内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:500

卵アレルギーと弱毒生インフルエンザワクチン(解説:小金丸 博 氏)-475

インフルエンザワクチンの製造には、インフルエンザウイルスを鶏卵に接種し培養する工程があるため、ワクチンにはオバルブミンなど卵の成分が含まれる。そのため、卵アレルギーのある人にインフルエンザワクチンを接種すると、重大な副反応が起こる可能性があると広く認識されている。近年、オバルブミン含有量の少ない不活化インフルエンザワクチンは、卵アレルギーのある患者に安全に接種できるとの報告があるが、経鼻的に投与される弱毒生インフルエンザワクチン(LAIV)の安全性に関しては、十分なデータがなかった。

家庭の味が認知症ケアには必要

 伝統的な食品は、帰属感、アイデンティティ、伝統の感情を強め、認知症患者の文化的アンデンティティやQOLの保持や強化に役立っている。味覚は、生理学的というよりも文化的なものである。食習慣は、人生の早い段階で確立され、その変更は難しい場合がある。また、なじみのない料理は、失望や裏切られたような気持ち、愛されていない感覚につながる可能性がある。ノルウェー・Lovisenberg diakonale hogskoleのIngrid Hanssen氏らは、施設に入居する認知症患者に対する伝統的な食品の意味について検討を行った。Journal of clinical nursing誌オンライン版2016年1月11日号の報告。

寝たきり高齢者、おむつ内の皮膚pHと細菌数は相関

 失禁によって引き起こされる皮膚損傷の機序は、さまざまな実験的研究から提示されているが、長期臥床者で失禁に起因する皮膚特性を検討した研究は非常に限られている。花王株式会社 生物科学研究所の藤村 努氏らは、寝たきり高齢者、健常高齢者および壮年者とで失禁による皮膚特性の変化を比較検討し、その違いを明らかにした。

クラリスロマイシンと心血管リスク/BMJ

 抗菌薬クラリスロマイシンの使用は、心筋梗塞、不整脈および心臓死リスクの有意な増大と関連していることが、中国・香港大学のAngel Y S Wong氏らが行った住民ベース試験の結果、示された。ただしその関連は短期的なもので、長期的な関連は観察されなかったという。先行疫学研究で、クラリスロマイシンが重篤な心血管アウトカムのリスク増加と関連していることが示唆されていたが、リスクが短期的なものか長期にわたるのか不明であった。BMJ誌オンライン2016年1月14日号掲載の報告。

女性は幸せでも長生きできない?―Million Women Studyの結果が警告するもの―(解説:加藤 恵理 氏)-473

幸福であること、または不幸であることは死亡率に直接的影響を与えない、という結果がLancet誌に掲載された。この論文の共著者であるオックスフォード大学のRichard Peto氏は、今までも生物統計学のあり方についてさまざまな切り口で論じてきた。そのなかでも有名なのは、ISIS-2のサブ解析、通称Gemini and Libraだろう。全体では明らかに有効であったアスピリン治療が、12星座別に解析すると、双子座(Gemini)と天秤座 (Libra)の患者グループでは有効でなかった、という結果をLancet誌に発表したのだ。もちろん、Peto氏は本気で星座ごとにアスピリン治療の有効性が違うと信じていたわけではなく、サブグループ解析を繰り返せば、偶然に誤差を招く可能性(play of chance)があることを統計学的に証明し、当時のサブグループ解析を重要視する風潮を警告したのである。

せん妄に対する薬物治療、日本の専門家はどう考えているか

 せん妄に対する薬物治療に関して、どの薬剤を第1選択とすべきかについて専門家のコンセンサスはほとんど得られていない。医療経済研究機構の奥村 泰之氏らは、レイティングベースのコンジョイント分析を用いて、臨床的特徴が多岐にわたるせん妄の第1選択薬(経口薬および注射薬)に関して、専門家の意見を評価するため検討を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年1月18日号の報告。

糖尿病歴と自殺・事故死リスク~日本人10万人の検討

 JPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)グループの山内 貴史氏らは、糖尿病歴が外因死(自殺および事故死)のリスクに関連するかどうか、日本人の大規模集団における前向きコホートのデータを使用して検討した。その結果、男女とも59歳以下(ベースライン時)で、糖尿病歴のある人はない人と比べて外因死(とくに事故死)のリスクが有意に高かった。Diabetes & metabolism誌オンライン版2016年1月18日号に掲載。

高コレステロール血症治療に新風 国内初のPCSK9 阻害薬「エボロクマブ」承認

 アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:高橋栄一)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長:畑中好彦)は、アステラス・アムジェン・バイオファーマが2016年1月22 日、高コレステロール血症治療薬エボロクマブ(遺伝子組換え)(商品名:レパーサ皮下注)について、厚生労働省より製造販売承認を取得した旨発表した。