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寄り道編(14)狭心症治療薬の歴史【臨床力に差がつく 医薬トリビア】第63回
2024/12/04 臨床力に差がつく 医薬トリビア
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https://www.carenet.com/series/trivia/cg004164_063.html
一般名 | ニフェジピン徐放錠(2) |
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YJコード | 2171014G3022 |
剤型・規格 | 錠剤・10mg1錠 |
薬価 | 8.40円 |
製薬会社 | |
添付文書 |
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冠攣縮性狭心症の特効薬は、ニトロではなく猫です【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第69回
2024/02/21 Dr.中川の論文・見聞・いい気分
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https://www.carenet.com/series/nakagawa/cg002221_069.html
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急性冠症候群へのニトログリセリン、高齢者には有害?
2024/01/23 医療一般 日本発エビデンス
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https://www.carenet.com/news/general/carenet/57872
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パルスフィールドアブレーションは心房細動治療のゲームチェンジャーになりうるか(解説:高月誠司氏)
2023/11/30 CLEAR!ジャーナル四天王
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https://www.carenet.com/news/clear/journal/57560
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習慣的に運動をしていた健康な53歳の男性を襲った心臓発作
2023/08/15 医療一般
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https://www.carenet.com/news/general/hdn/56849
1).高血圧症、腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症。2).狭心症、異型狭心症。
〈高血圧症〉通常、成人にはニフェジピンとして20~40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日10~20mgより投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。なお、1日40mgで効果不十分な場合には、1回40mg1日2回まで増量できる。〈腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症〉通常、成人にはニフェジピンとして20~40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日10~20mgより投与を開始し、必要に応じ漸次増量する。〈狭心症、異型狭心症〉通常、成人にはニフェジピンとして40mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、最高用量は1日1回60mgとする。
(禁忌)2.1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。2.2.心原性ショックの患者[血圧低下により症状が悪化するおそれがある]。(重要な基本的注意)8.1.カルシウム拮抗剤の投与を急に中止したとき、症状が悪化した症例が報告されているので、本剤の休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行うこと。また患者に医師の指示なしに服薬を中止しないように注意すること。8.2.まれに過度の血圧低下を起こし、ショック症状や一過性意識障害、脳梗塞があらわれることがあるので、そのような場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔9.8高齢者の項、11.1.4参照〕。8.3.降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。(特定の背景を有する患者に関する注意)(合併症・既往歴等のある患者)9.1.1.大動脈弁狭窄、僧帽弁狭窄のある患者、肺高血圧のある患者:血管拡張作用により重篤な血行動態の悪化を招くおそれがある。9.1.2.過度に血圧の低い患者:更に血圧が低下するおそれがある。9.1.3.血液透析療法中の循環血液量減少を伴う高血圧患者:過度に血圧が低下するおそれがある。9.1.4.うっ血性心不全(特に高度左室収縮機能障害)のある患者:心不全が悪化するおそれがある。(腎機能障害患者)9.2.1.重篤な腎機能障害のある患者:急速な降圧等により腎機能が悪化するおそれがある〔16.6.1参照〕。(肝機能障害患者)9.3.1.重篤な肝機能障害のある患者:血中濃度が上昇することがあり、また門脈圧が上昇するおそれがある〔16.6.2参照〕。(妊婦)9.5.1.妊婦又は妊娠している可能性のある女性に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験において催奇形性及び胎仔毒性が報告されている)、投与に際しては、最新の関連ガイドライン等を参照しつつ、急激かつ過度の血圧低下とならないよう、長時間作用型製剤の使用を基本とし、剤形毎の特徴を十分理解した上で投与すること。また、母体や胎児及び新生児の状態を十分に観察し、過度の血圧低下や胎児胎盤循環低下等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと(妊婦への投与例において、過度の血圧低下等が報告されている)。9.5.2.硫酸マグネシウム水和物の注射剤を併用する場合には、血圧等を注意深くモニタリングすること〔10.2参照〕。(授乳婦)授乳しないことが望ましい(ヒト母乳中へ移行することが報告されている)。(小児等)小児等を対象とした臨床試験は実施していない。(高齢者)高血圧症の高齢者に使用する場合には低用量(10mg/日)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に過度の降圧は好ましくないとされており、脳梗塞等が起こるおそれがある)。国内で実施された臨床試験において、65歳以上の高齢者での副作用は206例中21例にみられた。75歳以上の高齢者での使用経験は少ないが、臨床検査値異常を含めた副作用発現例は4/19例(21.1%)で、頭痛、めまい、総コレステロール上昇、AST上昇・ALT上昇・LDH上昇が各1例にみられた〔8.2参照〕。(相互作用)本剤は主にチトクロームP-4503A4(CYP3A4)により代謝される。10.2.併用注意:1).他の降圧剤(レセルピン、メチルドパ水和物、プラゾシン塩酸塩等)[相互に血圧低下作用を増強することがあるので、患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下が認められた場合、本剤又は他の降圧剤を減量若しくは中止するなど適切な処置を行う(薬理学的な相加・相乗作用によるものと考えられている)]。2).β遮断剤(アテノロール、アセブトロール塩酸塩、プロプラノロール塩酸塩等)[相互に作用を増強することがあるので、患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下や心不全等の症状が認められた場合、本剤又はβ遮断剤を減量若しくは中止するなど適切な処置を行う(薬理学的な相加・相乗作用によるものと考えられている)]。3).ジゴキシン[ジゴキシンの血中濃度が上昇することがあるので、ジゴキシン中毒症状<悪心・嘔吐・頭痛・視覚異常・不整脈等>が認められた場合、症状に応じジゴキシンの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う(機序は完全には解明されていないが、ジゴキシンの腎及び腎外クリアランスが減少するためと考えられている)]。4).シメチジン[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強されることがあるので、患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下や頻脈等の症状が認められた場合、本剤を減量又はシメチジンの投与を中止するなど適切な処置を行う(シメチジンが肝血流量を低下させ、本剤の肝ミクロソームでの酵素代謝を抑制する一方で、胃酸を低下させ、本剤の吸収を増加させるためと考えられている)]。5).ジルチアゼム[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強されることがあるので、患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量又はジルチアゼムの投与を中止するなど適切な処置を行う(発現機序の詳細は不明であるが、ジルチアゼムが本剤の肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている)]。6).トリアゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、フルコナゾール等)[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強されることがあるので、患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下や浮腫等の症状が認められた場合、本剤を減量又はトリアゾール系抗真菌剤の投与を中止するなど適切な処置を行う(発現機序の詳細は不明であるが、トリアゾール系抗真菌剤が本剤の肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている)]。7).リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン[本剤の有効血中濃度が得られず作用が減弱することがあるので、患者の状態を注意深く観察し、血圧上昇や狭心症発作の悪化等の症状が認められた場合、他剤への変更又はリファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピンの投与を中止するなど適切な処置を行う(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピンにより誘導された肝薬物代謝酵素(チトクロームP-450)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている)]。8).タクロリムス[タクロリムスの血中濃度が上昇することがあるので、患者の状態を注意深く観察し、腎機能障害等の症状が認められた場合、タクロリムスの用量を調節又は本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う(発現機序の詳細は不明であるが、本剤がタクロリムスの肝代謝(チトクロームP-450酵素系)反応を抑制し、クリアランスを低下させるためと考えられている)]。9).シクロスポリン[歯肉肥厚があらわれやすいとの報告があるので、患者の状態を注意深く観察し、歯肉肥厚が認められた場合、本剤又はシクロスポリンの投与を中止するなど適切な処置を行う(発現機序の詳細は不明であるが、両剤の相加的な作用によるものと考えられている)]。10).HIVプロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビル等)[本剤のAUCが上昇することが予想されるので、患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量するなど適切な処置を行う(発現機序の詳細は不明であるが、本剤とこれらの薬剤の肝代謝酵素が同じ(CYP3A4)であるため、競合的に拮抗し、本剤の代謝が阻害される可能性があると考えられている)]。11).キヌプリスチン・ダルホプリスチン[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量するなど適切な処置を行う(キヌプリスチン・ダルホプリスチンが、CYP3A4を阻害し、本剤のクリアランスを低下させるためと考えられている)]。12).硫酸マグネシウム水和物<注射剤>〔9.5.2参照〕[過度の血圧低下や神経筋伝達遮断の増強があらわれることがある(併用により降圧作用や神経筋伝達遮断作用が増強されると考えられている)]。13).グレープフルーツジュース[本剤の血中濃度が上昇し作用が増強されることがあるので、患者の状態を注意深く観察し、過度の血圧低下等の症状が認められた場合、本剤を減量するなど適切な処置を行い、またグレープフルーツジュースとの同時服用をしないように注意する(グレープフルーツジュースに含まれる成分が、CYP3A4を阻害し、本剤のクリアランスを低下させるためと考えられている)]。(過量投与)13.1.症状過量投与に関する情報は少ないが、主要な臨床症状として過度の血圧低下等が引き起こされる可能性がある。また過量投与時、肝機能障害があると症状が遷延することがある。13.2.処置過量投与時、タンパク結合率が高いので、強制利尿、血液透析等は本剤の除去にはそれほど有用ではないと考えられる。(適用上の注意)14.1.薬剤交付時の注意14.1.1.本剤は割ったり、砕いたり、すりつぶしたりしないで、そのままかまずに服用させること(割ったり、かみ砕いたりして服用すると、血中濃度が高くなるので、頭痛、顔面潮紅等の副作用が発現しやすくなる可能性がある)。14.1.2.PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。(保管上の注意)室温保存。
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。11.1.重大な副作用11.1.1.紅皮症(はく脱性皮膚炎)(頻度不明)。11.1.2.無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)。11.1.3.肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。11.1.4.意識障害(頻度不明):血圧低下に伴う一過性意識障害があらわれることがある〔8.2参照〕。11.2.その他の副作用1).肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、LDH上昇、(頻度不明)黄疸。2).腎臓:(0.1~5%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇。3).循環器:(0.1~5%未満)顔面潮紅、熱感、潮紅、動悸、浮腫(下肢浮腫、顔面浮腫等)、頻脈、頻尿、(0.1%未満)のぼせ、血圧低下、起立性低血圧、(頻度不明)胸部痛、発汗、悪寒。4).精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、めまい、倦怠感、不眠、異常感覚、(0.1%未満)振戦、(頻度不明)眠気、脱力感、筋痙攣、四肢しびれ感。5).消化器:(0.1~5%未満)悪心・嘔吐、便秘、下痢、腹部不快感、胸やけ、(0.1%未満)口渇、(頻度不明)上腹部痛、食欲不振、鼓腸。6).過敏症:(0.1~5%未満)発疹、そう痒、(頻度不明)光線過敏症、紫斑、血管浮腫。7).口腔:(0.1~5%未満)歯肉肥厚。8).代謝異常:(0.1~5%未満)高血糖。9).血液:(0.1~5%未満)貧血、(0.1%未満)白血球減少、(頻度不明)血小板減少。10).呼吸器:(頻度不明)呼吸困難、咳嗽、鼻出血、鼻閉。11).その他:(0.1%未満)視力異常(霧視等)、関節痛、(頻度不明)女性化乳房、眼痛、筋肉痛、関節腫脹、勃起不全。
18.1作用機序ニフェジピンは筋の興奮収縮連関物質であるCaの血管平滑筋及び心筋細胞内への流入を抑制して、冠血管を拡張するとともに全末梢血管抵抗を減少させ、抗高血圧作用と心筋酸素需給バランスの改善作用をあらわす。18.1.1全身細動脈の拡張により全末梢血管抵抗を減少させ、安定かつ持続的な降圧作用をあらわす。また左室後負荷を軽減して心機能を改善する。18.1.2冠血管を持続的に拡張して冠循環を増強するとともに側副血行路の発達を促進し、また冠血管攣縮を抑制することにより、心筋虚血部への酸素供給を増加する。18.1.3ATP、CP等高エネルギーリン酸化合物の消費を抑制することにより、心臓のエネルギーバランスを改善し、低酸素状態に対する耐性を高める。18.1.4血管平滑筋の細胞内Ca過負荷による動脈壁へのCa沈着やアテローム性動脈硬化等の抑制並びに持続性高血圧に伴う血管病変の進展を抑制する。18.2血圧に及ぼす作用18.2.1軽・中等症本態性高血圧症患者43例に1回20~40mgを1日1回、8週間経口投与した場合、収縮期及び拡張期血圧は投与前の169/101mmHgより、投与後2週目には149/89mmHg、4週目には143/88mmHg、6週目には144/86mmHg、8週目には141/85mmHgと、有意な降圧が認められている。18.2.2軽・中等症本態性高血圧症患者27例に1回20~40mgを1日1回経口投与した場合、血圧日内変動のパラメータである血圧の日内較差及び標準偏差に影響を及ぼすことなく、24時間にわたり有意な降圧が持続する。18.3心・全身血行動態に及ぼす作用麻酔開胸犬に5μg/kgを静脈内投与した実験では、投与3分後には平均血圧が著明に低下し、左室最大駆出速度の上昇を伴う心拍出量の増加と全末梢血管抵抗の減少がみられる。左室外部仕事及び心拍数は変化せず、また容量血管には有意の影響は認められない。18.4冠循環に及ぼす作用18.4.1麻酔開胸犬に静脈内投与した実験では、総冠血流量を増加させる有効量は1~5μg/kgで、3μg/kgの場合、総冠血流量はほぼ100%増加する。また300μg/kgを経口投与した場合、総冠血流量は投与10分後から増加しはじめ、作用は2時間以上持続する。18.4.2正常成犬に1日60mgを4~5ヵ月間あらかじめ毎日経口投与した実験では、左冠動脈前下行枝の結紮1週間後における摘出心の冠動脈造影から冠動脈間吻合の数、口径の大きさともに有意に発達する。18.5心筋エネルギー代謝及び酸素消費量に及ぼす作用18.5.1麻酔開胸犬に1、3、10μg/kgを静脈内投与した実験では、心拍数はほとんど変化せず、平均動脈圧はそれぞれ10、20、31%低下し、同時に心筋酸素消費量は8、20、30%減少する。18.5.2家兎に2mg/kgを1日2回、4~5日間あらかじめ皮下投与した後の摘出心では、左冠動脈結紮による90分間の虚血時及び虚血後30分間の再灌流時にみられる酸化的リン酸化能の低下と心筋細胞ミトコンドリア内のCa含量の増加が抑制される。また同時に心筋細胞内の高エネルギーリン酸化合物(ATP、CP)が保持される。18.6血管・臓器に及ぼす作用18.6.1高血圧自然発症ラット(生後4週齢)に1日50~150mg/kgを5ヵ月間経口投与した実験では大動脈及び腸間膜動脈壁のCaの異常蓄積(Monckeberg型動脈硬化症)は有意に抑制される。18.6.2Dahl食塩感受性高血圧ラットに8%NaClを負荷し、ニフェジピン300ppmを6週間経口投与した実験では、心臓の肥大及び心、腎、腸間膜の動脈における内膜の肥厚や類線維壊死の発生を抑制するとともに修復する。18.7その他の作用18.7.1血小板麻酔犬に1分間当り4μg/kgを静脈内に持続投与した実験では、両側大腿動脈に挿入したポリテトラフルオロエチレン人工血管での111In標識自家血小板の沈着及び血小板沈着総数は有意に低下する。18.7.2房室伝導麻酔開胸犬に総冠血流量を100%増加する用量の3μg/kgから10μg/kgを静脈内投与した実験では、insitu心臓の房室伝導は抑制されずむしろ軽度促進する。30μg/kgまで増量すると房室伝導時間と房室伝導系の機能不応期はともに延長するが、それぞれ約20、30ミリ秒の延長にとどまり、何ら障害を及ぼさない。
17.1有効性及び安全性に関する試験〈高血圧症、腎実質性高血圧症、腎血管性高血圧症〉17.1.1国内第II相試験及び一般臨床試験(通常用量)軽・中等症本態性高血圧症患者を対象に本剤20~40mg1日1回の漸増法による前期第II相試験2試験、至適用量の検討を主目的とした本剤10~40mg1日1回の漸増法による後期第II相試験(二重盲検比較試験)2試験を実施した。また、腎性高血圧症(腎実質性高血圧症、腎障害を伴う本態性高血圧症、腎血管性高血圧症)を対象とした一般臨床試験1試験、重症高血圧症(本態性高血圧症及び腎実質性高血圧症)を対象とした一般臨床試験1試験を実施した。これら6試験での本態性高血圧症に対する有効率は89.8%(386/430)であった。腎実質性高血圧症に対する有効率は73.0%(27/37)、腎血管性高血圧症に対する有効率は77.8%(7/9)であった。高齢者における有効例は65歳以上で92.0%(127/138)、75歳以上で80%(8/10)であった。臨床検査値異常を含む副作用は506例中71例(14.0%)に認められ、主な副作用は顔面潮紅・顔のほてり28例(5.5%)、頭痛18例(3.6%)、動悸11例(2.2%)、ほてり・熱感10例(2.0%)等であった。17.1.2国内第III相試験(高用量)(1)第III相二重盲検比較試験本剤40mgを1日1回4~6週間投与後に、拡張期血圧が降圧目標に達しなかった本態性高血圧症患者351例を2群に分けて、本剤40mgを1日2回又は1日1回8週間投与したときの収縮期及び拡張期血圧のベースライン(1日2回投与群:148.7/95.3mmHg、1日1回投与群:146.4/95.6mmHg)からの変化量の最小二乗平均値は、1日2回投与群で11.1/7.7mmHgの低下、1日1回投与群で3.7/3.6mmHgの低下であり、両群間に統計学的に有意な差がみられた。40mg1日2回投与群では177例中16例(9.0%)に、40mg1日1回投与群では175例中17例(9.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。40mg1日2回投与群での主な副作用は、頭痛3例(1.7%)、便秘2例(1.1%)等であった。(2)第III相長期継続投与試験第III相二重盲検比較試験を継続して本剤40mgを1日2回通算して52週間投与した長期投与試験の有効解析対象となった119例では、収縮期及び拡張期血圧のベースライン(147.8/96.4mmHg)からの変化量の平均値は、16.8/12.0mmHgの低下を示した。投与開始後52週までに120例中21例(17.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は浮腫7例(5.8%)、貧血2例(1.7%)、Al‐P上昇2例(1.7%)等であった。(3)第III相長期併用投与試験本剤40mgを1日1回とカルシウム拮抗剤以外の降圧剤を2週間併用投与した後に、拡張期血圧が降圧目標に達しなかった本態性高血圧症患者71例に本剤40mgを1日2回と他の降圧剤を52週間併用投与したとき、収縮期及び拡張期血圧のベースライン(150.6/93.5mmHg)からの変化量の平均値は、19.1/13.1mmHgの低下を示した。投与開始後52週までに72例中21例(29.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は頻脈5例(6.9%)、歯肉肥厚3例(4.2%)等であった。〈狭心症、異型狭心症〉17.1.3国内第II相試験及び第III相試験国内で狭心症、異型狭心症患者それぞれを対象として本剤20~60mg1日1回漸増法による前期第II相試験を実施した。また、狭心症を対象に本剤40mg1日1回、20mg1日1回、及び本剤の1日2回投与製剤(アダラートL錠)20mg1日2回を比較する第III相試験、異型狭心症を対象に本剤(20mg1日1回より開始し、40mgさらに60mgまで増量)と、ニソルジピン(5mg1日1回より開始し、10mgさらに15mgまで増量)を比較する第III相試験を実施した。狭心症に対する有効率は73.4%(94/128)、異型狭心症に対する有効率は88.2%(45/51)であった。高齢者における有効例は65歳以上で73.9%(51/69)、75歳以上で75.0%(6/8)であった。臨床検査値異常を含む副作用は196例中13例(6.6%)に認められ、主な副作用は頭痛7例(3.6%)、顔面潮紅・顔のほてり4例(2.0%)、頭重感2例(1.0%)等であった。