小児科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:119

高リスクの小児慢性疾患、総合的ケアで医療費減/JAMA

 慢性疾患を有する高リスクの小児に対し、患者・家族中心の医療(medical home)に基づき専門的治療を含めた総合的なケアの提供は、通常ケアの提供と比較して、重篤な疾患およびコストの低減に結び付くことが、米国・テキサス大学医療センターのRicardo A. Mosquera氏らによる無作為化試験の結果、示された。患者・家族中心の医療は成人または小児慢性疾患における有害転帰やコストの低減には結び付かないとされている。研究グループは、高リスクのとくに小児慢性疾患では、費用対効果が優れる可能性があるとして本検討を行った。JAMA誌2014年12月24・31日号掲載の報告より。

低体温療法の強化、新生児HIEの転帰を改善せず/JAMA

 低酸素性虚血性脳症(HIE)の新生児に対して72時間/33.5℃の低体温療法を行うと、死亡や機能障害が44~55%低減することが報告されているが、動物モデルでは冷却期間がより長く、冷却体温をより低くするほど良好な神経保護作用が得られる可能性が示唆されている。そこで、米国・ウエイン州立大学ミシガン小児病院のSeetha Shankaran氏らは、より強力な低体温療法の有用性を検討したが、アウトカムの改善は得られなかった。JAMA誌2014年12月24・31日号掲載の報告より。

個別遺伝子診断データを国で共有するのは有用か/Lancet

 遺伝子診断は現在、希少な疾患の臨床診断に応用され始めているが、一方で、個々の研究解析で得られたゲノム所見は共有されるべきものなのか、いくつのカテゴリーで共有されるべきものなのかといった問題が国際的な議論のトピックとなっている。また、臨床的に重要な異型を確認し共有するための強固な分析ワークフローの開発も重要な課題となっている。英国・Wellcome Trust Genome CampusのCaroline F Wright氏らは、発達障害に焦点を当てた分析ワークフローの開発に取り組み、その概要と臨床的有用性について報告した。Lancet誌オンライン版2014年12月16日号掲載の報告より。

小児への維持輸液、等張液とすべき/Lancet

 入院中小児患者への維持輸液について、等張液(ナトリウム濃度140mmol/L)の使用が低張液(同77mmol/L)使用よりも、低ナトリウム血症の発生リスクを低下し有害事象を増大しないことが明らかにされた。オーストラリア・メルボルン大学のSarah McNab氏らが無作為化対照二重盲検試験の結果、報告した。小児への維持輸液をめぐっては、低張液使用が低ナトリウム血症と関連しており、神経学的疾患の発生や死亡に結び付いていることが指摘されていた。今回の結果を踏まえて著者は、「小児への維持輸液は、等張液を使用しなければならない」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年11月28日号掲載の報告より。

抗菌薬と小児喘息は本当に関連するのか/BMJ

 スウェーデン・カロリンスカ研究所のAnne K Ortqvist氏らは、従前、指摘されている「胎児期や出生後間もない抗菌薬曝露は小児喘息と関連している」という知見について、交絡因子による補正後も認められるのかを同国住民ベースのコホート研究で調べた。交絡因子として家族因子を用いた兄弟姉妹間比較や、抗菌薬の治療目的別の違いなどを検討した結果、家族因子は同関連を支持するものではなく、また呼吸器感染症の治療目的使用が尿路感染症や皮膚感染症と比べて関連が強いことなどを明らかにした。著者は、「家族因子や呼吸器感染症によって、同関連は示唆されたり否定されたりすることが判明した」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年11月28日号掲載の報告より。

小児てんかんの死亡率を低下させるために

 米国疾病予防管理センター(CDC)のAnbesaw W. Selassie氏らは、2000~2011年までのサウスカロライナ州における小児てんかんの死亡率、ならびにチーム医療がアウトカムに及ぼした影響などについて調査を行った。その結果、小児てんかんの全死亡率は8.8/1,000人年で、死亡の年間リスクは0.84%であることを報告した。そのうえで、チーム医療介入がアウトカムを改善すること、とくに併存症(co-occurring conditions)を有する患者への適切かつタイムリーな介入が早期死亡リスクを減少させうるとした。Morbidity and Mortality Weekly Report 2014年11月7日号の掲載報告。