精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:334

画像診断から統合失調症の理解を深める:高知大

 海馬のサブフィールドを特定する画像診断戦略は、統合失調症の症状と構造的異常を結び付けたり、疾患初期の進行について理解を深めるのに有益な情報を提供しうることが、明らかにされた。統合失調症における海馬容量の低下は、再現性に優れる知見である。また、新たな画像診断技術の開発により、海馬サブフィールド容量の描出が可能となり、被験者の大半が慢性期統合失調症患者であった試験において、疾患感受性や臨床的特性との関連がサブフィールド間で異なることが示されていた。そこで高知大学の河野 充彦氏らは、初回エピソード、亜慢性期および慢性期の統合失調症患者を対象に、多様な海馬サブフィールドの評価を画像診断戦略で行う断面および追跡研究を行った。PLos One誌2015年2月6日号の掲載報告。

アリピプラゾール持続性注射剤の評価は:東京女子医大

 東京女子医科大学の石郷岡 純氏らは、アリピプラゾール月1回投与持続性注射剤(AOM)の有効性および安全性を評価するため、アジア人統合失調症患者を対象にアリピプラゾール経口製剤との非劣性を検証する多施設二重盲検試験を行った。Schizophrenia research誌2015年2月号(オンライン版2014年12月31日号)の掲載報告。

認知症の糖尿病合併、どのような影響があるか

 糖尿病は、認知障害およびアルツハイマー病(AD)の急速な進行のリスク因子として認識されているが、これまで糖尿病合併の有無により、AD患者の認知機能および日常生活機能低下の程度が異なるか否かについては明らかとなっていなかった。米国・イーライリリー社のHaya Ascher-Svanum氏らは、軽度AD患者における糖尿病の有無が認知機能および日常生活機能に及ぼす影響を検討した。その結果、糖尿病合併例は非合併例に比べ、日常生活機能が有意に低下していること、有意差はなかったものの認知機能低下の程度がより大きかったことを報告した。Clinical Therapeutics誌オンライン版2015年2月9日号の掲載報告。

寛解後、抗てんかん薬はすぐに中止すべきか

 てんかんは慢性的な神経障害であり、全世界に数百万の患者が存在する。主な治療法は抗てんかん薬(AED)であり、これにより発作を抑制し、てんかんをコントロールする。AEDは大半の症例で有効であるが、認知機能や行動の変化といった長期有害事象との関連が指摘されている。そのため、寛解を認めたらAEDを中止することが患者にとって最善だと考えられるが、その最適な中止時期については明らかとなっていなかった。英国・リバプール大学のIsabella Strozzi氏らは、AEDの最適な中止時期を明らかにするため、以前に行ったコクランレビュー(2001年第3号に発表)のアップデートを行った。その結果、小児てんかん患者において、発作寛解期間が2年未満の早期にAEDを中止した場合は再発率が高いことを報告し、抗てんかん薬は、最低2年の寛解期間を経た後に中止すべきことを示唆した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年2月11日号の掲載報告。

薬物過剰摂取のリスクを高める薬物は

 米国・テキサス大学健康科学センター・サンアントニオ校のBarbara J. Turner氏らは、非がん性疼痛に対してオピオイド等を投与された患者を対象に後ろ向きコホート研究を行った。結果、オピオイドならびにベンゾジアゼピン系薬の長期投与は薬物過剰摂取と関連しており、オピオイドのリスクはうつ病患者で最も高いこと、うつ病患者では抗うつ薬の長期使用が過剰摂取のリスクを低下させるが、非うつ病患者ではすべての抗うつ薬使用が過剰摂取のリスクを高めることを報告した。Journal of general internal medicine誌オンライン版2015年2月4日号の掲載報告。

フルフェナジンデポをいま一度レビューする

 英国・Enhance Reviews社のNicola Maayan氏らは、統合失調症患者に対するフルフェナジンデカン酸およびエナント酸と、経口抗精神病薬およびその他の神経遮断薬のデポ製剤を比較し、臨床的有効性、社会経済的アウトカムを評価するレビューを行った。その結果、フルフェナジンについてエナント酸よりもデカン酸に関するデータのほうが多く存在すること、いずれも有用な抗精神病製剤であること、データの質は低く有害事象データは曖昧だったがフルフェナジンデカン酸は他の経口抗精神病薬よりも運動障害の発生が少なかったことなどを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「本検討では、アドヒアランスの面でデポ薬に経口薬を上回る有益性は認められなかったが、このことを単純に日常診療には適用できないと思われる」とまとめている。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2015年2月5日号の掲載報告。

ヨガの呼吸法や瞑想、産前うつ軽減によい

 産前うつは、母体と胎児のどちらに対しても身体的、精神的な悪影響を及ぼす可能性がある。産前うつに対するヨガの有効性を明らかにするため、中国・第二軍医大学のHong Gong氏らは、6件の無作為化対照試験(RCT)の妊婦375例を対象に、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、呼吸法や瞑想を通して深いリラックスを促すタイプのヨガにより、うつが軽減されることを報告した。BMC Psychiatry誌オンライン版2015年2月5日号の掲載報告。