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一般名 | サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物粒状錠 |
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YJコード | 2190041F5022 |
剤型・規格 | 錠剤・31.25mg1個 |
薬価 | 45.10円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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慢性心不全。(効能又は効果に関連する注意)5.3.本剤投与開始前にアンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン2受容体拮抗薬を投与されている場合はそれらの薬剤から切り替え、本剤投与開始前にアンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン2受容体拮抗薬を投与されていない場合は患者の状態を観察しながら本剤を慎重に投与すること〔2.2、8.1、17.1.3参照〕。5.4.小児の慢性心不全の治療に十分な知識及び経験を有し、「臨床成績」の項の内容及び臨床試験に組み入れられた患者の背景(基礎疾患や心不全の病態、前治療、収縮期血圧等)を十分に理解した医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者に対して適用を考慮すること〔17.1.3参照〕。
通常、1歳以上の小児には、サクビトリルバルサルタンとして次のとおり体重に応じた開始用量を1日2回経口投与する。忍容性が認められる場合は、2~4週間の間隔で段階的に目標用量まで増量する。なお、忍容性に応じて適宜減量する。[小児における用量(1回投与量)]1).体重40kg未満:開始用量0.8mg/kg、第1漸増用量1.6mg/kg、第2漸増用量2.3mg/kg、目標用量3.1mg/kg。2).体重40kg以上50kg未満:開始用量0.8mg/kg、第1漸増用量50mg、第2漸増用量100mg、目標用量150mg。3).体重50kg以上:開始用量50mg、第1漸増用量100mg、第2漸増用量150mg、目標用量200mg。(用法及び用量に関連する注意)7.1.次の患者では、患者の状態を注意深く観察し、増量の可否を慎重に判断すること[1)腎機能障害(eGFR90mL/min/1.73㎡未満)のある患者〔7.2、7.3、9.2.1、9.2.2参照〕、2)中等度肝機能障害<Child-Pugh分類B>のある患者〔7.2、7.3、9.3.2参照〕、3)血圧が低い患者〔7.2、7.3、8.2、9.1.4、11.1.3、17.1.1-17.1.3参照〕]。7.2.本剤の増量は、臨床試験で用いられた血圧、血清カリウム値及び腎機能に関する[小児の臨床試験で用いられた増量時の基準]も目安に検討すること〔7.1、8.2、17.1.2、17.1.3参照〕。[小児の臨床試験で用いられた増量時*の基準]1).血圧:収縮期血圧が次の値超。・1歳以上10歳未満:70mmHg+2×年齢。・10歳以上:90mmHg。2).血清カリウム値:5.4mEq/L以下。3).腎機能:eGFRが次の値以上かつeGFRの低下率が35%未満。・12ヵ月以上19ヵ月未満:31mL/min/1.73㎡。・19ヵ月以上18歳未満:38mL/min/1.73㎡。*目標用量に到達するまでの各段階の増量時の基準であり、臨床試験ではいずれの項目も満たす患者が増量可能とされた。7.3.小児のうち、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン2受容体拮抗薬が投与されている患者では、これらの用量や忍容性、及び患者の状態を踏まえ、医師が適切と判断した場合には、第1漸増用量から投与を開始することもできる〔7.1、8.2参照〕。7.4.粒状錠小児用を用いて投与する場合は、次の点に注意すること。・最低用量は12.5mgとし、用法及び用量で規定した投与量に最も近い用量となるよう、粒状錠小児用12.5mgと31.25mgを組み合わせて投与すること。・カプセルは容器であることから、カプセルごと投与せず、容器内の粒状錠のみを全量投与すること〔14.2.2参照〕。
(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.アンジオテンシン変換酵素阻害薬投与中(アラセプリル、イミダプリル塩酸塩、エナラプリルマレイン酸塩、カプトプリル、キナプリル塩酸塩、シラザプリル水和物、テモカプリル塩酸塩、デラプリル塩酸塩、トランドラプリル、ベナゼプリル塩酸塩、ペリンドプリルエルブミン、リシノプリル水和物)の患者、あるいはアンジオテンシン変換酵素阻害薬投与中止から36時間以内の患者〔5.3、8.1、10.1参照〕。2.3.血管浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン2受容体拮抗薬による血管浮腫又はアンジオテンシン変換酵素阻害薬による血管浮腫、遺伝性血管性浮腫、後天性血管浮腫、特発性血管浮腫等)〔11.1.1参照〕。2.4.アリスキレンフマル酸塩投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)〔10.1参照〕。2.5.重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者〔9.3.1参照〕。2.6.妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。(重要な基本的注意)8.1.血管浮腫があらわれるおそれがあるため、本剤投与前にアンジオテンシン変換酵素阻害薬が投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止し、また、本剤投与終了後にアンジオテンシン変換酵素阻害薬を投与する場合は、本剤の最終投与から36時間後までは投与しないこと〔2.2、5.3、10.1参照〕。8.2.症候性低血圧があらわれるおそれがあるため、特に投与開始時及び増量時は患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること〔7.1-7.3、9.1.4、9.8.1、11.1.3参照〕。8.3.アンジオテンシン2受容体拮抗薬投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど観察を十分に行うこと〔11.1.12参照〕。8.4.脱水があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、本剤の減量、投与中止や補液等の適切な処置を行うこと。8.5.手術前24時間は投与しないことが望ましい(麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による低血圧を起こす可能性がある)。8.6.降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること(腎血流量の減少や糸球体濾過圧の低下により急速に腎機能悪化させるおそれがある)。9.1.2.高カリウム血症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与は避けること(高カリウム血症を増悪させるおそれがある)。高カリウム血症のリスク因子のある患者(腎機能障害、糖尿病、低アルドステロン症の患者又はカリウム含量が高い食事を摂取している患者等)では、血清カリウム値をモニタリングすること〔10.2、11.1.4参照〕。9.1.3.脳血管障害のある患者:本剤の降圧作用により、脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。9.1.4.血圧が低い患者:定期的に血圧を測定し、患者の状態を十分に観察しながら投与すること〔7.1、8.2、11.1.3参照〕。(腎機能障害患者)9.2.1.軽度腎機能障害又は中等度腎機能障害(eGFR30mL/min/1.73㎡以上90mL/min/1.73㎡未満)のある患者:血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察しながら投与すること(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)〔7.1、11.1.2、16.6.1参照〕。9.2.2.重度腎機能障害(eGFR30mL/min/1.73㎡未満)のある患者:本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察すること(本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、臨床試験では除外されている)〔7.1、11.1.2、16.6.1参照〕。(肝機能障害患者)9.3.1.重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者:投与しないこと(重度の肝機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、臨床試験では除外されている)〔2.5参照〕。9.3.2.中等度肝機能障害<Child-Pugh分類B>のある患者:本剤投与の可否を慎重に判断し、投与する場合には血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察しながら投与すること(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)〔7.1、16.6.2参照〕。(生殖能を有する者)9.4.1.妊娠する可能性のある女性:妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシン2受容体拮抗薬を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋形成不全・肺形成不全・腎形成不全、死亡等)が認められた例が報告されているので、本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること〔9.5妊婦の項参照〕。(1).妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性の場合、本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。(2).妊娠する可能性のある女性:次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。・妊娠する可能性のある女性:妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。・妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性の場合、本剤投与中及び最終投与後1週間は避妊する必要があること及び適切な避妊法を説明すること。・妊娠する可能性のある女性:妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。・妊娠する可能性のある女性:妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。本剤を投与した動物実験(ラット、ウサギ)において、サクビトリルの活性代謝物(sacubitrilat)及びバルサルタンの曝露量が、臨床用量投与時の曝露量の0.06倍及び0.72倍(ラット)並びに0.03倍及び2.04倍(ウサギ)に相当する用量から、胚致死・胎仔致死(着床後死亡率高値)及び催奇形性(水頭症)が認められたとの報告がある。また、バルサルタンを含むアンジオテンシン2受容体拮抗薬並びにアンジオテンシン変換酵素阻害薬で、妊娠中期~末期に投与を受けた妊婦において、母体及び胎児への影響(自然流産、胎児・新生児死亡、羊水過少症、胎児・新生児の低血圧、腎機能障害、腎不全、高カリウム血症、頭蓋形成不全、羊水過少症によると推測される四肢拘縮、脳奇形、頭蓋顔面奇形、肺発育形成不全等)が報告されている〔2.6、9.4.1参照〕。(授乳婦)授乳しないことが望ましい(本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(ラットの授乳期経口投与)で、乳汁中にsacubitrilat及びバルサルタンの移行が認められ、本剤の投与期間中の授乳により、新生児又は乳児に影響を及ぼすおそれがある。また、バルサルタンの動物実験(ラットの周産期及び授乳期経口投与)において、600mg/kg/日で出生仔低体重及び出生仔生存率低下が認められており、200mg/kg/日以上で外表分化遅延が認められている)。(小児等)9.7.1.低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない〔17.1.3参照〕。(高齢者)9.8.1.血圧、血清カリウム値及び腎機能等の患者の状態を十分に観察しながら投与し、特に投与開始時及び増量時は患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に過度の降圧は好ましくないとされており、脳梗塞等が起こるおそれがある)。臨床試験において、高齢者では、低血圧、高カリウム血症、腎機能障害の発現が増加することが報告されている〔8.2、11.1.2-11.1.4、16.6.3参照〕。(相互作用)Sacubitrilat及びバルサルタンはOATP1B1及びOATP1B3の基質である。なお、サクビトリル及びsacubitrilatはOATP1B1及びOATP1B3を阻害する。10.1.併用禁忌:1).アンジオテンシン変換酵素阻害薬(アラセプリル<セタプリル>、イミダプリル塩酸塩<タナトリル>、エナラプリルマレイン酸塩<レニベース>、カプトプリル<カプトリル>、キナプリル塩酸塩<コナン>、シラザプリル水和物<インヒベース>、テモカプリル塩酸塩<エースコール>、デラプリル塩酸塩<アデカット>、トランドラプリル<オドリック>、ベナゼプリル塩酸塩<チバセン>、ペリンドプリルエルブミン<コバシル>、リシノプリル水和物<ゼストリル、ロンゲス>)〔2.2、8.1参照〕[血管浮腫があらわれるおそれがあるので、これらの薬剤が投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止すること、また、本剤投与終了後にこれらの薬剤を投与する場合は、本剤の最終投与から36時間後までは投与しないこと(併用により相加的にブラジキニンの分解を抑制し、血管浮腫のリスクを増加させる可能性がある)]。2).アリスキレンフマル酸塩<ラジレス>(糖尿病患者に投与する場合(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く))〔2.4参照〕[非致死性脳卒中・腎機能障害・高カリウム血症及び低血圧のリスク増加がバルサルタンで報告されている(併用によりレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害作用が増強される可能性がある)]。10.2.併用注意:1).アンジオテンシン2受容体拮抗薬[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、これらの薬剤と併用すべきでない(併用によりレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害作用が増強される可能性がある)]。2).アリスキレンフマル酸塩[腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある(併用によりレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害作用が増強される可能性がある)。なお、eGFRが60mL/min/1.73㎡未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること(併用によりレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害作用が増強される可能性がある)]。3).アトルバスタチン〔16.7.1参照〕[併用によりアトルバスタチンの血中濃度が上昇するおそれがある(本剤は、OATP1B1及びOATP1B3を介する薬剤の肝臓への取り込みを阻害する可能性がある)]。4).PDE5阻害剤(シルデナフィル等)[高血圧症患者において、本剤とシルデナフィルとの併用により、本剤単独投与よりも血圧低下が認められたとの報告があるので、本剤の投与を受けている患者においてシルデナフィル又は他のPDE5阻害剤の投与を開始する際には注意すること(PDE5阻害剤は本剤の投与により増加するcGMPの分解を阻害する)]。5).カリウム保持性利尿薬(トリアムテレン、スピロノラクトン、エプレレノン等)、カリウム補給製剤(塩化カリウム<補給製剤>)〔9.1.2参照〕[血清カリウム値が上昇及び血清クレアチニン値が上昇するおそれがある(本剤のアルドステロン分泌抑制によりカリウム貯留作用が増強する可能性がある<危険因子>腎機能障害)]。6).ドロスピレノン・エチニルエストラジオール[血清カリウム値が上昇することがある(バルサルタンによる血清カリウム値の上昇とドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると考えられる<危険因子>腎障害患者、血清カリウム値の高い患者)]。7).トリメトプリム含有製剤(スルファメトキサゾール・トリメトプリム)[血清カリウム値が上昇することがある(血清カリウム値の上昇が増強されるおそれがある)]。8).シクロスポリン[血清カリウム値が上昇することがある(高カリウム血症の副作用が相互に増強されると考えられる)]。9).利尿降圧剤(フロセミド、トリクロルメチアジド等)〔11.1.5参照〕[急激な血圧低下<失神及び意識消失等を伴う>を起こすおそれがあり、また、利尿作用が増強されるおそれがあるので、高血圧症患者においては、低用量から本剤の投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと(利尿降圧剤投与中は血漿レニン活性が上昇しており、これらの薬剤との併用によりレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害作用が増強される可能性があり、重度のナトリウムないし体液量の減少した患者では、まれに症候性の低血圧が生じることがある)]。10).非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs):①.非ステロイド性消炎鎮痛剤<NSAIDs>(インドメタシン等)[本剤の降圧作用が減弱することがある(NSAIDsの腎プロスタグランジン合成阻害作用により、本剤の降圧作用が減弱することがある)]。②.非ステロイド性消炎鎮痛剤<NSAIDs>(インドメタシン等)[腎機能を悪化させるおそれがある(NSAIDsの腎プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる<危険因子>高齢者、体液量が減少している患者(利尿薬使用患者を含む)、腎機能障害患者)]。11).リチウム[レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系阻害剤でリチウム中毒を起こすことが報告されており、利尿薬を使用する場合にはリチウム毒性のリスクがさらに増加するおそれがある(本剤のナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている)]。12).シクロスポリン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン[Sacubitrilat又はバルサルタンの曝露量が増加し副作用が増強されるおそれがある(OATP1B1又はOATP1B3を阻害することにより、sacubitrilat及びバルサルタンの血中濃度を上昇させる可能性がある)]。13).ビキサロマー<服用>[バルサルタンの血中濃度が約30~40%に低下したとの報告があり、本剤の作用が減弱するおそれがある(リン酸結合性ポリマーにより、同時に服用した場合、バルサルタンの吸収を遅延あるいは減少させる可能性がある)]。(臨床検査結果に及ぼす影響)本剤の薬力学的作用により本剤投与後にネプリライシンの基質であるBNPの上昇がみられることから、本剤投与後にBNPを測定する際は値の解釈に注意すること。(過量投与)13.1.症状本剤の過量投与により、著しい血圧低下が生じ、意識レベル低下、循環虚脱に至るおそれがある。13.2.処置過量投与時、著しい低血圧の場合には、患者を仰臥位にし、速やかに生理食塩液等の静脈注射など適切な処置を行うこと(なお、sacubitrilat及びバルサルタンは血漿蛋白との結合率が高いので、血液透析によって除去できない)〔16.3参照〕。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意PTPシートから取り出して調剤しないこと。14.2.薬剤交付時の注意14.2.1.PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。14.2.2.次の使用方法を十分指導すること。・粒状錠の投与直前に指示された種類及び数のカプセル型容器をPTPシートから取り出すこと。・絶対にカプセル型容器ごと飲ませないこと。・粒状錠をカプセル型容器から取り出す際は、黄色のキャップを上にして慎重に開封すること。・粒状錠小児用は、1錠単位ではなく1カプセル単位(10錠)で含量を管理していることから、1回の投与時にカプセル型容器内の粒状錠はすべて投与することとし、1つのカプセル型容器内の粒状錠を分割して投与しないこと〔7.4参照〕。(その他の注意)15.2.非臨床試験に基づく情報サクビトリルの幼若ラットを用いた毒性試験において、骨量減少及び骨長減少、並びに体重増加抑制が認められた。これらの所見に関して、小児の臨床用量での安全域は確保されていない。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.血管浮腫(0.2%):舌腫脹、声門腫脹、喉頭腫脹等を症状として、気道閉塞につながる血管浮腫があらわれることがある(このような場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保等適切な処置を行い、血管浮腫が消失しても再投与しないこと)〔2.3参照〕。11.1.2.腎機能障害(2.4%)、腎不全(0.6%)〔9.2.1-9.2.2、9.8.1参照〕。11.1.3.低血圧(8.8%)〔7.1、8.2、9.1.4、9.8.1参照〕。11.1.4.高カリウム血症(3.9%):高カリウム血症が発現した場合には、カリウム摂取量の減量など適切な処置を行うこと〔9.1.2、9.8.1参照〕。11.1.5.ショック(0.1%未満)、失神(0.2%)、意識消失(0.1%未満):冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと〔10.2参照〕。11.1.6.*無顆粒球症(頻度不明)、*白血球減少(0.1%未満)、*血小板減少(頻度不明)。11.1.7.*間質性肺炎(0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。11.1.8.*低血糖(頻度不明):脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)。11.1.9.*横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。11.1.10.*中毒性表皮壊死融解症(ToxicEpidermalNecrolysis:TEN)、*皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、*多形紅斑(いずれも頻度不明)。11.1.11.*天疱瘡、*類天疱瘡(いずれも頻度不明):水疱、びらん等があらわれた場合には、皮膚科医と相談すること。11.1.12.*肝炎(頻度不明)〔8.3参照〕。11.2.その他の副作用1).感染症および寄生虫症:(頻度不明)*咽頭炎。2).血液およびリンパ系障害:(0.3%未満)*貧血、*好酸球増多。3).代謝および栄養障害:(0.3%未満)低カリウム血症、*食欲減退、*低ナトリウム血症。4).神経系障害:(0.3%以上)浮動性めまい、(0.3%未満)体位性めまい、回転性めまい、頭痛、*不眠、*味覚異常、*眠気、*しびれ。5).耳および迷路障害:(頻度不明)*耳鳴。6).心臓障害:(0.3%未満)*動悸、*心房細動、(頻度不明)*頻脈。7).血管障害:(0.3%以上)起立性低血圧、(頻度不明)*ほてり。8).呼吸器、胸郭および縦隔障害:(0.3%以上)咳嗽。9).胃腸障害:(0.3%未満)下痢、悪心、*腹痛、*便秘、*嘔吐。10).皮膚および皮下組織障害:(0.3%未満)*蕁麻疹、(頻度不明)*紅斑、*光線過敏症。11).筋骨格系および結合組織障害:(0.3%未満)*関節痛、*腰背部痛、(頻度不明)*筋肉痛。12).一般・全身障害および投与部位の状態:(0.3%以上)疲労、(0.3%未満)無力症、*けん怠感、*口渇、*胸痛、(頻度不明)*浮腫、*発熱。13).免疫系障害:(0.3%未満)過敏症(発疹、そう痒症、アナフィラキシー反応を含む)。14).臨床検査:(0.3%未満)*AST上昇、*ALT上昇、*血中尿酸値上昇、*BUN上昇、*血清クレアチニン上昇、*血清カリウム値上昇、*血糖値上昇、*CK上昇、(頻度不明)*ビリルビン値上昇、*LDH上昇、*血清コレステロール上昇、*血清総蛋白減少、*ALP上昇。*)バルサルタンの使用上の注意を踏まえて設定した。
18.1作用機序サクビトリルバルサルタンは、サクビトリル及びバルサルタンに解離して、それぞれネプリライシン(NEP)及びアンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体を阻害する。サクビトリルは、エステラーゼによりNEP阻害の活性体であるsacubitrilatに速やかに変換される。NEP阻害は、血管拡張作用、利尿作用、レニン‐アンジオテンシン‐アルドステロン系(RAAS)抑制作用、交感神経抑制作用、心肥大抑制作用、抗線維化作用、及びアルドステロン分泌抑制作用を有するナトリウム利尿ペプチドの作用亢進に寄与する。バルサルタンのAT1受容体拮抗作用は、血管収縮、腎ナトリウム・体液貯留、心筋肥大、及び心血管リモデリング異常に対する抑制作用をもたらす。18.2ナトリウム利尿ペプチド系及びRAASに対する作用18.2.1心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)を持続静注したラットにサクビトリルバルサルタンを単回経口投与したとき、用量依存的に血漿中ANP濃度が上昇した。18.2.2低ナトリウム食飼育イヌにサクビトリルバルサルタンを反復経口投与したとき、溶媒投与の対照群と比較して有意な血漿中cGMP濃度の上昇及び血漿中アルドステロン濃度の低下がみられた。18.3利尿作用18.3.1生理食塩水を持続静注したラットにサクビトリルを十二指腸内投与したとき、ANP投与による尿中ナトリウム排泄は溶媒投与の対照群と比較して有意に増強された。18.3.2正常イヌにsacubitrilatを静脈内投与したとき、ANP投与による利尿及び尿中ナトリウム排泄は溶媒投与の対照群と比較して有意に増強された。18.4心筋肥大抑制作用アンジオテンシンIIを介して誘発されるラット心筋細胞の肥大は、sacubitrilat及びバルサルタン併用投与により抑制された。18.5抗線維化作用アンジオテンシンIIを介して誘発されるラット心線維芽細胞のコラーゲン産生は、sacubitrilat及びバルサルタンの併用投与により抑制された。18.6降圧作用18.6.1ヒトレニン及びヒトアンジオテンシノーゲン遺伝子を導入したダブルトランスジェニックラットにサクビトリルバルサルタンを単回経口投与したとき、用量依存的な降圧作用が認められた。18.6.2高血圧自然発症ラットにサクビトリルバルサルタンを14日間反復経口投与したとき、バルサルタンを単独投与した対照群と同程度の降圧作用が認められた。18.6.3Dahl食塩感受性ラットにサクビトリルバルサルタンを14日間反復経口投与したとき、バルサルタンを単独投与した対照群よりも有意な降圧作用が認められた。
17.1有効性及び安全性に関する試験〈慢性心不全〉17.1.1海外第III相試験(PARADIGM‐HF試験)(成人)アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬注1)を含む慢性心不全に関する既存治療下の左室駆出率(LVEF)が低下した外国人慢性心不全(HFrEF)患者注2)[NYHA心機能分類II~IV度、LVEF35%以下(試験開始後、40%以下より変更)]8442例を対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬から本剤又はエナラプリルに切り替えて投与し、生命予後改善効果を検証する多施設共同、ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した。実薬投与観察期では、エナラプリル10mg(忍容性に懸念がある場合は5mgから)1日2回注3)、本剤100mg1日2回、200mg1日2回を順に最長10週間投与し、ランダム化後、二重盲検治療期では目標用量(本剤200mg1日2回又はエナラプリル10mg1日2回)を投与した。目標用量に対して忍容でない場合は用量調節(本剤は50又は100mg1日2回、エナラプリルは2.5又は5mg1日2回)又は一時中断を可とし、忍容性が良好な最大用量を継続投与した。二重盲検治療期における治験薬の投与期間(中央値)は本剤群24.4ヵ月、エナラプリル群23.5ヵ月であった。主要評価項目とした複合エンドポイント(心血管死又は心不全による初回入院)は、次表のとおりであった。心血管死又は心不全による初回入院の結果--------------------------表開始--------------------------本剤群(4187例)エナラプリル群(4212例)ハザード比*(95%信頼区間)n(発現割合%)心血管死又は心不全による初回入院914(21.83)1117(26.52)0.80**(0.73、0.87)*:ハザード比及びその95%信頼区間は、投与群と地域を固定効果とするCox比例ハザードモデルで推定した。**:p<0.0001。なお、投与群と地域を固定効果とするCox比例ハザードモデルで推定した片側p値であり、第3回中間解析に割り当てられた有意水準(片側α=0.001)に基づく。--------------------------表終了--------------------------二重盲検治療期の副作用発現頻度は、本剤群で21.65%(910/4203例)、エナラプリル群で23.08%(976/4229例)であった。主な副作用は低血圧(本剤群10.23%、エナラプリル群6.93%、以下同順)、高カリウム血症(4.59%、5.60%)、腎機能障害(2.78%、4.23%)であった。[5.1、5.2、7.1参照]注1)アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬を4週間以上投与されている患者が組入れ可能とされた。注2)①症候性低血圧を有する、又は収縮期血圧が100mmHg未満の患者、②eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者、③血清カリウム値が5.2mmol/L(mEq/L)を超える患者は除外された。注3)国内で承認されたエナラプリルの用法及び用量は5~10mgを1日1回である。17.1.2国内第III相試験(PARALLEL‐HF試験)(成人)アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬注4)を含む慢性心不全に関する既存治療下のLVEFが低下した日本人慢性心不全(HFrEF)患者注5)(NYHA心機能分類II~IV度、LVEF35%以下)225例を対象に、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬から本剤又はエナラプリルに切り替えて投与し、生命予後改善効果を検討する多施設共同、ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した。実薬投与観察期では本剤50mg1日2回を2週間投与し、ランダム化後、二重盲検治療期では本剤100mg1日2回又はエナラプリル5mg1日2回を4週間投与後、忍容性が良好な場合に目標用量(本剤200mg1日2回又はエナラプリル10mg1日2回注6))に増量した。目標用量に対して忍容でない場合は用量調節(本剤は50又は100mg1日2回、エナラプリルは2.5又は5mg1日2回)又は一時中断を可とし、忍容性が良好な最大用量を継続投与した。二重盲検治療期における治験薬の投与期間(中央値)は本剤群32.0ヵ月、エナラプリル群31.2ヵ月であった。主要評価項目とした複合エンドポイント(心血管死又は心不全による初回入院)は、本剤群(111例)の30例(27.03%)、エナラプリル群(112例)の28例(25.00%)に認められた。複合エンドポイント発現のエナラプリル群に対する本剤群のハザード比(95%信頼区間)*は1.0881(0.6501、1.8212)であった。なお、本試験はハザード比の点推定値が1未満となることの確認を主たる目的とし、有意差検定を主たる目的とはしていない。*:ハザード比及びその95%信頼区間は、投与群及び層別因子であるスクリーニング時のヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT‐proBNP)(<1600pg/mL、≧1600pg/mL)を固定効果とするCox比例ハザードモデルで推定した。二重盲検治療期の副作用発現頻度は、本剤群で51.35%(57/111例)、エナラプリル群で31.25%(35/112例)であった。主な副作用は低血圧(本剤群17.12%、エナラプリル群4.46%、以下同順)、高カリウム血症(7.21%、7.14%)、腎機能障害(6.31%、7.14%)であった。[5.1、5.2、7.1、7.2参照]注4)アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬を4週間以上投与されている患者が組入れ可能とされた。注5)①症候性低血圧を有する、又は収縮期血圧が100mmHg未満の患者、②eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者、③血清カリウム値が5.2mmol/L(mEq/L)を超える患者は除外された。注6)国内で承認されたエナラプリルの用法及び用量は5~10mgを1日1回である。17.1.3国際共同第II/III相試験(PANORAMA‐HF試験、二重盲検期)(小児)左室収縮機能障害による小児慢性心不全患者注7)(生後1ヵ月~18歳未満)377例(日本人12例を含む)を対象に、本剤又はエナラプリルを漸増投与し、臨床イベント、症状、機能状態及びQOLに基づく複合評価項目(Globalrankendpoint注8))を用いてエナラプリルに対する本剤の相対的な有効性を検討する多施設共同、ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した(本剤群187例、エナラプリル群188例)。組み入れられた被験者の主な基礎疾患は、特発性心筋症(本剤群34.22%、エナラプリル群32.98%、以下同順)、家族性心筋症(15.51%、15.96%)、先天性心疾患(11.23%、15.43%)、心筋炎(10.70%、14.89%)であった。また、前治療として、アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンII受容体拮抗薬が投与されていた患者割合は本剤群92.0%、エナラプリル群93.1%、投与されていなかった患者割合は本剤群8.0%、エナラプリル群6.9%であった。本剤(0.8~3.1mg/kg、又は50~200mg)又はエナラプリル(0.05~0.2mg/kg、又は2.5~10mg)を1日2回注9)、忍容性に応じて約2週間間隔で目標用量(用量範囲の最大用量)まで漸増し、52週間投与した。目標用量又は漸増用量に対して忍容でない場合は減量又は一時中断を可とし、忍容性が良好な最大用量を継続投与した。主要評価項目であるGlobalrankendpointについて、層別Wilcoxon順位和検定の結果が有意、かつMann‐Whitney確率の点推定値が0.5より大きい(Mann‐Whitneyオッズ点推定値が1より小さい)場合、エナラプリルに対する本剤の優越性が示されたと判断することとした。Globalrankendpointの解析結果は、次表のとおりであり、本剤群のエナラプリル群に対する優越性は検証されなかった。Globalrankendpointの解析結果--------------------------表開始--------------------------MWP(95%信頼区間)MWO(95%信頼区間)p値*(両側)0.52(0.47、0.58)0.907(0.72、1.14)0.424MWP:Mann‐Whitneyprobability(マン・ホイットニー確率推定値)は、本剤による治療を受けた場合の方が対照薬による治療を受けた場合より良い(Globalrankendpointで定義した臨床的重症度が低い)状態となる確率の推定値。本試験ではランダム化時の年齢グループ(6歳以上18歳未満、2歳以上6歳未満、生後1ヵ月以上2歳未満)及びNYHA/Ross機能分類(クラスI/II、クラスIII/IV)を層別因子とした各層のMWPの加重和として定義した。MWO:Mann‐Whitneyodds=(1-MWP)/MWP*:ランダム化時の年齢グループ及びNYHA/Ross機能分類を層別因子とした層別Wilcoxon順位和検定(有意水準5%(両側))。--------------------------表終了--------------------------Globalrankendpointを構成するカテゴリー別の被験者数内訳--------------------------表開始--------------------------本剤群(187例)エナラプリル群(188例)n(該当割合%)カテゴリー119(10.16)30(15.96)カテゴリー218(9.63)9(4.79)カテゴリー320(10.70)15(7.98)カテゴリー445(24.06)57(30.32)カテゴリー585(45.45)77(40.96)二重盲検投与期に試験を途中で中止した被験者は、最後に生存が確認された日をイベント発現日としてカテゴリー1に分類される。ただし、緊急安全対策に伴う技術的な問題によりカテゴリー1のイベントがなく試験を中止した被験者は、カテゴリー1には分類されず、投与終了時における被験者の状態に基づき分類される。カテゴリー1及び2に分類されなかった被験者の投与52週後のNYHA/Ross機能分類、PGIS及びPedsQLの欠測値はLastobservationcarriedforward(LOCF)法により補完する。--------------------------表終了--------------------------探索的評価項目であるNT‐proBNPのベースラインからの調整済み変化比の推移は次表のとおりであった。NT‐proBNPのベースラインからの変化--------------------------表開始--------------------------本剤群(187例)エナラプリル群(188例)時点例数対ベースライン比*(95%信頼区間)例数対ベースライン比*(95%信頼区間)4週810.599(0.528、0.679)760.820(0.721、0.934)12週1590.503(0.442、0.571)1550.551(0.484、0.628)52週1440.349(0.288、0.423)1330.384(0.315、0.469)*:対ベースライン比は、NT‐proBNP(対数変換値)の変化量を応答変数とし、ランダム化時点の年齢グループ、NYHA/Ross機能分類、地域、投与群、測定時点及び投与群と測定時点の交互作用を固定効果、ベースラインのNT‐proBNP(対数変換値)及び測定時点とベースラインのNT‐proBNP(対数変換値)の交互作用を共変量とした反復測定混合効果モデル(MMRM)で推定した。--------------------------表終了--------------------------試験期間中の副作用発現頻度は、本剤群で26.74%(50/187例)、エナラプリル群で28.19%(53/188例)であった。主な副作用は低血圧(本剤群8.02%、エナラプリル群7.45%、以下同順)、浮動性めまい(4.81%、2.13%)、頭痛(2.14%、1.60%)、腎機能障害(2.14%、0.53%)であった。[5.3、5.4、7.1、7.2、9.7.1参照]注7)NYHA心機能分類がII~IV(6歳~18歳未満)又はRoss分類がII~IV(6歳未満)の患者で体心室が左室の二心室の患者。LVEFが40%以下、又は左室内径短縮率が20%以下(試験開始後、それぞれ45%、22.5%に変更)が組入れ可能とされ、①単心室又は体心室が右室の患者、②拘束型又は肥大型心筋症を有する患者、③未手術の閉塞性弁又は重度の逆流性弁(大動脈弁、肺動脈弁又は三尖弁)疾患、若しくは重大な左室流出路閉塞又は大動脈弓閉塞を有する患者、④症候性低血圧を有する、又は収縮期血圧が年齢別に算出した収縮期血圧の下位5%分位点未満、⑤血清カリウム値が5.3mmol/L(mEq/L)を超える患者は除外された。注8)臨床イベント(死亡、心臓移植待機リスト(UNOS)への登録、循環又は呼吸の機械的補助の必要性)、心不全の悪化、NYHA/Ross機能分類、重症度に関する患者の全般的印象(PGIS)、及び健康関連QOL指標(PedsQL)の身体機能ドメインに基づき、臨床的な重症度の高い順に患者を5つの階層的なカテゴリーに順位付けし、評価する複合評価項目。各カテゴリーの内容は次のとおり。カテゴリー1:死亡、UNOSのステータス1Aに登録又はそれに相当、試験終了時に生命維持のために補助人工心臓(VAD)/体外式膜型人工肺(ECMO)/機械的換気/大動脈内バルーンポンプが必要カテゴリー2:心不全の悪化(心不全の治療強化*が必要な心不全悪化の症状及び徴候)。カテゴリー2はさらに重症度の高い順に、ICUへの入院が必要なもの、ICU以外への入院が必要なもの、入院を必要としないものに細分化、順位付けされる。*心不全の悪化に対する治療には利尿薬、血管拡張薬、昇圧薬、強心薬の静脈内投与、機器的補助又は循環補助の施術(限外濾過、血液透析、VAD、ECMO、大動脈内バルーンポンプ、機械的換気等)が含まれる。経口薬の場合は、利尿薬の新規投与又は維持量の50%以上の増量が2週間以上継続する場合に該当する。カテゴリー3~5:順にNYHA/Ross機能分類又はPGISの悪化、NYHA/Ross機能分類及びPGISの変化なし、NYHA/Ross機能分類又はPGISの改善(いずれも悪化なし)。変化の程度が同じ場合は、さらにPedsQLの身体機能ドメインを用いて同一カテゴリー内での順位付けを行う。いずれも最終評価時点におけるベースラインとの比較。注9)エナラプリルの小児への用法及び用量は国内で承認されていない。〈高血圧症〉17.1.4国内第III相試験軽症又は中等症の日本人本態性高血圧症患者1161例(新たに高血圧症と診断された患者3例、高血圧症の既往を有する患者1158例注10))を対象に、本剤200mg、400mg、又はオルメサルタン20mgを投与し、降圧効果を検討する多施設共同、ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した。ランダム化後、二重盲検治療期では本剤200mg1日1回、本剤400mg1日1回(本剤200mg1日1回を1週間投与後に400mgに増量)又はオルメサルタン20mg1日1回を8週間投与した。主要評価項目とした投与8週時(LOCF*)の平均坐位収縮期血圧のベースラインからの変化量(最小二乗平均値(標準誤差))は、本剤200mg群で-18.21(0.702)mmHg、オルメサルタン20mg群で-13.20(0.700)mmHgであった。本剤200mg群とオルメサルタン20mg群の群間差(最小二乗平均値(標準誤差))は-5.01(0.991)mmHgであり、本剤200mg群でのオルメサルタン20mgに対する優越性が検証された。*LOCF:Lastobservationcarriedforward投与8週時の平均坐位血圧のベースラインからの変化量--------------------------表開始--------------------------投与群(n=例数)平均坐位血圧(mmHg)収縮期拡張期投与前値変化量オルメサルタン20mgに対する群間差※投与前値変化量オルメサルタン20mgに対する群間差※本剤200mg(n=387)157.7±6.89-18.21±0.702-5.01±0.991(-6.949、-3.061)p<0.001#94.3±9.38-7.76±0.404-1.85±0.571(-2.976、-0.734)本剤400mg(n=385)158.4±7.29-20.18±0.704-6.97±0.993(-8.922、-5.025)94.8±9.76-8.79±0.406-2.89±0.572(-4.008、-1.762)オルメサルタン20mg(n=389)157.6±6.77-13.20±0.700-93.8±9.65-5.91±0.404-投与前値:平均値±標準偏差変化量、オルメサルタン20mgに対する群間差:ベースライン値を共変量としたANCOVAモデルにより算出した最小二乗平均値(LSMean)±標準誤差※()内は両側95%信頼区間#有意水準0.05に基づく仮説検定の結果。--------------------------表終了--------------------------本剤200mg群での投与8週時(LOCF)の24時間自由行動下測定による平均収縮期血圧(maSBP)のベースラインからの変化量(平均値)は、24時間にわたるすべての時点で、オルメサルタン20mg群に比べて大きかった。本剤400mg群の変化量は、ほとんどの時点で本剤200mg群に比べて大きかった。投与8週時のmaSBPの変化量(平均値)の24時間推移(平均値±標準誤差)<<図省略>>治療期の副作用発現頻度は、本剤200mg群で4.7%(18/387例)、本剤400mg群で4.4%(17/385例)、及びオルメサルタン20mg群で4.4%(17/389例)であった。主な副作用は、回転性めまい(本剤200mg群0.5%、本剤400mg群0%、オルメサルタン20mg群0%、以下同順)、血中クレアチンホスホキナーゼ増加(0.3%、0.3%、0.5%)、血圧上昇(0%、0%、0.5%)、高カリウム血症(0.5%、0.3%、0%)、体位性めまい(0%、0.3%、0.5%)、浮動性めまい(0.5%、0%、0%)、そう痒症(0%、0.5%、0%)であった。[7.5参照]注10)新たに高血圧症と診断された患者:観察期開始時及び治療期開始時の平均坐位収縮期血圧がいずれも150mmHg以上180mmHg未満の患者高血圧症の既往を有する患者:スクリーニングの少なくとも4週間前から降圧薬の投与を受けておらず、観察期開始時及び治療期開始時の平均坐位収縮期血圧がいずれも150mmHg以上180mmHg未満の患者。またはスクリーニング前4週間以内に降圧薬を使用しており、治療期開始時直前の来院時の平均坐位収縮期血圧が140mmHg以上180mmHg未満、かつ治療期開始時の平均坐位収縮期血圧が150mmHg以上180mmHg未満の患者