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オピオイド使用障害、治療中止リスクが低い薬剤は?/JAMA
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一般名 | フェンタニルクエン酸塩バッカル(2) |
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YJコード | 8219001K7026 |
剤型・規格 | 錠剤・200μg1錠 |
薬価 | 863.20円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における突出痛の鎮痛。(効能又は効果に関連する注意)5.1.本剤は、他のオピオイド鎮痛剤が一定期間投与され忍容性が確認された患者で、かつ強オピオイド鎮痛剤(モルヒネ製剤、オキシコドン製剤及びフェンタニル製剤)の定時投与により持続性疼痛が適切に管理されている癌患者における突出痛(一時的に現れる強い痛み)に対してのみ投与すること。5.2.定時投与されている強オピオイド鎮痛剤が低用量の患者(定時投与されているモルヒネ経口剤30mg/日未満又はモルヒネ経口剤30mg/日未満と同等の鎮痛効果を示す用量の他のオピオイド鎮痛剤を定時投与中の患者)における本剤の使用経験は限られているため、本剤の必要性を慎重に検討した上で、副作用の発現に十分注意すること。
通常、成人には1回の突出痛に対して、フェンタニルとして50又は100μgを開始用量とし、上顎臼歯の歯茎と頬の間で溶解させる。用量調節期に、症状に応じて、フェンタニルとして1回50、100、200、400、600、800μgの順に一段階ずつ適宜調節し、至適用量を決定する。なお、用量調節期に1回の突出痛に対してフェンタニルとして1回50~600μgのいずれかの用量で十分な鎮痛効果が得られない場合には、投与から30分後以降に同一用量までの本剤を1回のみ追加投与できる。至適用量決定後の維持期には、1回の突出痛に対して至適用量を1回投与することとし、1回用量の上限はフェンタニルとして800μgとする。ただし、用量調節期の追加投与を除き、前回の投与から4時間以上の投与間隔をあけ、1日当たり4回以下の突出痛に対する投与にとどめること。(用法及び用量に関連する注意)7.1.処方時7.1.1.突出痛の回数や受診可能な頻度等を考慮して、必要最小限の錠数を処方すること。7.1.2.誤用防止のため、含量の異なる本剤を同時に処方しないこと。7.2.開始用量7.2.1.定時投与中の強オピオイド鎮痛剤としてモルヒネ経口剤30mg/日以上60mg/日未満又はモルヒネ経口剤30mg/日以上60mg/日未満と同等の鎮痛効果を示す用量の他の強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の患者では、1回の突出痛に対してフェンタニルとして50μgから投与を開始することが望ましい。7.2.2.すべての患者において開始用量は1回の突出痛に対してフェンタニルとして50又は100μgであり、他のフェンタニル速放性製剤から本剤に変更する場合でも、必ずフェンタニルとして1回50又は100μgから投与を開始すること(フェンタニルの含量が同じであっても本剤と吸収が異なるため)。7.3.用量調節と維持7.3.1.1回の突出痛に対して1回の本剤投与で十分な鎮痛効果が得られるよう、一段階ずつ漸増して、患者毎に用量調節を行うこと。7.3.2.1回の突出痛に対して本剤の追加投与を必要とする状態が複数回続く場合には、本剤の1回用量の増量を検討すること。7.3.3.1回あたりの投与錠数は4錠(左右の上顎臼歯の歯茎と頬との間に2錠ずつ)までとする(また、用量調節後は同じ含量の規格に切り替えて1回1錠を投与することが望ましい)。7.3.4.定時投与中のオピオイド鎮痛剤を増量する場合や種類を変更する場合には、副作用に十分注意し、必要に応じて本剤の減量を考慮すること。7.3.5.1回の突出痛に対してフェンタニルとして1回800μgで十分な鎮痛効果が得られない場合には、他の治療法への変更を考慮すること。7.3.6.1日に4回を超える突出痛の発現が続く場合には、定時投与中の強オピオイド鎮痛剤の増量を検討すること。
(警告)小児が誤って口に入れた場合、過量投与となり死に至るおそれがあることを患者等に説明し、必ず本剤を小児の手の届かないところに保管するよう指導すること〔14.1.9参照〕。(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症のある患者。2.2.ナルメフェン塩酸塩水和物投与中又はナルメフェン塩酸塩水和物投与中止後1週間以内の患者〔10.1参照〕。(重要な基本的注意)8.1.本剤をがんにおける突出痛の鎮痛以外の管理に使用しないこと。8.2.本剤の使用開始にあたっては、主な副作用、具体的な使用方法、使用時の注意点、保管方法等を患者等に対して十分に説明し、理解を得た上で使用を開始すること。特に呼吸抑制、意識障害等の症状がみられた場合には速やかに主治医に連絡するよう指導すること〔14.1.4参照〕。8.3.本剤を増量する場合には、副作用に十分注意すること。8.4.連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至る可能性があるので、これらを防止するため観察を十分に行うこと〔9.1.6、11.1.1参照〕。8.5.眠気、めまいが起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。8.6.本剤を投与する場合には、便秘に対する対策として緩下剤の併用、嘔気・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、また、鎮痛効果が得られている患者で通常とは異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性を念頭において本剤の減量を考慮するなど、本剤投与時の副作用に十分注意すること。8.7.口内炎、口腔内出血、口腔粘膜欠損等の症状がみられた場合には、本剤の血中濃度が高くなり、副作用があらわれやすくなるおそれがあるので、速やかに医師又は薬剤師に相談するよう患者等に指導すること〔9.1.5参照〕。8.8.本剤の医療目的外使用を防止するため、適切な処方を行い、保管に留意するとともに、患者等に対して適切な指導を行うこと〔14.1.5参照〕。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者:呼吸抑制を増強するおそれがある〔11.1.2参照〕。9.1.2.喘息患者:気管支収縮を起こすおそれがある。9.1.3.徐脈性不整脈のある患者:徐脈を助長させるおそれがある。9.1.4.頭蓋内圧亢進、意識障害・昏睡、脳腫瘍等の脳器質的障害のある患者:呼吸抑制を起こすおそれがある〔11.1.2参照〕。9.1.5.口内炎、口腔内出血、口腔粘膜欠損のある患者:血中濃度が上昇し、副作用があらわれやすくなるおそれがある〔8.7参照〕。9.1.6.薬物依存の既往歴がある患者:依存性を生じやすい〔8.4、11.1.1参照〕。(腎機能障害患者)腎機能障害患者:排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある〔16.2.4参照〕。(肝機能障害患者)肝機能障害患者:代謝が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある〔16.2.3参照〕。(妊婦)妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。フェンタニルクエン酸塩注射液において、分娩時の投与により新生児に呼吸抑制、フェンタニルクエン酸塩注射液において、分娩時を含む妊娠中の投与により胎児に徐脈があらわれたとの報告がある。妊娠中の本剤投与により、新生児に退薬症候がみられることがあり、動物実験(ラット静脈内投与試験)で胎仔死亡が報告されている。(授乳婦)授乳を避けさせること(ヒトで母乳中へ移行することが報告されている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高く、フェンタニルのクリアランスが低下し、血中濃度半減期の延長が認められる)。(相互作用)本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される〔16.4参照〕。10.1.併用禁忌:ナルメフェン塩酸塩水和物<セリンクロ>〔2.2参照〕[ナルメフェン塩酸塩水和物は本剤の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な用量が通常用量より多くなるおそれがあり、また、退薬症候を起こすおそれがある(ナルメフェン塩酸塩水和物はμ受容体のアンタゴニストであり、μ受容体のアゴニストである本剤に対して、競合的に阻害する)]。10.2.併用注意:1).中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、ベンゾジアゼピン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等)、全身麻酔剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、三環系抗うつ剤、骨格筋弛緩剤、鎮静性抗ヒスタミン剤、アルコール、オピオイド系薬剤[呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがあるので、減量するなど慎重に投与すること(相加的に中枢神経抑制作用が増強する)]。2).セロトニン作用薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤<SSRI>、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤<SNRI>、モノアミン酸化酵素阻害剤等)[セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれるおそれがある(相加的にセロトニン作用が増強するおそれがある)]。3).CYP3A4を阻害する薬剤(リトナビル、イトラコナゾール、アミオダロン、クラリスロマイシン、ジルチアゼム塩酸塩、フルボキサミン等)[本剤の血中濃度を上昇させるおそれがある(肝代謝酵素CYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。4).グレープフルーツジュース[本剤の血中濃度を上昇させるおそれがある(グレープフルーツジュースに含まれる成分によって代謝酵素CYP3A4による本剤の代謝が阻害される)]。5).CYP3A4を誘導する薬剤:①.CYP3A4を誘導する薬剤(リファンピシン、フェニトイン等)[本剤の血中濃度を低下させるおそれがある(肝代謝酵素CYP3A4が誘導されることにより、本剤の代謝が促進される)]。②.CYP3A4を誘導する薬剤(リファンピシン、フェニトイン等)[CYP3A4誘導剤を中止又は減量する場合は、本剤の効果が増強する可能性があるため、本剤の用量を適宜調節すること(肝代謝酵素CYP3A4が誘導されることにより、本剤の代謝が促進される)]。6).キニジン[本剤の血中濃度を上昇させるおそれがある(小腸のトランスポーターに対する阻害作用により、本剤の吸収に影響する)]。(過量投与)13.1.症状過量投与時、薬理作用の増強により重篤な換気低下を示す。また、フェンタニルの過量投与により白質脳症が認められている。13.2.処置13.2.1.過量投与時、換気低下が起きたら、本剤使用中の場合は直ちに本剤を口腔内から取り出すようにし、患者をゆり動かしたり、話しかけたりして目をさまさせておく。13.2.2.過量投与時、麻薬拮抗剤(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン酒石酸塩等)の投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する(なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間は本剤の作用時間より短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて、初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する)。13.2.3.過量投与時、臨床的に処置可能な状況であれば、患者の気道を確保し、酸素吸入し、呼吸を補助又は管理する(必要があれば咽頭エアウェイ又は気管内チューブを使用する)、これらにより、適切な呼吸管理を行う。13.2.4.過量投与時、適切な体温の維持と水分摂取を行う。13.2.5.過量投与時、重度かつ持続的低血圧が続けば、循環血液量減少の可能性があるため、適切な輸液療法を行う。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意14.1.1.強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の患者で、かつオピオイド鎮痛剤に忍容性のある患者であることを確認した上で本剤を交付すること。14.1.2.誤用防止のため、含量の異なる本剤を同時に交付しないこと。14.1.3.誤用防止のため、本剤の使用を中止した場合、用量調節後に使用しなくなった含量の薬剤がある場合、又は本剤開始により使用しなくなった他のフェンタニル速放性製剤がある場合には、未使用製剤を病院又は薬局へ返却するよう患者等に指導すること。14.1.4.本剤の使用開始にあたっては、患者等に対して具体的な使用方法、使用時の注意点、保管方法等を患者向けの説明書を用いるなどの方法によって十分に説明すること〔8.2参照〕。14.1.5.本剤を指示された目的以外に使用してはならないことを患者等に指導すること〔8.8参照〕。14.1.6.本剤を他人へ譲渡してはならないことを患者等に指導すること。14.1.7.ブリスターシートから錠剤を取り出して使用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。14.1.8.ブリスターシートから錠剤を取り出す際には、凸部分がない面のシートを剥がして取り出す(錠剤が割れることがあるので、押し出さない)。14.1.9.本剤を小児の手の届かない、高温にならない所に保管するよう患者等に指導すること〔1.警告の項参照〕。14.2.薬剤使用時の注意14.2.1.口内乾燥が認められる患者では、必要に応じて少量の水で口内を湿らせた後に本剤を使用してもよい。14.2.2.本剤は吸湿性を有するため、ブリスターシートは必ず使用直前に開封すること。14.2.3.本剤は口腔粘膜から吸収させる製剤であるため、本剤を割ったり、噛んだり、舐めたりせずに使用する(口腔粘膜からの吸収が低下し、バイオアベイラビリティが低下する可能性がある)、また、割れている場合も使用しないこと。14.2.4.本剤が溶けるまで、上顎臼歯の歯茎と頬との間に置いておく(また、30分経っても本剤の一部が口腔内に残っている場合、水等で嚥下してもよい)。14.2.5.本剤を連続して使用する場合は、口腔内の影響を考慮し、左右の上顎臼歯の歯茎と頬との間を交互に使用することを推奨する。14.3.薬剤使用後の注意14.3.1.途中で口腔内から出してしまった場合、残った薬剤は決して放置せず、多量の流水で溶かすなどにより、安全に処分するよう指導すること。(保険給付上の注意)本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回14日分を限度として投薬する。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.依存性(頻度不明):連用により薬物依存を生じることがある。連用中に投与量の急激な減量又は中止により退薬症候があらわれることがある。また、乱用や誤用により過量投与や死亡に至る可能性があるので、これらを防止するため観察を十分に行うこと〔8.4、9.1.6参照〕。11.1.2.呼吸抑制(頻度不明):無呼吸、呼吸困難、呼吸異常、呼吸緩慢、不規則呼吸、換気低下等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと(なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン酒石酸塩等)が有効である)〔9.1.1、9.1.4参照〕。11.1.3.意識障害(頻度不明):意識レベル低下、意識消失等の意識障害があらわれることがある。11.1.4.ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。11.1.5.痙攣(頻度不明)。11.2.その他の副作用1).血液:(1~5%未満)貧血。2).循環器:(1%未満)徐脈、上室性期外収縮、心室性期外収縮、低血圧。3).呼吸器:(1~5%未満)呼吸数減少、(1%未満)低酸素症、(頻度不明)睡眠時無呼吸症候群。4).精神神経系:(5%以上)眠気・傾眠、めまい、(1%未満)頭痛、せん妄、多幸気分、幻覚、(頻度不明)錯乱状態、鎮静、精神状態変化、うつ病、不安。5).消化器:(5%以上)悪心、嘔吐、(1~5%未満)便秘、口内炎、口内乾燥、(1%未満)口唇炎、下痢、(頻度不明)適用部位出血・適用部位疼痛・適用部位潰瘍・適用部位刺激感・適用部位錯感覚・適用部位感覚消失・適用部位紅斑・適用部位浮腫・適用部位腫脹・適用部位小水疱を含む適用部位反応、腹痛、イレウス、胃食道逆流疾患、味覚異常。6).肝臓:(1~5%未満)血中ビリルビン増加、γ-GTP増加、(1%未満)ALT増加(GPT増加)、AST増加(GOT増加)、Al-P増加、(頻度不明)胆管拡張。7).泌尿器:(1~5%未満)排尿困難、(頻度不明)尿閉。8).皮膚:(1~5%未満)紅斑、皮膚そう痒症、(1%未満)皮膚乾燥、(頻度不明)多汗症。9).眼:(1%未満)目異常感、(頻度不明)霧視。10).その他:(1~5%未満)倦怠感、血中ブドウ糖増加、尿中ブドウ糖陽性、尿中蛋白陽性、尿中ウロビリノーゲン増加、(1%未満)発熱、口渇、ほてり、灼熱感、血中カルシウム減少、血中カリウム減少、血中尿酸増加、血中アルブミン減少、(頻度不明)性腺機能低下、末梢性浮腫、無力症、体重減少、食欲不振。
18.1作用機序チャイニーズハムスター卵巣細胞に発現させた各オピオイド受容体結合試験の結果、フェンタニルはμオピオイド受容体に対してδオピオイド受容体及びκオピオイド受容体に比べ120~220倍高い親和性が示されていることから、μオピオイド受容体を介して鎮痛作用を示すものと考えられている。18.2薬理作用18.2.1マウスにおけるテールクランプ試験で、フェンタニルの鎮痛作用(ED50=80μg/kg、皮下投与)は、投与後4分以内に発現、10~15分で最大に達し、45分後には消失するのに対し、モルヒネ(ED50=15mg/kg、皮下投与)は投与後15分以内に発現、45分で最大に達した。フェンタニルの作用は、モルヒネよりも速く発現し、持続時間は短い。18.2.2ラットにおけるテールプレッシャー試験(ED50=20μg/kg、皮下投与)及びブラジキニン誘発疼痛試験(ED50=8μg/kg、皮下投与)でフェンタニルの用量依存的な鎮痛作用が報告されている。18.2.3ウサギを用いて歯髄刺激による体性感覚野誘発電位を指標に鎮痛作用を検討したところ、本剤の口腔粘膜投与において用量依存的な鎮痛作用を示した。
17.1有効性及び安全性に関する試験17.1.1日本人がん疼痛患者を対象とした臨床第III相比較試験対象患者:定時投与オピオイド薬(経口モルヒネ換算で30mg/日以上1,000mg/日未満相当量)が1週間以上投与され、オピオイド鎮痛剤によりコントロールされている突出痛を1日1~4回有し、患者日誌の記載及び痛みの評価が実施可能な日本人がん疼痛患者投与方法:定時投与オピオイド薬として、経口モルヒネ換算で30mg/日以上60mg/日未満相当量のオピオイド鎮痛剤を使用している患者では本剤50μg、経口モルヒネ換算で60mg/日以上1,000mg/日以下相当量のオピオイド鎮痛剤を使用している患者では本剤100μgを開始用量とし、800μgを上限として用量漸増を行い、十分な除痛が得られ、耐えられない副作用がない用量を患者個々に決定した(用量漸増期間)。その後決定した用量の実薬6錠とプラセボ3錠を盲検下にて投与した(二重盲検期間)。結果:投与後30分の疼痛強度変化量(主要評価項目)投与後30分の疼痛強度変化量において、本剤はプラセボに対して有意な差を認めた。全試験期間において副作用は41.7%(43/103例)に認められ、期間別では用量漸増期36.9%(38/103例)、二重盲検期19.2%(14/73例)であった。主な事象は傾眠[用量漸増期19.4%(20/103例)、二重盲検期8.2%(6/73例)]、口内炎[用量漸増期4.9%(5/103例)]等であった。投与後30分の疼痛強度変化量--------------------------表開始--------------------------投与群例数平均値±標準偏差最小二乗平均値±標準誤差薬剤間の差(95%信頼区間)a)p値b)本剤722.4±1.02.440±0.1170.401(0.165-0.637)0.001プラセボ722.0±1.12.039±0.144a)最小二乗平均値における本剤とプラセボの差(95%信頼区間)b)個々の突出痛を用いた線形混合効果モデルによる薬剤間の差の検定--------------------------表終了--------------------------なお、臨床第III相比較試験に先行して実施した日本人がん疼痛患者を対象とした比較臨床試験では、主要評価項目である投与後30分の疼痛強度変化量で本剤のプラセボに対する優越性を検証することができなかった。この結果を受けて、臨床第III相比較試験では、患者の適格性を判断する観察期間を本剤投与前に設け、用量漸増期間において適切な本剤の有効用量を決定することを目的に有効用量決定基準を変更し、二重盲検期間における投与回数を6回(実薬4錠、プラセボ2錠)から9回(実薬6錠、プラセボ3錠)に変更した。