制酸薬服用は術後肺炎リスクを増大しない
術後高齢患者への制酸薬服用と肺炎リスク増大には、関連が認められないことが報告された。カナダ・トロント大学のDonald A Redelmeier氏らが行った住民ベースの後ろ向きコホート解析による。BMJ誌2010年7月1日号(オンライン版2010年6月21日号)に掲載された。これまでICU患者を対象とした二つの大規模試験で、制酸薬服用患者の肺炎発症率は2~3倍増大すると報告される一方、市中肺炎発症に関する調査では相反する結果が得られていた。制酸薬は世界中で最もポピュラーに処方されており、また処方なしで買い求められることもあり、刊行されているガイドラインでは、リスクについての大規模な調査が必要であると提言していた。