬を含む慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。(効能又は効果に関連する注意)5.1.β遮断薬の最大忍容量が投与されても安静時心拍数が75回/分以上の患者に投与すること。また、β遮断薬に対する忍容性がない、禁忌である等、β遮断薬が使用できない患者にも投与できる。5.2.「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(左室駆出率等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること〔17.1参照〕。
通常、成人にはイバブラジンとして、1回2.5mgを1日2回食後経口投与から開始する。開始後は忍容性をみながら、目標とする安静時心拍数が維持できるように、必要に応じ、2週間以上の間隔で段階的に用量を増減する。1回投与量は2.5、5又は7.5mgのいずれかとし、いずれの投与量においても、1日2回食後経口投与とする。なお、患者の状態により適宜減量する。(用法及び用量に関連する注意)7.1.本剤の維持量は、安静時心拍数及び忍容性を基に個々の患者に応じて設定すること。目標とする安静時心拍数は50~60回/分とし、安静時心拍数が60回/分を超える場合は段階的に増量、安静時心拍数が50回/分を下回る又は徐脈に関連する症状(めまい、倦怠感、低血圧等)が認められた場合は段階的に減量する〔11.1.1参照〕。7.2.1回2.5mg、1日2回食後経口投与において継続して安静時心拍数が50回/分を下回る又は徐脈に関連する症状が認められた場合は、本剤を中止すること〔11.1.1参照〕。7.3.本剤を休薬した後、投与を再開する場合には休薬前の用量を超えない用量で再開すること。休薬後の安静時心拍数が本剤投与開始前値付近の場合には、低用量から投与を開始し、段階的に増量することが望ましい〔11.1.1参照〕。
(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.不安定心不全又は急性心不全患者[病態が悪化するおそれがある]。2.3.心原性ショックの患者[循環動態が悪化するおそれがある]。2.4.高度低血圧患者(収縮期血圧が90mmHg未満又は拡張期血圧が50mmHg未満)[血圧が低下するおそれがある]。2.5.洞不全症候群<ペースメーカー使用を除く>、洞房ブロック<ペースメーカー使用を除く>又は第三度房室ブロック<ペースメーカー使用を除く>のある患者[症状が悪化するおそれがある]。2.6.重度肝機能障害(Child-PughC)のある患者〔9.3.1参照〕。2.7.次の薬剤を投与中の患者:リトナビル含有製剤投与中、ジョサマイシン投与中、イトラコナゾール投与中、クラリスロマイシン投与中、コビシスタット含有製剤投与中、ボリコナゾール投与中、エンシトレルビルフマル酸投与中〔10.1参照〕。2.8.妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。2.9.ベラパミル投与中、ジルチアゼム投与中の患者〔10.1参照〕。(重要な基本的注意)8.1.徐脈があらわれるおそれがあるので、定期的に心拍数を測定すること〔11.1.1参照〕。8.2.心房細動があらわれるおそれがあるので、定期的に心調律を観察し、動悸等の症状があらわれた場合や心拍数不整が認められた場合等には心電図検査も実施すること。心房細動が発現した場合には、本剤を中止すること〔11.1.4参照〕。8.3.光視症、霧視、めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作をする際には患者に十分注意させ、これらの症状が認められた場合は、自動車の運転等危険を伴う操作に従事しないよう指導すること〔11.1.2参照〕。8.4.電気的除細動を行う場合は、洞調律へ回復する際に徐脈があらわれるおそれがあるので、緊急時を除き、本剤の最終投与から24時間以上経過後に行うこと。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.QT延長症候群又はQT延長作用のある薬剤投与中の患者:本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には心電図検査を行う等観察を十分に行うこと(心拍数減少によりQTが更に延長し、トルサード・ド・ポアン等の高度不整脈を引きおこすおそれがある)〔10.2、11.1.5参照〕。9.1.2.頻脈性不整脈<心室性>又は頻脈性不整脈<上室性>のある患者:本剤には、洞結節機能に支障をきたした頻脈性不整脈に対する心拍数減少作用は期待できないため、頻脈性不整脈に対する標準的な治療を優先すること。9.1.3.第一度房室ブロック及び第二度房室ブロックのある患者:本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には心電図検査を行う等観察を十分に行うこと(症状が悪化するおそれがある)〔11.1.3参照〕。9.1.4.心室内電気伝導障害(脚ブロック)及び心室同期不全のある患者:本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には心電図検査を行う等観察を十分に行うこと(症状が悪化するおそれがある)。(肝機能障害患者)9.3.1.重度肝機能障害患者(Child-PughC):投与しないこと(本剤の血中濃度が大きく上昇するおそれがある)〔2.6参照〕。(生殖能を有する者)妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラット及びウサギで胎仔毒性及び催奇形性(心臓形態異常、心室中隔欠損、着床後胚死亡、欠指症等)が報告されている)〔2.8、9.4生殖能を有する者の項参照〕。(授乳婦)授乳を避けさせること(ラットで乳汁中へ移行することが報告されており、乳児の心拍数減少するおそれがある)。(小児等)小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。(相互作用)本剤は主にCYP3Aにより代謝される〔16.4参照〕。10.1.併用禁忌:1).リトナビル含有製剤<ノービア>、ジョサマイシン<ジョサマイシン>、イトラコナゾール<イトリゾール>、クラリスロマイシン<クラリシッド>、コビシスタット含有製剤<スタリビルド>、ボリコナゾール<ブイフェンド>、エンシトレルビルフマル酸<ゾコーバ>〔2.7、16.7.2参照〕[過度の徐脈があらわれることがある(CYP3Aによる本剤の代謝が強く阻害され、血中濃度が上昇する)]。2).ベラパミル<ワソラン>、ジルチアゼム<ヘルベッサー>〔2.9、16.7.3-16.7.4参照〕[過度の徐脈があらわれることがある(CYP3Aによる本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する;本剤の心拍数減少作用を相加的に増強する)]。10.2.併用注意:1).中等度のCYP3A阻害剤(フルコナゾール等)[過度の徐脈があらわれることがあるため、安静時心拍数を十分に観察すること(CYP3Aによる本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する)]。2).CYP3A誘導剤(セントジョーンズワート、リファンピシン、フェニトイン、バルビツール誘導体等)〔16.7.8参照〕[心拍数減少作用が減弱することがある(CYP3Aによる本剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。3).QT延長作用のある薬剤(キニジン、ジソピラミド、ベプリジル、ソタロール、アミオダロン、メフロキン、ペンタミジン等)〔9.1.1、11.1.5参照〕[QT延長が増強し高度な不整脈があらわれることがあるため、本剤の適応の可否を慎重に判断し、やむを得ず併用する場合には、心電図検査を行うなど観察を十分に行うこと(本剤の心拍数減少作用による)]。4).カリウム排泄型利尿剤(ループ利尿剤、サイアザイド系利尿剤)[高度な不整脈があらわれることがあるため、心電図検査を行うなど観察を十分に行うこと(本剤の心拍数減少作用により、低カリウム血症による不整脈のリスクが増強するおそれがある)]。5).グレープフルーツジュース〔16.7.5参照〕[過度の徐脈があらわれることがあるため、安静時心拍数を十分に観察すること(CYP3Aによる本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇する)]。6).ペースメーカー[十分な心拍数減少が得られないことがある(ペースメーカーのバックアップレートが60回/分超に設定された場合、目標とする安静時心拍数を得ることができない)]。(過量投与)13.1.症状過量投与時、重度の遷延する徐脈があらわれるおそれがある。13.2.処置過量投与時には、本剤の投与を中止し、必要に応じて胃洗浄等による薬剤の除去やイソプレナリン塩酸塩等の投与、心臓ペーシングを適用すること。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤を減量又は中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.徐脈:徐脈(心拍数減少を含む)(8.0%)があらわれることがあり、また、徐脈に関連する症状(めまい、倦怠感、低血圧等)があらわれることがある〔7.1-7.3、8.1参照〕。11.1.2.光視症(2.8%)、霧視(0.4%):光視症は、視野の限られた領域で一過性にまぶしい光を感じる、光輪現象、像分離(ストロボ様作用又は万華鏡様作用)、有色光又は二重像として、投与開始後3ヵ月以内にあらわれることが多い〔8.3参照〕。11.1.3.房室ブロック(0.6%)〔9.1.3参照〕。11.1.4.心房細動(0.3%):心房細動が認められた場合は本剤を中止すること〔8.2参照〕。11.1.5.心電図QT延長:心電図QT延長(0.2%)に関連して心室性不整脈(0.1%未満)、心室性頻脈(0.2%)、心室性期外収縮(0.4%)、心室細動(頻度不明)及びトルサード・ド・ポアン(頻度不明)があらわれることがある〔9.1.1、10.2参照〕。11.2.その他の副作用1).心臓障害:(1%以上)心不全、(1%未満)動悸、洞不全症候群。2).血管障害:(1%未満)高血圧、血圧変動、起立性低血圧、低血圧。3).眼障害:(1%未満)羞明、視力障害、複視。4).胃腸障害:(1%未満)便秘、悪心、下痢、腹痛、胃炎、消化不良。5).一般・全身障害:(1%未満)倦怠感、疲労、無力症。6).肝胆道系障害:(1%未満)肝機能障害。7).腎及び尿路障害:(1%未満)腎不全、血中クレアチニン増加。8).代謝及び栄養障害:(1%未満)糖尿病、高尿酸血症。9).精神・神経系障害:(1%未満)浮動性めまい、頭痛、失神。10).皮膚及び皮下組織障害:(1%未満)皮膚そう痒症、発疹、(頻度不明)紅斑、じん麻疹、血管浮腫。11).その他:(1%未満)呼吸困難、筋痙攣、回転性めまい、(頻度不明)好酸球増加症。
18.1作用機序本剤は、HCN(過分極活性化環状ヌクレオチド依存性)チャネル遮断薬であり、洞結節のペースメーカー電流Ifを構成するHCN4チャネルを阻害し、活動電位の拡張期脱分極相における立ち上がり時間を遅延させ、心拍数を減少させる。18.2薬理作用18.2.1ヒトHCN4チャネルに対する阻害作用ヒトHCN4チャネルを強制発現させた細胞において、イバブラジンはHCN4チャネル電流を添加濃度に応じて阻害した。活性代謝物であるONO‐IN‐306はイバブラジンと同程度の阻害作用を示した。18.2.2洞結節の活動電位に対する作用ウサギ洞結節の活動電位において、イバブラジンは活動電位の閾値には影響せず、拡張期再脱分極速度を低下させ、周期長を延長させた。18.2.3心拍数減少作用正常ラットにおいて、イバブラジンは単回経口投与で心拍数を用量に応じて減少させ、反復経口投与10日目における心拍数減少作用は初回投与時と同程度であった。18.2.4血行動態に対する作用運動負荷イヌにおいて、イバブラジンは心拍数減少に応じて心室の拡張時間を延長させ、心筋酸素消費量を低下させた。また、正常又は運動負荷時のイヌ及びブタにおいて、イバブラジンは心拍数を減少させたが、平均血圧、左室収縮能及び房室伝導に影響を及ぼさなかった。18.2.5心不全モデルに対する作用ラット及びイヌの慢性心不全モデルにおいて、イバブラジンは心機能パラメータ(LVEFなど)を改善し、組織的な心室リモデリング(心室拡張終末期容積の拡大及び心室の線維化)を抑制した。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1日本人慢性心不全患者を対象とした第III相試験β遮断薬を含む慢性心不全に関する最善の既存治療下、左室駆出率(LVEF)が35%以下、NYHA心機能分類がII~IV度、洞調律下での安静時心拍数が75回/分以上の日本人慢性心不全患者254例を対象とした二重盲検並行群間比較試験を実施した。本剤は2.5mg1日2回を開始用量とし、安静時心拍数及び忍容性に応じて、2週間以上の間隔で1回2.5~7.5mg1日2回の範囲で用量調節された。投与期間(中央値)は本剤群561日、プラセボ群549日であった。最終投与量の分布は、1回2.5mgが5.5%(7/127例)、1回5mgが17.3%(22/127例)及び1回7.5mgが77.2%(98/127例)であった。主要評価項目である心血管系死又は心不全悪化入院の発現割合は次表のとおりであった。また、最終評価時点における投与前からの安静時心拍数の変化量(平均値±標準偏差)は本剤群-15.2±11.8回/分、プラセボ群-6.1±10.9回/分であった。主要評価項目の結果--------------------------表開始--------------------------本剤群プラセボ群ハザード比※(95%信頼区間)心血管系死又は心不全悪化入院20.5%(26/127例)29.1%(37/127例)0.67(0.40~1.11)※:ハザード比は、ベースラインの安静時心拍数及びβ遮断薬の目標用量に対する使用割合を共変量としたCox比例ハザードモデルを用いて算出した。本試験は、ハザード比が1未満となることの確認を主たる目的に実施したため、有意差検定は実施していない。--------------------------表終了--------------------------安全性評価対象となった127例中62例(48.8%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、光視症8例(6.3%)、心不全7例(5.5%)、慢性心不全7例(5.5%)、浮動性めまい4例(3.1%)であった。17.1.2外国人慢性心不全患者を対象とした海外第III相試験(SHIFT試験)β遮断薬を含む慢性心不全に関する最善の既存治療下、LVEFが35%以下、NYHA心機能分類がII~IV度、洞調律下での安静時心拍数が70回/分以上の外国人慢性心不全患者6,505例を対象とした二重盲検並行群間比較試験を実施した。本剤は5mg1日2回を開始用量とし、安静時心拍数及び忍容性に応じて、2週間以上の間隔で1回2.5~7.5mg1日2回の範囲で用量調節された。投与期間(中央値)は本剤群及びプラセボ群いずれも21.6ヵ月であった。最終投与量の分布は、1回2.5mgが10.1%(328/3,241例)、1回5mgが20.9%(676/3,241例)及び1回7.5mgが69.0%(2,237/3,241例)であった。主要評価項目である心血管系死又は心不全悪化入院の発現割合は次表のとおりであった。また、最終評価時点における投与前からの安静時心拍数の変化量(平均値±標準偏差)は本剤群-12.0±13.3回/分、プラセボ群-4.1±12.9回/分であった。主要評価項目の結果--------------------------表開始--------------------------本剤群プラセボ群ハザード比※(95%信頼区間)P値心血管系死又は心不全悪化入院24.5%(793/3241例)28.7%(937/3264例)0.82(0.75~0.90)<0.0001※:ハザード比は、β遮断薬の使用の有無を共変量としたCox比例ハザードモデルに基づき算出した。--------------------------表終了--------------------------SHIFT試験の副次評価項目である総死亡及び心血管系死のハザード比はそれぞれ、0.90(95%信頼区間;0.80~1.02)及び0.91(95%信頼区間;0.80~1.03)であった。安全性評価対象となった3,232例中574例(17.8%)に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、心拍数減少150例(4.6%)、徐脈121例(3.7%)、光視症87例(2.7%)であった。[投与前安静時心拍数≧75回/分での事後解析]事後的に実施したエントリー時の安静時心拍数≧75回/分の患者集団を対象とした解析の結果、主要評価項目の発現割合は、本剤群で26.6%(545/2,052例)、プラセボ群で32.8%(688/2,098例)であり、ハザード比は0.76(95%信頼区間;0.68~0.85)であった。なお、総死亡及び心血管系死のハザード比はそれぞれ、0.83(95%信頼区間;0.72~0.96)及び0.83(95%信頼区間;0.71~0.97)であった。