ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:56

ICU入室COVID-19重篤例、抗血小板療法は有効か/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重篤例では、抗血小板薬による治療はこれを使用しない場合と比較して、集中治療室(ICU)で呼吸器系または心血管系の臓器補助を受けない生存日数が延長される可能性は低く、生存退院例の割合も改善されないことが、英国・ブリストル大学のCharlotte A. Bradbury氏らREMAP-CAP Writing Committee for the REMAP-CAP Investigatorsが実施した「REMAP-CAP試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌オンライン版2022年3月22日号で報告された。

挿管早産児へのヒドロコルチゾン、気管支肺異形成症を抑制せず/NEJM

 気管支肺異形成症は超早産の生存児の約半数にみられる合併症で、機械的人工換気による炎症もその発症に寄与している可能性があるという。米国・ニューメキシコ大学健康科学センターのKristi L. Watterberg氏らEunice Kennedy Shriver国立小児保健・人間発達研究所(NICHD)新生児研究ネットワーク(NRN)は、出生後に挿管を受けた早産児を対象に出生から2週以降にヒドロコルチゾンの10日間漸減治療を開始する方法の有効性を検討し、プラセボと比較して中等度または重度の気管支肺異形成症のない生存割合を改善しなかったと報告した。研究の詳細はNEJM誌2022年3月24日号に掲載された。  本研究は、米国の19施設が参加した二重盲検プラセボ対照無作為化試験であり、2011年8月22日~2018年2月4日の期間に新生児の登録が行われた(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。

J&J製ワクチン、第III相試験で重症化・死亡に対する有効性確認/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のAd26.COV2.Sワクチン(Johnson & Johnson製)単回接種は、ベータ変異株およびデルタ変異株のいずれにおいても重症COVID-19およびワクチン接種後のCOVID-19関連死に対して有効であることが認められた。南アフリカ共和国・Desmond Tutu HIV CentreのLinda-Gail Bekker氏らが、医療従事者を対象とした単群非盲検第IIIB相試験「Sisonke試験」の結果を報告した。Lancet誌2022年3月19日号掲載の報告。  研究グループは、南アフリカ共和国の18歳以上の医療従事者を全国のワクチン接種会場122施設のいずれかに招待し、Ad26.COV2.Sワクチン(ウイルス粒子量5×1010)単回接種を実施した。ワクチンの有効性を評価するため、2つの大規模な医療保険組織またはマネジドケア組織(Discovery Healthが管理する医療制度[A]と、Government Employees Medical SchemeおよびMedSchemeが管理する医療制度[B])の個人データを用い、ワクチン接種済みの医療従事者を一般集団のワクチン未接種者とマッチングさせた。

左房機能低下は認知症発症と関連/JAMA

 心エコーで評価した左房機能の低下は、その後の認知症のリスク増加と有意に関連しており、左房容積は関連していないことを、米国・ミネソタ大学のWendy Wang氏らが、地域住民を対象とした前向きコホート研究「Atherosclerosis Risk in Communities study:ARIC研究」で示した。著者は「今回の所見は、左房機能障害が認知症のリスク因子になり得ることを示唆するものである」とまとめている。左房の機能や大きさの変化が特徴である心房ミオパチーは、心房細動とは無関係に虚血性脳卒中と関連していることが知られる。心房ミオパチーの心電図マーカーは認知症と関連しているが、断層(2D)心エコーで評価した左房機能や大きさが認知症と関連しているかどうかについては不明であった。JAMA誌2022年3月22日・29日号掲載の報告。

ファイザー製ワクチン3回目、第III相試験で有効率95%/NEJM

 BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)の2回目接種から中央値で10.8ヵ月後に行われた3回目接種は、プラセボ接種(BNT162b2ワクチン2回接種)と比べ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する有効率が95.3%であった。ブラジル・オズワルドクルス財団のEdson D. Moreira氏らが、米国、南アフリカ共和国、ブラジルの123施設で実施した無作為化プラセボ対照第III相試験「C4591031試験」の結果を報告した。積極的なBNT162b2ワクチンの接種は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染によるCOVID-19パンデミック下での重要な予防手段となりうる。ワクチンの2回目接種から6ヵ月後には液性免疫が低下するという報告を踏まえ、16歳以上への3回目(ブースター)接種の安全性と有効性に関するデータが必要とされていた。Lancet誌オンライン版2022年3月23日号掲載の報告。

HER2+乳がん2次治療、HR0.28でT-DXdがPFS延長(DESTINY-Breast03)/NEJM

 トラスツズマブおよびタキサン系薬剤による治療歴のあるHER2陽性の切除不能または転移のある乳がん患者において、抗HER2抗体薬物複合体トラスツズマブ デルクステカン(商品名:エンハーツ)はトラスツズマブ エムタンシン(同:カドサイラ)と比較し、病勢進行または死亡のリスクを有意に低下させることが認められた。スペイン・International Breast Cancer CenterのJavier Cortes氏らが、世界15ヵ国169施設で実施された無作為化非盲検第III相試験「DESTINY-Breast03試験」の中間解析結果を報告した。本試験での発現率はこれまでの臨床試験に比べ数値的に低かったもののトラスツズマブ デルクステカンの投与は間質性肺疾患の発現と関連しており、著者は「臨床使用においては慎重なモニタリングが不可欠」と注意を促したうえで、「トラスツズマブ デルクステカンは、トラスツズマブとタキサン系薬剤、ならびにペルツズマブによる治療歴のあるHER2陽性転移性乳がん患者に対する有効な新しい治療薬である」とまとめている。NEJM誌2022年3月24日号掲載の報告。

COVID-19関連の超過死亡、報告されている死亡の3倍/Lancet

 2020~21年の2年間における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行による全体的な死亡への影響は、COVID-19のみに起因する死亡よりもはるかに大きく、全年齢層における世界的な超過死亡の割合は10万人当たり平均120人であり、300人を超えた国は21ヵ国に及ぶことが、米国・ワシントン大学のHaidong Wang氏らCOVID-19 Excess Mortality Collaboratorsの調査で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2022年3月10日号に掲載された。  研究グループは、2020年1月1日~2021年12月31日の期間の、191の国と領土、および252の地域におけるCOVID-19の世界的流行による超過死亡の推定を目的に、COVID-19関連死亡の報告書を系統的に解析した(ビル&メリンダ・ゲイツ財団などの助成を受けた)。  この調査では、上記期間とその最大11年前までの期間における週ごとまたは月ごとのあらゆる原因による死亡(総死亡)の報告書が、世界74の国と領土、および266の地域(低・中所得国の31の地域を含む)から収集された。また、インドの12州から超過死亡データが得られた。

COVID-19ワクチンの免疫性神経疾患リスクを検証/BMJ

 4種の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの接種後には、免疫性神経疾患(Bell麻痺、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群、横断性脊髄炎)の安全性シグナルは認められないが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染したワクチン未接種者ではBell麻痺、脳脊髄炎、ギラン・バレー症候群のリスクが増大していることが、英国・オックスフォード大学のXintong Li氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年3月16日号で報告された。

新型コロナ、ハムスターからのヒト-ヒト感染を確認/Lancet

 ペットのハムスターはSARS-CoV-2に自然感染し、ハムスター間で伝播してヒトへの感染につながる可能性がある。中国・香港大学のHui-Ling Yen氏らは、ペットショップ店員のSARS-CoV-2感染事例について調査し、遺伝学的および疫学的な結果から、ハムスターからヒトへの感染が1回以上あったことが強く示唆され、その後のヒトへの感染につながったことを明らかにした。ヒトからペット動物を含む他の哺乳類へのSARS-CoV-2感染は報告されているが、養殖ミンクを除き、これら感染動物からヒトへの感染が持続的なヒト-ヒト感染に至るという証拠はこれまでなかった。著者は、「SARS-CoV-2デルタ変異株に感染したハムスターの輸入が局地的な流行の原因である可能性が高い。今回の調査結果は、ペット動物の取引に対する認識、監視、ならびに適切な検疫と管理政策の必要性を強調している」とまとめている。Lancet誌2022年3月12日号掲載の報告。

ソトロビマブ、新型コロナ疾患進行リスク79%低減~第III相最終解析/JAMA

 高リスクの軽症~中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)非入院患者において、ソトロビマブの単回静脈内投与はプラセボと比較し、疾患進行(29日目までのあらゆる入院または死亡の複合エンドポイント)のリスクを有意に低下させることが認められた。カナダ・William Osler Health CentreのAnil Gupta氏らが、米国、ブラジル、カナダ、ペルーおよびスペインの57施設で実施した第III相多施設共同無作為化二重盲検試験「COMET-ICE試験」の最終解析結果を報告した。著者は、「本試験終了後に出現したSARS-CoV-2変異株に対する有効性は不明であるが、今回の結果は、入院していない高リスクの軽症~中等症COVID-19患者に対する治療選択肢としてソトロビマブを支持するものである」とまとめている。JAMA誌オンライン版2022年3月14日号掲載の報告。

重症血友病A、アデノ随伴ウイルス用いた遺伝子治療が有効/NEJM

 重症血友病A患者において、valoctocogene roxaparvovec治療により内因性第VIII因子の産生が増加し、第VIII因子製剤の予防投与時と比較して出血および第VIII因子製剤の使用が有意に減少した。ブラジル・カンピーナス大学のMargareth C. Ozelo氏らが、多施設共同単群非盲検第III相試験「GENEr8-1試験」の結果を報告した。Valoctocogene roxaparvovec(AAV5-hFVIII-SQ)は、肝特異的プロモーターにBドメインを除いた第VIII因子遺伝子を配したアデノ随伴ウイルス5(AAV5)ベクターを用いる遺伝子治療薬で、重症血友病A男性患者を対象とした第I/II相用量漸増試験において有効性と安全性が示されていた。NEJM誌2022年3月17日号掲載の報告。

コロナワクチンの有効性、AZ製vs.ロシア製vs.中国製/Lancet

 アルゼンチンにおいて使用された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する3種類のワクチンは、いずれもSARS-CoV-2感染とCOVID-19による死亡を減少させ有効であることが認められた。アルゼンチン保健省のAnalia Rearte氏らが、60歳以上を対象とした診断陰性デザイン(test-negative design)による症例対照研究の結果を報告した。アルゼンチンでは、2021年1月よりrAd26-rAd5(Sputnik製)、ChAdOx1 nCoV-19(AstraZeneca製)およびBBIBP-CorV(Sinopharm製)を用いたCOVID-19ワクチン接種キャンペーンが開始されていた。Lancet誌オンライン版2022年3月15日号掲載の報告。

90日超のVTE経口抗凝固療法、最適薬は?/JAMA

 静脈血栓塞栓症(VTE)で入院後に長期経口抗凝固療法を受けた患者の探索的解析において、90日超の処方・投与についてアピキサバン(商品名:エリキュース)はワルファリンと比較して、再発VTEによる入院の発生割合をわずかだが有意に低下した。一方で、大出血による入院の発生割合に有意差はなかった。また、アピキサバンvs.リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)またはリバーロキサバンvs.ワルファリンのいずれの比較においても有意差はなかったという。米国・ブリガム&ウィメンズ病院/ハーバード大学医学大学院のAjinkya Pawar氏らが検討結果を報告した。VTE治療ガイドラインでは、経口抗凝固薬を用いた治療は90日以上と推奨されているが、90日超の継続投与での最適な薬剤に関するエビデンスは限定的であった。JAMA誌2022年3月15日号掲載の報告。

オミクロンvs.デルタ、ワクチン接種・感染歴・年齢別の入院・死亡リスク/Lancet

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染後の重症アウトカムのリスクについて、デルタ変異株(B.1.617.2)よりもオミクロン変異株(B.1.1.529)で大幅に低く、オミクロン変異株ではより重症度の高いエンドポイント発生が大きく低下しており、年齢間のばらつきは顕著であることなどが、英国・ケンブリッジ大学のTommy Nyberg氏らによる検討で示された。オミクロン変異株は部分的なワクチンエスケープと、高い感染性が示されているが、早期の試験でデルタ変異株よりも重症化リスクは低いことが示唆されていた。Lancet誌オンライン版2022年3月16日号掲載の報告。

閉経後進行乳がんの1次治療、ribociclib追加でOS延長(MONALEESA-2)/NEJM

 ホルモン受容体陽性HER2陰性の閉経後進行乳がん女性の1次治療において、CDK4/6阻害薬ribociclibとアロマターゼ阻害薬レトロゾールの併用療法はプラセボ+レトロゾールと比較して、全生存期間が約1年延長し、新たな安全性シグナルの発現は認められないことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのGabriel N. Hortobagyi氏らが実施した「MONALEESA-2試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年3月10日号に掲載された。  本研究は、2014年1月~2015年3月の期間に参加者の登録が行われた国際的な無作為化第III相試験であり、今回は、主な副次エンドポイントである全生存期間の、プロトコールで規定された最終解析の結果が公表された(Novartisの助成を受けた)。

非心臓手術の血栓予防、DOAC vs.低分子量ヘパリン/BMJ

 非心臓手術を受ける患者の血栓予防において、直接経口抗凝固薬(DOAC)と低分子量ヘパリン(LMWH)はいずれも、これらの投与を行わない場合に比べ症候性静脈血栓塞栓症の発現を抑制するが、これらの薬剤は同程度に大出血を増加させる可能性があり、DOACによる症候性静脈血栓塞栓症の予防効果はLMWHよりも大きいと考えられることが、カナダ・マックマスター大学のMaura Marcucci氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年3月9日号で報告された。  研究グループは、非心臓手術を受ける患者の血栓予防において、DOACとLMWHが、有益性と有害性に及ぼす影響を評価する目的で、文献の系統的レビューとネットワークメタ解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。

難治性慢性咳嗽へのgefapixant、第III相試験で有望な結果/Lancet

 難治性の慢性咳嗽または原因不明の慢性咳嗽に対して、gefapixant 45mgの1日2回投与は新規開発の治療法として、許容可能な安全性プロファイルと有効性を有することが示された。英国・クイーンズ大学ベルファストのLorcan P. McGarvey氏らが、2つの第III相臨床試験「COUGH-1試験・COUGH-2試験」の結果を報告した。gefapixantは経口P2X3受容体拮抗薬であり、同薬はこれまでに、難治性の慢性咳嗽または原因不明の慢性咳嗽に対する有効性と安全性が示されていた。Lancet誌2022年3月5日号掲載の報告。  COUGH-1試験とCOUGH-2試験はいずれも、第III相の二重盲検無作為化並行群プラセボ対照試験。COUGH-1試験は17ヵ国156試験地、COUGH-2試験は20ヵ国175試験地で実施された。登録被験者は、1年以上続く難治性の慢性咳嗽または原因不明の慢性咳嗽と診断された18歳以上で、スクリニーングおよびベースラインでの咳嗽重症度視覚アナログスケールスコアが40mm以上の患者とした。

心臓手術後の急性腎障害、基礎代謝パネルで予測可能か/JAMA

 心臓手術を受ける患者において、周術期の基礎代謝パネル検査値に基づく予測モデルは、術後72時間以内および14日以内の中等症~重症急性腎障害(AKI)について、良好な予測精度を有することが、米国・クリーブランドクリニックのSevag Demirjian氏らによる検討で示された。AKIの治療は、タイムリーな診断に基づけば効果的である一方、腎障害後の血清クレアチニン値の上昇の遅れが治療開始を遅らせてしまう可能性が示唆されていた。結果を踏まえて著者は、「さらなる研究を行い、リスク予測ツールの利用が臨床アウトカムを改善するかどうかを確認する必要がある」と述べている。JAMA誌2022年3月8日号掲載の報告。

オミクロン株へのワクチン有効性、3回接種で対従来株と同等/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチンは、アルファ変異株、デルタ変異株、オミクロン変異株によるCOVID-19関連入院の予防に高い有効性を示したが、オミクロン変異株に対しては、デルタ変異株やアルファ変異株に対する2回接種で得られる効果と同じ効果を得るためには、3回接種が必要であることが、米国・ミシガン大学のAdam S. Lauring氏らによる症例対照試験で示された。また、COVID-19による入院患者では、オミクロン変異株のほうがデルタ変異株より重症度が低かったものの、依然として罹患率および死亡率は高いこと、3種すべての変異株についてワクチン接種済みの患者は未接種患者と比較し重症度が有意に低いことも明らかになったという。BMJ誌2022年3月9日号掲載の報告。  研究グループは米国の21病院において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)陽性が確認された18歳以上のCOVID-19入院患者(症例)と、同時期の非COVID-19入院患者(対照)を登録し、前向き観察研究を実施した。解析対象は、2021年3月11日~2022年1月14日の間に登録されたCOVID-19患者5,728例、対照患者5,962例の計1万1,690例であった。

甲状腺がん、術後放射性ヨウ素内用療法vs.経過観察/NEJM

 甲状腺全摘術後の低リスク甲状腺がん患者において、放射性ヨウ素内用療法を行わないフォローアップ戦略は、3年時の機能的、構造的および生物学的異常の発生に関して、放射性ヨウ素内用療法によるアブレーション戦略に対し非劣性であることが、フランス・パリサクレー大学のSophie Leboulleux氏らが実施した前向き無作為化第III相試験「Essai Stimulation Ablation 2 trial:ESTIMABL2試験」の結果、示された。甲状腺切除術を受けた低リスク分化型甲状腺がん患者において、術後の放射性ヨウ素(ヨウ素131)の投与は有益性が実証されておらず議論の的であった。NEJM誌2022年3月10日号掲載の報告。  研究グループは2013年5月~2017年3月にフランスの35施設において、甲状腺全摘術を受けた低リスク分化型甲状腺がん患者776例を、術後放射性ヨウ素内用療法群(遺伝子組み換えヒト型甲状腺刺激ホルモン[ヒトチロトロピン アルファとして0.9mg]を24時間間隔で2回筋肉内投与し、最終投与24時間後に1.1GBq[30mCi]の放射性ヨウ素を投与)、または経過観察群(放射性ヨウ素内用療法を行わない)に、施設およびリンパ節転移の有無(N0またはNx)で層別化して無作為に割り付けた。