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- 2024/12/20
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糖尿病患者へのRAS阻害薬、他の降圧薬より優れるのか?/BMJ
糖尿病患者へのレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬の使用について、他の降圧薬と比べて心血管リスクや末期腎不全リスクへの影響に関して優越性は認められないことを、米国・ニューヨーク大学医学部のSripal Bangalore氏らが、19の無作為化試験について行ったメタ解析で明らかにした。多くのガイドライン(2015米国糖尿病学会ガイドライン、2013米国高血圧学会/国際高血圧学会ガイドラインなど)で、糖尿病を有する患者に対しRAS阻害薬を第1選択薬として推奨しているが、その根拠となっているのは、20年前に行われたプラセボ対照試験。対照的に、2013 ESH/ESCガイドラインや2014米国合同委員会による高血圧ガイドライン(JNC8)は、近年に行われた他の降圧薬との試験結果を根拠とし、RAS阻害薬と他の降圧薬は同等としている。BMJ誌オンライン版2016年2月11日号掲載の報告。
認知症発症率は過去30年間で低下:フラミンガム心臓研究/NEJM
フラミンガム心臓研究の参加者では、30年間に認知症の発症率が経時的に低下していることが、米国・ボストン大学医学部のClaudia L Satizabal氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2016年2月11日号に掲載された。認知症の有病率と関連医療費は、平均寿命の延長に伴い急速に増加すると予測されているが、高所得国では年齢別の認知症発症率(=特定の年齢層における認知症リスク)が減少しているという。時間的傾向(temporal trend)は、典型的な地域のサンプル集団において、新規の症例を一貫性のある診断基準を用いて継続的にモニタリングすることで信頼性が最も高くなるが、この条件を満たす既報のデータは限られている。
観察研究は無作為化試験より過大評価になる?/BMJ
診療記録や患者登録など、規定どおりに収集された医療データ(routinely collected health data:RCD)を用いた観察研究は、同じclinical question(CQ)に関してその後に行われた無作為化試験とは異なる答えをもたらし、実質的に治療効果を過大に評価している可能性があることが、米国・スタンフォード大学のLars G Hemkens氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年2月8日号に掲載された。無作為化試験が行われていない場合、診療の意思決定の支援にRCDによる観察研究が活用される機会が増えているという。一方、観察研究は、交絡による固有のバイアスのリスクがあり、RCDには正確性や信頼性の面でも問題があるとされる。
上気道炎での不適切な抗菌薬処方を減らすには?/JAMA
プライマリケアにおける急性上気道炎の抗菌薬不適切処方を減らすには、処方理由を書かせること、不適切処方割合の順位付けを行いメールで知らせる(ピア比較)介入が効果的である可能性が、米国・南カリフォルニア大学のDaniella Meeker氏らが248人のプライマリケア医を対象に行ったクラスター無作為化試験の結果、示された。JAMA誌2016年2月9日号掲載の報告。
脳卒中後の課題指向型リハ、優越性示されず/JAMA
脳卒中後、中等度の上肢後遺症が認められた患者のリハビリテーションについて、課題指向型リハビリテーションプログラム(Accelerated Skill Acquisition Program:ASAP)がもたらす機能回復は、従来型作業療法(usual and customary care:UCC)と比べて同等もしくは低いことが、米国・南カリフォルニア大学のCarolee J. Winstein氏らが361例を対象に行った無作為化試験ICAREの結果、明らかにされた。これまで早期リハビリ完了後の期間を対象に行われた2件の大規模臨床試験において、強度・回数を増した課題指向型リハビリを行うことで通常ケアと比べて機能回復が良好であることが示されていた。今回、研究グループは外来患者を対象に試験を行ったが、結果を踏まえて著者は、「課題指向型リハビリの優越性を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌2016年2月9日号掲載の報告。
一次性進行型MSに対するフィンゴリモドの有用性/Lancet
一次性進行型多発性硬化症(PPMS)に対するフィンゴリモド(スフィンゴシン-1-リン酸受容体調節薬)の安全性と有効性を検証した第III相試験「INFORMS」の最終結果が報告された。フィンゴリモドによる抗炎症療法は、PPMSの病態進行を抑制しないことが示された。試験報告を行った米国マウント・サイナイ・アイカーン医科大学のFred Lublin氏らは、結果を踏まえて「PPMSの治療は、再発性MSとは異なるアプローチが必要である」とまとめている。フィンゴリモドは、再発性MSおよび二次性進行型MSに有効であることから、PPMSに対しても同様の効果が期待されていた。Lancet誌オンライン版2016年1月27日号掲載の報告。
食品からのフラボノイド摂取は体重管理に有用か/BMJ
フラボノイド(とくにフラボノール、フラバン-3-オール、アントシアニン、フラボノイドポリマー)を豊富に含む、リンゴ、西洋なし、ベリー類、ピーマンなどの果物や野菜を多く食べることは、体重管理に有用であることを、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のMonica L Bertoia氏らが、3つの大規模前向きコホート研究、合わせて約12万4,000人を最長24年追跡したデータを解析し、明らかにした。フラボノイドは天然に存在する生理活性化合物で、果物や野菜に含まれている。これまで、果物や野菜類の摂取量が多いと体重が増加しにくいことや、緑茶に含まれるフラボノイドが脂肪吸収の減少とエネルギー消費の増加などに関与していることが報告されていた。しかし、体重の減少に関する研究の多くは、緑茶で発見されたフラバン-3-オールに関するもので、試験参加人数も限られていた。著者は、「今回の研究成果は、肥満の予防や肥満の悪影響リスクを低減する食事摂取基準の見直しに役立つ可能性がある」とまとめている。BMJ誌オンライン版、2016年1月28日号掲載の報告。
魚介類が持っている水銀、認知症とは関連せず/JAMA
魚介類摂取頻度が増えると、脳内水銀量は増加するものの、アルツハイマー型認知症を示唆する脳神経病理とは関連しない。また、アポリポ蛋白E(APOEε4)遺伝子を持つ人では、魚介類摂取がアルツハイマー病リスクの軽減とつながっていることを、米国・ラッシュ大学メディカルセンターのMartha Clare Morris氏らが、高齢者286例の剖検脳と生前の魚介類摂取頻度との関連を分析した結果、明らかにした。JAMA誌2016年2月2日号掲載の報告より。
中絶胎児で小頭症を確認、脳内からジカウイルス検出/NEJM
ブラジルで妊娠初期にジカウイルスに感染したと考えられる25歳の欧州女性が、妊娠32週で人工中絶。その胎児解剖の結果、小頭症が認められ、脳内からはジカウイルスが検出された。スロベニア共和国・リュブリャナ大学のJernej Mlakar氏らによる症例報告で、NEJM誌オンライン版2016年2月10日号で発表した。中南米とカリブ地域では2015年、ジカウイルス感染症の流行が報告され、同ウイルスに感染した母親から生まれた新生児の小頭症が増加していることが重大な懸念として持ち上がっている。
喫煙者のQOL低下、中枢気道虚脱が関連/JAMA
喫煙者(元喫煙者も含む)では、呼気時の中枢気道虚脱(ECAC)が呼吸器QOLの悪化と関連していることを、米国・アラバマ大学のSurya P. Bhatt氏らが、COPDGene研究で得られた呼気・吸気CT画像を解析し、明らかにした。ECACは、呼気時に気道が50%以上狭窄する病態として定義され、気管軟骨の脆弱化や気管後壁(膜性壁)の過伸展により生じる。喫煙や慢性閉塞性肺疾患(COPD)と関連するといわれているが、ECACの有病率や臨床的意義はわかっていなかった。JAMA誌オンライン版2016年2月2日号掲載報告。
ベンゾジアゼピン系薬は高齢者の認知症リスクを高めるか/BMJ
ベンゾジアゼピン系薬の累積使用量が少ない場合に認知症のリスクはわずかに高まるが、多い場合はこの関連が認められないことが、米・ワシントン大学のShelly L Gray氏らによる地域住民ベースの前向きコホート研究で明らかとなった。著者は、「この結果は、ベンゾジアゼピン系薬と認知症との因果関係を支持しないものだ」と結論付けている。高齢者では、転倒、骨折、せん妄のリスクがあるためベンゾジアゼピン系薬の投与は推奨されていない。にもかかわらず、睡眠障害や不穏等に対する使用は、年齢とともに増えているのが現状である。これまでの研究で、ベンゾジアゼピン系薬の投与が認知症リスクの増加と関連していることが示唆されていたが、長期の使用が認知症や認知機能低下と関連しているかどうかは不明であった。BMJ誌オンライン版2016年2月2日号掲載の報告。
非糖尿病の肥満妊婦にメトホルミンは有用?/NEJM
BMI35超で非糖尿病の妊婦に対する周産期におけるメトホルミン投与は、新生児の出生体重を減少せず、一方で母親の妊娠中の体重増を抑制し、妊娠高血圧腎症罹患率は低下した。英国・キングス・カレッジ病院のArgyro Syngelaki氏らが、450例の妊婦を対象に行った試験の結果、示された。肥満は有害妊娠アウトカムのリスク増大との関連が知られている。しかし、これまでに行われた生活習慣介入試験では、転帰の改善は認められていない。メトホルミンは、妊娠糖尿病を有する妊婦への投与で、非投与の妊婦と比べて体重増加量が少なかったことが報告されていた。NEJM誌2016年2月4日号掲載の報告。
重症COPDへのアセタゾラミドの効果を検証/JAMA
人工呼吸を要する重症の慢性閉塞性肺疾患(COPD)で代謝性アルカローシスが疑われる患者に対し、アセタゾラミドを用いても、侵襲的人工呼吸器管理期間の短縮効果は得られないことが示された。フランス・ジョルジュ・ポンピドゥー欧州病院のChristophe Faisy氏らが、382例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験の結果、報告した。人工呼吸器離脱時間やPaCO2経日変化についても、プラセボ群との有意差は認められなかったという。アセタゾラミドは数十年にわたり、COPDで代謝性アルカローシスを呈した患者に対し呼吸興奮薬として使用されている。しかし、これまでその効果を検証する大規模なプラセボ対照試験は行われていなかった。JAMA誌2016年2月2日号掲載の報告。
急性期病院における転倒予防プログラムの効果は?/BMJ
多面的転倒予防プログラムの導入で、転倒アセスメントツールの活用や予防的介入の増加など好ましい変化は生じたものの、通常ケアと比較して転倒や転倒による外傷の発生頻度は減少せず、転倒予防効果は認められなかった。オーストラリア・モナシュ大学のAnna L Barker氏らが、同国6病院の急性期病棟で、多面的転倒予防プログラム「6-PACKプログラム」の効果を評価するクラスター無作為化比較試験を行い、報告した。結果を踏まえて著者は、6-PACKプログラムに含まれていない、せん妄予防に焦点を当てた介入の必要性を示唆するとともに、「急性期病棟での転倒予防プログラムの効果を示す質の高いエビデンスはなく、院内での転倒問題に関する新たな解決策を早急に確立する必要がある」とまとめている。BMJ誌オンライン版2016年1月26日号掲載の報告。
妊娠後期のビタミンD補給で子供の喘鳴を予防できるか/JAMA
母親が妊娠後半(妊娠7ヵ月以降)にビタミンD3を補給しても、生まれた子の持続性喘鳴のリスクは低下しないことが、デンマーク・コペンハーゲン大学のBo L. Chawes氏らが行った単一施設での二重盲検無作為化比較試験で明らかとなった。この試験は、コペンハーゲン小児喘息前向きコホート研究2010(Copenhagen Prospective Studies on Asthma in Childhood 2010 :COPSAC2010)の一環として行われたもの。これまで、観察研究において妊娠中のビタミンD摂取量増加により子の喘鳴を予防できる可能性が示唆されていたが、妊婦へのビタミンD投与による予防効果について検証はされていなかった。JAMA誌オンライン版2016年1月26日号掲載の報告。
禁煙のための薬物療法、長期効果は同等/JAMA
禁煙を希望する喫煙成人において、ニコチンパッチ、バレニクリン、ニコチンパッチ+ニコチントローチのいずれの介入も長期の禁煙効果は同等であることが、米国・ウィスコンシン大学のTimothy B. Baker氏らが1,086例を対象に行った非盲検無作為化試験の結果、示された。12週間治療を行い、26週、52週間後の禁煙率を生化学的検査で調べたが、その値に有意差は認められなかったという。著者は、「今回の結果は、禁煙治療の薬物強化療法に関する相対的な効果について疑問を呈するものであった」と述べている。JAMA誌2016年1月26日号掲載の報告。
メニエール病へのベタヒスチン、めまい発作予防効果は認められず/BMJ
メニエール病の患者に対しベタヒスチンを投与しても、プラセボと比べて、メニエール病発作の予防効果は認められなかった。一方で、プラセボ群を含めすべての投与群で、治療開始7~9ヵ月の発作回数は約4分の3に減少した。ドイツ・ミュンヘン大学病院のChristine Adrion氏らが、221例を対象に行った第III相のプラセボ対照無作為化二重盲検試験(BEMED試験)の結果、明らかにした。JAMA誌2016年1月21日号掲載の報告。
妊娠中のビタミンD補充は子供の喘息予防に有効か/JAMA
出生後の子供の喘息リスクが高い妊婦では、ビタミンDの補充により妊娠後期のビタミンD値が有意に上昇したが、子供が3歳までに喘息または再発喘鳴を来すリスクは低下傾向を認めたものの有意ではなかったとの研究成果を、米国ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のAugusto A Litonjua氏らが、JAMA誌2016年1月26日号で報告した。喘鳴は出生から数週で始まり、その発生に関与する出生前の決定因子の存在が示唆されている。ビタミンDは、胎児期~出生後早期の肺および免疫系の発育に影響を及ぼし、妊娠期のビタミンDの欠乏は早期の喘息や喘鳴の発症に重要な役割を果たしている可能性があるという。
腎移植後のbelatacept投与、7年時点のアウトカム/NEJM
腎移植後の維持免疫抑制療法において、belataceptは従来の治療レジメンに比べ、長期的なアウトカムを改善するとの研究成果を、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のFlavio Vincenti氏らが、NEJM誌2016年1月28日号で報告した。免疫抑制療法は腎移植患者の短期的なアウトカムを改善することが知られているが、長期的な移植腎生着への効果を示すデータはほとんどない。belataceptは、ヒトIgG1のFc部分とCTLA-4の細胞外ドメインの融合蛋白で、共刺激の遮断を介してT細胞の活性化を選択的に阻害する(選択的共刺激遮断薬)。本薬は、従来のカルシニューリン阻害薬による有害作用を回避しつつ、高い免疫抑制効果をもたらすことで、腎移植患者の長期アウトカムを改善することを目的に開発されたという。
抗うつ薬による自殺行為の増加、5剤のSSRI/SNRIで検証/BMJ
抗うつ薬の有害事象として、攻撃行動の増加がみられ、小児/青少年では自殺行為も増えているとの北欧コクランセンター(デンマーク)のTarang Sharma氏らによる研究成果が、BMJ誌オンライン版2016年1月27日号に掲載された。この研究では、抗うつ薬の臨床試験や治験総括報告書(clinical study report)の治療関連有害事象のデータには限界があることも示された。治験総括報告書は製薬企業が医薬品の市販の承認を得るために規制機関に提出する臨床試験の結果の詳細な概要であるが、最近のレビューは、公表された論文には患者の転帰に関する重要な情報が欠けていることが多いと指摘している。