精神科/心療内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:338

レビー小体型認知症は日中の眠気がアルツハイマー型より多い傾向

 アルツハイマー型認知症(AD)と比べてレビー小体型認知症(DLB)のほうが、日中の過剰な眠気がみられる患者が、より多いとみられることが、米国・メイヨークリニックのTanis J Ferman氏らによる検討の結果、明らかになった。これまで、レビー小体型認知症の日中の過剰な眠気は、既知の一般的な問題として報告されていたが、アルツハイマー型認知症患者と比較した検討は行われていなかった。Alzheimer's Research & Therapy誌2014年12月10日号の掲載報告。  研究グループは、AD患者とDLB患者を比較して、夜間連続睡眠と日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた。DLB患者61例、AD患者26例に、夜間睡眠ポリグラフ検査を実施した。また、そのうちDLB患者32例、AD患者18例に日中、反復睡眠潜時検査(Multiple Sleep Latency Test:MSLT)を行った。DLB患者の20例について、神経病理学的検査を行った。  レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症を比較して日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた主な結果は以下のとおり。

統合失調症、ビタミンD補充で寛解は期待できるか

 ビタミンD欠乏症は、統合失調症の発症に関与する病因の1つである。多くの統合失調症研究において、血清ビタミンD値が低い症例が報告されているが、疾患活動性と血清ビタミンD値との関連性は明らかになっていなかった。トルコ・Ankara Numune Egitim ve Arastirma HastanesiのRabia Nazik Yuksel氏らは、統合失調症とビタミンD欠乏症との関連を明らかにするため、寛解期および急性期の統合失調症患者の血清ビタミンDレベルを健常対照と比較検討した。その結果、急性期統合失調症患者の血清ビタミンD値は、寛解期の患者および健常対照に比べ有意に低いことを報告し、急性期統合失調症とビタミンD欠乏との関連を示唆した。Therapeutic Advances in Psychopharmacology誌2014年12月号の掲載報告。

抗うつ薬は有用か、てんかん患者のうつ

 てんかん患者のうつ病に対する治療として、抗うつ薬の有効性と安全性、けいれん発作再発に対する有効性を明らかにするため、英国・Leeds General InfirmaryのMelissa J Maguire氏らは8件の臨床試験をレビューした。その結果、抗うつ薬の有効性に対するエビデンスは非常に少なく、また質の高いエビデンスも存在しないことを明らかにし、同領域において大規模な比較臨床試験の必要性を指摘した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年12月3日号の掲載報告。

個別遺伝子診断データを国で共有するのは有用か/Lancet

 遺伝子診断は現在、希少な疾患の臨床診断に応用され始めているが、一方で、個々の研究解析で得られたゲノム所見は共有されるべきものなのか、いくつのカテゴリーで共有されるべきものなのかといった問題が国際的な議論のトピックとなっている。また、臨床的に重要な異型を確認し共有するための強固な分析ワークフローの開発も重要な課題となっている。英国・Wellcome Trust Genome CampusのCaroline F Wright氏らは、発達障害に焦点を当てた分析ワークフローの開発に取り組み、その概要と臨床的有用性について報告した。Lancet誌オンライン版2014年12月16日号掲載の報告より。

うつ病患者で重要な食事指導のポイント

 うつ病や不安症の発症にライフスタイル要因が関与していることを支持するエビデンスが発表され、これら疾患の治療では非薬理学的アプローチの重要性が増している。観察研究によると、習慣的な食生活の質とうつ病との関連が示唆されている。とはいえ、食生活がメンタルヘルスのアウトカムに影響を及ぼす原因についてはあまり知られていない。オーストラリア、ラ・トローブ大学のRachelle S Opie氏らは、うつ病や不安症に対する食事介入療法の成功プログラムの特性を明らかにするため、ランダム化比較試験の系統的レビューを実施した。Public health nutrition誌オンライン版2014年12月3日号の報告。

睡眠薬使用で不眠症患者のQOLは改善するのか

 米国・テキサス大学オースティン校のJulieta Scalo氏らは、全米の代表的な検体を用いて、不眠症および処方された睡眠薬の使用と健康関連QOLとの関連を評価した。その結果、処方睡眠薬の使用有無にかかわらず、不眠症は身体的・精神的QOLスコアの低下と関連していること、ベンゾジアゼピン系薬の使用は、身体的QOLスコアのさらなる低下と関連していたことなどを報告した。Quality of Life Research誌オンライン版2014年11月29日号の掲載報告。

軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標

 軽度認知障害(MCI)からprobableなアルツハイマー型認知症(AD)への進行を予測する新たな診断基準が、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSei J. Lee氏らにより開発提示された。臨床指標をベースとしたリスク予測因子で、臨床医がMCI患者の進行について低リスクvs.高リスクを鑑別するのに役立つ可能性があるという。PLoS One誌2014年12月8日号の掲載報告。

アジアの勃起障害患者、うつ発症に注意が必要

 うつ病は勃起障害(ED)のリスクを増加させ、一方でEDはうつ病を悪化させる可能性がある。しかし、両疾患の因果関係については議論の余地が残っている。さらに、うつ病とEDの関係について、年齢依存的および時間依存的影響に関するエビデンスは限られていた。台湾・高雄医学大学病院のPing-Song Chou氏らは、EDとうつ病との関連を明らかにするため、国民健康保険調査記録データベースを用いて長期コホート試験を実施した。その結果、ED患者はうつ病の発症リスクが高く、とくに診断後1年以内のリスクは非ED者の約3倍高いことを報告した。Journal of Sexual Medicine誌オンライン版2014年12月5日号の掲載報告。

統合失調症患者の抗コリン薬中止、錐体外路症状への影響は

 抗コリン薬は、抗精神病薬により誘発される錐体外路症状(EPS)の治療や予防に対し、何十年も使用されている。しかし、抗コリン薬は、遅発性ジスキネジアの悪化や認知機能障害を含む多くの副作用を引き起こすことが知られている。これまでの研究では、抗精神病薬で治療中の統合失調症患者における抗コリン薬の中止は、EPSの再発率に大幅な影響を及ぼすこと、その一方で、認知機能の改善が認められることが報告されている。カナダ・マギル大学医療センターのJulie Eve Desmarais氏らは、抗コリン薬中止による、運動障害、認知機能、精神症状に対する影響を評価した。Therapeutic advances in psychopharmacology誌2014年12月号の報告。

アルコール依存症治療に期待される抗てんかん薬

 先行研究により、トピラマートはアルコール依存症におけるエチルアルコール摂取を減じるが、認知障害を含むいくつかの有害事象の発現をもたらすことが示唆されている。一方で、ゾニサミドは構造的にアルコール依存症治療薬としての見込みがあり、トピラマートよりも忍容性が大きい可能性があるといわれている。米国・ボストン大学医学部大学院のClifford M. Knapp氏らは、ゾニサミドのアルコール消費への有効性と、アルコール依存症患者における神経毒性作用を調べた。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2014年11月25日号の掲載報告。