小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:114

生命を脅かす疾患 「低ホスファターゼ症」に光明

 アレクシオンファーマ合同会社(以下、アレクシオン)の主催により、「周産期・乳児期で生命を脅かす危険性が高い“低ホスファターゼ症”初の治療薬登場で変わる治療現場」をテーマに、メディアセミナーが2015年9月17日、東京都千代田区で開催された。冒頭で、同社社長ヘルマン・ストレンガー氏より低ホスファターゼ症(Hypophosphatasia:HPP)治療薬、ストレンジックの日本における開発経緯について説明が行われた。

乳児の細気管支炎、SpO2値90%でもアウトカム良好/Lancet

 細気管支炎で入院した乳児の酸素飽和度(SpO2)目標値は、90%でも、94%とその治療効果や安全性は同等であることが判明した。英国・エジンバラ大学のSteve Cunningham氏らが細気管支炎の乳児615例を対象に行った、二重盲検無作為化同等性試験の結果、報告された。同目標値について、米国小児科学会やWHO(世界保健機構)では90%としている。しかし、その裏付けとなるエビデンスはなかった。Lancet誌2015年9月12日号掲載の報告より。

2つのADHD治療薬、安全性の違いは

 英国・サウサンプトン大学のSamuele Cortese氏らは、注意欠如・多動症(ADHD)児におけるメチルフェニデートとアトモキセチンの有害事象(AE)発現状況を比較検討した。その結果、アトモキセチンはメチルフェニデートに比べ、軽度AEおよび重度AEとも有意に高頻度であることを報告した。CNS Drugs誌オンライン版2015年8月21日号の掲載報告。

アレルギー高リスク乳児でも、急性気管支炎にアドレナリン吸入は効果なし

 乳児の急性細気管支炎に対する気管支拡張薬の吸入療法は、ガイドラインで支持されていないにもかかわらず、アトピー性疾患のある個人には有効と信じられ、しばしば用いられている。しかし、細気管支炎後にアトピー性皮膚炎、アレルギー感作または気管支閉塞を発症した乳児について解析したところ、急性細気管支炎による入院期間はエピネフリン(アドレナリン)吸入によって減少していなかったことが、ノルウェー・オスロ大学のHavard Ove Skjerven氏らによる無作為化二重盲検試験の追跡調査で明らかになった。

小児の院内心停止、アドレナリン投与早いほど転帰良好/JAMA

 小児院内心停止に対するエピネフリン(アドレナリン)の早期投与は、生存退院率や自己心拍再開率など、アウトカムを有意に改善することが示された。米国のベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのLars W. Andersen氏らが、約1,600例の小児患者について行った試験の結果、明らかにした。これまでの検討では、成人患者について、院内心停止患者に対するエピネフリン投与の遅延が生存率低下に関与していることは知られていたが、小児患者については不明であった。JAMA誌2015年8月25日号掲載の報告より。

新生児ビタミンA補給によるアトピーのリスクは女児のみ?

 現在、新生児へのビタミンA補給は、欠乏症のリスクのある国では政策となりつつあるが、先行研究においてアトピーの増加と関連がある可能性が示唆されている。そこで、デンマーク・Statens Serum InstitutのSofie Aage氏らは、ギニアビサウで実施した無作為化比較試験後の長期追跡調査を行った。その結果、女児においてのみ新生児ビタミンA補給がアトピーならびに喘鳴のリスク増加と関連が認められたことを報告した。

思春期の電子タバコ使用が喫煙開始年齢を早める?/JAMA

 米国ロサンゼルスの高校生(14歳)を対象とした追跡調査の結果、eシガレット(電子タバコ)を吸ったことがあると回答した学生は、吸ったことがないと回答した学生と比べて、翌年中にタバコ(葉巻、水タバコを含む可燃性のもの)を吸い始める人が多い傾向が明らかになった。南カリフォルニア大学のAdam M. Leventhal氏らによる報告で、著者は「電子タバコ使用がタバコを吸い始めることと関連しているのかについて、さらなる調査研究が必要だ」と述べている。米国の若者の間では、電子タバコによるニコチン曝露がますます一般的になってきているという。JAMA誌2015年8月18日号掲載の報告より。