1.
抗精神病薬の多剤併用は50年間でどのように変化したのか
2024/12/27 医療一般
抗精神病薬の多剤併用は50年間でどのように変化したのか
https://www.carenet.com/news/general/carenet/59875
一般名 | ミルタザピン錠 |
---|---|
YJコード | 1179051F1096 |
剤型・規格 | 錠剤・15mg1錠 |
薬価 | 28.90円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
|
1.
抗精神病薬の多剤併用は50年間でどのように変化したのか
2024/12/27 医療一般
抗精神病薬の多剤併用は50年間でどのように変化したのか
https://www.carenet.com/news/general/carenet/59875
2.
口の中でグミを細かくできないと要介護や死亡のリスクが高い―島根でのコホート研究
2024/12/24 医療一般 日本発エビデンス
口の中でグミを細かくできないと要介護や死亡のリスクが高い―島根でのコホート研究
https://www.carenet.com/news/general/hdnj/59793
3.
38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か
2024/12/23 医療一般
38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か
https://www.carenet.com/news/general/carenet/59871
4.
統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化
2024/12/20 医療一般
統合失調症発症後20年間における抗精神病薬使用の変化
https://www.carenet.com/news/general/carenet/59823
5.
映画「ミスト」 ドラマ「ザ・ミスト」(後編・その2)【なんで統合失調症は「ある」の?(統合失調症の機能)】Part 1
2024/12/19 シネマセラピー
映画「ミスト」 ドラマ「ザ・ミスト」(後編・その2)【なんで統合失調症は「ある」の?(統合失調症の機能)】Part 1
https://www.carenet.com/report/series/psychiatry/cinema/cg004883_162_01.html
うつ病・うつ状態。(効能又は効果に関連する注意)5.1.抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること〔8.1-8.4、9.1.1、9.1.2、15.1.1参照〕。5.2.本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること〔9.7.1、9.7.2参照〕。
通常、成人にはミルタザピンとして1日15mgを初期用量とし、15~30mgを1日1回就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状に応じ1日45mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行うこと。(用法及び用量に関連する注意)本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら投与すること。
(禁忌)2.1.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。2.2.MAO阻害剤投与中あるいは投与中止後2週間以内(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)の患者〔10.1、11.1.1参照〕。(重要な基本的注意)8.1.うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること〔5.1、8.2-8.4、9.1.1、9.1.2、15.1.1参照〕。8.2.不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されているので、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、不安増悪、焦燥増悪、興奮増悪、パニック発作増悪、不眠増悪、易刺激性増悪、敵意増悪、攻撃性増悪、衝動性増悪、アカシジア増悪/精神運動不穏増悪、軽躁増悪、躁病増悪等が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと〔5.1、8.1、8.3、8.4、9.1.1-9.1.4、15.1.1参照〕。8.3.自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること〔5.1、8.1、8.2、8.4、9.1.1、9.1.2、15.1.1参照〕。8.4.家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること〔5.1、8.1-8.3、9.1.1-9.1.4、15.1.1参照〕。8.5.眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること〔15.1.3、15.2参照〕。8.6.投与中止(突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯覚感、頭痛及び悪心等があらわれることが報告されているので、投与を中止する場合には、突然の中止を避ける(患者の状態を観察しながら徐々に減量すること)。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者:自殺念慮、自殺企図があらわれることがある〔5.1、8.1-8.4、9.1.2、15.1.1参照〕。9.1.2.躁うつ病患者:躁転、自殺企図があらわれることがある〔5.1、8.1-8.4、9.1.1、15.1.1参照〕。9.1.3.脳器質的障害又は統合失調症素因のある患者:精神症状を増悪させることがある〔8.2、8.4、9.1.4参照〕。9.1.4.衝動性が高い併存障害を有する患者:精神症状を増悪させることがある〔8.2、8.4、9.1.3参照〕。9.1.5.てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣発作を起こすことがある。9.1.6.心疾患(心筋梗塞、狭心症、伝導障害等)又は低血圧のある患者:症状を悪化させるおそれがある。9.1.7.QT延長又はその既往歴のある患者、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者:QT延長、心室頻拍(torsadesdepointesを含む)を起こすおそれがある〔10.2、11.1.7参照〕。9.1.8.緑内障又は眼内圧亢進のある患者:症状を悪化させるおそれがある(本剤はノルアドレナリン放出を促進する)。9.1.9.排尿困難のある患者:症状を悪化させるおそれがある(本剤はノルアドレナリン放出を促進する)。(腎機能障害患者)腎機能障害患者:本剤のクリアランスが低下する可能性がある〔16.6.1参照〕。(肝機能障害患者)肝機能障害患者:肝機能障害を悪化させるおそれがある(また、本剤のクリアランスが低下する可能性がある)〔11.1.4、16.6.2参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠及び授乳期のラットに100mg/kg/日を経口投与(ヒトに45mgを投与したときの全身曝露量(AUC)の約2倍に相当)すると、着床後死亡率上昇、出生仔体重増加抑制及び出生仔死亡率増加が観察された)。(授乳婦)治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続若しくは中止又は本剤投与の継続若しくは中止を検討すること(動物及びヒトで乳汁中に移行することが報告されている)。(小児等)9.7.1.小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない〔5.2参照〕。9.7.2.海外で実施された7~17歳の大うつ病性障害(DSM-4*における分類)患者を対象としたプラセボ対照の臨床試験において有効性が確認できなかったとの報告がある〔5.2参照〕。*)DSM-4:AmericanPsychiatricAssociation(米国精神医学会)のDiagnosticandStatisticalManualofMentalDisorders,4thedition(DSM-4精神疾患の診断・統計マニュアル)。(高齢者)患者の状態を十分に観察しながら、慎重に投与すること(血中濃度が上昇するおそれがある)〔16.6.3参照〕。(相互作用)本剤は主として肝代謝酵素CYP1A2、CYP2D6及びCYP3A4により代謝される〔16.4参照〕。10.1.併用禁忌:MAO阻害剤<リネゾリド・メチルチオニニウム塩化物水和物以外>(セレギリン塩酸塩<エフピー>、ラサギリンメシル酸塩<アジレクト>、サフィナミドメシル酸塩<エクフィナ>)〔2.2、11.1.1参照〕[セロトニン症候群があらわれることがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者に投与しないこと(また、本剤投与後MAO阻害剤に切り替える場合は、2週間以上の間隔をあけること)(脳内ノルアドレナリン、セロトニンの神経伝達が高まると考えられる)]。10.2.併用注意:1).CYP3A4阻害剤:①.CYP3A4阻害剤(HIVプロテアーゼ阻害剤、アゾール系抗真菌薬(ケトコナゾール等)、エリスロマイシン等)〔16.7.1参照〕[本剤の作用を増強するおそれがある(CYP3A4の阻害作用により、本剤の血漿中濃度が増大する可能性がある)]。②.CYP3A4阻害剤(HIVプロテアーゼ阻害剤、アゾール系抗真菌薬(ケトコナゾール等)、エリスロマイシン等)〔16.7.1参照〕[これらの薬剤の投与中止後、本剤の作用が減弱するおそれがある(CYP3A4の阻害作用により、本剤の血漿中濃度が増大する可能性がある)]。2).CYP3A4誘導剤:①.CYP3A4誘導剤(カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン等)〔16.7.2、16.7.3参照〕[本剤の作用が減弱するおそれがある(CYP3A4の誘導作用により、本剤の血漿中濃度が減少する可能性がある)]。②.CYP3A4誘導剤(カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン等)〔16.7.2、16.7.3参照〕[これら薬剤の併用を中止する場合、本剤の作用が増強される可能性がある(CYP3A4の誘導作用により、本剤の血漿中濃度が減少する可能性がある)]。3).シメチジン〔16.7.4参照〕[本剤の作用を増強するおそれがある(複数のCYP分子種(CYP1A2、CYP2D6及びCYP3A4等)の阻害作用により本剤の血漿中濃度が増大する可能性がある)]。4).鎮静剤(ベンゾジアゼピン系薬剤等(ジアゼパム))〔16.7.5参照〕[鎮静作用が増強されるおそれがある(相加的な鎮静作用を示すことが考えられる)。また、ジアゼパムとの併用により精神運動機能及び学習獲得能力が減退するとの報告がある(相加的な鎮静作用を示すことが考えられる)]。5).アルコール(飲酒)〔16.7.6参照〕[鎮静作用が増強されるおそれがあるため、本剤服用中は飲酒を避けさせることが望ましい(相加的・相乗的な鎮静作用を示すことが考えられる)]。6).セロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤、L-トリプトファン含有製剤、トリプタン系薬剤、トラマドール塩酸塩、リネゾリド、メチルチオニニウム塩化物水和物<メチレンブルー>、炭酸リチウム等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’sWort)〔11.1.1、16.7.7、16.7.8参照〕[セロトニン症候群等が生じるおそれがあるので、注意して投与すること(セロトニン作用が増強するおそれがある)]。7).ワルファリンカリウム〔16.7.9参照〕[プロトロンビン時間が増加するおそれがあるので、プロトロンビン時間の国際標準比(INR)をモニターすることが望ましい(機序不明)]。8).QT延長を起こすことが知られている薬剤〔9.1.7、11.1.7参照〕[QT延長、心室頻拍<torsadesdepointesを含む>を起こすおそれがある(併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある)]。(過量投与)13.1.症状過量投与時、主な症状として頻脈、高血圧又は低血圧を伴う見当識障害及び鎮静作用等の中枢神経系抑制が報告されている。13.2.処置過量投与時には、特異的な解毒剤はないので、必要に応じて、活性炭投与等の適切な処置を行うこと。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(その他の注意)15.1.臨床使用に基づく情報15.1.1.海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した〔5.1、8.1-8.4、9.1.1、9.1.2参照〕。15.1.2.主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。15.1.3.健康成人において、深睡眠が増加し、入眠までの時間が短縮したとの報告がある〔8.5参照〕。15.2.非臨床試験に基づく情報ラットを用いた睡眠・覚醒行動試験において、深睡眠が増加したとの報告がある〔8.5参照〕。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.セロトニン症候群(頻度不明):不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクローヌス、自律神経不安定等があらわれることがあり、セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること〔2.2、10.1、10.2、16.7.7、16.7.8参照〕、異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。11.1.2.無顆粒球症、好中球減少症(いずれも頻度不明):感染症の兆候がみられた場合など、必要に応じて血液検査を行うこと。11.1.3.痙攣(頻度不明)。11.1.4.肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔9.3肝機能障害患者の項参照〕。11.1.5.抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。11.1.6.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑(いずれも頻度不明)。11.1.7.QT延長、心室頻拍(いずれも頻度不明)〔9.1.7、10.2参照〕。11.2.その他の副作用1).全身症状:(5%以上)体重増加、倦怠感(15.2%)、(1~5%未満)異常感、末梢性浮腫、(1%未満)胸痛、易刺激性、浮腫、末梢冷感、体重減少、(頻度不明)疲労。2).内分泌:(頻度不明)高プロラクチン血症、乳汁漏出症、女性化乳房。3).精神神経系:(5%以上)傾眠(50.0%)、浮動性めまい、頭痛、(1~5%未満)体位性めまい、感覚鈍麻、振戦、不眠症、構語障害、(1%未満)注意力障害、アカシジア、痙攣、悪夢、鎮静、錯感覚、下肢静止不能症候群、異常な夢、不安、軽躁、躁病、(頻度不明)激越、錯乱、運動過多、ミオクローヌス、失神、幻覚、精神運動不穏(運動過剰症)、嗜眠、口の錯感覚、せん妄、攻撃性、健忘。4).消化器:(5%以上)便秘(12.7%)、口渇(20.6%)、(1~5%未満)上腹部痛、下痢、悪心、胃不快感、嘔吐、腹部膨満、(1%未満)腹痛、口内乾燥、おくび、口の感覚鈍麻、(頻度不明)口腔浮腫、唾液分泌亢進。5).循環器:(1~5%未満)動悸、血圧上昇、(1%未満)心拍数増加、(頻度不明)起立性低血圧、低血圧。6).呼吸器:(1%未満)しゃっくり。7).血液:(1%未満)ヘモグロビン減少、白血球減少、白血球増多、好酸球増多、好中球増多、リンパ球減少、(頻度不明)再生不良性貧血、顆粒球減少、血小板減少症。8).皮膚:(1%未満)紅斑、多汗症、皮膚そう痒症、発疹、(頻度不明)皮膚水疱。9).感覚器:(1%未満)視調節障害、眼瞼浮腫、視覚障害。10).肝臓:(5%以上)AST上昇、ALT上昇(12.4%)、γ-GTP上昇、(1~5%未満)Al-P上昇、(1%未満)LDH上昇、ビリルビン上昇。11).泌尿器:(1~5%未満)頻尿、(1%未満)尿糖陽性、尿蛋白陽性、(頻度不明)尿閉、排尿困難。12).生殖器:(1%未満)不正子宮出血、(頻度不明)持続勃起症。13).骨格筋・結合組織:(1~5%未満)関節痛、(1%未満)筋肉痛、筋力低下、背部痛、四肢不快感、(頻度不明)CK上昇。14).その他:(1~5%未満)過食、食欲亢進、コレステロール上昇、(1%未満)食欲不振。
18.1作用機序ミルタザピンは中枢のシナプス前α2アドレナリン自己受容体及びヘテロ受容体に対して拮抗作用を示し、中枢のセロトニン及びノルアドレナリンの両方の神経伝達を増強する。ミルタザピンは5‐HT2及び5‐HT3受容体を阻害するため、セロトニンの神経伝達増大により主に5‐HT1受容体が活性化される。ミルタザピンのS(+)鏡像異性体はα2受容体と5‐HT2受容体を主に阻害し、R(-)鏡像異性体は5‐HT3受容体を主に阻害する。N‐脱メチル代謝物はラット脳で唯一検出された代謝物で、α2受容体及び5‐HT2受容体への親和性はミルタザピンと同程度であった。18.2抗うつ作用18.2.1隔離飼育されたマウスの攻撃行動を抑制した。18.2.2ラットを用いたDRL72オペラント行動薬理試験において強化獲得率を上昇させた。18.2.3反復投与で嗅球摘出ラットの運動量亢進を抑制した。18.2.4反復投与でラットを用いた強制水泳試験における不動時間を短縮させた。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1国内第II相プラセボ対照比較試験うつ病患者を対象とした6週間の無作為化二重盲検比較試験を実施した。すべてのミルタザピン投与群で初期用量は15mg/日とし、30mg/日群及び45mg/日群は2週目に30mgへ強制増量、45mg/日群は3週目に45mgへ強制増量し、各群共に増量後は用量を維持した。ミルタザピン15mg/日群及び30mg/日群の、投与終了(中止)時のHAM‐D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量(LOCF)はプラセボ群に比較して有意に大きかった。なお、ミルタザピン45mg/日群での効果は、30mg/日群を上回るものではなかった。表1HAM‐D合計スコア(17項目)の投与終了(中止)時の変化量(LOCF)--------------------------表開始--------------------------投与群nHAM‐D変化量1)差2)プラセボ群70-10.4(7.5)-15mg/日群65-13.3(6.8)*-2.8(-5.3~-0.4)30mg/日群66-13.8(6.9)*-3.4(-5.8~-1.0)45mg/日群69-11.9(7.6)-1.6(-4.2~0.9)1)Mean(S.D.)、*:p<0.05プラセボ群に対して有意差あり(ANCOVA)2)プラセボ群に対する最小2乗平均の差の推定値及びその95%信頼区間--------------------------表終了--------------------------図HAM‐D合計スコア(17項目)変化量の推移(LOCF)<<図省略>>副作用発現頻度は、ミルタザピン15mg/日群で85.5%(59/69例)、30mg/日群で80.0%(56/70例)、45mg/日群で80.3%(57/71例)及びプラセボ群で67.1%(47/70例)であった。最も多かった副作用は傾眠で、ミルタザピン15mg/日群で44.9%(31/69例)、30mg/日群で54.3%(38/70例)、45mg/日群で42.3%(30/71例)及びプラセボ群で30.0%(21/70例)であった。17.1.2国内第III相フルボキサミン対照比較試験うつ病患者を対象とした6週間の無作為化二重盲検比較試験において、ミルタザピン投与群(15~45mg/日)の投与終了(中止)時におけるHAM‐D合計スコア(17項目)の投与開始前からの変化量(LOCF)は-13.8±7.3(n=95)であった。一方、フルボキサミンマレイン酸塩群(50~150mg/日)では-11.7±8.1(n=98)であり、変化量の差とその95%信頼区間は-2.20(-4.35~-0.04)であった(p=0.0462)。副作用発現頻度は、ミルタザピン投与群で78.1%(75/96例)及びフルボキサミンマレイン酸塩群で68.4%(67/98例)であった。最も多かった副作用は傾眠で、ミルタザピン投与群で43.8%(42/96例)及びフルボキサミンマレイン酸塩群で21.4%(21/98例)であった。17.1.3国内第II相長期投与試験うつ病患者を対象とした52週間投与(15~45mg/日)により、HAM‐D合計スコア(17項目)は、投与開始前の10.2±6.5(n=107)から投与開始6週では、6.9±5.1となった(OC)。投与6週後以降、投与52週後(4.0±5.2)まで7未満で安定して推移し、ミルタザピンの長期投与での効果が確認された。表2HAM‐D合計スコア(17項目)(OC)--------------------------表開始--------------------------観察時点投与開始前投与6週後投与12週後投与24週後投与52週後n107100978371HAM‐D合計スコア1)10.2(6.5)6.9(5.1)5.7(4.9)4.1(4.1)4.0(5.2)1)Mean(S.D.)--------------------------表終了--------------------------副作用発現頻度は、79.8%(87/109例)であった。最も多かった副作用は傾眠42.2%(46/109例)であった。