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寄り道編(12)虫を原材料とする漢方薬【臨床力に差がつく 医薬トリビア】第61回
2024/11/06 臨床力に差がつく 医薬トリビア
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https://www.carenet.com/series/trivia/cg004164_061.html
一般名 | 小柴胡湯エキス細粒 |
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YJコード | 5200073C1081 |
剤型・規格 | 散剤・1g |
薬価 | 30.50円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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1.体力中等度で上腹部がはって苦しく、舌苔を生じ、口中不快、食欲不振、時により微熱、悪心などのあるものの次の諸症:諸種の急性熱性病、肺炎、気管支炎、気管支喘息、感冒、リンパ腺炎、慢性胃腸障害、産後回復不全。2.慢性肝炎における肝機能障害の改善。
通常、成人1日6.0gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口投与する。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
(警告)1.1.本剤の投与により、間質性肺炎が起こり、早期に適切な処置を行わない場合、死亡等の重篤な転帰に至ることがあるので、患者の状態を十分観察し、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常、胸部X線異常、胸部CT異常等があらわれた場合には、ただちに本剤の投与を中止すること〔2.2、2.3、8.4、9.3.1-9.3.3、11.1.1参照〕。1.2.咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと〔11.1.1参照〕。(禁忌)2.1.インターフェロン製剤投与中の患者〔10.1、11.1.1参照〕。2.2.肝硬変、肝癌の患者〔1.1、9.3.1-9.3.3、11.1.1参照〕。2.3.慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者〔1.1、8.4、9.3.1-9.3.3、11.1.1参照〕。(重要な基本的注意)8.1.〈効能共通〉本剤の使用にあたっては、患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。なお、経過を十分に観察し、症状・所見の改善が認められない場合には、継続投与を避けること。8.2.〈効能共通〉本剤にはカンゾウが含まれているので、血清カリウム値や血圧値等に十分留意すること〔10.2、11.1.2、11.1.3参照〕。8.3.〈効能共通〉他の漢方製剤等を併用する場合は、含有生薬の重複に注意すること。8.4.〈慢性肝炎における肝機能障害の改善〉本剤を投与中は、血小板数の変化に注意し、血小板数減少が認められた場合には、投与を中止すること〔1.1、2.3、9.3.1-9.3.3、11.1.1参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.著しく体力の衰えている患者:副作用があらわれやすくなり、その症状が増強されるおそれがある。(肝機能障害患者)9.3.1.肝硬変、肝癌の患者:投与しないこと(間質性肺炎が起こり、死亡等の重篤な転帰に至ることがある)〔1.1、2.2、2.3、8.4、11.1.1参照〕。9.3.2.慢性肝炎における肝機能障害で血小板数が10万/mm3以下の患者:投与しないこと(肝硬変が疑われる)〔1.1、2.2、2.3、8.4、11.1.1参照〕。9.3.3.慢性肝炎における肝機能障害で血小板数10万/mm3超~15万/mm3以下の患者:慎重に投与すること(肝硬変に移行している可能性がある)〔1.1、2.2、2.3、8.4、11.1.1参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。(相互作用)10.1.併用禁忌:インターフェロン製剤(インターフェロン-α<スミフェロン等>、インターフェロン-β<フエロン等>)〔2.1、11.1.1参照〕[間質性肺炎があらわれることがある(機序は不明)]。10.2.併用注意:カンゾウ含有製剤(芍薬甘草湯、補中益気湯、抑肝散等)、グリチルリチン酸及びその塩類を含有する製剤(グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・L-システイン、グリチルリチン酸一アンモニウム・グリシン・DL-メチオニン配合錠等)、ループ系利尿剤(アゾセミド、トラセミド、フロセミド等)、チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド等)〔8.2、11.1.2、11.1.3参照〕[偽アルドステロン症があらわれやすくなり、また、低カリウム血症の結果として、ミオパチーがあらわれやすくなる(グリチルリチン酸及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が促進されることが考えられる)]。(取扱い上の注意)20.1.本剤の品質を保つため、できるだけ湿気を避け、直射日光の当たらない涼しい所に保管すること。20.2.開封後は特に湿気を避け、取扱いに注意すること。20.3.本剤は生薬を原料としているので、色調等が異なることがある。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常等があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、咳嗽、呼吸困難、発熱等があらわれた場合には、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を行うこと〔1.1、1.2、2.1-2.3、8.4、9.3.1-9.3.3、10.1参照〕。11.1.2.偽アルドステロン症(頻度不明):低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム貯留・体液貯留、浮腫、体重増加等の偽アルドステロン症があらわれることがあるので、観察(血清カリウム値の測定等)を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、10.2参照〕。11.1.3.ミオパチー、横紋筋融解症(いずれも頻度不明):低カリウム血症の結果として、ミオパチー、横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、脱力感、筋力低下、筋肉痛、四肢痙攣・四肢麻痺、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し、カリウム剤の投与等の適切な処置を行うこと〔8.2、10.2参照〕。11.1.4.肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいAl-P上昇、著しいγ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。11.2.その他の副作用1).過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒、蕁麻疹等。2).消化器:(頻度不明)食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、便秘等。3).泌尿器:(頻度不明)頻尿、排尿痛、血尿、残尿感、膀胱炎等。
18.1作用機序作用機序は明確でない。18.2ブタ血清誘発肝障害モデルに対する作用本エキス粉末(1.5%または4.5%を餌に配合)はブタ血清(週2回、8週間投与)により誘発したラットの肝障害[AST(GOT)・ALT(GPT)・Al‐P上昇、肝重量、肝ヒドロキシプロリン量、線維化領域の増加]を抑制した。18.3胃粘膜損傷に対する作用本エキス粉末(100~500mg/kg経口投与)はエタノール、アスピリン、インドメタシンおよび水浸拘束ストレス負荷により誘発したラット胃粘膜損傷を抑制した。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1肝機能改善慢性活動性肝炎と診断された116例を対象に小柴胡湯エキス細粒1日6.0gを12週間経口投与した二重盲検比較試験において、血清トランスアミナーゼの有意な低下がみられ、本剤の肝機能障害の改善効果が認められた。副作用発現頻度は8.6%(10/116例)で、主な副作用は全身倦怠感、嘔気、下痢及び舌のしびれが各0.9%(1/116例)等であった。