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一般名 | トルバプタンリン酸エステルナトリウム注射用 |
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YJコード | 2139403D2027 |
剤型・規格 | 散剤・16mg1瓶 |
薬価 | 2164.00円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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https://www.carenet.com/series/oncocardio/cg002995_004.html
ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留。
通常、成人にはトルバプタンリン酸エステルナトリウムとして16mgを1日1回1時間かけて点滴静注する。(用法及び用量に関連する注意)7.1.本剤は水排泄を増加させるが、ナトリウム排泄を増加させないことから、他の利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、抗アルドステロン薬等)と併用して使用すること。7.2.経口水分摂取が困難な患者に投与する場合は、半量(8mg)から開始し、効果不十分な場合には翌日以降に16mgに増量できる(ただし、本剤投与後24時間以内に血清ナトリウム濃度が10mEq/Lを超えて上昇した翌日には増量しないこと)〔9.1.1参照〕。7.3.血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の患者、急激な循環血漿量減少が好ましくないと判断される患者、高齢者、血清ナトリウム濃度が正常域内で高値の患者に投与する場合は、半量(8mg)から開始することが望ましい〔9.1.2、9.1.3、9.8.1、9.8.3参照〕。7.4.CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、フルコナゾール、クラリスロマイシン等)との併用は避けることが望ましい(やむを得ず併用する場合は、本剤の減量あるいは低用量からの開始などを考慮すること)〔10.2、16.7.1-16.7.3参照〕。7.5.体液貯留所見が消失した際には投与を中止すること(症状消失後の維持に関する有効性は確認されていない)〔17.1.2参照〕。
(警告)本剤投与により、急激な水利尿から脱水症状や高ナトリウム血症を来し、意識障害に至るおそれがあり、また、急激な血清ナトリウム濃度の上昇による浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがあることから、入院下で投与を開始、増量又は再開すること(また、特に投与開始日、増量日又は投与再開日には血清ナトリウム濃度を頻回に測定すること)〔8.4、9.1.1、9.1.2、11.1.3、11.1.4参照〕。(禁忌)2.1.本剤の成分又は類似化合物(トルバプタン等)に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.無尿の患者[本剤の効果が期待できない]。2.3.高ナトリウム血症の患者[本剤の水利尿作用により高ナトリウム血症が増悪するおそれがある]。2.4.妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。(重要な基本的注意)8.1.本剤の投与初期は、過剰な利尿に伴う脱水、高ナトリウム血症などの副作用があらわれるおそれがあるので、口渇感等の患者の状態を観察し、適切な水分補給を行い、体重、血圧、脈拍数、尿量等を頻回に測定すること〔11.1.3、11.1.4参照〕。8.2.経口水分摂取が可能な患者に対しては、本剤の利尿作用に伴い、口渇、脱水などの症状があらわれた場合には、水分補給を行うよう指導すること〔11.1.3、11.1.4参照〕。8.3.口渇感が持続する場合や脱水の症状がみられた場合には、減量を考慮すること。8.4.本剤投与開始後24時間以内に水利尿効果が強く発現するため、少なくとも投与開始4~6時間後及び8~12時間後に血清ナトリウム濃度を測定し、投与開始翌日から1週間程度は投与終了翌日まで血清ナトリウム濃度を毎日測定し、その後も投与を継続する場合には、適宜血清ナトリウム濃度を測定すること〔1.警告の項、11.1.3、11.1.4参照〕。8.5.本剤の水利尿作用により循環血漿量の減少を来し、血清カリウム濃度上昇させ、心室細動、心室頻拍を誘発するおそれがあるので、少なくとも投与開始4~6時間後及び8~12時間後に血清カリウム濃度を測定し、投与開始翌日から1週間程度は投与終了翌日まで血清カリウム濃度を毎日測定し、その後も投与を継続する場合には、適宜血清カリウム濃度を測定すること。本剤投与開始前の血清カリウム濃度が正常域を超える患者や投与開始前の血清カリウム濃度が正常域内であっても高値の患者では特に注意すること〔9.1.4、11.1.7、11.1.9参照〕。8.6.投与初期から重篤な肝機能障害があらわれることがあるため、本剤投与開始前に肝機能検査を実施し、少なくとも投与開始2週間は投与終了翌日まで頻回に肝機能検査を行うこと。またやむを得ず、その後も投与を継続する場合には、適宜肝機能検査を行うこと〔11.1.5、15.1.1参照〕。8.7.めまい等があらわれることがあるので、転倒に注意し、また、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。8.8.体液貯留状態が改善しない場合は、漫然と投与を継続しないこと〔17.1.1、17.1.2参照〕。8.9.目標体重(体液貯留状態が良好にコントロールされているときの体重)に戻った場合は、漫然と投与を継続しないこと。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.経口水分摂取が困難な患者:水分出納バランスを適切に管理するため、次の点に注意すること(本剤の投与初期及び増量時には、過剰な利尿に伴う脱水、高ナトリウム血症などの副作用があらわれるおそれがある)〔1.警告の項、7.2、11.1.2-11.1.4、11.1.9参照〕。・経口水分摂取が困難な患者:輸液等により体液管理すること。・経口水分摂取が困難な患者:尿量と水分摂取量(輸液量を含む)を投与開始2時間後までは1時間ごと、8時間後までは2時間ごと、増量時には投与開始後4時間後及び8時間後を目安に確認し、水分出納バランスに応じて輸液量を調節すること(その後も投与を継続する場合には、毎日水分出納バランスを確認すること)。・経口水分摂取が困難な患者:体重、血圧、脈拍数等を頻回に測定し、患者の状態を観察すること。・経口水分摂取が困難な患者:増量時には少なくとも投与開始4~6時間後及び8~12時間後に血清ナトリウム濃度及び血清カリウム濃度を測定すること。9.1.2.血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の患者:24時間以内に12mEq/Lを超える血清ナトリウム濃度上昇がみられた場合には、投与を中止すること(急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがある)〔1.警告の項、7.3、11.1.4参照〕。9.1.3.重篤な冠動脈疾患又は重篤な脳血管疾患のある患者:急激な利尿があらわれた場合、急速な循環血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある〔7.3、11.1.2参照〕。9.1.4.高カリウム血症の患者:本剤の水利尿作用により高カリウム血症が増悪するおそれがある〔8.5、11.1.9参照〕。(腎機能障害患者)9.2.1.重篤な腎障害のある患者:利尿に伴う腎血流量の減少により腎機能が更に悪化するおそれがある〔11.1.1参照〕。9.2.2.腎機能障害(eGFR60mL/min/1.73㎡未満)のある患者:高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある〔11.1.9参照〕。(生殖能を有する者)妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験で胚死亡・胎仔死亡(ラット、ウサギ)並びに胚移行あるいは胎仔移行(ラット)が報告されており、また、活性の主体であるトルバプタンを投与した動物実験(ウサギ)で催奇形性が報告されている)〔2.4、9.4生殖能を有する者の項参照〕。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)9.8.1.急激な利尿があらわれた場合、急速な循環血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある〔7.3、11.1.2参照〕。9.8.2.患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下しており、また、脱水症状を起こしやすいとされている)。9.8.3.高ナトリウム血症発現のおそれがある〔7.3、11.1.3参照〕。(相互作用)本剤はトルバプタンのプロドラッグである。トルバプタンは、主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、P糖蛋白の基質であるとともに、P糖蛋白への阻害作用を有する〔16.4参照〕。10.2.併用注意:1).CYP3A4阻害作用を有する薬剤(ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)、イトラコナゾール、フルコナゾール、クラリスロマイシン等、グレープフルーツジュース)〔7.4、16.7.1-16.7.3参照〕[代謝酵素の阻害により、トルバプタンの作用が増強するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は避けることが望ましい(トルバプタンの代謝酵素であるCYP3A4を阻害し、トルバプタンの血漿中濃度を上昇させる)]。2).CYP3A4誘導作用を有する薬剤(リファンピシン等、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’sWort))〔16.7.4参照〕[代謝酵素の誘導により、トルバプタンの作用が減弱するおそれがあるので、本剤投与時はこれらの薬剤及び食品を摂取しないことが望ましい(トルバプタンの代謝酵素であるCYP3A4を誘導し、トルバプタンの血漿中濃度を低下させる)]。3).ジゴキシン〔16.7.5参照〕[トルバプタンによりジゴキシンの作用が増強されるおそれがある(トルバプタンはP糖蛋白を阻害し、ジゴキシンの血漿中濃度を上昇させる)]。4).P糖蛋白阻害作用を有する薬剤(シクロスポリン等)[トルバプタンの作用が増強するおそれがある(これらの薬剤がP糖蛋白を阻害することにより、トルバプタンの排出が抑制されるため血漿中濃度が上昇するおそれがある)]。5).カリウム製剤、カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトン、トリアムテレン等)、抗アルドステロン薬(エプレレノン等)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(エナラプリルマレイン酸塩等)、アンジオテンシン2受容体拮抗薬(ロサルタンカリウム等)、レニン阻害薬(アリスキレンフマル酸塩等)[これらの薬剤と併用する場合、血清カリウム濃度が上昇するおそれがある(本剤の水利尿作用により循環血漿量の減少を来し、相対的に血清カリウム濃度が上昇するおそれがある)]。6).バソプレシン誘導体(デスモプレシン酢酸塩水和物等)[本剤によりバソプレシン誘導体の止血作用が減弱するおそれがある(トルバプタンのバソプレシンV2-受容体拮抗作用により、血管内皮細胞からのvonWillebrand因子の放出が抑制されるおそれがある)]。(過量投与)13.1.処置過量投与時、血液透析は有効ではないと考えられる。(適用上の注意)14.1.薬剤調製時の注意14.1.1.本剤は、生理食塩液又は5%ブドウ糖液50mLを用いて用時溶解及び希釈して使用すること。14.1.2.本剤1バイアルに生理食塩液又は5%ブドウ糖液4mLを加え溶解し、溶解液は全量注射筒に抜き取り、直ちに点滴静注用ボトル又はバッグに戻して希釈すること。14.1.3.溶解時はゆっくりと1~2回転倒混和し、泡立たないようにすること。14.1.4.希釈後は速やかに使用すること。14.1.5.本剤を他剤<生理食塩液又は5%ブドウ糖液を除く>と配合した時に、本剤と配合変化(混濁、浮遊物等)が認められる薬剤があるので、変色又は異物を認める場合は投与しないこと(また、配合変化試験データを参照すること)。14.2.薬剤投与時の注意14.2.1.本剤は1時間かけて点滴静注すること。急速静注<ボーラス>は行わないこと。14.2.2.変色又は異物を認める場合は投与しないこと。14.2.3.同一の点滴ルートを使用し、本剤と他剤を投与する場合は、本剤と配合変化(混濁、浮遊物等)が認められる薬剤があるので、配合変化試験データを参照すること。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.本剤の適応外であるが常染色体優性多発性のう胞腎患者を対象とした第3相二重盲検比較試験(国際共同試験)で、トルバプタン経口剤において、トルバプタン60~120mg/日又はプラセボを3年間投与した結果、基準値上限の2倍を超える総ビリルビン上昇、かつ基準値上限の3倍を超える血清ALT上昇又は基準値上限の3倍を超える血清AST上昇が、トルバプタン群の2例に認められ、また、基準値上限の2.5倍を超えるALT上昇の発現頻度が、プラセボ群と比較してトルバプタン群で高かった(トルバプタン群960例中47例(4.9%)、プラセボ群483例中6例(1.2%))。なお、適応外であるが常染色体優性多発性のう胞腎患者において、トルバプタン群における基準値上限の3倍を超えるALT上昇の多くは、経口投与開始3~14ヵ月の間に認められた〔8.6参照〕。15.1.2.本剤の適応外であるが、トルバプタン経口剤において、常染色体優性多発性のう胞腎患者を対象とした第3相二重盲検比較試験(国際共同試験)で、トルバプタン群はプラセボ群と比較して皮膚の新生物の発現率が高かった(基底細胞癌(トルバプタン群0.8%(8/961例)、プラセボ群0.2%(1/483例))、悪性黒色腫(トルバプタン群0.2%(2/961例)、プラセボ群0%(0/483例)))。トルバプタン経口剤との関連性は全ての症例で否定され、日本人での発現はなかった。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.腎不全(頻度不明):重度腎障害があらわれることがある〔9.2.1参照〕。11.1.2.血栓塞栓症(頻度不明):急激な利尿により血液濃縮を来した場合、血栓症及び血栓塞栓症を誘発するおそれがある〔9.1.1、9.1.3、9.8.1参照〕。11.1.3.高ナトリウム血症(1~5%未満):本剤の水利尿作用により血液濃縮を来し、高ナトリウム血症があらわれることがあり、意識障害を伴うこともあるので、投与中は、飲水量、尿量、血清ナトリウム濃度及び口渇、脱水等の症状の観察を十分に行い、口渇感の持続、脱水等の症状がみられた場合には、本剤の投与を減量又は中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと。また、正常域を超える血清ナトリウム濃度上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと〔1.警告の項、8.1、8.2、8.4、9.1.1、9.8.3参照〕。11.1.4.急激な血清ナトリウム濃度上昇(1%未満):本剤の水利尿作用により、急激な血清ナトリウム濃度上昇があらわれることがあり、これにより麻痺、発作、昏睡等に至るような浸透圧性脱髄症候群を来すおそれがあるため、投与中は、血清ナトリウム濃度及び体液量の観察を十分に行うこと。本剤投与後24時間以内に12mEq/Lを超える血清ナトリウム濃度の急激な上昇等がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止し、症状に応じて、輸液を含めた水分補給等の適切な処置を行うこと〔1.警告の項、8.1、8.2、8.4、9.1.1、9.1.2参照〕。11.1.5.急性肝不全(頻度不明)、肝機能障害(1~5%未満):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇等を伴う肝機能障害があらわれ、急性肝不全に至ることがある(また、肝機能障害が回復するまでは頻回に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと)〔8.6参照〕。11.1.6.ショック、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシー(全身発赤、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがある。11.1.7.過度の血圧低下(頻度不明)、心室細動(頻度不明)、心室頻拍(1~5%未満)〔8.5参照〕。11.1.8.汎血球減少、血小板減少(頻度不明)。11.1.9.高カリウム血症(1~5%未満)〔8.5、9.1.1、9.1.4、9.2.2参照〕。11.1.10.肝性脳症(頻度不明):肝硬変患者の場合、意識障害を伴う肝性脳症があらわれるおそれがある。11.2.その他の副作用1).精神神経系:(頻度不明)頭痛、めまい、不眠症、失神、意識消失、睡眠障害、嗜眠、傾眠、ナルコレプシー、注意力障害、感覚鈍麻、不随意性筋収縮、錯感覚、不安、うつ病、リビドー減退、神経過敏、パニック発作。2).消化器:(5%以上)口渇、(1~5%未満)便秘、悪心、(頻度不明)食欲不振、嘔吐、下痢、味覚異常、消化不良、腹痛、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、食道炎、裂孔ヘルニア、腹部不快感、心窩部不快感、口唇乾燥、鼓腸、胃腸炎、胃炎、胃腸障害、憩室炎、結腸ポリープ、嚥下障害、消化管運動障害、舌痛、舌苔、舌変色、口唇炎、口内炎、口の感覚鈍麻、臍ヘルニア、食欲亢進、呼気臭、痔核、過敏性腸症候群。3).循環器:(1~5%未満)頻脈、血圧低下、(1%未満)起立性低血圧、(頻度不明)血圧上昇、動悸、期外収縮、不整脈、不安定血圧。4).血液:(1%未満)貧血、(頻度不明)ヘモグロビン低下、平均赤血球容積増加、血小板減少、白血球増多、好酸球増多。5).代謝:(5%以上)脱水、(1%未満)高カルシウム血症、血中尿酸上昇、(頻度不明)糖尿病、高血糖、脂質異常症、痛風、血液浸透圧上昇、血液量減少症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、低血糖、低リン酸血症、CK上昇、血中抗利尿ホルモン増加。6).腎臓・泌尿器:(1~5%未満)腎機能障害、(頻度不明)頻尿、多尿、血中クレアチニン上昇、腎臓痛、BUN上昇、血尿、尿浸透圧低下、尿失禁、尿意切迫、排尿困難、尿閉、乏尿、尿路感染、膀胱痛、腎結石、シスタチンC上昇。7).過敏症:(頻度不明)発疹、そう痒、蕁麻疹。8).皮膚:(頻度不明)皮膚乾燥、脱毛、ざ瘡、皮膚炎、皮膚色素沈着障害、爪障害、多汗、乏汗、寝汗。9).呼吸器:(頻度不明)咳嗽、呼吸困難、鼻咽頭炎、上気道感染、扁桃炎、副鼻腔炎、喘息、気管支炎、口腔咽頭痛、咽喉乾燥、鼻乾燥、鼻出血、発声障害。10).眼:(頻度不明)眼乾燥、緑内障、霧視、結膜出血。11).その他:(1%未満)筋痙縮、倦怠感、(頻度不明)疲労、多飲症、体重変動(体重増加、体重減少)、無力症、浮腫、筋骨格痛、胸痛、背部痛、関節痛、四肢痛、疼痛、側腹部痛、冷感、発熱、ほてり、熱感、粘膜乾燥、ウイルス感染、カンジダ症、真菌感染、筋硬直、関節腫脹、勃起不全、月経過多、不規則月経、乳房嚢胞、易刺激性、LDH上昇、耳鳴、不正子宮出血。
18.1作用機序本薬は、生体内でホスファターゼにより活性の主体であるトルバプタンに加水分解される。トルバプタンは、バソプレシンV2‐受容体拮抗作用により、腎集合管でのバソプレシンによる水再吸収を阻害することで選択的に水を排泄し、電解質排泄の増加を伴わない利尿作用(水利尿作用)を示す。18.2バソプレシンV2‐受容体拮抗作用本薬及び活性の主体であるトルバプタンは、ヒトバソプレシンV2‐受容体発現細胞において、標識バソプレシンのV2‐受容体への結合を濃度依存的に阻害した。また、ヒトバソプレシンV2‐受容体発現細胞において、本薬及びトルバプタンはcAMPの産生増加を示さず、バソプレシンによるcAMPの産生を抑制したことから、バソプレシンV2‐受容体拮抗作用を有していることが示された。本薬及びトルバプタンのヒトバソプレシンV2‐受容体に対する阻害定数は、それぞれ6.13±1.34nmol/L及び0.43±0.06nmol/Lであった(invitro)。18.3利尿作用本薬は、覚醒ラット及びイヌにおいて、静脈内投与により用量依存的に尿量を増加させ、尿浸透圧を低下させた。この時、自由水クリアランスは正の値となり、選択的に自由水の排泄を増加させた(水利尿作用)。18.4抗浮腫作用本薬は、ラットにおいて、静脈内投与による利尿作用に伴い、ヒスタミン誘発血管透過性亢進及びカラゲニン誘発足浮腫を抑制した。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国内第III相試験他の利尿薬を投与しても体液貯留が認められるうっ血性心不全患者294例を対象とした二重盲検比較試験において、本剤16mgを1日1回5日間静脈内投与、又はトルバプタン15mgを1日1回5日間経口投与した。主要評価項目である最終投与時の体重のベースラインからの変化量において、本剤群のトルバプタン群に対する非劣性が検証された(非劣性マージン:0.48、表17‐1)。体重減少は投与開始翌日より認められ、投与期間を通して継続した(添付文書の図17‐1)。また、最終投与時における心性浮腫に伴う所見(頚静脈怒張、下肢浮腫)が改善した(表17‐2)。表17‐1最終投与時の体重のベースラインからの変化量--------------------------表開始--------------------------投与群例数ベースラインからの変化量a)トルバプタン群に対する差(95%信頼区間)本剤群149-1.67(-1.93、-1.41)-0.31(-0.68、0.06)b)トルバプタン群144-1.36(-1.62、-1.10)a)ベースライン値を共変量とした共分散分析、最小二乗平均値(95%信頼区間)b)非劣性マージン0.48--------------------------表終了--------------------------図17‐1体重のベースラインからの変化量<<図省略>>表17‐2心性浮腫に伴う所見の変化--------------------------表開始--------------------------心性浮腫に伴う所見本剤群[例数]トルバプタン群[例数]トルバプタン群に対する差(95%信頼区間)頚静脈怒張変化量(cm)a、b)-2.89(-3.45、-2.33)[52]-3.15(-3.68、-2.62)[59]0.26(-0.52、1.03)下肢浮腫改善率(%)c)68.9[84/122]75.7[84/111]-6.8(-18.4、5.1)a)ベースラインで測定値ありの患者を対象に集計b)ベースライン値を共変量とした共分散分析、最小二乗平均値(95%信頼区間)c)ベースラインで所見を有する患者を対象に集計--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、本剤群で149例中45例(30.2%)、トルバプタン群で145例中44例(30.3%)であった。主な副作用は、本剤群では口渇13例(8.7%)、脱水10例(6.7%)、高ナトリウム血症4例(2.7%)及び口内乾燥4例(2.7%)、トルバプタン群で口渇15例(10.3%)、口内乾燥8例(5.5%)、脱水6例(4.1%)、高ナトリウム血症3例(2.1%)及び便秘3例(2.1%)であった。[8.8参照]17.1.2国内第III相試験他の利尿薬を投与しても体液貯留が認められる経口摂取が困難なうっ血性心不全患者45例を対象とした非盲検試験において、開始用量として本剤8mgを1日1回静脈内投与し、効果不十分な場合には16mgに増量した。投与期間は最長5日間とし、うっ血性所見がすべて消失し、体液貯留のさらなる改善が必要ない場合や経口摂取のみで体液管理が可能となった場合には投与終了とした。最終投与時にベースラインと比較して体重が減少し、心性浮腫に伴う所見(頚静脈怒張、下肢浮腫)が改善した(表17‐3)。表17‐3最終投与時の体重のベースラインからの変化量及び心性浮腫に伴う所見の変化--------------------------表開始--------------------------本剤群[例数]体重変化量(kg)-3.01±2.57a)[44]頚静脈怒張変化量(cm)b)-4.06±2.36a)[19]下肢浮腫改善率(%)c)73.7[28/38]最終投与時の用量:8mg(38例)、16mg(7例)。増量後の減量例なし。投与期間:1日間13例、2日間18例、3日間6例、4日間1例、5日間7例a)平均値±標準偏差b)ベースラインで測定値ありの患者を対象に集計c)ベースラインで所見を有する患者を対象に集計--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、45例中6例(13.3%)であった。副作用は、口内乾燥2例(4.4%)、心室性頻脈、悪心、高カルシウム血症、高ナトリウム血症及び腎機能障害が各1例(2.2%)であった。[7.5、8.8参照]