ストレス対策は新たな循環器疾患の予防戦略となりうるか?(解説:有馬 久富 氏)-643
以前より、慢性的なストレスが循環器疾患のリスクを増大させうることが知られていたが、そのメカニズムは長い間不明であった。今回、マサチューセッツ総合病院でFDG-PET検査を受けた293例を平均3.7年間追跡した成績から、慢性ストレスが、扁桃体の活性化、骨髄由来前駆細胞の放出、動脈壁の炎症を経て、循環器疾患のリスクを増大させる可能性が示唆されたとLancet誌に報告された。ストレスから循環器疾患に至るメカニズムが明らかになったことにより、ストレス対策およびストレスから動脈硬化へ至るプロセスへの対策が、循環器疾患の予防戦略となりうることが示唆された。